| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
| 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
| 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
| 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
| 28 | 29 | 30 |
医療安全調査委員会の第三次試案に反対します。
誰のためのものなのか、わからないからです。
この委員会は、医療死亡事故が起きた場合に、
原因究明と再発防止を専門的に評価する機関として、設立が検討されています。
さらに、医療の透明性の確保や医療に対する信頼回復につながることによって
医師等が萎縮することなく医療を行えることが目的なのだそうです。
厚労省か内閣府に属して、医師・看護師等・法律家・有識者(患者代表)で構成されます。
第三次試案そのものはこちら
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=495080001&OBJCD=&GROUP
僻地の産科医先生がまとめた、この件に関するブログ一覧はこちら
http://obgy.typepad.jp/blog/2008/04/post-1341-13.html
私見ですが、反対理由の概要は、以下です。
1 患者遺族の気持ちより届け出義務が優先
医療死亡事故について、一定の基準に達したら、全例この委員会に届け出ることになっています。
全ての患者さんのご遺族が、それを望むでしょうか。
医療事故で死亡した患者さんのご遺族の気持ちは、様々です。
謝罪してほしい、補償してほしい、真実が知りたい、再発防止につなげてほしい、
そっとしておいてほしい。
さらに、これらの気持ちは、時の流れと共に変わっていきます。
ご遺族が病院からの説明で納得し、そっとしておいてほしいと思っているのに、
基準に達したら全部調査、という発想は、
到底ご遺族の気持ちに配慮したものとは、思えません。
2 働き者のナースが危ない
例えば「消毒薬の静脈内への誤注入」は、届出の対象になっています。
主としてナースの仕事ですが、このような事故は
働く量が増えれば増える程、起こしやすくなります。
タクシーの運転手さんが、長く運転すればするほど交通事故を起こしやすくなるのと、同じです。
だったら、働かなければ事故はゼロになりますが、そうは行きません。
本気でこのような性質の事故を減らそうと思ったら、事故後に机上で検討することよりも
ナースの注意力が散漫にならない状況で働かせること、つまり「ナースの労働環境の整備」が
本来やるべきことではないでしょうか。
3 産婦人科医の立場からも反対
「医療事故の刑事手続きの対象については(中略)謙抑的な対応が行われることになる」
とあります。
つまり、「この委員会の存在は、医療事故を犯罪として裁くことには、抑制的に働く」ということです。
表現が曖昧過ぎて、全く信用できません。
刑事罰適用を検討する対象を、何故はっきりと明記しないのでしょう。
この点が曖昧なままでは、現場は益々萎縮してしまいます。
内診問題がいい例です。
看護師に内診させたとして、医師・看護師が逮捕されました。
このままでは分娩ができない施設が続出し、地域医療の崩壊につながると
分娩医療機関に大混乱を起こしました。
産婦人科医の団体と厚労省の応酬の末、
看護師は医師の指示によって「診療の補助」として、内診をしていいことになりました。
しかし、結局現場では、看護師は内診していません。
何の火種になるか、わからないからです。
一度萎縮した医療現場は、なかなか元に戻りません。
40年間産院で働いた看護師の技術も、埋もれたままです。
内診してもいい旨、通達されていてすらこの顛末ですので、
大野病院事件で加藤先生が逮捕され、醜悪滅裂な論告求刑がなされた時に
全く明文化されていない「警察・検察による謙抑的な対応」など、誰が信用できるでしょう。
固定リンク | コメント (46) | トラックバック (6)
コメント
コメント一覧
>基準に達したら全部調査、という発想は、
>到底ご遺族の気持ちに配慮したものとは思えません。
