2008年 9月 9日
加ト吉元常務ら特別背任で再逮捕
観音寺市の冷凍食品大手・加ト吉の循環取引事件で新たな展開です。加ト吉に約53億円の損害を与えたとして、元常務ら2人が、9日、再逮捕されました。特別背任の疑いで再逮捕されたのは、加ト吉の元常務高須稔容疑者と、香川県宇多津町の貿易会社元社長山元憲治容疑者の2人です。警察の調べによりますと、2人は、おととし1月から約10カ月の間に、山元容疑者の会社など40の取引企業の間で、商品のやり取りをしない、伝票上だけの取引を71回繰り返しました。その結果、在庫品の価値が下がるなどして、加ト吉に約53億円の損害を与えた疑いです。2001年以降、加ト吉の損害額は130億円に上っていますが、警察は今回、このうちの約53億円について立件しました。警察の取り調べに対し2人は容疑を認めていて、高須容疑者は、「取り引き上のミスを隠すためにやった」と供述しています。2人は、循環取引に絡み、銀行から約38億円をだまし取った詐欺の罪ですでに起訴されています。

財政構造改革で県職労が要望書
岡山県が先月示した財政構造改革の素案について、関係する4つの労働組合が、賃金カットの撤回などを求める要望書を9日、石井知事に提出しました。要望書を提出したのは、県教職員組合や県職員労働組合など4つの労働組合で組織する四者共闘会議です。要望書では、9.5%の給与カットの撤回や、職員の定数削減について慎重な検討を行うよう求めています。共闘会議の梶原洋一議長は「9.5%のカットに職員は大きな不安を抱いている」と訴え、共闘会議との交渉を経てからカット率を決定するよう求めました。県では出来るだけ早く、交渉の場を設けることにしていますが、全国でも最も高い給与カット率となるだけに交渉は難航する事が予想されます。

津山市のゴミ処理センター建設巡り提訴
津山市で予定されているごみ処理場の建設を巡り、周辺住民が、建設差し止めを求める訴えを9日、岡山地方裁判所に起こしました。訴えを起こしたのは建設予定地の津山市領家桑田地区に住む3世帯9人です。訴状によりますと、予定地の土壌では環境基準を超えるヒ素や鉛などが検出されていて、施設を建設する際、汚水などが流れ出し周辺住民に健康被害が出る恐れがあるなどとして津山市に対し、ごみ処理場の建設差し止めを求めています。このごみ処理場では、津山市周辺の7市町村の家庭ごみを処理する事になっています。訴えに対し津山市は、「住民の事業への理解が深まるよう対応していきたい」とコメントしています。

5ADAY食育体験ツアー
小学生が食の大切さを学ぶ体験授業が9日、浅口市のスーパー行われました。体験授業は天満屋ハピータウン鴨方店で行われ、近くの六条院小学校の6年生39人が参加しました。売り場では子供たちに食材の知識を深めてもらうため、「旬の野菜や果物」「地元でとれた野菜」などを選ぶ買い物ゲームが行われました。また、包丁を使わない調理の体験も行われ、子供たちはレタスや棒でたたいて柔らかくしたキュウリを手でちぎり、サラダを作りました。今回の授業のテーマは健康のために、1日に5皿以上の野菜と200グラム以上の果物を食べようという運動、「5ADAY」です。子供たちは自分たちで作ったサラダを早速、味わっていました。主催した天満屋ストアでは今後も子供たちの食育体験学習会を開きたいとしています。

ペレットボイラー、旅館に導入
環境にやさしいエネルギー、木質ペレットを使ったボイラーが宿泊施設としては全国で初めて、9日、美作市の旅館に導入されました。木質ペレットのボイラーが導入されたのは美作市の旅館、ゆのごう美春閣です。木質ペレットは山林の間伐材などを加工した燃料で、資源の有効活用や二酸化炭素の排出削減が図れるなど、環境に優しいエネルギーとして、注目されています。導入されたボイラーは1基約3千万円で、重油のボイラーの約10倍ですが、燃料費は3割程度削減できるということです。今回は大浴場や館内の給湯用に導入されましたが、将来的には暖房にも利用したいとしています。

水島港でセアカゴケグモ見つかる
毒性を持ち、かまれると腹痛やけいれんを起こす恐れがあるセアカゴケグモが倉敷市の水島港で見つかっていた事がわかりました。岡山県によりますとセアカゴケグモは今月1日と8日の2回、あわせて8匹見つかっていてすでに駆除されています。現場付近では今年4月にもセアカゴケグモが10匹見つかり、駆除作業が行われていました。岡山県では今月12日、現場周辺で消毒作業を行う事にしています。

殺人で逮捕、元金光町議を送検
浅口市で長男を包丁で刺し、殺害したとして現行犯逮捕された元金光町議会議員の男が9日、岡山地方検察庁に送検されました。殺人で送検されたのは浅口市金光町の元金光町議会議員、藤井達雄容疑者(55)です。警察の調べによりますと藤井容疑者は7日、午後4時半ごろ自宅の2階にある長男・博之さん(27)の部屋で、博之さんの首を刃渡り10.5センチの出刃包丁で刺し、失血死させたとして現行犯逮捕されたものです。警察の取り調べに対して藤井容疑者は「息子が部屋に無断で入ったことに怒り、包丁を持って暴れ、もみ合いになり刺さった。殺す気はなかった。」と殺意を否認しています。

倉敷市の企業、ドーム球場の屋根を開発
倉敷市の繊維メーカーが広島の企業などと合同で低コストの開閉式ドーム球場用の屋根を開発しました。コストを従来の約半分に圧縮できた背景には世界初の技術が生かされていました。今月5日、広島県で公開された縦・横約12bの開閉式ドーム球場用の屋根。実はこの屋根部分に倉敷市の繊維メーカー、「明大」が開発した四軸織物が使われています。四軸織物は明大が世界で初めて量産化に成功した技術で、縦・横以外に斜めにも繊維を織り込んでいるため、どの方向から引っ張っても形はほとんど変わりません。これまでのドーム球場は、屋根の部分だけで約100億円のコストがかかっていました。しかし、四軸織物を使うことで鉄骨の使用量を減らすことができ、重さはこれまでの50分の1、コストも約半分で建設できるようになりました。さらに強度は風速34b、1平方bあたりでは2トンの重さにも耐えることができるということです。明大などではこの技術で来年春完成予定の広島市民球場のドーム化を目指したいとしています。