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企画特集

【医のあした】

輪番制助成 市は消極的

2008年09月10日

 宮崎市にある夜間急病センターが受け付けた要入院患者を、医師不足の宮崎市郡医師会病院に代わって、周辺病院で受け入れる「輪番制」が6月末から始まった。当直医の増員などの負担に病院側は行政支援を望んでいるが、市は消極姿勢。9日の市議会でも「夜間救急は市の委託事業であり、周辺の8病院に負担をかけているのだから助成すべきではないか」との質問に「難しい」と答えるにとどまった。

 宮崎市郡医師会病院は外来機能がなく、併設する夜間急病センターで診察を受けて入院が必要とされた患者を受け入れてきた。同センターは宮崎市や清武町など周辺2市6町が共同で市郡医師会に運営を委託している。

 同病院内科では3人の医師全員が6月末で退職、入院患者を受け入れられなくなった。このため、同センターが受け入れた要入院患者を、同市内の古賀総合病院や南部病院、清武町の城山病院など、内科医がいる周辺8病院に搬送する輪番制を導入した。

 各病院では、余分にベッドを空けておいたり、当直医や職員を増員するなどして対応。市郡医師会によると、7月1日から8月31日までの2カ月間に、同センターから17人の患者が、輪番担当病院に転送されたという。

 この日の市議会一般質問で鈴木一成議員(政新会)は、「輪番を担当している医療機関に新たな負担が生じている。助成をすべきではないか」と質問。関屋裕幸健康管理部長は「担当している医療施設はもともと救急患者を受け入れている。また、広域にわたる2次救急医療の役割を担っているので市単独での助成は難しい」と答えた。

 8日に大村嘉一郎議員(政友会)が同じ趣旨の質問をした際にも、市は同様の答弁をしている。

 鈴木議員は「清武町など他の自治体と協力して助成する意向はないのか」と重ねてただしたが、関屋部長は「そもそも市郡医師会から支援の要請がない」と答えた。

 市保健総務課は朝日新聞の取材に「新たな負担といっても病院側にとってはそれほど重くはないのではないか」と助成に消極的な理由を説明している。

 しかし、同会の八尋克三副会長は、「医師会は、夜間救急医療システムを守るために輪番制を必死の思いでつくった。夜間救急は本来、行政が本腰を入れてやることだ。市の消極的な姿勢には非常に残念」と話している。

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