南オセチアをめぐるグルジアとロシアの武力衝突から1か月。今も両国は互いに非難を繰り返しています。こうした中、南オセチアに進攻したグルジア軍の戦車が民間人の住むアパートを無差別に砲撃している映像を入手しました。
南オセチア自治州の州都、ツヒンバリ市内を進むグルジア軍の戦車部隊。南オセチア側の抵抗がないにもかかわらず、アパートに向かって無差別に砲弾を撃ち込みます。
南オセチアに軍事進攻したグルジア軍はロシア軍の平和維持部隊を攻撃し、そのまま民間人の住む市内に突入しました。映像は、捕虜となったグルジアの戦車兵からロシア軍が没収した携帯電話の中に記録されていました。
住民の証言では、砲撃を加えられたアパートには避難が遅れた住民が残っており、「ここを平らにしてやる」などと叫ぶ兵士の声が聞こえたといいます。
南オセチアの人権活動家たちが立ち上げたサイトには、確認された犠牲者の名前と死亡の原因などが記録され、その数は増え続けています。
一方でグルジアは8日、国際司法裁判所にロシア軍が民族浄化を行い、グルジア系住民数千人が殺害されたと訴えています。武力の行使という指導者の決断がどんな愚かな行為を招くのか、この映像が雄弁に物語っています。(10日03:40)