警告・問題になった雑誌・コミック・本PAGE4
ぢるぢる旅行記(インド編)/ねこぢる ミステリアスな漫画家”ねこぢる”の一冊です。多分、ねこぢるの顔写真を見た人はほとんどいないんじゃないでしょうか。私も「ガロ」の「ねこぢる特集」で一回しか見た記憶がない。確か美人さんでした。単行本も何冊かあるんですが、正直言って作品はあまり好みではない。だんなの山野一(ねこぢるy)のマンガは大好きなんですが・・・。彼女は31歳で自らの命を絶ってしまいましたが、某ロックミュージシャンと同じ方法だったため、後追いとか噂されたりしました。「ぢるぢる旅行記(インド編)」(ぶんか社)なんですが、掲示板情報によると、P49の「死んだんだろうと思う。その人の望みどおりに・・・」というキャプションが、総集編では削除されているという。総集編は見ていないんですが、確かに「山野一への配慮」かもしれませんね。ねこぢるが好きな人には、追悼研究本「ねこぢる純粋理性批判」が祥伝社から出ているので、そちらもどうぞ。(2005.5.28)
追記・・・「じるじる旅行記(総集編)」(青林堂)が手に入ったので、画像をUPしておきます。確かに上記の言葉だけが削除されてました。後書きを山野一が書いている(旅行の思い出等)ので、彼の意向か、「山野一への配慮」というのは、間違いないところです。(2006.5.13)
中田英寿(日本をフランスに導いた男)/高部務 サッカーのことはあまりよく分かりませんが、最近は、中田のカリスマ性も影を帯びてきたようです。表現の自由にやたら拘っている出版社(褒めてるんです)、鹿砦社(ろくさいしゃ)の本で知りました。この本は別に中田の私生活を好奇の目で暴いたり、泣き所を突いた内容ではなく、実に好意的に扱った、思い入れの強い内容です。中田側は、パブリシティー権(有名人の名前とか写真等は、本人の財産的権利として保護されるという考え方)の侵害という理由で、出版差し止めを要求した。東京地裁は「プライバシー侵害」と中学時代の自筆の詩部分の著作権侵害を認め、出版差し止めと損害賠償の支払いを命じた。高部側は、高裁に控訴し、詩は削除したものの、あとはほとんど同じ改訂版を出している。画像は、まだ詩が掲載されている第5刷です。発行はラインブックスからです。(2005.5.28)
愛苑(創刊号) 古書展で安かったもんですから、入手しておきました。PART2掲載の2号とこの創刊号が、「愛苑」の摘発号です。内容を詳細に点検してみたのですが、摘発箇所がさっぱり分からない。栄泉の作品?。でも、そうであるなら、再び6号で同じ跌を踏むはずないだろうし。摘発となれば記事ではなく、図版が怪しいんですが、とんと見当が付かない。別冊・太陽の「発禁本」にはポンペイ壁画集の図版が載っているのでコレなんでしょうか?。教科書で見たアルタミラの洞窟壁画と区別が付かないような、こんなものが。この摘発は、高橋鐵が関わっている雑誌の、それも創刊号だからじゃないんでしょうか?。つまりは牽制球。あるいは、先制攻撃。2号、3号もあるんですが、それらがお咎めなしで、これと6号のみ摘発。創刊号で先制攻撃して、半年経ったので、ここらでお灸をという構図が浮かび上がります。穿ちすぎでしょうか。(2005.6.18)
BASTARDH巻/萩原一至 掲示板での情報です。小ネタということですが、これまでになかったパターンなので早速UPしました。ジャンプコミックスで1990年の初版なんですが、カバーだけ途中から変わっています。画像(左)が変わる前なんですが、12刷(1992.3.15)です。右画像は変わった後のカバーですが、これが16刷(1992.12.15)。多分16刷で変わったんだと思います。カバー折り込みに、作者はこう書いています。〜世の為 人の為 健全なる青少年を淫らな性犯罪から守るため(笑) 公民としての、社会生活における道徳心に基き、BASTARD!!は9巻カバーイラストを自主的に差し替えました。(中身は同じだぞ) お買い求めの方は、よく内容を、お確かめ下さい。一冊で二度おいしいBASTARD!!(そーでもねーか)〜って、そーでもねーよ。カバーイラストと同じものが、モノクロとはいえ、見開きで入ってるぞ。それに、こんなもんで性犯罪に走るような者は「サザエさん」見たって走ります。さらに、何なんだ途中の(笑)は、女子高生のメールかい。圧力に屈したのなら、そんな照れ隠しせずに、筆を折れ。って、ちょっと取り乱しました。中身読んでもないくせに。なお、確かに内容は同じでした。(2005.6.25)
