9日午前11時すぎ、福島県郡山市駅前1丁目のビル5階にある結婚相談所に、刃物十数本を持った男が侵入した。110番通報で駆けつけた郡山署員3人のうち地域課の巡査部長(58)が、刃物を振りかざして威嚇する男に向けて発砲。男の左太ももに命中させ、公務執行妨害と銃刀法違反、建造物侵入の疑いで現行犯逮捕した。男はこの結婚相談所の会員とみられ、同署が動機などについて調べている。
結婚相談所の事務所には当時、女性事務員が2人いたが、別室に避難していて無事だった。郡山署によると、男は同県須賀川市森宿、職業不詳米倉穣容疑者(34)。命に別条はないが市内の病院に搬送するためいったん釈放し、快復次第、逮捕する方針という。
調べでは、米倉容疑者は午前11時すぎ、フェンシング用の剣(長さ105センチ)や「グルカナイフ」と呼ばれる全長56センチの牛刀のような刃物十数本を持ち、結婚相談所の扉を破って侵入、駆けつけた警察官3人に抵抗した疑い。
郡山署の宮川道夫副署長は、両手に刃物を持った米倉容疑者に巡査部長は「刀を捨てなければ撃つ」などと警告したが、向かってきたため発砲したと説明。拳銃の使用は「適正だった」としている。