宙に浮く「暴追ビデオ」/北九州、学校が“敬遠”

2007/03/02 06:59

 

宙に浮く「暴追ビデオ」/暴力団追放ビデオの試写会 中学や高校の教員向けに行われた、暴力団追放ビデオの試写会=2月6日、北九州市八幡西区

 福岡県警が北九州市の中学や高校で生徒たちに見せてほしいと制作した暴力団追放ビデオが、完成から8カ月が経過しても学校現場で活用されない事態となっている。市教育委員会が「指詰めのシーンなど刺激が強すぎる」として上映するかどうかを各校の判断に委ねたためで、学校も対応に頭を悩ませている。

 北九州市は指定暴力団工藤会の本拠地。ビデオは県警が「暴力団の悪質さを知ってもらおう」と制作に取り組み、昨年7月に完成した。金欲しさから組員になり、組織に利用される若者を描いたもので、現職警官が組長役などで出演している。

 ところが、完成直前に工藤会が「組員の子へのいじめにつながり、人権侵害の恐れがある」と市教委に上映しないよう請願。市教委は昨年12月に請願の影響はないとしながらも「刺激が強すぎ、金持ちのように描かれた暴力団にあこがれを持たれても困る」との理由で上映見送りを決めた。

記事本文へ
 
 

SHIKOKU NEWS 内に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。
すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

Copyright (C) 1997-2008 THE SHIKOKU SHIMBUN. All Rights Reserved.
購読のお申込みは0120-084-459