追記・・・C−ZEROさんより貴重なご指摘がありました。〜このコミック表紙イラストは、自主的に差し替えたのではありません。アメリカのファンタジー・アートの第一人者として大変に有名な、フランク・フラゼッタ氏(日本だと、30年前くらい最も人気のあったアーティスト)『ブラック・スター』という作品の丸パクリだったんです。
内外のコアなSF&ファンタジー・アートでフラゼッタを知らない人間はあまりいません。最近のお若い方はご存じないかもしれませんけど;;;検索ストリング(画像):「フラゼッタ、ブラック・スター」で検索されるか、下をご覧ください。画像の右の人物が模写対象です。
http://picasaweb.google.com/sol.oscuro/FrankFrazetta/photo#5042411602079303250
萩原一至氏は、この「バスタード!」というコミックシリーズ内で、世界中の著名アーティストの模倣をよくしています。
このカバーイラスト差し替え事件については、あまりにも露骨だったのでファンが編集部に指摘したんじゃなかったかと記憶しております。〜(2008.1.21)
風流夢譚/深沢七郎 この作品はいつか読まなければならない、と思ってたんですが読めなかった。というのは、単行本になっていない。なる前に事件が起こってしまった。有名な「風流夢譚事件」。”風流夢譚”を掲載した雑誌の発行元の中央公論社の社長宅を右翼が襲撃し、社長夫人が重傷、お手伝いさんは刺殺されてしまった。その後当然のごとく封印作品となってしまった。問題部分はある文芸誌で読んだことがあるが、全文は読んでいなかった。それが、鹿砦社の雑誌「スキャンダル戦争」Aに、大江健三郎の封印作品「セブンティーン」と共に全文掲載(谷内六郎の挿絵もそのまま)された。発禁文に慣れている私でさえ、いいのこんなこと書いてと思ってしまった。皇室はタブーというのが頭にあるんでしょうね。この小説には”アナーキー”も”頭脳警察”も到底及びません。内容を書くのも恐い気がします。これから先も単行本化、或いは作品集収録は無理(文学的レベルが低いという議論もあるようですが、勿論内容的にです)でしょうから、この雑誌入手しておいた方がいいかもしいれません。(2005.7.25)
検証! 艶姿純情BOYA/藤沢とおる 掲示板の情報を検証してみました。表題コミック(左画像)のセリフが愛蔵版(右画像)では変えられているという情報でした。早速入手してきました。A巻の第15話「思い出の記念樹D」〜親愛なる者へ・・・〜がそれ。ここにヤクザ屋さんと暴走族の喧嘩前のやり取りがあるんですが、暴走族のあんちゃんが「やってみてーなぁー! オレ達未成年だから 殺してもたいした罪にはなんねぇし・・・」という物騒な言葉が吐かれる。これが愛蔵版(@巻)では、「おもしろそーじゃん キモチいーぜ きっと・・・」になってるんですが、前後の展開を読まないと分かりづらいかもしれません。私が検証したのはA巻(1993年6月30日 7刷)、愛蔵版が1997年11月7日 初版)です。この間の凶悪な少年犯罪(神戸の事件もこの時かな?)に関係してるのは間違いなく、指摘があったのか、自主規制したのか分かりませんが、確かに変えられてました。以上、取り急ぎ事実のみ記述させていただきました。少年マガジンコミックスですので、ブックオフで立ち読み(買っても105円)して下さい。なお、作者の藤沢とおるはTV化で有名になった「GTO」の作者です。(2005.8.13)
