京都府京丹波町の「丹波ナチュラルスクール」虐待事件で、逮捕された朴聖烈容疑者(60)は、入所者家族が面会に訪れても集団生活の場所だったプレハブ施設を案内していなかったことが10日、府警捜査1課の調べで分かった。プレハブ周辺は異臭を放つなど劣悪な環境で、府警は朴容疑者に隠蔽の意図があったとみている。
調べでは、朴容疑者は約20年前、寺院の敷地を借りて私塾を開設。プレハブは2階建てで約3年前に建てられ、外観も比較的新しかった。
朴容疑者は入所開始から3カ月間を「矯正教育に重要な期間」として家族との面会を禁止。それ以降は許可したが、面会場所は必ず寺の本堂に指定しており、訪れた家族の中には「きれいな施設だった」と好印象を受けた人もいたという。
だが、プレハブ内では賞味期限切れのコンビニ弁当や売れ残りのパンなどが出され、腐臭を放っていたこともあった。窓にはブラインドがかけられ、外から室内の様子がうかがえないようにしていたという。
これまでの調べで、入所者への虐待は朴容疑者が主導し、女子の指導は森下美津枝容疑者(55)が担当。プレハブ内には他にも事務や雑用を担当する職員が数人いたとみられ、府警は事件への関与がなかったか追及する。
一方、京都府と地元消防は11日、事件に関連して合同で施設を調査する。防火設備や構造などに問題があれば、消防法や建築基準法に基づき、行政指導するという。
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