ご長女の宮脇灯子氏による監修のもと、初公開となる資料を数多く含む、宮脇俊三関連資料を一挙公開します。
▲自筆の取材ノート
客観的な視点に立ったすがすがしい紀行文。その原点ともいえる旅のメモ(取材ノート)や、取材時の記録写真、旅先からの書簡等を通じ、宮脇俊三の旅の世界へと皆様をいざないます。
▲『線路のない時刻表』に掲載された未開通路線 のための“国鉄非監修”自作時刻表原稿。印刷時刻表を忠実に模した手描き。(部分拡大)
▲第二作目『最長片道切符の旅』(昭和54年、新潮社)書き下ろしの原稿。
国鉄乗りつぶしの記録、“『時刻表2万キロ』全線完乗地図”を巨大化して展示。未開通路線のために自作した「宮脇俊三作・国鉄非監修」の手描き時刻表(駅弁まで自作!)や、国鉄線一筆書きで日本を縦断した“『最長片道切符の旅』乗車ルート”手描き図など、鉄道ファンのみならず誰もが愉しめる資料の数々をご紹介します。
昭和62年から13年間にわたり「小説現代」(講談社)誌上に連載した歴史紀行「日本通史の旅」、 そして世間に“廃線跡ブーム”を巻き起こした『鉄道廃線跡を歩く』シリーズ(JTB)など、歴史 ・地理・芸術文化に至るまで幅広く豊かな知識に裏打ちされた作品を発表した宮脇俊三の、「時の旅人」としての側面をご紹介します。
▲広尾(北海道)-枕崎(鹿児島県)間の“最長片道 切符”。34日にわたる乗車で途中下車印がびっしり捺された券面。
1926年、埼玉県川越市に生まれる。1951年、東京大学文学部西洋史学科を卒業し、中央公論社に入社。「中央公論」編集長、常務取締役などを歴任し、1978年に退社。同年、国鉄全線完乗の旅を綴った『時刻表2万キロ』(第5回日本ノンフィクション賞)で作家デビュー。著書は『最長片道切符の旅』、『時刻表昭和史』(第6回交通図書賞)、『殺意の風景』(第13回泉鏡花文学賞)ほか多数。1999年、第47回菊池寛賞を受賞。2003年、2月逝去。
(C)Setagaya Literary Museum