ウィーン(AP) 石油輸出国機構(OPEC)は9日、当地での通常総会で、原油の生産量調整を検討する。イランのノーザリ石油相は8日、「原油は過剰供給の状態にある」との見方を示し、会合で減産を主張する構えをあらためて示した。
ノーザリ石油相は記者団との会見で、「総会では供給が需要を上回っているかどうかを見極めたうえで、決断を下すことになる」と語った。
原油価格は今年7月、米国産標準油種(WTI)が史上最高値の1バレル=147.27ドルを記録した後、下落に転じ、5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所原油先物相場では106.23ドルと、4月上旬以来の安値をつけた。
OPEC内では、現在の日量3000万バレル台を「生産過剰」とみるイランに続き、ベネズエラも「1バレル=100ドルを切ったら減産に踏み切るべき」との立場。一方、サウジアラビアは「1バレル=80ドルが下限」と、当面は減産に消極的な姿勢を見せている。
OPECが減産を決めた場合は米国など消費国からの強い反発が予想され、世界的な石油離れに拍車がかかる可能性もあることから、アナリストらの間では「大幅な一律減産を決めることは考えにくい」との見方が優勢だ。