届け出の時に、ご遺族のそのときの気持ちも書き添えるなんて事は
考えられないものでしょうか?(あまり期待は出来そうにないですが)
>働かなければ事故はゼロ
>ナースの労働環境の整備が本来やるべきこと
本当に、見るべきところを見ていない気がします。
余裕を持って仕事できる様にする事が、まず先だと思います。
>一度萎縮した医療現場は、なかなか元に戻りません。
医療だけでなく、ダメだったものがOKに変わっても、また次が怖くてなかなか元には戻りませんよね。
お役人主導だと、現場に合わないものが多くて困ります。
私の周りでも、建築基準法の改悪で散々な目にあいました。
そうなったら現場は、地獄です。
当直(24時間覚醒)明けで手術など診療に当たる医師は、ビール大瓶2本飲酒後のほろ酔い期~酩酊初期にあたり、この状態で運転すると交通事故の可能性は 6~7 倍になるといいます。
日本外科学会の調査では、回答者全体の約7割、40代までの9割が当直明けに手術を行っているとありました。
この労働環境を放置しておいて、何かあった時は医療者の中から下手人だけ挙げるのでしょうか。
厚労省のやっていることはどう努力しても理解できません。
医療者の環境改善こそ急がれる課題だと思います。
専門家、学識経験者に働いてもらうにはそれ相応のかなり巨額の予算の裏づけが必要で、そうでなければかえってろくな調査が出来ないと思うのですが。
まず医療に十分な人手を確保できるよう、低医療費政策の見直しこそ大切だと感じます。
なんだか、プライオリティーを誤っているような気がします。
瀕死に近い、産婦人科X年目のるーと申します。
今回の内容について、全く異存は無いです。
なな先生の書かれていることは大切なこと。
でも、最近こおいう内容、多くないですか。
m3のトップを飾る前から拝見させて頂いていますが、
こおいう政治的なことを見たくて、このサイトに来ている方は少なかったようにも感じています。
産婦人科医としての政治的なことは抜きにして、私にはなな先生のような
神のような先生になれることはないのだけれど、それでも。
気持ちをピュアにしたくていつも読んでました。更新が楽しみでした。
先生が主張されたいことは拝観させて頂きました。
でも、そおいうのではない、先生の日常ををいっぱい読ませて頂きたい。
そおいう気持ちでした。
疲弊した一産婦人科医として、コメントさせて頂きました。生意気でごめんなさい。
趣旨を解って頂けたら幸いに存じます。
嫌なやつだと思ったら、無視して頂ければ、自重させて頂きます。申し訳ありません・・。
なな先生。お互い頑張りましょう・・。
例の医政局長通知および産婦人科医会長名の会員各位向けの文書のことをおっしゃっているんでしょうが、
>「内診してもいい」と明記されていてすらこの顛末ですので、
文言上「看護師等の内診可」ということは明記されていません。また、最初の医政局長通知の誤解釈で狂喜乱舞した医会の混乱振りから、その後厚生労働省事務次官および厚生労働大臣も「看護師等の内診不可」を追認しています。
さらに医会も表向きは「看護師等の内診は合法であって、安心して診療に従事されたし」とは明言していません。
従って、現在「看護師等の内診が公に認められた」と考えている産科医は一部の限定的な状況と考えます。
コメントのひとつひとつに大きくうなずいています。
特に、この部分です。
>医療だけでなく、ダメだったものがOKに変わっても、また次が怖くてなかなか元には戻りませんよね。
現場のことは現場で取り決めさせてもらいたい、というのも
共通です。
何時も楽しみに拝見しています。
るー先生のお気持ちは良く解ります。
私もなな先生の「ほのぼの記事」が大好きです。
ウチのような「医療崩壊系」のブログはともかく、
なな先生のような、ほのぼの系ブログにまで
このような記事が続出するのは悲しいことですね。
ただ、現実がそこまで切迫しているのも事実です。
この「医療安全調査委員会」に関しては、
東京地検特捜部長・最高検公判部長を歴任し、現在は弁護士の河上和雄氏は
>結局、捜査機関は独自に動くわけです。
>第三次試案では、調査委員会の通知がないと
>捜査ができないような書き方をしていますが、
>これは法律を無視するものであり、到底受け入れられないでしょう。
と仰っています。
