めったに起きないことの例えに「百年に1度」や「何百年に1度」の比ゆがある。起きる可能性より、起きない方に力点が置かれている 最近はそれが変わってきた。金沢の浅野川水害が「2百年に1度の豪雨」だったといい、先日は「千年に1度」の表現まで登場した。利根川流域に千年に1度クラスの大雨が襲ったら最悪1万8千人が死亡するというのである 中央防災会議の警告である。「百年に1度」の豪雨が各地で起きている現実を見れば「千年に1度」の水害も起こり得るのであり、備えが大事というのは分かるが、こうした数字の警告に疑問がないでもない 地震でも、30年や50年内に発生する危険度が数字で示されたことがある。が、最近の大地震は皮肉にも警告から外れた地域ばかりである。百年に1度の災害に遭遇すれば、生涯2度と遭わないと思うのが人情であり、そこに油断が生じないか 「2度あることは3度ある」「悪いことは続く」との忠告の方が分かり易い。何しろ、めったに起きない首相の政権投げ出しが2回も続いた国である。過去の常識に頼るな、ということだろう。
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