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| 28 | 29 | 30 |
分娩施設と産婦人科医は、減少の一途を辿っています。
分娩施設は、この12年間で1200箇所減りました。
1年で100箇所減っている計算になります。
出生数は120万人から100万人へと17%減なのに対し、
分娩施設の減り幅は32%減です。
昨年度は、少なくとも111箇所が分娩取り扱いをやめました。
今年も既に18箇所の分娩取り扱い中止が決まっています。
産婦人科医は、1990年には1万3千人いましたが、今は1万人を切っています。
年間180人減っている計算ですので、このペースで減り続けたら
60年後には絶滅します。
全勤務医師に占める産婦人科医の割合から見ても、
30年前には10%だったものが、現在は4%を下回りました。
医師の中でもなり手の少ない科ということになります。
一昨日には、日本産婦人科学会より
「緊急的産婦人科医確保が必要な医療機関の調査」報告書が出され、
一部の該当施設には、防衛医大から産婦人科医が派遣されることが検討されています。
勤務医不足が止まらない現状では、今後は全科に波及する可能性があります。
徴医制度時代の到来です。
昨年9月には、同じく日本産婦人科学会から厚生労働大臣に
産婦人科勤務医の待遇改善に関する陳情書が提出され、その中で
「現に勤務している医師の労働内容を適正に評価し、それに応じた処遇を行うべきであること、
新人の養成も極めて重要だが、現に勤務している医師の知識と技術を失うことはダメージが大きいこと」
が盛り込まれていました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ある病院で、4月からの若手産科医の給料が、従来の半分に減らされることになったのだそうです。
産婦人科は、他科と離れて独自の当直体制・オンコール体制をとっており、
若手でも一人前の働きをせざるを得ないこと、
また、時給にするとコンビニバイトより安い当直料ですが、
他科に比べて当直回数がずっと多いことなどから
若手の給料も常勤医師と同じになっていました。
しかし、病院の首脳陣が「それでは他科とのバランスが取れない」と言い出して、
減給を強行したのだそうです。
そもそも、勤務形態が他科とは違っています。
百歩譲っても、産婦人科に限らず全科で勤務医不足が言われているのですから、
他科の若手医師の給与を産婦人科の水準に合わせる、という発想はないのでしょうか。
そして院内の状況だけではなく、産婦人科医療の現状は冒頭に書いた通りです。
こんな時代に、産婦人科医を大切にできない病院は
これからどんどん危機が訪れてくる他科の医師たちも、大事にしないでしょう。
合掌。
(参考)
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コメント
コメント一覧
>他科の若手医師の給与を産婦人科の水準に合わせる、という発想はないのでしょうか。
>こんな時代に、産婦人科医を大切にできない病院は
>これからどんどん危機が訪れてくる他科の医師たちも、大事にしないでしょう。
ちょっとイメージが違うかも入れませんが、お偉いさんには「低いところに合わせる」という発想は望めないのですかね?
「自分を大切にする人は他人も大切にできて、みんながみんなを大切に思う」医療に限らず、こんな世の中になって欲しいものです。
以前は、ご心配をおかけいたしました。
危機的な状況になった時、病院の姿勢がはっきりわかりますね。
私の勤務先では、四月から七月にかけて、診療業務を徐々に縮小の予定になっています。まじめに療養している患者さんと、まじめに仕事をしている職員を大切にして行こうとの方針です。