http://www.m3.com/tools/IryoIshin/080408_2.html
>全く明文化されていない「警察・検察による謙抑的な対応」など、誰が信用できるでしょう。
というなな先生の懸念は当然です。
なな先生が過労や訴訟で倒れないように、
このブログの記事が「ほのぼのした産科医の日常」ばかりに
なるように、私は世間に訴え続けていくつもりです。
先生らしい、痛快でわかりやすい例えですね(笑)。
この件で、一番頑張らなくてはならないのは、産婦人科学会です。
少なくとも、学会員の中でも意見が分かれるような状態での法案は
拙速であると考えています。
外科学会のデータに、驚いています。
現状は、そんなことになっていたのですか・・・
危機が叫ばれているのは、主として産科や小児科ですが、
実は外科医の減少ぶりは、より深刻なのだという話を聞いたことがあります。
先生のおっしゃるように、事故調による調査が
労働環境の改善につながるようなところまで及ぶものであれば
また、違ってくるのですが。
本当に、その通りですね。
人が減り、医療費が減る一方で、
仕事とペナルティは増え続けています。
事故調の、少なくとも病理医に関してだけ考えても
正当な報酬が払えるのでしょうか。
厚労省によると、年間2000件の届出を見込んでいるのだそうです。
この予算を、一体どこから捻出するのでしょうね。
いずれにしても、このままの可決は拙速であるように思います。
> なな先生のような神のような先生
現実の私を知る人が聞いたら、椅子から転げ落ちるでしょう(爆)
現実の私は、どこにでもいる産婦人科女医です。
仕事がたまると「きいっ」となることもあれば、
修羅場になると髪振り乱します(笑)。
女性特有のわがままさも持ち合わせています。
なので、ブログは好きなことをわがままに書いていいものと思っていました。
壊れかけた医療を守ろうと、戦っている友人たちがいます。
その姿を見て、黙ってはいられなくなったというのが
今回の記事に込めた思いです。
ちなみに私自身も、自分のほのぼの系の記事の方が好きです。
今後ともよろしくお願い致します。
お互い、頑張りましょうね。
「内診してもいいと明記」は、書き過ぎでしたね。
こっそり(?)本文を訂正しました。
ご指摘ありがとうございます。
ただ後段に関しては、先生とは違う考えを持っています。
少なくとも、自分の所属大学と身近の産婦人科医たちの見解は、
↓ こんな感じではないかと。
http://obgy.typepad.jp/blog/2007/10/post_1133.html
それほどまでに日本の医療を壊滅に導きたいのか!と思います。ま、いまでも既に壊滅状態にありますが、、、。
ただ、医療界の重鎮、いわゆる「化石人類」の先生方には、akagama先生のおっしゃるような味音痴が多いので、「よっしゃよっしゃ、これで手を打とう」なんて言い出さないか、本当に不安に思っています。
日産婦会長を始め、メール陳情をたくさん出してみました。他の先生方も陳情を送っているようですが、少しでも現場の意見が反映されれば・・・と願っています。
たいした力にならないかもしれませんが、何もしないで大騒ぎして文句をたれていても一歩も前進しませんから。
よけいなお世話かもしれませんがひとこと。
誰でも「ほのぼの」の方がすきです。
でも、ほのぼのだけでは、このままでは、医療は崩壊してしまいます。
いやでも、つかれていても、倒れそうでも、現場のものが少しでも声を上げていくことが大切ではないかと思います。
そういう意味で、なな先生はりっぱです。
あの厚労省に対してでさえ、心エコーの点数をみているとパブリックコメントは意外に有効ではないかという気がしています。
彼らもまともなフィードバックを欲しているのかもしれません。
どうかお体を大切に、
お互いにがんばりましょう。
私自身の気持ちまでご理解下さって、ありがとうございます。
先生のブログはいつもポイントがわかりやすく書いてあるので、
この記事を書く際にも参考にさせて頂きました。
痛快な気分を味わいたい時にも、最高です(笑)
先生方の頑張っている姿を見て、黙ってはいられなくなりました。
人員確保にしても予算面にしても、到底立ち行かないと思われる事故調ですが、
始まってから膠着するまでの間に、確実に「犠牲者」が出ます。
医療界の首脳陣にわかってもらえる言葉で、伝えて行きましょう。
