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「反撃するなということか」 不運な逮捕…妻との離婚も考えた (2/2ページ)
翌朝、送検のため護送車に乗せられた。手錠をかけられ、他の容疑者とヒモでつながれた。車に揺られ、脳裏に浮かんだのは結婚8カ月の新妻の顔だった。「勾留(こうりゆう)が続くようなら離婚しよう。迷惑をかけられない」。しかし検事からは「あなたは被害者です。勾留する必要がないので、釈放します」と告げられた。「けがは大丈夫ですか?」といたわられ、涙が止まらなかった。
逮捕されたことで、職を失う不安もあった。上司に説明し、会社は事情を理解してくれたが、警察からの説明は特にないという。
「僕が手を出したのは事実だが、それで逮捕されるとは『襲われても反撃するな』ということなのか。逮捕が違法でないことは分かるが、納得はできない」
ジャーナリストの大谷昭宏氏はこう語る。
「男性が『逮捕は行き過ぎ』と思うのも一理ある。が、相手が意識不明であること、確たる目撃証言がないことを考慮すると、身柄を拘束して裏付け捜査をすることは妥当と思う。難しいケースだが、警察は男性に逮捕した事情を丁寧に説明していくしかない」