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友だちの輪
コメント数：0件 \| アクセス: 2573件	09月10日09時53分配信

「友だちの友だちは、みな友だち。世界に広げよう　友だちの輪！！」そういうキャッチフレーズがブレイクした番組があり、現在もお昼の時間帯の長寿番組として続いている。あの『笑っていいとも！』だ。その「テレフォンショッキング・コーナー」は、生放送中に友だちに交渉して、翌日の出演を確約するというもの。

番組スタートはもう20数年前になるが、当初はほんとうにパニックだった。なかなかお目当ての友人に連絡が取れなくて、番組の最後のコーナーをカットするなど、観ているほうがやきもきした。最近は、その番組を観る機会が少なくなったが、冒頭のキャッチフレーズは使われていないようだ。また、出演依頼も事前に済ませているのがみえみえで、番組では確認の電話を入れるだけという設定になっている。

「友だちの輪」といえば、大手の携帯電話会社のCMでも使われている。あの白い犬が出てくるCMだ。最近、友だちの輪を感じる機会がほんとうに少なくなっただけに、そういう設定がすごく斬新にも思えてくる。

友だちはいるが、広く浅く付き合うという人がいても「親友」と呼べる人が少なくなった。お礼の連絡ひとつにしてもメールで済ませる時代。最初は、そういった相手のそっけない態度に違和感があった。まるで、電話で自分の声を聞くのを嫌がっているみたいに感じたからだ。

いまでは、ある程度の年代の人でも、メールを使いこなしている。家族間の連絡、たとえば夕飯の献立の確認もメールでやりとりをする。もちろん、頼まれた品を確認するために店頭の商品を写メールで送るなど、効率的な利用法はある。それでも、やっぱり昔人間。アドレスを取得しているものの携帯メールは苦手だ。

そんな私に、不思議な連鎖反応が起こった。いわゆる「友だちの輪」だ。ある人にプレゼントしたい、その思いを成し遂げるために複数の人たちから思いがけない協力があった。その思いやりの気持ちに感謝していると、さらにうれしいことが重なり、「友だちの輪」は「よろこびの輪」へと発展した。

「なんとかしてあげたい」「協力させていただきたい」自分の身のまわりにいる人のなかには、そういうオーラをもっている人がいる。逆に、できるなら近寄りたくない人もいる。その差はなにか。やっぱり、その人のもつ人徳なのだろうか。

もちろん、自分から相手にものごとを頼むとき、低姿勢でお願いしないといけない。それは、どんな場合でもいえることだ。たとえば友人の車に乗せてもらうとき、最大限の心配りをしなければならない。それは、お礼の品を渡すとかそういう意味ではなく、乗せてもらうことに感謝をするということだ。車に他人を乗せることは、万一の事故の場合、補償問題でこじれる危険性もあるということ。それをずっと頭に入れておくことが大切。実際、私のまわりでも事故によりその後の交友関係にひびが入った例もある。親切心で車に乗せたほうは、大変な被害を被ることになる。

「人になにかをしてあげる」といえば「上から目線」になるが、人と関わるということは、場合によってはその後の関係にも大きく影響する危険性がある。それでも、おせっかいな人はいる。また、なにの見返りも期待しないで、人に関わることが大好きな人もいる。

人づきあいが苦手な私。相手のことを気遣いすぎて疲れてしまうのだ。それでも、自分の思いが通じたときは、よろこびが倍増する。「友だちの輪」はまさに「よろこびの輪」。そういう「輪」が広がっていったなら、この殺伐とした世の中も、もう少し温かい社会になる。

記事ID A23283