行政や司法に協力できることは全てやった上での部分撤退ですから、やむをえないところでしょう。
最近、外来担当日以外はよく寝坊をしています(苦笑)。この感覚が戻ってきたということは、体調も元に戻ってきたということでしょう。
最近は、暇そうな雰囲気を保ちながら、困ったことは全てフォローし、冗談ばかり言い始めています。
新しく赴任する医師がいない状況ですから、できるだけ消耗がないようにしないといけません。ぱたっと体が動かなくなって一ヶ月半休んで復帰した頃から、言い続けていたことでした。
ですから、体調を崩しはじめた一年半前より勤務環境は改善しています。医師を大切にするというのは、給料を増やすことではなく、医師がお互いにカバーし、医師でなくてもよいことは、他の職員にカバーしてもらい、お互いに無理が出ない環境にしていくことだというのを、周囲もようやく気付いたみたいです。
状況の厳しさは変わりませんが、桜の開花とともに、どうにか維持していこうといった雰囲気でまとまっています。大変な時期こそ、職種や立場を問わず、無理がないよう調整していくことが大切ですね。
憲法の生存権が脅かされ続けている異常事態を長年に渡り、医師数抑制・医療費削減政策により放置されてきました。
出会った頃に彼氏に普通の会社の普通の有給休暇について説明すると、きょとんとしていたのを思い出しました。
今回防衛医大から緊急派遣される医師は後期研修医の医官2名だそうですが、防衛医大もてんてこ舞いでやっているでしょうに、寸足らずのお洋服をお尻で引っ張りお腹で引っ張りを繰り返しているようなものです。
また、どの科もへとへとですが、産科と関わり合う小児科や麻酔科も人が特に足りないので過重な労働を強いられています。(私の知人もかなり上の先生なのにフル回転されてます)
今回の派遣先ではそちらの科は人が足りているのでしょうか。
お金の事をお話しすると母に叱られたものでしたが、でも…お給料を低い方に合わせるのはさっぱり解りません☆
医師を守り、大切にしてくれる病院がステキですね。
すべての医師が安心して安全に働ける、普通の職場を勝ち得る日を祈っています。
光が射しますように…!
産婦人科と小児科、麻酔科のお医者様は本当にそうだと思います。でも、せめて、何か一つでもあの過剰労働に報いてあげて欲しいです。
お給料は労働に対してきちんと払って差し上げてほしいです。個人的にはもっと優遇してあげていただきたいくらいです。
今、小児科が休診だと動揺する私ですが、地域に2件しかない小児科のお医者様が通常の病院が閉まっている時間も開けて頑張っていらっしゃるのを見ると、先生、この時間は休んでくださいと思ってしまいます。
産婦人科に至っては1件です。
自分がいなければみんなが困ると頑張っていらっしゃる姿を見ると、申し訳なくなります。
そんなお医者様たちにせめてお給料だけでもきちんとしてほしいです。
子どもたちが、そしてお医者様が住みよい社会になってほしいものです。
先生達。こんなに一所懸命やってるんだもの。
患者に胸を張って訴えてほしいとおもいます。がんばれー!
新聞では、分娩施設の集約化を図ったり、集約化が図ることのできない地域は、大学病院の苦しい人員の中から、派遣されたと聞いています。
最近、勤務医だった産婦人科の女医さんがレディースクリニックを開業しました。もちろん、お産は取り扱わず、婦人科や女性外来のような形態になっています。これからは、産婦人科の先生もそうやって風になってしまうのかな?とちょっと心配になって、そのHPを見ていました。
もっと、産婦人科の先生の待遇改善を考えて欲しいです。「今回の診療報酬改正なんかじゃ、解決しない」と私は思っていますが、なな先生は今回の改正の産婦人科の部分についてはどう、お考えですか?