マイナス/山崎(沖)さやか 1996年「ヤングサンデー」連載時、「遭難クッキング」という話で、少女の丸焼きシーンが問題になり、同誌(9月12日豪)は自主回収となった。その後の単行本にももちろん収録されなかったが、2004年5月に「完全版」ということで、エンターブレインから発刊されました。画像が「遭難クッキング」が収録されているA巻(全3巻)です。早い話、”カニバリズム”問題なんですが、これは昔からタブーで、武田泰淳の小説「ひかりごけ」、ジョージ秋山「アシュラ」然り、「アンデスの正餐」や「佐川君」等、どれもが物議をかもす。”カニバリズム”の実例は、前に読んだことがあるんですが、この他にも知られていない事件(日本にも外国にも)は多い。宗教等が絡んでくると、中々奥の深い問題なんですが、このマンガでは別にどうしても必要というエピソードではない。幼児期のトラウマで、人に嫌われることを極端に恐れ、嫌われないためには殺人も辞さない主人公。ストーリーは非常に面白い。でも、この話は別になくても、という程度です。ほとんどが学校内で繰り広げられる話。この話だけ、野外ということもあり、逆に取って付けたような印象もある。主人公のキャラは他の話でも十分伝わって来ます。まあ、勿論あってもいいんですけど。(2005.8.27)
無人警察/筒井康隆 筒井康隆に「断筆宣言」をさせた、直接の原因になった作品です。画像は、「無人警察」を収録した角川文庫の「にぎやかな未来」。昭和47年10月の4版です。高校生の頃、授業中に読んだのかもしれません。騒動の頃読み直したんですが、「パチンコ必勝原理」という作品は憶えていたんですが、「無人警察」は全然憶えていなかった。事の経緯は、光文社発行の「断筆宣言への軌跡」を読むと分かるんですが・・・。早い話、”日本てんかん協会”から「無人警察」を、収録した教科書から削除または販売中止を求める声明文が出され、その後の騒動は周知のとおり。双方の言い分を読むと、納得する部分と違うよなあという部分の両方ある。「正論」あり、「詭弁」あり、「開き直り」ありです。確かに、てんかんを煩う人の運転する車には、正直乗りたくないし。かといって、書くということは、誰かを必ず傷つける、という論理。私小説作家まで持ち出しても、説得力に欠ける。「断筆宣言」より、「封印宣言」。言うべき事を言った後は、「無人警察」を「風流夢譚」のように、自分から封印する方が良かったんじゃないでしょうか。その後、この作品はどんな扱いを受けてるんでしょうか。最近、筒井康隆の作品を読んでないんで、よく分からない。(2004.9.3)
天華の島/団鬼六 今回のは、あまり知られていません。団鬼六というと、「ハハーン、あっち方面ね」と思ったら、大間違い。これは宗教がらみです。未完のため、単行本にはなっていないと思います。筑摩書房の自社広告雑誌「ちくま」に連載されていましたが、中止されました。その辺の事情が、「ちくま」の2001年3月号(画像)に「連載中止の弁」と題し、本人が書いてます。要は、小説の主人公・井上正鉄(まさかね)を教祖とする禊教の本部、および古神道本宮・身曾岐(みそぎ)神社から、「この小説は教祖を冒涜するものであり、時代考証その他にも間違いがある。ついては即刻、連載を中止して欲しい」という抗議の手紙が、著者および筑摩書房に送られた。それに対し、団本人は時代考証は弟子に任せていたこと、小説を書くのが苦痛になっていること、さらに身曾岐教の宮司が団の妹の夫であること(これが一番の原因と思われる)等を挙げ、中止に踏み切っている。なお、この作品の替わりに、同誌6月号から「落日の譜 雁金準一物語」という囲碁に題材を取った小説を書いている。「真剣士・小池重明」なる将棋の小説も書いている団鬼六ですから、違和感なく読める。(2005.9.17)
トライガン・マキシマム/内藤泰弘 事件のとばっちり作品です。唐沢俊一&村崎百郎の「社会派くんがゆく!」(アスペクト刊)でこの辺の事情を対談している。2000年の12月に、高校生が歌舞伎町のビデオ屋を自作爆弾で爆破する事件があった。犯行後、「人の悲鳴を聞いてみたかった。骨や内臓を見たかった」と供述し、「トライガン」を読んでいることが分かった。その後はいつものパターンで、”マンガの悪影響”論に発展した。パラパラと見たけど、別にどうってことない印象を受けた。たまたま読んでいたというだけじゃないんでしょうか。M君事件で、彼の部屋が公開された時、「若奥様の生下着」という雑誌がやたらと目立ち、オタクもこんなの読むんだなーと思っていたら、後にカメラマンだか記者がわざわざ中心に動かしたというんで問題になった。M君のパーソナリティーをもっとも顕著にする小道具として、たまたまあったその雑誌を使ったらしい。M君の性癖からいって、的外れでしたが、その雑誌が高騰したと聞いたことがある。そんなもんです。「トライガン」も、その他多くの愛読書の一冊でしかないんだと思います。(2005.9.23)