なんか、泣けてきそうでした。
この件に尽力している友人たちを支援したいと思いつつも、
このブログにはなじみにくい題材をどう捻ろうかと考えていたため、
第三次試案発表から、ちょっと遅れてしまいました。
私自身も、るー先生と同じ気持ちになりながら、
「もしかして”役割り”を間違ったかな~」と思いながら。
>彼らもまともなフィードバックを欲しているのかもしれません。
目からうろこの落ちる思いです。
なるほど、そうなのかも知れませんね。
今後ともよろしくお願いします。
お久しぶりです。
良い医師が集まる病院の条件とは、お金の問題ではないという先生のご意見に、全く同感です。
我々は、萎縮することなく医療がしたいだけなのに。
大抵のお上は、現場を離れた人です。
刑事訴訟の可能性がどれだけ影響するか理解できないのか、
深く考えていないのか、
それともこのような制度を新設することを、何らかの駆け引きの道具にしているのか
どれかではないかと思ってしまいます。
るー先生のお気持ちはここに集まって来られる医師・助産師・看護師、否医療関係者の多くが共感されることでしょう。
現在の厚労省が機能不全に陥っていることは、直近でも、年金問題・後期高齢者医療保険・特定検診特定保健指導・予防注射などから、明らかです。
また、厚労省にとどまらず、全官庁、政治、日本国民に機能不全は及んでいます。さらには、アメリカ主導の世界の政治経済の構造が大きく変化しつつあり、今後、その流れは加速していくものと思われます。
日本だけが安穏としていられるわけがなく、大きな変化が日本に起こってくることは必然です。その変化は日本国民全体に及ぶことになり、ましては医療単独でどうこうしようとしてもどうなるものではありません。
今の場当たり的に法律に法律を上塗りする複雑怪奇な日本の構造では、今から訪れる大きな変化に対応できるとは到底思えません。どのような構造になるかは誰にも分かりませんが、急激な大きな変化がくることは間違ないと思われます。
「自分の土俵で戦え。」といいますが、厚労省の機能不全に陥った土俵の上で戦っても無駄になると思います。おそらく彼らも自らの機能不全を自覚しつつ、場当たり的な責任逃れを目的とした施策を次々と打ち出しているのでしょう。問題があることは、我々が指摘するまでもなく分かっていながら、それでも態度を変わらせない何かがあるのでしょう。
現行の日本で、医療関連死事故調査委員会第3次試案がそのまま通ったとしても機能するわけがありませんし、さらには、実施は2~3年先になっています。その頃には、日本の医療供給体制は勿論、社会構造全体が大きく変化してしまっていると思われ、現時点で、議論自体がすでに手遅れになっているのです。
「土俵に上がる前にまけるな。」という言葉もあります。この場合の土俵は、新しい土俵です。新しい土俵で頑張るためにも、今は、医師の精神を守り通すことが最大のチャレンジングなことだと、私は考えています。
「一灯一隅」ななせんせいの土俵でななせんせいらしい力を発揮してください。
ななせんせいのブログで勇気付けられている者の一人であるため、長文となってしまい失礼しました。
(長くなるので、わけて書き込みます)
医療安全委員会をきちんと機能させるために、世界標準としての2005年にできたWHOの医療安全システムのガイドラインがあります
以下はWHOガイドラインの第6章で述べられている、医療安全システムの調査委員会がきちんと成立するために必要なキーポイントも掲載されています。。
具体的な根拠も本文中に詳しく述べられています。
*WHO - Draft guidelines for adverse event reporting and learning systems
http://www.who.int/patientsafety/events/05/Reporting_Guidelines.pdf
6.CHARACTERISTICS OF SUCCESSFUL REPORTING SYSTEMS
1.Non-punitive Reporters are free from fear of retaliation against themselves
or punishment of others as a result of reporting.