若手の報酬が半減した件、イタイですね。おそらく公立(公的)病院というよりは民間病院の例でしょうか。公立の場合、給与規定として条例などで定められているため、尾鷲のような特別報酬とするにせよ、減額するにせよ、議会の議決が必要になります。いずれにしてもその病院に未来は無いと思います。
現状を改善するには、がんばっている医師に対して正当な報酬の確保が当然あがりますが、現状診療報酬体制下では、その原資がありません。今回の改正で若干ハイリスク妊娠管理が評価されましたが、それは施設に吸収され、現場のスタッフまでまわりません。
学会だったか医会だったかの出した「分娩適正費用55万」も、自費でその額をもらったとしても、どうでしょう。
また従来の医局頼みの医師派遣も行き詰っては、独自に医師を集めねば、地域の中心たる公立(公的)病院でさえ、危ういです。
で、結局いうことをきく(きかせられる)医師が犠牲になります。防衛医官、県立病院医師、、、。
しかしながら、本省(厚生労働省)にいる医官に行かせてはどうかということにはなりません。
現状を憂えるに、この国の医療は厚労省の手中にあり、生かすも殺すも厚労省の考え次第であって、改善するには一旦限界点まで行かなければならないのかもと思います。
そぐようなことのない体制になってほしいです。
一般的に偉い人の考えは、どうもわかりません。
病院上層部にありがちなのは、「当院は名門である」という陳腐なプライドです。
なので、まずは経費削減を敢行。
後は、当院で働きたがる医者なんかいくらでもいるだろう、という思考回路です。
昨年度に産科を閉鎖した病院のリストを見ると、
壮々たる名前が連なっています。
偉い人は、あんなものは見ないんでしょうね。
ちなみにリストは、この記事にTBを下さった「やぶ医師のつぶやき」の
Dr.I先生のブログで見ることができます。
春の陽のようなやわらかい雰囲気を感じるコメントに、
ちょっと安心しております。
先生の病院は、いい病院ですね。
患者さんにしても職員にしても、まじめに取り組んでいる人が守られるようにできていると、
患者さんも職員も、より能力が発揮できるものだと思います。
「医師でなくても良いことは、他の職員がカバーする」という発想は、
本文に引用した日産婦の陳情書にも書かれていました。
私の病院も、そうならないかなぁ(笑)
ちなみに当直室への当直衣運びは、何故か私の仕事です。
暇そうな雰囲気をかもし出していると、実際暇な時のような穏やかな気持ちになれそうですね。
いっぱい冗談を言って、たっぷり和んで、少しずつ癒えていきますように。
エビさんの医療事情へのご理解の深さには、いつもながら感服します。
本当に彼のことを、愛していらっしゃるのですね。
> 足らずのお洋服をお尻で引っ張りお腹で引っ張りを繰り返しているようなもの
上手い例えです!
そして引っ張られた洋服は、時期に擦り切れてきます。
嗚呼。
当然のことながら、防衛医大だって人手は足りません。
誰が見たってわかることなのに、何故なんでしょうね。
厚労省が、自分たちの功名心のためにやっているのだとしたら・・・
いえ、考えるのはやめましょう。
「どこの科もへとへと」と言うのも本当で、記事中の病院では、小児科の先生たちも
「そんなんなら辞めちゃおうか」と言っているとのことです。
絶滅危惧種たちのこの声が、届きますように。
「お金ではどうにもならないところに来ているけれども、
給料はきちんと払ってほしい」
あっきぃさんの、おっしゃる通りです。
給料はお金そのものが手に入ることであると同時に、
評価の表れでもあります。
産婦人科に対する病院首脳陣の評価は「減給」なのかと思うと・・・
心が折れそうになります。
60年後、産科医が絶滅するとしたら、他の科も似たような状況になっているでしょう。
もしそんなことになったら、今の子供たち・その子供たちは
一体どうなってしまうのでしょう。
どこかで、歯止めがかかりますように。
現在臨床に携わっていない方々を前線に送り込むなんて、もっと恐ろしいことだと思います。
その医師は現場を知ることができてよいかもしれませんが、行った先の方々は皆一層不幸になりそうな気が。
産婦人科をはじめとした医療も同じことで、維持できる最低線を下回ったら、その時点でその地域の産科はおしまいです。どんなに集約化を進めても、産科医がゼロになる60年後ではなくて、それより遥か手前で産科は壊滅するでしょう。
そうならないようにするためには、今できることを全力でやらなければならないはずなのに、「これなら何とかなりそうだ」という方針がまだ出てきません。どうにもならないんじゃないかなと、半ば諦めつつある今日この頃ですが、医療がなくなっては全国民が困るので、何とかしなければとも思います。
無理かなあ。
いま中国地方の私立の基幹病院に勤務しています。給与水準は、すごくいいとは言いませんが、ひどすぎるというほどでもなく、まあ、いいかなくらい。待遇面で不満をいう先生はそんなにいないし、そういう不満でやめる人もいません。でありながら経営的には毎年大幅な黒字を計上しています。前向きというか攻めの経営、というか、スタッフにきちんとした報酬を払い、より良いサービスを患者様に提供しますます病院は栄える、といういいサイクルを維持できています。私立なので、もちろん公的な補助金などゼロ。地方によってさまざまな事情があり一概には言えないですが、病院の経営ひとつで相当現場の環境って変わるなあと以前貧乏病院にいたぶん余計に実感しました。
ため息を通り越えて怒りですね。
他の企業などもこういうやり方なのでしょうか?