エデンの花/末次由紀 TVや新聞で既にご存じでしょうが、盗用問題で末次由紀の「エデンの花」他、彼女の単行本(講談社)25点が出荷停止・絶版・回収になってしまいました。「別冊フレンド」に連載中の「Silver」の中止も決定された。ネットで検索すると、あるわあるわ。掲示板の書き込みやら、画像を比較して重ね合わせ検証しているページもあり、なるほどと思わされたり、ネットの恐ろしさを改めて再確認したりしました。報道では「スラムダンク」「リアル」(作・井上雄彦)しか書いていなかったが、「バスタード」(作・萩原一至)やら「レンアイの自由」(作・上田美和)、それに画のトレースだけでなく、「電車男」の書き込みセリフの盗用までそれはそれは・・・参りました。講談社のHPにも、広報室と末次由紀のお詫びが載っていた。こうなると、気の毒になってしまうほどです。しかし、過去に問題を起こし、その後傑作をモノにしている漫画家もたくさんいます。これをバネに、末次由紀にも踏ん張ってほしいところです。画像は「エデンの花」のD巻と、「Promise」です。(2005.10.22)
剣と寒紅/福島次郎 正式タイトル、「三島由紀夫−剣と寒紅」でも分かるように、三島由紀夫関連の本です。当時は20代だった三島と作者の同性愛を、赤裸々に告白した小説です。発刊時から三島の遺族から出版差し止めを求められ、結局、手紙15通を遺族の承認なしに掲載(手紙の著作権を認めた)したとし、賠償金500万円と同書を絶版にすることで決着したようです。まあ小説ですから、どこまでが真実でどこまでが創作か計りかねますが、売名行為や暴露を目的に書かれたものでないのは理解できます。プレーン(女好き)な私には、この世界のことはよく分かりませんが、誠実な作品と受け止めました。よく書けているだけに、そして三島の手紙なしでは、この作品の成立がなし得ないことを考えると、事前に承認を受けなかったこと(無理かなとも思いますが)が残念です。古本屋でも新古書店でも、時折見かけますので、読んで損はない作品だと思います。平成10年3月に文藝春秋社から出されました。また、作者の福島次郎は「バスタオル」というホモ・セクシュアルを題材とした小説で芥川賞候補にもなったことがあるそうです。(2005.11.12)
追記・・・裁判を起こした遺族とは、三島の長男と長女です。三島家は、それまでも三島由紀夫の同性愛に関しては強く抗議してきた。1985年に、伝記的映画「MISHIMA」の時も、遙子夫人の強い抗議で、日本では公開されなかったし、三島の「午後の曳航」を英訳したジョン・ネイスンの「三島由紀夫 ある評伝」も、発売一週間で回収され、絶版になった。また、同性愛とは関係ないが、当HPにも一時画像UPしていた、三島事件現場写真掲載の「FRIDAY創刊号」も、回収を要求したということです。三島由紀夫研究が、同性愛抜きになし得ないのなら、遺族の方もそんなにタブーにせず、積極的に協力したら、と思ったりするんですが・・・。「カミングアウト」しても、別に驚きもしない世の中になってきたのだから、三島文学をより深く理解するためにも、必要な気がする。(2006.2.11)
<参考資料・・・「創」200年1・2月号>
