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事故米1年保管後に出荷 毒性薄める目的、計画的な転用

2008年9月8日

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 大阪市の米販売会社「三笠フーズ」が工業用に限定された事故米を「食用」に転用していた問題で、同社が有機リン系の農薬成分・メタミドホスが検出された事故米について、約1年〜1年半にわたって倉庫で保管した後に出荷していたことが8日、わかった。農薬成分が分解するのを待ち、毒性を薄める目的だったとみられる。(藤田さつき、宮崎勇作)

 関係者によれば、この事故米は基準値(0.01ppm)の約5倍の農薬成分が検出された中国産の「もち米」で、同社が04年度〜今年8月までに購入した約800トンすべてだった。米は劣化しないよう室温は夏場で15度程度に保つなど温度を調整していたという。

 同社は06年11月、まず約500トンを国から仕入れた後、07年1月に約200トン、同年3月に約70トン、同年5月に約30トンを買い足していた。

 ところが初めて販売したのは、最初に仕入れてから約1年たった07年11月ごろだった。以来、今年の8月までの間、5、6回に分けて計約350トンが福岡の食品加工会社に売られたという。

 同社はこれまで、出荷前、検査機関にサンプル検査を依頼し、基準値を下回ったことが確認された分を出荷したと説明している。

 同社が購入した事故米は、もち米のほか、劣化が早いとされる「うるち米」もあったが、同社関係者は「うるち米はカビを除去する手間と人件費などがかかるが、もち米は農薬成分が自然に消滅するのを待つだけだった。費用は、サンプル検査代や袋代くらいで、うるち米よりコストは安かった」などと話した。

 本山直樹・東京農業大客員教授(農薬毒性学)は、「メタミドホスは時間がたてば分解され、毒素が弱まる性質をもつ。ルール違反で売ったのは問題だが、1年も置けば人体への影響はまったくないだろう」と話している。

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