ひどいことだと思いますが、看護師の処遇も含めて現実的にはそうやって淘汰されていくのでしょうね。
上部組織(公立であれば市や県)→病院←職員のプレッシャーでは、上部組織に顔を向けるところが出来るのは容易に想像つきます。
破綻へまっしぐら・・・
いい方法は浮かびません。
ニーズがあると感じる間は頑張るつもりですが、船を降り損ねない気配りも必要ですかねえ。
失礼ですが僕の“なな”は愛犬と同じ名前なので、いつも読ませていただいていますが、医療の崩壊は困ったものです。
誰が悪いというのではなく、国民が悪いのです。勿論、マスコミも悪い、厚労省も悪い、政治家も悪い・・・。医師も悪いのですが、やはり最終的には国民が悪いのであって、最後に困るのは国民です。
僕は医師ではないので、単にいち国民の立場からこの医療崩壊は困るので、何とかしようと努力しようとしています。まだ“しようしている”だけで、実行に移れていません。忙しくて時間がないのです。はやく何とかしなければと思いつつ、時間が過ぎていきます。
以前、堀田力先生を福祉の世界に引き入れたとき、なんで法務省官房長をやめてボランティアの世界に入るのですかと聞いたときがあります。17年前の話です。
答えは“今、僕は54歳だが、体力を考えるとこれが最後のチャンスだと思った”とのこと。自分もその歳になりました。
ラストチャンスか・・・・、と思いつつ時間のない日日を過ごしています。
はーい。^^/
若手ですが、当直代をきちんと(夜勤ではなく、当直としての金額ですが)貰っていた以前の職場では、産婦人科の上司(科長以外)より収入は多かったです。(=その分当直に使われていた&翌日休暇は制度上はあっても人手が足りないので事実上ありませんで、少なく見積もっても月に400時間以上は病院にいましたが)
ほんとは多くの産婦人科医(他の科の医師も)が欲しいのは沢山の給料じゃなくて、まともな生活なんです。
「忙しいのはある程度我慢する。誰かが忙しくせざるをえない状態なのは分かるから。本当は業務を減らして休みをくれと言いたいが、我慢する。だからせめて、給料ぐらいは上げてくれ」
ななさんのブログは心温まる記事やコメントが多いのでいつも心地良くなっています。そんな中、今日はちょっとお耳汚しなコメントで済みません。
我々医師の置かれた苦境をご理解下さって、ありがとうございます。
ないんですよー、労働組合。少なくとも医師が加入しているというお話は、聞いたことがありません。
目の前の患者さんに、医療事情の逼迫ぶりをお話する機会はまずありませんが、
こうしてブログを通して、ぐーさんのようにご理解下さる方かいるのを見ると、
広い意味では伝えることができているのかと、ほっとします。
ちなみにスト権もないのですが、福島事件にまかり間違って無罪以外の判決が出たりしたら、
医師による大規模なストライキが行われるかも・・・
なんていう噂もあるようです。
防衛医大からの産婦人科医派遣は、どうも目的が理解できずにいます。
こんな状況で人員配置だけ変えても、一時しのぎにしかなりません。
ある施設に産婦人科医がいないことや、分娩施設がなくなることが問題の本質ではなく、
産婦人科医の人数が少ないことが問題なのです。
産婦人科領域の診療報酬改定は、ハイリスク妊娠管理加算ですが、
寡少の病院収益にはなるとしても、医師の待遇改善につながる可能性はないと思っています。
第一、とうにお金の問題ではなくなっているのですから。
この病院も、ごくありふれた病院です。
多くの産婦人科がやっているように、当直は外勤に頼っていて、
当直医が見つからないと常勤医が埋めるし、
急なキャンセルや遅刻があっても、当然常勤医が埋めることになっています。
産婦人科が独自の人脈に頼って当直医を探し回って、
どんな医者が来ようが、来ない日が何日あろうが、
病院首脳陣はノータッチという体制です。
