憂楽帳

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憂楽帳:心のバリアフリー

 茨城県日立市の社会福祉法人・愛正会が先週、ユニークな施設を着工した。

 特別養護老人ホーム、デイサービスセンターなど老人施設と、障害者の生活介護、就労移行支援施設が同一の建物に入る。老人福祉と障害者福祉の縦割り行政の中、玄関が二つなど「別施設」の体裁は必要だが、行き来し、交流できるようにするのがポイントだ。

 愛正会は医療法人と社会福祉法人の二つの顔がある。日立市などに2病院1診療所と、特養、身体障害者療護施設、重症心身障害児施設などを持つが、それぞれ別々に運営している。金川一郎会長(73)は「お世話するには別々の方が効率的でも入所者のためにはどうか」と、今回の施設を思い立った。

 運営は容易でない。例えば、知的障害者が親しみから老人に抱きついて転倒させないか心配になる。でも、老人が障害者と触れ合って元気をもらえるかもしれない。精神障害者が人との接触に慣れる機会にもなる。そんなプラスを生むには「職員の“心のバリアフリー”が不可欠」。完成は1年後。成果に注目したい。【岸井雄作】

毎日新聞 2008年9月10日 12時26分

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