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当面は集団指導体制で対外強硬論か 異変説の北朝鮮 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:金正日総書記
【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮で9日、行われた建国60周年記念行事に金正日総書記の姿がなかったことから、内外に“異変説”が広がっている。一部では金総書記の死亡説や海外出国説など極端な観測まで流されているが、韓国では政府当局をはじめ今のところ「病気説」が有力だ。
「病気」とした場合、重病で長期にわたるものなら指導体制および国家運営に支障が考えられる。その場合、「先軍政治」を叫ぶ金正日体制は軍部中心のため、「軍部による集団指導体制で国内安定を図り、内外政策とも、柔軟性や新政策などの変化より現状維持の強硬論になる」(北朝鮮専門筋)とする見方が多い。
とくに権力内部や国民の動揺を防ぐため、対内的締め付けが強まる一方、核問題の6カ国協議や対米交渉、日本人拉致問題にかかわる日朝交渉など対外関係の停滞は避けられない。
また「重病」ないし「長期療養」となると当然、内外で後継体制が関心の的になる。「金日成−金正日」に次ぐ3代目の世襲後継者になるのか、その場合、長男の金正男氏なのか、異母弟の二男・金正哲氏なのか、あるいはそれ以外なのか。権力内部や周辺では「誰につくか」「誰をかつぐか」をめぐって、ある種の権力闘争が始まる。