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1 「また、お願いします」
産婦人科医を何年かやっていると、2人目の赤ちゃんを妊娠して、来て下さる方がいます。
1、2歳になった上の子を連れて、
「せんせー、次の子妊娠しました。またお願いしまーす」。
産婦人科医として、至福の瞬間です。
現在、その妊婦さん・彩香さん(仮名)が外来にいらっしゃっています。
彩香さんは、なんと平成生まれの経産婦さんです。
いつも、はちきれるような若い笑顔で、
右腕にベビーカーとバッグ、左腕に上の子を抱いて、
元気に健診にやってきます。
好奇心旺盛のお子さんが、見慣れない診察室ではしゃごうものなら
「ほらっ、ママは今、先生とお話しているの。静かにしてっ!」
と、ぴしっと叱っています。
大きなお腹であの若さで、何て立派なのでしょう。
「偉いですよね~、立派! 今、大変だろうけど、がんばって」
そう言うと、
「普段だれも褒めてくれないから、うれしいです」
ちょっと照れながら、微笑んでいました。
頑張る若いママに、幸多かれ。
2 パワーの基本
こちらは、3人目の赤ちゃんのお産のお話。
破水して、子宮口はほぼ全開大、
通常なら、スムーズにお産になるはずです。
ところが予想に反して、なかなかお産になりません。
いきんでいるのに、何だか力が入っていない様子。
「どうしましたか。力、入りにくいですか」とお聞きしたら、
「お腹すいた・・・」。
た、大変!!
当直食のフルーツゼリーとスプーンをひったくって、速攻で分娩室に戻ると、
同時にナースから、お饅頭とチョコレートが差し入れられました。
産婦さん、分娩台の上で、分娩の体位を取ったまま、
お饅頭とチョコレートとフルーツゼリーを、陣痛の合間に完食!
数分後に、見事4000g近い赤ちゃんをお産されました。
天晴!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
こんないい仕事、産婦人科医くらいだと思うのです。
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コメント
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同感!
この一言に尽きます。
素敵なお話いつもありがとうございます。
お身体ご自愛くださいね。
よく食べて、陣痛の合間に眠れるとぐんと進みますね。
分娩室で、時々おやつの差し入れをします。
私のクリニックの院長先生がその昔取り上げた赤ちゃんが、今お母さんとなって出産しに来てくださっています。
「あー、○○さんの・・・」と院長先生はうれしそうです。
そんなお産の時には、私は黒子に徹して、分娩介助は院長先生にお願いします。
何だか、うれしいひと時です。
10数年前に一度お産をしたっきりですが、
なんか思い出しちゃいました。
母はたくましぃって改めて思わせてくれる方々ですね。
お見事(^_-)vブイブイッ
でも、そういう若いお母さんから、なな先生もたくさん元気をもらっているんですよね(*^_^*)
今回はいずれも楽しいお話で、こちらも嬉しくなっちゃいました。
若いお母さんがしっかりしてるって、素敵ですね。
何歳になっても母親には子どもができてしかなれないから、年齢にかかわらず、「母としての成長」をしっかりしたいなと思う今日この頃です。
私も2人目を産むなら、一人目を取り上げた先生にお願いしたいです。いいお産、させていただきました。
陣痛の合間に栄養補給…やはり母はたくましいですね。
思わず笑ってしまいました。
>「どうしましたか。力、入りにくいですか」とお聞きしたら、
>「お腹すいた・・・」。
男性ですけど、楽器吹いてるから少しわかります。
お腹空いてると、お腹に力が入らなくて息が続きませんもの。
お腹空いたので思い出しましたけど、健康診断で肺機能の検査する時に「はいっ、思いっきり息を入れて」って言われても、「なんか食わせろー、力入らないぞー」って思いましたもの。
「助産師」を入れなくっちゃ
続きを読むに入れました(笑)
食べて、寝るって、お産の場でも基本なんでしょうね。
ところで、フィッシュさんがなさっているように、
逆の立場でこちらが黒子に徹することもあります。
「上の子もフィッシュさんに取り上げてもらったから、この子もフィッシュさんにお願いしたいんです」
そういう妊婦さんがいらっしゃいます。
医者は立っているだけでいいお産、個人的には理想と思っています。
かよわい女性が、子供のために強くなっていく姿が
いいのですよね(笑)
平成生まれの経産婦さんには、頭が下がります。
自分が20歳くらいの頃、何をしていただろう・・・
そう思うと、赤面することしきりです(笑)。
もうじきお産という時にものを食べた人は、実は初めて見ました。
天晴れでした!