刑事罰を行わないー医療事故(診療関連死)の報告者は、報告をしたことにより刑罰から免責されなければならない。
2.Confidential The identities of the patient, reporter, and institution are
never revealed.
秘匿ー診療関連死の患者名、報告者(医療従事者)、医療機関は決して第三者に明かされてはならない。
3.Independent The reporting system is independent of any authority
with power to punish the reporter or the organization.
独立性ー報告システム(医療安全委員会)は、報告者や医療機関を罰する権限を持つ当局から独立していなければならない。
4.Expert analysis Reports are evaluated by experts who understand the
clinical circumstances and are trained to recognize underlying
systems causes.
専門家の分析ー診療関連死の報告は診療関連死が起きた状況を理解でき、かつ問題となっているシステムを把握できるようにきちんと訓練を受けた専門家によって評価されなければならない。
5.Timely Reports are analysed promptly and recommendations
are rapidly disseminated to those who need to know, especially
when serious hazards are identified.
時宜を得た報告は、特に重大な状況であると判った時は、即座に分析され、いち早く情報を必要とする人々(医療従事者)に広く周知されねばならない。
6.Systems-oriented Recommendations focus on changes in systems, processes,
or products, rather than being targeted at individual
performance.
システムそのものの問題の勧告ー診療関連死の当事者である医療従事者の個人の能力に目を向けるのではなく、システム、過程、結果の変化に焦点を当てることが望ましい。
7.Responsive The agency that receives reports is capable of disseminating
recommendations. Participating organizations
commit to implementing recommendations whenever
possible.
反応ー報告を受けた部局は、勧告を周知させることができる。関係する機関は可能な限りいつでも、勧告を実行に移さねばならない。
現在の厚生省の試案を読む限り、7項目のキーポイント全てがごっそり抜け落ちているのです。(WHOのガイドラインの第7章には、国としてしなければいけないことが述べられています)
WHOガイドラインと7項目のキーポイントと厚生省試案の違いは、
1.医療従事者への刑事罰が可能、
2.医療安全委員会において診療関連死の情報がメンバー以外(例えば裁判所とか検察とか)にも知らされて裁判の資料にもなる、
3.医療行政や医師を管轄する厚生省の中に医療安全委員会が置かれるため独立性がない、
4.診療関連死の分析は専門家以外のメンバー(一般市民や患者家族代表)も加わった委員会でなされる、
5.分析に時間がかかる、
6.システムの問題ではなく医療従事者個人や個々の医療機関の責任に帰される、
7.勧告を実行するにあたっての財源や人的資源の保証がない、など、一体全体、なにを根拠に、なにを目的に、なにをモデルにした医療安全委員会試案なのか、全く意味と価値のない内容です。
私も、試案に反対致します。
これを防ぐためには国会議員との連携を密にして国民に理解できるように説明して国民の理解を得ていくしかありません。マスコミが第3次で納得しろというのは無謀なことを言うな!と思いますが、冷静に考えると【どこか、何次試案で決着をつけるか?】これは心して置かないと、棚上げで結局事態に変化はなかった、、、、
これだけは避けねばなりません。
どこかで妥協案を作る、これは肝にして議論に参加したいと思います。
医師が一緒にいないと出産時に助産師は困る?
