歌舞伎俳優の中村勘三郎さん(53)らが出演する「赤坂大歌舞伎」が3日初日を迎え、本番を前に会場の赤坂ACTシアター(東京都港区)で公開げいこが行われた。海外でも歌舞伎を公演している勘三郎さんは、初めて東京・赤坂で歌舞伎が上演されることについて「うれしいのは赤坂でやるということ。街の方に応援していただけるとうれしい」と喜びを語った。公演は20日まで。
上演される演目は「狐狸狐狸ばなし」と「棒しばり」の2本。「狐狸狐狸ばなし」には、歌舞伎初挑戦の俳優の井之上隆志さん(47)が出演し、「棒しばり」では、勘三郎さんの息子の勘太郎さん(26)、七之助さん(25)が大劇場で初めて「兄弟共演」する。井之上さんは「歌舞伎が初めての方もいらっしゃると思いますが、私も初めて。勘三郎さんから『普通の芝居だから』と言われましたが、まず腰が引けました。そしたら本当に普通の芝居でした」と違和感なくとけ込めた様子。七之助さんは「1カ月間東京でやるのが初めてなので、一所懸命にやりたい」と意気込みを語った。
公開げいこでは、勘三郎さんのアドリブも飛び出し、仕上がりは上々のよう。この日は、赤坂の芸妓衆もお祝いに駆けつけており、古くから勘三郎さんと親交があるという育子ねえさんは「(勘三郎さんは)飲み方が豪快で、でもいつも芸の話ばかり。ここまで偉くなられて、うれしいです」と喜びを語っていた。勘三郎さんは「イヤホンガイドもいらない。見てくれりゃ分かりますから」と敷居の低さを強調して観劇を呼びかけていた。【小林円】
2008年9月3日