7,8年前、平成生まれの卵巣嚢腫の方を初めて診た時も驚きましたが
本当に、時の流れは早いですね。
> 私も2人目を産むなら、一人目を取り上げた先生にお願いしたいです。いいお産、させていただきました。
その時になったら、是非その先生にそう伝えて下さい。
俄然やる気が出て、よしっ、今回もいいお産をしてもらおう! という気になるにちがいありません。
しっかり食べるのは、万人にとってパワーの基本なのでしょうね。
私自身も、朝ご飯を食べることだけは死守しています。
食べないと、opeできません(笑)
わが子が平成生まれやら2000年生まれ・・・になんとも
世代間意識を持っていましたが(勝手に・・・)もうお産される年代なのですね。
しかも第2子。ちゃんと叱ることもされていらっしゃるなんて頼もしい。かぁちゃんは強い。
私も一人産む毎に強く逞しくなってきております・・・ならざるを得ない・・・かぁちゃんも日々成長。
80歳代90歳代の高齢者の方々に「元気の秘訣は?」と、いつも聞いております。
「口がうまいからや~。」(わかります?)と、にっこにこ。
”食べる””笑う(爆)”がいいみたいです。
いつも欠かさず拝読させて頂いております。
私は帝王切開でのお産でしたが、手術をしてくださった先生が産後の検診でお腹の傷を見て「我ながら綺麗だなぁ~」と満足そうな笑顔を見せてくれた時、本当は普通分娩で産んでみたかった…という思いも吹っ切れ(もしもう一度帝王切開をする機会があったらまた先生にお願いしたいな…)と思いました。
今でもお腹の傷をみる度に、お忙しい中でも丁寧に手術してくださった先生への感謝の気持ちで胸がいっぱいになります。
>私自身も、朝ご飯を食べることだけは死守しています。
朝ご飯だけでなく、昼ごはんも。
これが無理なら、せめてできるだけ決まった時間に夕飯も取ってください。
これも無理でしょうから、決まった時間におにぎり1個でもとってください。その日のご主人との夕食は軽めにしてください。
わたしも、吐血などの緊急手術の時、ショック状態でなければ、執刀を5分遅らしてでも、病院の食堂に行き、ご飯に味噌汁をぶっかけるか何かで腹ごしらえをしてから手術室に向かいます。
看護婦の中には「先生どこに行っていたんですか。」などと聞く者もおりました。「めし食ってた。」私はちゃっかりと答えます。最近は、看護婦もちゃっかり腹ごしらえをするようになりました。
疲れ方がぜんぜん違いますもんねぇ。
高校生の時手術をした女の子が今度は怪我をした自分の子供を連れてきました。昔はガーゼ交換をするだけで大騒ぎをしていたのに、今は「痛いことはしないからおとなしくしてなさい」なんて子供に言ってるのをみると思わず笑ってしまいます。
本当に医者の醍醐味ですね。
なな先生のブログをいつも拝見しています。なんて立派な先生だろう、こうなりたいと思っています。
分娩の合間の心温まるエピソードですね。私も経験浅いながら、心がほっかほかになるような患者さんとの交流があります。私も、「次の子も先生に取り上げてもらいたい!」と言われるような産婦人科医になりたいですv
これからもブログ楽しみにしています。
若いママがちゃんと躾をしている姿には、脱帽です。
ああいう若いママがいると思うと、日本もまだまだ捨てたものではないですね。
でも、とってもえらいと思うのに、誰も褒めてあげてないなんて寂しい!
お国が表彰したっていいくらいですのに。
> 口がうまいからや~。」
最高ですね(笑)
いるもお読み下さって、ありがとうございます。
>「我ながら綺麗だなぁ~」
びっくりしました。 これ、私もたまに言っています。
言う、というよりは自然と口をついて出てくる言葉ですが、
それを聞いた患者さんが、さくらんぼさんのように思っていて下さるとは
全く思っていませんでした。
もっと言っていいのですね。
また、知らなかったことをひとつ、教えて頂きました。
ほんとうに、コメントを下さる方にどれだけ育てて頂いたことでしょう。
ありがとうございます。
温かい言葉を、ありがとうございます。
研修医の頃に
「わずかな隙を狙って何か食べるのも能力のうちだ」
と教わったことがあります。
年々、その能力にも長けてきました(笑)
自分が患者だったら・・・絶飲食の先生にopeしてほしくないですものね。
あははっ! いいお話です(笑)
大切な自分のお子さんも任せてくれるなんて、最高ですね。
もう何年か絶滅しないで頑張ったら、
私がお産に立ち会った赤ちゃんが成長して、お産に来てくれるかな~。
考えただけで、うふふです。
産婦人科医なんですね(笑)
「心がほっかほかになるような患者さんとの交流」という言葉に、
若いりん先生が、しっかり患者さんと共に治療に向かっている姿勢が思い浮かびます。
厳しくなる一方の産婦人科医療事情の中、こんな若い先生がいるのかと思うと
心強い限りです。
一緒に、がんばりましょうね。
> 「次の子も先生に取り上げてもらいたい!」
是非一度、言われてみて下さい。
