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【話の肖像画】「反日」「嫌韓」って何だ(3)早稲田大客員研究員・洪ヒョンさん

2008.9.10 03:15
このニュースのトピックス話の肖像画

 ■金大中事件の「真相」

 《金大中事件 1973年8月8日、後に大統領となる金大中氏が韓国・中央情報部(KCIA)により東京のホテルグランドパレスから拉致され、5日後にソウル市内の自宅前で発見された事件》

 −−事件について違う見方をもっているそうですね

 洪 李厚洛中央情報部長(当時)が、(金大中氏の政敵であった)朴正煕大統領(同)の信任を回復するために独断で起こした。これはファクト(事実)です。というのは朴大統領の関与は、左翼政権が10年間、徹底的に調べたが、証拠や証言は見つかりませんでした。

 重要なことは、北朝鮮の金正日と、平壌と手を組んだ左派勢力が日韓関係を破綻(はたん)させるために、この事件を政治的・戦略的に最大限、利用したことです。主権を侵害された日本は韓国に対して怒る。韓国側も面白くない。金大中氏は「悲劇のヒーロー」になる。それを“演出”したのは主に日本の進歩的知識人やメディアです。日韓関係は冷え切り、国交正常化(65年)以前のようになりました。

 −−その結果…

 洪 日韓の情報共有など安保協力が事件以降、途絶えることになってしまったのです。喜んだのは平壌側や共産圏です。タダで手に入れた「戦略的カード」をフルに使えるのですから。この時期に、日本を拠点とした北朝鮮の対南工作が一気に活発化します。日韓両当局の関係悪化で“やりたい放題”になったから当然でしょう。

 実は日本人拉致事件も、この期間に集中的に発生しています。日韓摩擦の種となった「教科書問題」や在日韓国人の「指紋押捺(おうなつ)拒否運動」もそうです。彼らは、この事件を徹底して利用し、日韓関係をメチャクチャにした。そして、「最大の成果」は、金大中氏が大統領になれたこと。以降10年間の左翼政権は北朝鮮に屈従的政策を取り続けました。

 −−まさに北にとっては一石三鳥、四鳥だった、と

 洪 日韓の情報共有が復活するのは88年のソウル五輪まで待たねばなりませんでした。それもつかの間、「反日」を政治的に利用した第6共和国(88年〜)の「文民政治家」時代に、日韓のパイプは完全に切れてしまった。ポピュリズム(大衆迎合)の政治家は必ず反日になる。そこを“民主化”に名を借りた左派勢力に利用され、“宿主(やどぬし)”にされてしまったのです。(喜多由浩)

                   ◇

【プロフィル】洪●

 ホン・ヒョン 1948年、韓国・ソウル出身。陸軍士官学校卒。3度の駐日韓国大使館勤務を経て、2004年から早大客員研究員。

●=榮の木を火

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