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【主張】大相撲改革 掛け声だけで終わらすな

2008.9.10 02:50
このニュースのトピックス主張

 日本相撲協会の北の湖理事長がようやく辞任した。ロシア人兄弟力士の露鵬と白露山が薬物検査で大麻吸引の陽性反応が出た責任をとった形だが、最近の大相撲界は、朝青龍騒動、時津風部屋の力士暴行事件など不祥事が続いており、遅きに失したという印象をぬぐいきれない。

 新しく理事長職に就いた武蔵川親方(元横綱三重ノ海)は厳しい指導で知られ、武蔵丸、出島、武双山、雅山と1横綱3大関を育てた実績がある。武蔵丸が気が抜けた態度をとると、横綱昇進後も怒鳴りつけるなど厳格な姿勢は有名だった。ぜひ、その勢いで相撲界の信頼回復に努めてほしい。

 因習がはびこる相撲界に改革を求める声が叫ばれるようになって久しい。力士出身者で固められ、閉鎖的と批判される理事会がやり玉にあがり、監督官庁の文部科学省から外部の有識者を入れるよう求められている。今月中にも要望を受け入れて再スタートを切る予定の理事会は第三者の意見に耳を傾けることだ。

 その一方で、相撲界としての自浄作業を忘れてはならない。露鵬と白露山の大麻吸引問題を振り返ると、北の湖、大嶽(元関脇貴闘力)両親方の指導力不足を指摘せざるを得ない。

 親方と弟子との間に距離ができているとの見方がある。時代が変わったとはいえ、師弟の絆(きずな)は基本であり、最も重要なよりどころではないだろうか。これが崩れたら、相撲界が成り立たないといっても過言ではない。

 なぜ、そうなったのかを検証するときだ。そのためには、ともに理事長経験者である元横綱の初代若乃花、佐田の山ら厳しい土俵態度で知られた先人たちに意見を求め、角界が一丸となって再生の道を探ることも重要だろう。

 さらに具体的な改革案として国技館内に本格的なドーピング検査室を作るよう提案したい。1場所に3回程度、抽選で関取以上を対象に検査を行うべきだ。

 ドーピング検査は厳正中立で一つの瑕疵(かし)も許されない。結果次第で力士生命を奪いかねないからだ。当然、多くの専門家と資金も必要になる。クリアすべき課題はあるが、ファンに対して開かれた相撲界をアピールできる。改革はスピードと目に見える成果があってこそだ。

 武蔵川新理事長には現役時代同様の速攻を期待したい。

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