【第44回】 2008年09月11日
衆院解散の熱気も幻か?
「麻生総理」で固まった自民総裁選の茶番
じつは共同記者会見の前に開かれた出陣式こそ、22日までの選挙戦を占う格好の材料である。
各陣営とも、参加議員をかき集め、場合によっては秘書にまで声を掛ける。そうやって集めた代理出席を含めた出席者数が、陣営の勢いを誇示することになる。そしてまた、出陣式に集まった議員数が、投票当日の票の目安になる。
告示初日で麻生当確?
緊張感のない無風の総裁選
結論から言えば、国会議員の票だけみると、麻生氏の圧勝である(10日現在)。
各陣営の出陣式への参加議員数は次の通りである。
石原陣営 20人
小池陣営 22人
麻生陣営 127人
石破陣営 14人
与謝野陣営 18人
自民党の国会議員数は386人。過半数は193人である。麻生出陣式は代理出席の秘書38人を加えれば、165人に上る。
このまま推移すれば、総裁選はまったくの無風ということになるだろう。
実際、麻生陣営の空気は弛緩している。麻生選対のあるホテルオークラでは、議員が入れ替わり立ち替わり出入りしている。麻生政権誕生を見込んで、売り込みに来ている議員も多い。
告示日の夜、そうやって訪ねてきた議員たちに囲まれながら、麻生氏は葉巻を吹かしている。これから夜のテレビ出演が控えている。しかし、緊張感はない。
「やることないんだよ。これから呑みに行こうと思うけど、一緒に行く?」
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上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」「小泉の勝利 メディアの敗北」「田中真紀子の恩讐」など著書多数。
永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。