感覚的になんか違うんだよなぁ、、、って思いました。
産後の子宮収縮剤の使用の話。
助産師さんもNPのような立場ができるといいと感じました。
妊娠後、医師に診察してもらう。正常分娩なら、先生、うまれるよぉ、、、、
加藤先生のようなケースは、、、そりゃ、、、専門医でもああなっちゃうのだから、、、
試案は具体的なポイントの指摘がないこと。
パンピーは、、、ありゃ、医師の資格をはく奪する委員会と同じかな?と思うでしょうね。
ひょっとしたら、福島の検察がひどいからKr省でやろうなぁんてことになったわけではないようです。
万波医師の腎移植の話なんて、どうするんでしょうね。
病気腎だからわかりやすいかもしれないけれど、医療って同じことをやっていても考え方次第で、つかまってしまうんじゃあんまりだよね。
何だか、本当に恩師の言葉を聞いているような、温かい気持ちです(笑)
るー先生にもとっても私にとっても、心ある、前向きなコメントを
ありがとうございます。
>実施は2~3年先
そうでしたね。この点を忘れるところでした。
既に現在、2、3年前には考えられなかったような医療事情になっています。
今から更に2、3年先なんて、一体どんなことになっているでしょうね。
医療が荒れる中、
「患者さんに向き合うことしかできない自分は、何と無力なのだろう」
と思っていました。
でも、それでいいのですね。
本当にありがとうございました。
先生のこのご意見を出されたら、厚労省も事故調推進派も、
ぐうの音も出ないのではないでしょうか。
こんな素晴らしい叡智を持った先生が、いらっしゃるのだということに
感動しています。
このコメント欄に留めておくのは勿体ないと思ったのは
私だけではないようで、
WHOのガイドラインと胆になる部分を、自分のブログに引用させてほしいという打診がありました。
お許し頂けますでしょうか。よろしくお願い致します。
お教え下さったことに、心より感謝致します。
ありがとうございました。
>どこかで妥協案を作る
現実的なご意見ですね。
産婦人科学会は、この第三次試案を妥協点と考えているようですが、
諸先生方がご指摘されているように、妥協してはならない点が
山盛りになっています。
しかし、100点でなくても、ある程度は仕方がないのかも知れません。
推進派と歩み寄る姿勢も大切ということですね。
さすがの視点ですね(笑)。
我々医師には思いつかないパンピーの視点を、わかりやすく解説して下さいました。
> ひょっとしたら、福島の検察がひどいからKr省でやろうなぁんてことになったわけではないようです。
あはははっ、これ、すごいです!!
なな先生、恐縮です。
既に「産科医療のこれから」ブログの僻地の産科医先生が私のコメントを転載して下さっているようです。
事後承諾になりますが、お役に立てるのなら引用してくださって構いません。
厚生省の試案の対案として出すなら、WHOのガイドラインどおりの内容がベストだと思います。
世界中の専門家が議論を重ねて出した医療安全委員会システムのガイドラインです。
2002年から全てのWHO加盟国間でPatient safetyの連合ができてから3年の議論を重ねて出てきたものです。
それにしても、厚生省も本家本元のWHOとは大いに関係しているはずなのに、なぜ三次試案のような内容を出してくるのか、怒っています。
意識的に無視しているのか、読んでは見たものの、内容が理解できないか、のいずれかでしょう。
医療従事者が安心して誇りを持って働いていける制度・法律でなければ、どんな試案もただの作文にしか過ぎません。
私は臨床医を辞めるつもりはなく、理不尽なことには断固として戦っていきます。
先生が下さったコメントには、皆が感じるものがあるようですね。
僻地の産科医先生は、この問題に関して力一杯戦っています。
今回、先生のコメントを引用したいと連絡をくれたのは、更に別の友人です(笑)。
記事が書けたらTBしてもらうようにしますので、お読み頂けましたら幸いです。
私も、先生のお考えについて行きます。
臨床医であり続け、患者さんに向き合いながら
できる範囲で声を挙げて行きます。
勇気を下さいまして、ありがとうございました。
普通のときには、、、病気のときには、、、それぞれ考え方がかわってしまうからね。
人間は勝手だからなぁ、、、
政治は制度を作るときには制度趣旨を明確にしなくてはならないが、日本では、官僚がそういうことを嫌います。
マニニュアルとかビジョンもあいまいにしたがる。
お役人様には立場があるからね。だから政治家が必要なのだけれど、日本には風土が育たなかった。