まいっちんぐマチコ先生/えびはら武司 いまだに根強い人気を保っている作品ですが、1982年に女性差別ということで問題になりました。学研の単行本(右画像)は絶版になったと思います。学園H系マンガで、スカートめくりやタッチボイン(懐かしきお言葉)、パンチラから一糸纏わぬ描写までありますが、時代を考慮しても別にという感じが無きにしも非ずです。TVのアニメもあったようですが、もちろん私は見てませんが、懐かしがっている世代もあるようです。パチンコ台にもなったようで、検索をかけると「CRまいっちんぐ・・・」というのがいくつも出てきます。実写版のお宝ビデオもあるらしく、人気のほどが伺えます。なお、100円ショップのダイソーのコミックシリーズにもなってますので、格安で入手出来るはずです。(2005.12/10)
十七歳/アラン・Z・ノールマン この本は、かなり前に古本屋で買ったんですが、新聞の切り抜きが2枚挟み込まれていた。2枚とも、この本が摘発・押収された記事です。昭和47年12月12日の、日経と朝日の夕刊です。で、この本が昭和47年10月12日発行の初版。つまり、2ヶ月で発禁になってしまったわけです。本の帯には「スウェーデンのベストセラー」と銘打ち、的倉富士嶺訳で約4万部が取次店を通じて売られていたという。朝日によると、〜警視庁保安一課は、「この本は、十七歳の少女を主人公に近親相姦や同性愛、グループセックスなどを克明に描写し、全編にわたってわいせつな場面が描かれた悪書だ」としている。〜
確かにどのページを開いてもアチチですが、それだけに分かり易い官能小説です。それにしてもグループセックスって、乱交のことか。両方の切り抜き記事に共通しているのが、発行元の二見書房の「エマニエル夫人」(警告を受けた雑誌・コミック+本参照)が、昭和44年に摘発されたことを書いていること。(2005.12.24)
VOW6 SINさんよりの、掲示板情報です。右画像が、現在は別ネタに差し替えられたという元ネタです。北九州市の市政だよりを、「チャゲアスの利用価値とは。」というタイトルで紹介されている。ゼイ・イエスということで、♪〜よけいな税などないよね〜♪で始まる替歌が書いてある。つまり、納税の啓蒙に使われているんですが、”市政だより”だったのがまずかったんでしょうか。誰がどう抗議したのかもう一つ分かりません。チャゲアスが、著作権を訴えたのか、絵が実物よりキモイと嘆いたのか、北九州市が宝島社に「冗談も休み休みやれ」と言ったのか・・・。何の断りもなく変わってしまったということです。北九州市の皆様、何があったんでしょうか?。なお、私のは2刷(1994年7月30日)ですが、いつから改訂版になったんでしょうか。VOWは、元々は”宝島”のいちジャンルに過ぎなかったんですが、有名になったものです。(2006.2.18)
こち亀3巻(射殺命令!?の巻)/秋元治 前にPAGE3で、4巻を取上げたところ、3巻にもということで情報を頂いた。こちらはタイトルと台詞の一部が変えられてます。「射殺命令の巻」が「TV出演の巻」になってますが、内容的には変わっていません。TVの撮影に巻き込まれてのハチャメチャ劇。最後に部長が、「両津たちがもどってきたら、射殺しろ!! もう許さんぞ!!」で終わるんですが、〜射殺しろ!!〜が削除されてます。現役警察官から指摘でもあったんでしょうか?。ゲーム世代の子どもが「射殺」くらいの言葉で、オタオタしないでしょうし、「命の教育」とは別の次元だと思うんですが・・・。私のは1990年の70刷。修正する位ホントに悪いんなら、松下電器のFFファンヒーターのように全部買いとらんかい!と、今回はスゴんじゃいました。(2006.4.1
シャネル・スタイル/渡辺みどり 前に、ロイヤルさんから頂いた情報です。2005年1月初版の、文春文庫「シャネル・スタイル」は、元々、講談社から出た「シャネルの警告 永遠のスタイル」(右画像)を改題し、加筆修正したものです。内容に、産経新聞に掲載されていた「話の肖像画〜(銀座で夢を売る)」の一部を無断転用した部分があり、絶版・回収されました。産経新聞はあまり読まないんで、具体的にどの部分というのは分りませんが、恐らく盗作・パクリ・転載の検証サイトを探せば掲載されているはずです。最近、「釜山港へ帰れ」の元歌騒動を新聞で目にしましたが、必ず見てる人がいるもんです。おーこわ。(2006.4.22)
