ここから本文エリア 地域外へ救急搬送 42件2008年09月09日
◇◆伊賀市消防4〜7月◆◇ 伊賀地域(伊賀市、名張市)の3病院で4月から始まった2次救急(重症対象)の輪番制度で、伊賀市消防本部が輪番の時間内に同地域以外の病院へ搬送した件数が4〜7月の間に42件あり、現場到着から病院へ搬送するまで最大で約1時間40分かかった事例もあったことが同本部のまとめでわかった。地域外搬送は、当番医が診察中や手術中だったことなどによる受け入れ拒否が主な原因。輪番時間内の3病院の受け入れ拒否件数(小児科含む)はこの4カ月で計64件あり、このうち約7割が名張市立病院だったという。(吉田海将) ◆輪番病院の拒否 主因◆ 輪番制が始まる前の3月までは、伊賀市が管内の同本部のすべての救急搬送先は、上野か岡波のいずれかだったという。地域外への搬送が余儀なくされ始めたことついて同本部は「多くの事例は、輪番の担当病院で受け入れ拒否が起きたため」としている。 同本部は救急の受け入れ先が決まらない時、「たらい回し」を避けるために患者宅などの現場に待機して搬送先を探すことが多いという。輪番制以前は、同市内から上野か岡波に救急搬送するのに要した時間は最大でも40分程度。しかし現在は、担当病院の拒否などによる地域外への搬送は、多くのケースで1時間以上かかるという。7月には現場で「立ち往生」した時間が約50分、受け入れが決まった津市の病院への搬送にさらに約50分かかったケースもあった。輪番時間内における拒否件数(小児科を含む)は上野が2件、岡波が15件、名張が47件だった。同本部の東庸介消防理事は「新聞などを見て、必ず輪番担当病院が受け入れてくれると考えている人は多いので、苦情も多くなってきている。(地域外搬送などは)患者の負担も多く、現状の改善が必要だと考える」と話す。
マイタウン三重
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