だから医師会がしっかりしないといけないが、自民党の亜流に終わっている。金持ち喧嘩せず。w
現場ではまじめな医師ほど苦しんでいる。
医師会は最初からお話の外として。
今回の法案には、内科学会も外科学会も一般人も法律家も賛成、
反対しているのは一部の現場医師、という相容になってしまっています。
後はせめて産婦人科学会に期待したいところですが。
>医師は医師で素人の考えを排除する傾向がある。
なんだかこの傾向、よくわかる気がします。
自分がそうなってしまっていることに苦しみつつ、
素人さんを説得できずに苦しむという、二重苦です。
>人間は勝手だからなぁ、、、
こう考えると、ふっと心に余裕ができますね(笑)
私もとまとさんくらい、達観できるといいのですが・・・
毎度、コメントは難しいけど、たまに寄ります。
今夜は、英語で遊ばないとがソロバンで知人が協力しているからみろと強要された。1925から。
何故なら私は、医療過誤にあったから。
現在、ある手術後、末梢神経を損傷させられ、神経因性
の疼痛患者になりました。
手術をした医師達には、理解されず、ドクハラまでされて。
おまけに、疼痛治療をするための投薬が合わず、突発性
難聴になるは、アナフィラキシー状態になるはで、
死にかけた事が何度もあります。
こんな状態でもう5年です。
身内には、沢山の医師がいて、私自身も医療従事者になれる
資格も持っています。
医師の皆さんの気持ちが理解出来ないわけではありません。
でも、私は、この制度に賛成です。
医師法第1条を、もちろん、お読みになったことがあるかと
思いますが・・・
医師は、医療及び保健指導を掌ることによって公衆衛生
の向上及び増進に寄与し、もって国民の健康な生活を
確保するものとする。
と書いてありますよね?
国民の健康な生活を確保出来なかったのならば、その原因
を第3者機関によって精査されるべきだと思いますし、
人の命に関わるプライドを持った医師であるならば、司法
の判断に委ねられる時は、正々堂々と判断を待つべきでは
ありませんか?
罰を言い渡されるならば、真摯に受け止めるべきです。
医療は、医師でなければ施せないのですから・・・
ご自分方では、完璧に説明もし手術をしたと思っていても
実は、患者はそうではなかった。
ということもあるでしょ?
患者の私が言うのだから、有り得ますよね?
この制度で、全ての人が不幸になるという考え方は、古い
考えだと思います。
高いところから患者を見下している言葉のように感じます。
患者や患者の家族は、そんなに弱くありませんよ。
トラックバックされた記事を読んで参りました。
わたしの書き込んだ内容をコアにして、ご自分の意見をしっかり述べておられ、むしろ引用して頂いた私のほうが感謝しております。
専門家が議論を重ねて出した世界保健機関(WHO)の医療安全委員会のガイドラインは素晴らしいと思います。
ガイドラインの一つ一つに、明確な根拠が与えられています。
なぜ診療関連死報告で医療従事者を刑事罰にしてはいけないのか、なぜ診療関連死の分析には専門家以外を入れてはいけないのか、なぜ医療安全委員会は医療行政当局とは独立したのものでなければならないのか、医療安全委員会での診療関連死報告資料を裁判の資料としてはいけないのか、などなどWHOのガイドラインには明確な根拠が述べられています。
厚生省の試案には根拠すら述べられていませんし、あったとししてもあいまいです。
厚労省の第三次試案は、WHOのガイドラインとは相容れない点が多すぎて、医療安全には決してつながらないと思います。
WHOのガイドラインの日本語訳があれば、なおわかりやすいと思います。
厚生省試案は世界の標準とはかけ離れた内容であり、改めて反対し、あるいは廃案を強く望みます。
事故調の問題点については、このブログよりはるかに深い議論があちこちでなされています。
このコメント欄の鶴亀松五郎先生のコメント、WHOの医療安全委員会ガイドライン、
TB下さった「勤務医・開業つれづれ日記2」に、ちーさんの問いかけへのお返事になるものが
記してあると思います。
私が追加するまでもないのですが、以下2点について補足します。
>国民の健康な生活を確保出来なかったのならば、その原因
を第3者機関によって精査されるべきだと思いますし、
第3次機関の必要性は、我々も感じています。
しかし、この試案はまだまだ欠陥の多い試案です。
>人の命に関わるプライドを持った医師であるならば、司法
の判断に委ねられる時は、正々堂々と判断を待つべきでは
ありませんか?
