農水省は8日、コメ加工販売「三笠フーズ」(大阪市北区)が国から工業用として仕入れた汚染米の転売先を公表した。カビ毒のアフラトキシンが残留していたコメは鹿児島県の喜界島酒造と西酒造に、残留農薬が基準値を超えていたコメは両社のほか福岡県の光酒造、熊本県の抜群酒造と六調子酒造の5社に販売されていた。同意を得られた5社のみを発表している。

 農林水産省は8日、非食用のコメ(事故米)を取り扱った全国の業者を対象に、転売などの不正がないか一斉点検を行った。 さらに、同省が三笠以外に事故米を販売した18社の企業名も公表。全国の農政事務所を通じ、転売などの不正がないか一斉点検に入った。
 本県では事故米を肥料に用いた青森市内の米穀販売業者1社が対象となったが、不正のないことが確認された。
 同省東北農政局青森農政事務所によると、同事務所は昨年10月、八戸市に運ばれて一部にカビの生えた外国産米270キロの入札を行った。この事故米にカビ毒はなく、青森市内の業者が落札し、今年夏ごろにぬかと混ぜて同社所有の田んぼにまいた。その際は同事務所職員が立ち会って確認をした。
 8日は同事務所の職員が同社を訪れて改めて点検を行った。同社の男性社長(49)は、「事故米が悪いというイメージがあるが、適正に使用すれば資源の再利用になる」と話した