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死刑執行:保岡法相の就任後初、3人

 法務省は11日、3人の死刑を執行したと発表した。執行されたのは▽萬谷義幸(68)=大阪拘置所収容▽山本峰照(68)=同▽平野勇(61)=東京拘置所収容--の各死刑囚。死刑執行は6月17日以来3カ月ぶりで、保岡興治法相の命令は8月の就任以降で初めて。死刑執行は法相の命令が出なかった約3年4カ月の中断後、93年3月に再開。再開後に執行された死刑囚は計73人になった。確定死刑囚は102人になった。

 確定判決などによると、萬谷死刑囚は強盗殺人罪の無期懲役刑で受刑し87年に仮出所後4~9カ月の間に、大阪市内で女性(当時19歳)を強盗目的で刺殺、女性(当時18歳)を鉄パイプで殴るなど4件の事件を起こした。

 山本死刑囚は04年、神戸市でいとこの男性(当時68歳)と妻(当時75歳)を刺殺し現金などを奪った。平野死刑囚は94年、以前に住み込みで働いていた栃木県市貝町の牧場経営者(当時72歳)宅に侵入し、経営者と妻(当時68歳)を殺害。現金などを奪い経営者宅に放火して全焼させた。

 平野死刑囚は死刑確定から1年11カ月での執行となった。2年未満での執行は異例だ。山本死刑囚は、期日間整理手続きが採用された公判で初の死刑判決を受けた。公判は3回の短期で結審した。

 保岡法相は00年7~12月の第2次森内閣でも法相を務め、3人の死刑執行を命令した。鳩山邦夫前法相下では4回の執行がほぼ2カ月おきに行われたが、今回もそれに近いペースが維持された。

 保岡法相は11日午前、法務省で会見し「慎重厳正に審査し、法秩序を守る責任者として毅然(きぜん)と行った。時期を選んだわけではない」と説明。前法相に続き執行を会見で発表したことについては「裁判員制度も始まる。可能な範囲で公開することは意義があると思う」と述べた。【石川淳一】

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 ■法相の執行命令数■=93年の再開以降

 法相   在任期間(年・月)   執行数

後藤田正晴(92・12~93・8)   3

三ケ月章 (93・8~94・4)    4

永野茂門 (94・4~94・5)    0

中井洽  (94・5~94・6)    0

前田勲男 (94・6~95・8)    5

田沢智治 (95・8~95・10)   0

宮沢弘  (95・10~96・1)   3

長尾立子 (96・1~96・11)   3

松浦功  (96・11~97・9)   7

下稲葉耕吉(97・9~98・7)    3

中村正三郎(98・7~99・3)    3

陣内孝雄 (99・3~99・10)   3

臼井日出男(99・10~00・7)   2

保岡興治 (00・7~00・12)   3

高村正彦 (00・12~01・4)   0

森山真弓 (01・4~03・9)    5

野沢太三 (03・9~04・9)    2

南野知恵子(04・9~05・10)   1

杉浦正健 (05・10~06・9)   0

長勢甚遠 (06・9~07・8)   10

鳩山邦夫 (07・8~08・8)   13

保岡興治 (08・8~  )      3

毎日新聞 2008年9月11日 東京夕刊

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