【第44回】 2008年09月11日
衆院解散の熱気も幻か?
「麻生総理」で固まった自民総裁選の茶番
きょう(9月10日)自民党総裁選が告示された。自民党本部で開催された共同記者会見には、数百人の記者やカメラマンが詰め掛け、壮大な「茶番劇」の幕は切って落とされた。
二代連続での総裁の辞任という不祥事を起こした自民党。その後遺症から立ち直るためには、賑々しい総裁選を行うしかない。
その点で、石原伸晃、小池百合子、麻生太郎、石破茂、与謝野馨の5人の候補が乱立したことは幸いではあったのだろう。
「こんなにシラけた
総裁選取材は初めてだ」
共同記者会見では、各候補とも熱弁をふるう。だが、記者会見場はどこか冷めている。隣に座ったベテラン記者の岩田公雄・読売テレビ解説委員がつぶやいた。
「93年から永田町を取材しているが、こんなにシラけた総裁選の取材は初めてだ。過去の選挙のような熱気がまったく感じられない……」
実際、記者からの質問も迫力を欠いていた。記者クラブが事前に用意した3つの質問に答える候補者の方にも緊張感が感じられない。確かに、2年連続の突然の総裁選、気乗りがしないのもわからないでもない。
森喜朗元首相や古賀誠選対委員長などの自民党幹部は、盛んに解散・総選挙について言及している。
「10月3日解散、11月9日総選挙」
総裁すら決まっていないのに、なぜか選挙の日程だけは決まっているようだ。不思議なものである。新聞各紙もその言葉に乗って、「新聞辞令」として選挙日程を流している。なんという茶番であろうか。いったい誰が、この壮大な「茶番劇」を制して、自民党の総裁となるのか。
熱気の感じられない会場を抜け出して、筆者は、各陣営の選対事務所へ向かった。公示日だというのにスタッフが2、3人しかいない石破事務所、本当にこれが日本のトップを決める選挙であろうか。
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上杉隆
(ジャーナリスト)
1968年福岡県生まれ。都留文科大学卒業。テレビ局、衆議院議員公設秘書、ニューヨーク・タイムズ東京支局取材記者などを経て、フリージャーナリストに。「官邸崩壊 安倍政権迷走の一年」「小泉の勝利 メディアの敗北」「田中真紀子の恩讐」など著書多数。
永田町を震撼させる気鋭の政治ジャーナリスト・上杉隆が政界に鋭く斬りこむ週刊コラム。週刊誌よりもホットで早いスクープ情報は、目が離せない。