一瞬で骨抜き、目はハート、
もう、やめらんなくなりますよ(笑)
なな先生の心温まるお話、大好きです。
実はちょっと嫌なことがあり落ち込んでました。
でもこのブログを読んで、自然とニコニコしてる自分がいました。
心が温まりました。ありがとうございます。
2人目を産むことはもう無いのですが、産まないと決めるまでは、やはり一人目を取り上げてくれた先生に、お世話になりたいと思ってました。
そして、息子を通じて知り合った助産師さんにも、お世話になりたいと思ってました。
でもその先生には、ガン検診等でお世話になっていますし(^^;、助産師さんは、今は良き友人として付き合ってます。
良い縁に巡り会えたと思ってます。
助産師さんと「良き友人」ですか。
うらやましいですね。
そういうのはやっぱり、産婦人科医ではなく助産師の特権です。
何につけ、良い縁は何ものにも代えられない宝物ですね。
実は今週はなかなか大変なスタートを切っているのですが、
蒼さんのコメントを読んで、心が凪ぎましたよ(笑)。
人の気持ちって、不思議です。
すっごく大変出産で、このまま産まれへんのと
ちゃうかと思うほど・・・。
子供を産むって、命がけということが分かりました。
40時間を越える陣痛に苦しみ、
子宮口が全開大して赤ちゃんの頭が見えてるのに
出てこず、結局は緊急帝王切開。
でも、この苦しみも我が子を見るとすっかり忘れて。
夜中も起こされ、自分の時間も無くなり、
自分のほとんどを、我が子に傾けているのに、
心は満たされ、今までに経験したことの無い、
喜びと幸せを感じています。
自分が出産して、親の気持ちを感じ、
両親に感謝です。
40時間の陣痛の後の緊急帝王切開、とても大変だったでしょう。
全精力をかけて、文字通り命がけで頑張ったはなさんが、
お子さんへの愛おしさと、ご両親への感謝の気持ちを綴っていらっしゃる。
素晴らしいことです。本当に。
お産を経験された方のこんなお話を聞くと、
ああ、もっともっといい産科医療を提供したい!
という気持ちになります。
夜中も思うように眠れず、大変な時期と思います。
どうかお身体を大切になさって下さいね。
「またできたから、この子もとりあげてね。」と早くから言って下さっていた妊婦さんのお産にちょうど夜勤でお会いでき、無事、お手伝いさせていただきました。新しい命に触れる瞬間はいつも、緊張と喜びに胸が詰まりそうになります。
「三人目もお願いね。」と笑って話されたとき、うれし涙を抑えることが出来ませんでした。助産師冥利に尽きるとはこのことです。
でも時々思うんです。私たち助産師は、産科医に守られている・・・。甘えや依存ではなく、素直な気持ちでそう感じます。だってやっぱり・・・お産は何があるか分からないから、いくらかの恐怖心が心の隅にいつも頭をもたげてる・・・。それでも産婦さんの前で笑顔で臨めるのは、先生方が後ろにいてくれるから。
ありがとうございます。産科医の皆様、感謝感謝です。
続きをお読み下さって、ありがとうございます。
>「三人目もお願いね。」
うれし涙を抑えられない気持ち、よくわかります。
私もこれを言われたら、こっそり泣いちゃうかも知れません。
> 産科医に守られている
謙虚な言葉に、微笑んでいます。
でもそれだけではなく、産科医と助産師はお互い様ではないでしょうか。
我々産科医は、助産師のように分娩第一期に向き合うことはできません。
「より安全で快適なお産」というのが社会のニーズとなっていますが、
主として安全性は産科医が、快適性は助産師が担っているのが現状です。
このあり方が、何よりも産婦さんにとって望ましいことだと思います。
共に頑張りましょうね。
3人共同じ病院&同じ先生に診て貰いました。
やっぱり患者さん思いの先生で、
出産した所は大学病院でしたが、
丁寧で事務的な感じじゃなかったのが
「この先生」と言う決め手ですね^^
違う先生が産後検診してくれましたが、
傷に貼る細長いテープあるじゃないですか。
あれ看護師さんは「自然に剥がれたらでいいよ」
と言っていたので外さないまま検診に行き、
診察の時「あれ?まだ貼っているの?」
とベリ!と全部剥がされ、
しかも皮まで剥けちゃったんですよ(泣)
赤くジュク×2なので、
下着にあたるだけでもヒリヒリして(泣)
やっと湯船に入れるかと思ったのに、
かさぶたになるまでしばらく入れませんでした★
2度とその先生は嫌だと思いましたね^^;
あのテープ、産後1か月健診ではがすこと自体はいいのですが、
皮が剥けちゃったら、痛かったですよね。
手術の創は、患者さんが身体の一部としてお付き合いするのだから
私も含めて手術をする医師は皆、大切に扱うように心掛けないとなりません。
3人とも同じ産婦人科医ですか。いいなあ・・・
先生も喜んでいるでしょう。
お子さんたちも、ちょっと連帯感が湧くかも知れませんね。
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