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当面は集団指導体制で対外強硬論か 異変説の北朝鮮 (2/2ページ)
このニュースのトピックス:金正日総書記
金正日氏が1970年代に後継者に決まったような、早くからの後継体制づくりが行われていない段階だけに、ファミリーを巻き込んだ混乱もありうる。
世襲でない場合は「次」を狙う権力闘争はもっと激しくなる。当面は軍部を中心にした集団指導体制を選択するとしても、主導権争いは必至だ。生前の父・金日成とその周辺が長男・金正日氏への世襲後継体制をかなり早い段階で決定したのは、「次」をめぐる権力闘争による体制の動揺、混乱を懸念したためといわれている。
持病としてほとんど定説になっている心臓病発作など一時的な「病気」としても、独裁者の健康不安は国民に不安感や動揺を与え、民心離脱となって「独裁状況」を揺さぶりかねない。とくに経済疲弊や生活苦など、国民の間で現状に対する不満が考えられる困難な国内情勢下では、この種の話は極端なウワサとなって広がる。
したがって外部世界で「重病説」など権力異変説が広範に伝えられているときは、北朝鮮当局としては早期に何らかの形でこれを打ち消す必要がある。金総書記の動静がいつ伝えられるか、北朝鮮の対応が注目される。
一方、1994年7月8日の父・金日成死亡(心臓病)の際は、北朝鮮当局が事前に「特別放送」を予告した後、3時間後の9日正午の放送で死亡が公式発表された。発表は死亡から34時間後だったが、それまでは関連情報はなくウワサもなかった。
今回は未確認情報として病気をはじめ各種の異変説が事前にあり、ソウルでは「病死説」や「事故説」には否定的な見方が多い。