一般企業だったらあり得ない杜撰な職員管理ですが、多くの産婦人科で常態化しています。
異常な就業体制は、時間外や緊急opeの手当てが一切出ないことや、
36時間以上の連続勤務が当然になっていることだけではない、ということでしょう。
異常さ・杜撰さを少しでも和らげるのがせめて給与、つまり評価ですが、
これが減額、つまりマイナス評価では、もうボキッと行かないわけがないと思います。
医療を決めている厚労省は、こういう病理を理解できないのか、
理解しているのに見ないふりをしているのか、どちらなのでしょうね。
いずれにしても、人もいない、お金も出さない病院には、
KEIさんのおっしゃるように未来はありませんね。
合掌合掌。
温かいひと言を、ありがとうございます。
残った産婦人科医はみな、やる気を持って頑張っています。
だからこそ生き残っています。
産婦人科医に限らず、頑張っている人は正当に評価される世の中であってほしいですね。
おっしゃる通りですね。あまりにその通り過ぎて、コメントの余地がないくらい(笑)
それにしても、そうすると臨床を知らない人の使い道は・・・
ないんでしょうね、やっぱり。
何だかとっても先生らしい例えですね(笑)
しかし・・・油断しました、60年後ならもう生きていないだろうから
産科医療が息を引き取る姿を見ないで済むだろうと思っていたのに。
>「これなら何とかなりそうだ」という方針
多分、徴医制度とか診療報酬改定とか、
そんな小手先のことではどうにもならないのではないでしょうか。
地方に欠けているものは、医療だけではありません。
もっと、地方文化とか国土計画とか、
そんな大規模なものを変えないと解決しないのでは、と、最近思っています。
なんてうらやましい(笑)
Cocoro先生の病院の経営方針をお聞きして、
経済誌に載っていた、成功しているホテルの総支配人の帝王学を思い出しました。
曰く、
「お客様を紳士・淑女として丁重におもてなしするためには、
従業員も紳士・淑女として尊重されなければならない」のだそうです。
「当ホテルで一番美味しいものを出しているのは、職員食(メインダイニングではなく)」とも。
今の時代、病院のトップは、現場を知っているだけではなく
職員の管理能力にも優れていないとならないのでしょう。
あるいはこの病院、淘汰されるべくして淘汰の途上にあるのかもしれませんね。
先生のコメントを読んで、ふとそう思いました。
産婦人科医の待遇改善の申し出を拒否した院長のいる病院が
やはり最近、産科閉鎖に追い込まれました。
そんな例を活かせないのでは、行き着く先は同じでしょう。
> 船を降り損ねない気配りも必要ですかねえ。
必要です、必要!(笑)
わんちゃん、かわいい名前ですね~(笑)
一般の人にお願いしたいことはいくつかありますが、
ケンタロウさんのように、医療崩壊に危機感を感じてくれる方が増えることも、そのひとつです。
忙しくて時間がない気持ち、よーーくわかります(笑)
できそうなことからで充分です。
どうか力を貸して下さい。
ケンタロウさんのような意識を、少しでも広めて下さい。
これからもよろしくお願い致します。
とっても共感するコメントです。
何しろ、前線の産科医は3000人だそうです。
なんだかもう、珍しい羽毛をした絶滅途上の鳥が、
震えながら身を寄せ合って、恐々辺りを見回しているような感じです。
絶滅危惧種同士だからでしょうか、先生のおっしゃること、とてもよくわかるのです(笑)
忙しいのがイヤだったら、最初から産婦人科医になってませんよね。
せめてもうちょっとまともに評価してほしいだけなのです。
夜中の早剥C/S→DIC管理がゼロ円なのだけは勘弁して~
本当に上の考えることはよくわからない。
どこの世界にもいえることだと思うのですが、国のお偉いさんは現場の何をみているのでしょうか?