世紀末リーダー伝たけし!(代表作)/島袋光年 ゴールデンウィークでプレハブの整理をしていて、このマンガが出てきた。ついでに、ウラブブカ(2005年4月号)も出てきた。特集が「少年ジャンプ」で、しまぶー(島袋はこう呼ばれているらしい)の事が記されている。そういえば、かつて掲示板にも情報が寄せられていました。例の事件。つまりは、「児童買春事件」というやつ。出会い系サイトで知り合った16歳の少女に8万円(高え〜)渡して、いろんなことしちゃったというもの。逮捕され、懲役二年の執行猶予四年の刑が確定。島袋の作品は絶版・・・・になったでしょうね、もちろん。その後マンガ家復帰していますが、この手の事件はずっと後を引くから、カッコがつかない。気を付けましょう。(2006.5.6)
追記・・・“ロイヤル”さんより書き込みがありました。〜「世紀末リーダー伝たけし!」はワイド版が発売されて、スーパージャンプで改めてスタートされて完結しています。 〜というものです。(2006.7.22)
遁げろ家康&島津奔る/池宮彰一郎 時代小説が苦手で、ずーっとそのまま。機会を逸してしまうので取り敢えずUPしておきましょう。読んでいないので検証出来ないんですが、情報のみお伝えしておきます。先ず「遁げろ家康」(上下2巻)ですが、司馬遼太郎作品からのパクリがばれ、2002年の末には絶版になってしまいました。画像は朝日文庫で、2002年2月の初版ですので、多分、単行本(朝日新聞社)と同じはずです。「島津奔る」(上下2巻・新潮社)は、柴田練三郎賞受賞の有名作品ですが、やはり司馬遼太郎作品のパクリで、2003年には絶版の憂き目。「資料メモが混在し、誤った」と釈明したが、聞き入れられるはずもない。ブックオフ等で普通にありますので、司馬遼太郎のどの作品のどこからを究明するのも、時代小説好きの方にはお薦めです。なお、この情報は、参考文献「サイゾー」を参考にさせていただきました。(2006.6.10)
少年H/妹尾河童 とにかくよく売れました。文学賞総なめかと言われていた時期もあります。ところが、あまりにも間違いだらけというので大騒ぎになりました。森村誠一の「悪魔の飽食」の写真資料の時と似ています。歴史的記述の間違い、その時代に絶対書けない「オーパーツ」のような記述。「間違いだらけの少年H」という、分厚い検証本まで出され、叩かれました。「小説なんだから、そんな重箱の隅を・・・」と弁明したと聞きますが、巻頭に、少年少女にも読めるように総ルビにしたと、断ってるくらいですから、もうちょっと配慮が必要だったかもしれません。講談社刊の「昭和の・・・」なる本を資料(間違いまで同じだということです)に書かれたと、ネタまでばらされてしまいました。後に文庫(2社から出てるのを見ました。)になり、多少は修正されているということですが、読み比べるには長すぎるので、文庫は持っていません。面白い作品なんですけどね。画像は単行本の上下。(2006.7.8)
血だるま剣法/平田弘史 2004年9月に、「四十余年の封印を解いて」ということで、青林工藝社から発売されました。1962年に日の丸文庫から貸本マンガとして発売されたんですが、「同和問題」を扱ったため部落解放同盟から抗議を受け、回収・廃棄・絶版となった。同和関連の解説部分や禁句には○○や△△、××の伏せ字が使われているが、絵や台詞はそのまま復刻されてます。もの凄い迫力(絵もストーリーも)で、圧倒されます。解説は呉智英。この人しかいませんね。平田弘史の間違いや解放同盟の指摘の誤りも検証してます。封印ではなく、批判も含め、差別とは何か、それと闘うとはどういうことか、人間とは、表現とは、という議論がなければならない、と呉智英は言う。確かにそうです。こんなに正面から同和問題を描いたマンガ(カムイ伝にも出てきますが)は、ないんじゃないでしょうか。これは読んでもらうしかありません。なお、6年後に発表された、リメイク版「おのれらに告ぐ」(主人公を部落出身から流刑人の子として描いた)も併録されてますが、やはりちょっと無理がある感じがします。(2006.7.29)
