【ジャカルタ=代慶達也】インドネシア政府は10日、石油輸出国機構(OPEC)から正式に脱退したと表明した。アジア唯一の加盟国だったが、2004年に原油の純輸入国に転落、生産量も日量100万バレルを割る水準に落ち込んだため。しかし政府は「早期に生産回復を進め、数年内に再加盟を目指す」(プルノモ・エネルギー・鉱物相)としている。
同政府は今年5月にOPECから脱退する方針を表明。その後、政府内には加盟継続論も浮上した。だが、ジャワ島中部にある日量18万バレルのチェプ油田の生産開始が今年後半から来年以降にずれ込むことが明らかになったため、ユドヨノ大統領は脱退を正式決定した。
同国の原油生産量はスハルト政権下の90年代半ばには日量150万バレルを超えた。だが、98年の同政権崩壊後の政治・経済的な混乱で、欧米系石油メジャーが新規投資を控えた結果、原油生産が低迷していた。(10日 23:01)