うちの県は乳幼児死亡率が非常に高いところです。でも、出産の数は全国的にみて多いのです。でも、どんどん公的機関の産科の取り扱い施設は減ってきています。
どれだけのリスクを伴いながら、日々仕事をしているかということが分かっているのでしょうか。なぜ、一律にあわせる必要があるのでしょうか。産科の急変は他科の急変とはわけが違うと思うのですが。ボランティアで仕事をしているわけではないでしょうに。
自分の体も時には危険にさらして仕事をされている医師もいます。なぜ、こんなことになるのでしょう。私は医師ではありませんが、このような状況に怒りを覚えます。
この医療の崩壊は止められないのでしょうか。どうなっていくのでしょうか・・・
とここまで書きましたが、人間、希望を捨ててはいけません。嘆いていても、妊婦さん、産婦さんはやってくる。とにかく今を精一杯すること。現場の声を伝えることが私たちにできることではないかと思います。それがブログであったり、書籍であったり。
ずいぶん以前の話ですが、フジテレビのキャスターが看護師(当時看護婦)の劣悪な労働環境にかなり力を入れて本を出し、講演をし、メディアを動かして看護の世界が大きく変わったことがあると記憶しています。そのような大きな流れがやってこないでしょうか。いえ、周産期に携わるものが本気で流れを変えていかなければいけないときにきているのでしょうね。
少々酔っ払っており、支離滅裂、長文失礼しました。
助産師の世界でもがんばって生きたいと思います!
現在勤めている病院には、八年前に赴任したのですが、崩壊状態でした。
トラブルや事故も多く、いつになっても外来診察も病棟診察も終わらず、日勤も当直も関係なく、皆が疲弊しきっていました。しかし。理念という種だけは残っていました。
ずっと昔、皆にとって良い環境と雰囲気で仕事をさせてもらったことがありますから、七年前に医局長を引き受けてから、五年くらいで普通の病院になりました。血相を変えて怒ることも多かったですね。今は、患者さんがかなり多くなっているのですが、午前中には外来診察は終わり、午後と土日祝日は静かです。トラブルや事故も、めっきり少なくなりました。
この四月で、昨年の副院長辞任に続き、ずっと兼任していた医局長も辞める予定だったのですが、慰留されてしまいました(苦笑)。事務長が、神妙な表情で依頼にきたのには、笑ってしまいました。
お互いにカバーできる環境にするには、五年くらいは必要ですね。そして、拡大の方針だけだった経営陣も、縮小やむなしとの決断には、悩んだことでしょう。不透明な情勢では、現状を維持し、大切にしないといけないことを大切にし、下手に動かないようにしよう、という提案に同意してくれています。
もちろん、当直室に白衣を私が運ぶなどということはありません。ちょっと行こうか?と言うと、「私がやりますから、先生は休んでいてください」には助かります。
実は昨晩、こちらもいい気分でななさんのコメントを読んで、
ななさんに合わせてほろ酔いでお返事を書こうと思ったのですが、
書けませんでした(笑)。
乳幼児死亡が多いのですか・・・
新生児死亡は、新生児専門医の数と相関関係があるようです。
それを考えると、小児科医を始めとする医療者数の減少は、
確実に死人を出すことになるのでは、と
心底恐れています。
助産師も、全く足りません。
助産師の数が爆発的に増えれば、分娩施設の減少は食い止められるというデータがありますが、
助産師も増える気配もありません。
例えば、当院も助産師を募集しているようですが、応募がありません。
待遇が悪すぎるのです。
この、周産期医療の崩壊ぶりと、異常なまでの待遇の悪さは、
どうしてなのでしょうね。
こんな時こそ、丁寧な医療を心がけています。
そのことが、ひとつの拠り所になります。
心と身体を大切にしながら、目の前のことを着実にこなしていきましょうね。
かつて臨床で産科看護師と助産師をしていたものです。現在は、社会のすみっこで看護師養成に携わっています。
助産師数は、今後簡単に増えることはないように思います。希望者はそれなりにいますが、まず養成所が足りない。また、臨床が疲弊していますので、実習受け入れ先が十分にない(看護師養成も状況は同じです) 看護師養成は4年制大学化の一途をたどっていますが、そこに6ヶ月コースで助産師養成をいれる場合は、ほんの数件の助産実習(ここに見学を含めてしまう場合もあります)で終了となってしまいます。また、大学院での2年コースも声が上がっていますが、どこも学費が高額ですし、おいそれと通えるものではなく、また、臨床の人的資源に還元されるかどうかは不明です。