世界秘密文学選書4冊 清水正二郎(後の胡桃沢耕史)訳で浪速書房から出されましたが、昭和40年の3月から12月にかけて摘発されてしまいました。今でも古書展でよく見かけ、値段も非常に安く、何百円かで入手出来ます。左画像が第一期の7巻「欲望の充足」。この頃は全十巻となってるんですが、「情怨のサロメ」(14巻)を見ても分るように、全十五巻に増えてる。思いの外売れてたんでしょうか。右画像の左は第二期に出た「愛の疼き」。右が第三期の「好色僧正」。どの巻も巻頭にモノクロの外人さんのヌード写真が掲載されてます。また、第一期では著者の検印がないんですが、二期・三期では、洒落た印鑑が押してあります。この検印、是非とも復活して欲しいと思うのは、私だけでしょうか。なお、この時期には、他の出版社からも清水正二郎の訳本がかなり出ています。(2006.8.21)
捜査一課長/清水一行 ありふれた本と、高を括ってたら、中々探せなかったものです。清水一行は、新古書店でもズラーッ並んでるのに、この作品だけ見つからない。まあ、絶版でこれから先も再販は難しいようなので、ひとまずホッとしてます。この作品は、「甲山(かぶとやま)事件」という、有名な冤罪事件を扱ってます。甲山事件は1974年に起こりました。知恵遅れの子供達の施設(兵庫県西宮市)で、男女2人の園児が行方不明になった。捜索の結果、2人は園内の浄化槽から水死体で発見される。17キロのフタが閉まっていたこと、知恵遅れの子供達が犯行を行うはずがないという思い、また、外部からの侵入者の形跡もないないということで、園内の職員に疑いが向けられ、1人の保母(現在は保育士)が逮捕される。その後の経過は長くなるので、知りたい方は、「甲山事件」で検索し参考にしてください。結局は完全無罪になるんですが、清水一行の小説は裁判中に書かれ、あたかもこの保母が犯人かのように扱ったため、こちらも裁判になり、名誉毀損で出版社と清水一行側の負けとなる。という訳で絶版になり、結審はしても再販も難しいかなと思えます。画像は集英社文庫版ですが、新書版もあり、よりレア(発行部数が少ない)ということです。一体真相はどうなのか?興味は尽きない。(2006.9.2)
朱い挑戦者/高見杏子 昭和34年8月5日に光書房から、260円で発行されたんですが、同日摘発の憂き目にあいました。見たとおりのお下劣極まりない、お調子者な表紙。読了即白ポスト(今もあるんでしょうか?)行の雰囲気を、そこはかとなく醸し出してます。この高見杏子はもちろん高見恭子ではなく、又出た清水正二郎です。「ちょっと愛して」の北見洋子(警告を受けた雑誌・コミック・本PAGE2を参照)に化けたと思ったら、今度はデパガ高見杏子の告白記です。レズの相手を寝取られ、欺されて初花を散らした主人公がコールガールになって男達に復讐するという、意味不明な物語。復讐といっても、これでもかの宅八郎の復讐山脈と違って、相手を官能の虜にしてしまうという、願ってもない復讐法。分かり易いのに、何だかよく分らない小説です。見かけたらどうぞ。(2006.10.14)
NEW NUDE3 カメラ毎日別冊の「NEW NUDE」シリーズは、昭和58年の@と、60年に出されたAが警告を受けてますが、61年発行のB(画像)に至ってとうとう摘発され、罰金20万円の記録が残ってます。発禁本はよく、一体どこが?というのがあるんですが、この写真集に関してはコレもアレもで、迷いがありません。特に袋とじになっている部分があるんですが、ここにはナンでもカンでも写ってます。アラーキーと末井昭の“写真時代コンビ”の9ページに渡る写真は、スゴイ!です。「写真時代」でも、ここまではできなかったんじゃないでしょうか?。これは現在でもNGじゃないかと思われます。
この写真集はブック○フのエロ本コーナーで105円で見付けました。このエロオヤジがと、エロ本コーナーを侮ってはいけません。「teNMei」は今でも時々見かけるし、保谷良三のマンガを見かけたことがあるし、とんでもなく高いプレミア付エロ漫画を買った事があるし、時には自販機本が苦し紛れに混じってたりと、忍び難きを忍び、一応は見ておく価値はあります。まあ、地元を離れた時に限りますが・・・。(2006.11.11)
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