薬剤の過剰投与で患者を死なせたとして神奈川県警捜査1課と旭署は10日、業務上過失致死の疑いで横浜市旭区にある内科医院の男性院長(59)を書類送検した。
同署によると、院長は昨年2月9日、通院中の同区の女性(当時86)に、抗不整脈剤「リドカイン」の点滴を過剰投与し、死亡させた疑いがある。女性は投与開始から約30分後、急性リドカイン中毒で意識を失い心停止状態になった。その後、心臓の拍動は再開したが意識は戻らず、同年9月7日に脳症で死亡した。
同署によると、院長は投薬するアンプルに含まれるリドカインの量を確認していなかった。このため、本来15時間から24時間程度かけて投与すべきリドカイン点滴を、准看護師に1時間前後で済ませるよう指示したことが事故につながったとしている。