助産学生を教えたこともありましたが、そういえばその頃から、産婦さんご本人から受け持ちの快諾を受けても、ご家族の反対で断られることも多かったです。看護学生であっても同様です。ご心配なお気持ちはとてもよくわかる一方で、学生がつく=ベテラン(といっても4~5年目ですが)の専門職が通常業務よりも濃厚に関わることを知っている側としては、非常にもどかしいものがあります。学生がつかなければ、普通の患者様を担当するのは1~2年目が多いのです…
ミスがあってはならない現場で学生として学ぶ意味を、我々も、そして医療を受ける側の皆様にも等しく共有できればと思います。
現状を見るにつけても、疲弊した臨床に、学生たちを送り出すことの意味を良い方向で考えることが難しくなるばかりです。
皆にとって良い環境と雰囲気で仕事したご経験と、
疲弊し切った病院を立て直したご経験は、
今の時代、非常に貴重なノウハウではないでしょうか。
今後、疲弊した病院が続出することが予想されます。
皆にとって良い環境とはどのようなものか、
それを実現するにはどうしたらいいのかを、
教えて頂きたい後達は、いっぱいいると思います。
もちろん、理念が残っていることが大前提ですが。
>ちょっと行こうか?と言うと、「私がやりますから、先生は休んでいてください」
うらやましいですね。
うちの病院でこれをやったら
「じゃあ、これとこれもお願いします」って言われそう(笑)
助産師が増える見込みも、産婦人科医が増える見込みと同じくらい薄いようですね。
以下、医療現場の危機打開と再建をめざす国会議員連盟の
3月6日シンポジウムの議事録からです。
http://www.iryogiren.net/report/gijiroku/080306.html
「助産師さんの方は、20000人ほどが分娩の現場で働いていただく必要があります。助産師数は厚労省の統計では25000人なんですが、産婦人科医会が実際に現場で働いている助産師の数を統計を取りますと、18000-19000人ぐらいとなっています。ですから、3-4000人は現場の助産師さんを増やさなければならない。ともかく産婦人科医が減らないでやめないということと、助産師は4000人増える、ということが必要です。
助産師さんの方は、これは養成施設の問題であります。一応助産師の養成施設の志望者の倍率はいつでも何倍もあります。助産師になりたい方はたくさんおられる。ただ、養成施設が足りない。でいま現状毎年1600人しか養成できない。ですからこれを400人増やせば10年経てばその必要な数をまかなえるという計算になります。」
実習がしにくくなっていることも、医学生や研修医と同じです。
お産に研修医が立ち会うのや、研修医が点滴するのを断られることが、
以前より増えているように思います。
気持ちはわからないではないですが、由々しい傾向です。
産科医も助産師も増えないのでは、どうなってしまうのでしょうね・・・
愚痴ばかりで、いつも失礼います。(苦笑)
赴任してからは、まず職員の不満に耳を傾けました。
そして私に対する不満も遠慮なく言ってもらいました。
ギクシャクした雰囲気が数年続きました。そして、
問題が出た時は、勤務時間も夜昼も関係なく、すぐ
出かけて対処していました。
無理がたたったのか、一年半前から、体調がどうも・・・
昨年の六月、急に体がいうことを聞かなくなり、半年くらい
体も精神も不安定、職員には迷惑をかけ、経営にも心配され
ました。
今は、あまり無理もなくなりましたが、やはり心配されて
います。四月から外来担当が増えますが、無理な時は休養と
いうことにさせてもらっています。
明日は外来診察ではありませんから、急ぐこともありません。
休ませてもらおうかと思っています。こういった雰囲気だと
助かりますね。暇そうな雰囲気を保っていると、職員も安心
してくれます。
しかし、今月から常勤医師が一人減り、後がない状況です。
医局チームの誰からダウンしたら、再び崩壊でしょう。
幸い、春の訪れと同時に、体調も気力も回復してきています。
そして、いつものんびりした雰囲気でやっています。回復が
起動に乗り始めた時期に無理をしないのが大切ですね。
>うらやましいですね。
二年半くらい前は、ななさんの病院と同様の雰囲気が残って
いました。一年くらい前、そろそろ無理だと思っていた頃、
なぜか、こういった雰囲気に変わりはじめました。
