【バンコク=柴田直治】カンボジアで起きた70年代の国民大虐殺に関与したポル・ポト政権の元幹部らを裁く特別法廷は12日、捜査判事が8日にツールスレン収容所のカン・ケク・イウ元所長を人道に対する罪などで起訴したと発表した。同法廷発足後、初めての起訴。
「ドッチ」の異名で知られる同被告は、延べ1万6千人が命を落としたとされる同収容所の所長として政治犯の拷問や殺害を指揮したとされ、99年に逮捕されて以来、拘束されている。起訴事実を争わない姿勢を見せているという。政権内の地位は高くなかったが、上層部の指示で多数の殺害を直接命じる立場にあったとされる。同被告の裁判は拘束中の当時の幹部の扱いに影響を与えそうだ。