刑事罰が、医療事故再発防止効果はないことは、こちらです ↓
http://www.igakushoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2497dir/n2497_02.htm
再発防止を目的としないのであれば、お話は別です。
医師に刑事罰を科している国は、先進国では日本だけです。
多くの国家はWHOのガイドラインに沿っています。
このガイドラインには、何故医療死亡事故に刑事罰を科してはならないのか、書いてあります。
先生にはこれまで何度も様々なことを教えて頂き、
心を支えて頂きました。
今回先生が下さったコメントは、恐らく一生忘れられないでしょう。
発信力のあるブログを書いている3人の先生が、
更に多くの人に語りかけてくれました。
この流れが、医療安全を守る方向につながってくれると信じています。
本当にありがとうございました。
私も、鶴亀先生のコメントを引用させて頂き、少しでもお役に立ちたいです。よろしくおねがいします。
世界基準を無視した試案が作られないことを願っています。
先生のブログもまた大勢のファンの方がいらっしゃいますし、
読者層が違います。
よろしくお願い致します。
小松先生、ななのつぶやき読んでいらっしゃいます ..。*♡
鶴亀松五郎先生すばらしいです!!!
MRIC
http://mric.tanaka.md/2008/04/26/_vol_51_1.html#more
尊敬する小松先生も引用してくださるなんて光栄です。
実は、大野病院事件を切っ掛けとした、正当な医療における診療関連死の刑事事件化には怒り心頭でした。
こんなことは日本以外の先進国ではありえないことです。
WHOの、このガイドラインについては、発表された2005年当時から知っていましたが、厚生省の医療安全委員会の議論が迷走しており、あまりに世界の標準とかけ離れた試案が提出させそうになり危機感を持って、あつかふぇ先生、ことり先生、そしてなな先生のブログに紹介させて頂きました。
その後、Dr.Takechan先生、akagama先生、僻地の産科医先生(産科医療のこれから)も引用して下さいました。
他の先生がたも、わたしの記事とは別に、このガイドラインと厚生省の試案の驚くべき乖離を問題視されて、ご自身のブログでコメントされていらっしゃいました。
厚生省の議論が開始された当時、既に、WHOのガイドラインは発表されていましたから、厚生省はこのガイドラインを知っていても敢えて無視したのかしれません。
あるいは、読んでみても内容を把握できなかったのかもしれません。
とんでもないことです。
性急に法案とはせず、議論を重ね、WHOのガイドラインに則った医療安全委員会システムを法制化すべきです。
鶴亀松五郎先生、素晴しいです!
諸先生方のブログとは、それぞれ読者層が異なりますので
先生のこのコメントは、恐らく何千人何万人の人が目にしたと思います。
厚労省がWHOのガイドラインを無視したとしても、理解できなかったとしても、
先生のおっしゃるように、とんでもないことです。
しかし先生のコメントを拝読して、厚労省のこの重大な瑕疵に気づいた人が
大勢いるのではないでしょうか。
性急な法制化を食い止める流れに、きっとつながると思っております。
コメントを書く