う~ん、社会全体が人を尊重しなくなっている、ということになりますね。
しかし、K&R先生の病院のようなところも、実在します。
スパイラルの正負を分けるものは、何でしょうね。
>私に対する不満も遠慮なく言ってもらいました。
とても勇気が要りますが、本気で改善しようと思ったら、不可欠なものではないでしょうか。
私の病院にも、患者さんからの投書箱があり、病院の会議で羅列はされますが
個人に知らされるシステムになっていません。
他山の石として襟を正そう、ということなのかも知れませんが
自分に向けられた意見として受け止めるのと比べたら、全然インパクトが違います。
K&R先生のところのように、調子が悪い時にはスムーズに休める体制が
社会全体で当然になれば、時間外コンビニ受診が激減して
救急医療の崩壊の勢いが緩むかも知れませんね。
健康より仕事を大切にする今の風潮は、本当はとてもおかしなものだと思っています。
今日から4月ですね。
心新たに、ゆっくりやりましょう。
中小病院の経営者のはしくれとして一言。
年度末は人の退職がつきものです。
昨日、退職する看護師が挨拶に来ました。
看護師「お世話になりありがとうございました。」
私 「何か病院はあなたの役に立てましたか?」
看護師「本当に勉強になりました。看護師としてだけではなく、人間としていろいろ教えていただきました。・・・甘えることなく、新しい場所で挑戦していきたい。」
私、 「がんばってね。」
最後に看護師は素敵な手紙をくれ、涙ぐみながらも元気に部屋を出て行きました。
経営者として、報われました。
今日は退職予定の電子カルテ担当の男子職員が挨拶に来ました。
事務職員「本当にお世話になりました。」
私 「何かいやなことでもあったのではないですか?」
事務職員「いえ、本当にこの病院に来て良かったと思います。仲間にもよくしてもらいました。」
私 「次はどんなところで働くの?」
事務職員「電子カルテを扱う会社で働きます。」
私 「頑張れよ」
事務職員は涙ぐみながらも元気に部屋を出て行きました。4年前に当院に就職したときには、心がぼろぼろの状態でしたので、当院にきて元気になり、また、旅立って行くことを嬉しく思いました。
経営者として、報われました。
昨年度の収支がまずまずだったので、本日、わずかながら職員全員に特別賞与を支給しました。
PTの責任者がお礼に来ました。今回の保険点数改訂は実際にはマイナスになっており、リハビリ点数なども下がる中、私の気持ちを充分に理解した上でのお礼でした。
経営者として、報われました。
病院にとって、まさに厳しい経営環境が続いており厳しさは増すばかりですが、日々の仕事の中で、嬉しいこともあちこちにあります。
心洗われる、いいお話ですね(笑)。
いつかブログに引用した、イソップ物語の「北風と太陽」の
太陽のような、それもでがんばる先生です。
こんな時代だからこそ、お互い労い、認め、ありがとうの言葉を掛け合いたいと感じます。
まずはトップの先生から始めることによって、末端まで浸透していくものなのかも知れません。
朝から温かい気持ちになれました。
ありがとうございます。
産婦人科を大切にしないととんでもないしっぺ返しが来ることを予想できないのでしょうか?この先、何が起こるのか?を常に予想しながらリードできない首脳陣には早々に引退して欲しいものです。
先生も頑張って戦ってください。応援しています。
今夜は珍しくほろ酔い加減でのコメントをさせて頂きます。
私は今、アダルトチルドレンであったが故に、「他者とのコミュニケーションが上手く取れない」という事で週1回カウンセリングを受けています。
みんな、自分の思っている事を話せればいいのに。
そこから次のステップに進めばいいのに。
何か接点がないと、そこから先に進めないのに。
思った事を話せない頑固者の願いです。
先生のおっしゃるように、平等の意味をはきちがえているように思います、
既に診療科によって医療事情が違うのに、全ての科を同じように扱おうとすることが
間違っているのだと思います。
応援ありがとうございます。
脳外科だって、決して楽な状況ではない折に
産婦人科の医療事情を慮って下さる先生のお心に、感謝します。
最近の医療をめぐる政府やマスコミの言動を見ていると
「声の大きいものが勝つ」ということが、方々で起きています。
控えめな人、やさしい人の方が
生きにくい世の中になってしまったような気がしてなりません。
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