運動会開催日を例年の秋から、こいのぼり(中央ポール)はためく5月に変更=5月17日、宇治市・北小倉小 |
スポーツの秋を迎えて、京都府山城地域の小中学校の運動会、体育祭に「異変」が起きている。児童・生徒席へのテント設営や来賓あいさつの省略、開催時期の変更…などで、理由はいずれも熱中症対策とか。この現象、地球温暖化のせいか、近ごろの児童生徒がひ弱なのか−。さて、原因はいずこに?
■飲料水に扇風機… 春開催も
八幡市の小中学校長会は7月、今秋の運動会や体育祭で直射日光から守るために、児童・生徒の席にテントを張ることを決めた。京田辺市なども▽当日、グラウンドに散水▽開催時間の短縮▽スポーツドリンクや扇風機の常備▽飲料水を十分に用意−など対策に知恵を絞る。「来賓あいさつなし」も増えた。
開催時期はこれまで通り9月下旬ごろが多いが、中には変更する学校も。宇治市の北小倉小は、昨年まで秋だった運動会を今年は気候が穏やかな5月に済ませた。城陽市は、10小学校のうち4校で開催日を例年より1カ月近く遅らせるという。
学校側が、過保護にも見える工夫を凝らすのは「最近は、体調不良や立っているのがつらそうな子どもが目立つから」(八幡市教委)。
京田辺市では昨年、開催当日に体調不良を訴えた児童生徒が、全小中学校で計50人に上った。同市教委は「エアコン育ちで、ひ弱になっているのも一因」と推測する。親から熱中症対策などの要望も強く、北小倉小の南享教頭は「春開催は、保護者の評判が良かった」という。
炎天下で元気はつらつ、といったイメージが失われつつある運動会の現実について、宇治市教委は「学校現場は安全が第一。背景には親の意識の変化も大きい」と話している。
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