ぼんやりと目が覚めたら午前6時、車椅子用の広い個室トイレを借りて顔と頭を洗い、すっきりする。 ヨーロッパを一回りしたらこのフランクフルト国際空港に戻ってこなくてはいけないため、 ヨーロッパ周遊に必要のないものは全てこの空港の預かり所に預けていくことにした。 荷物の重さが半分くらいになって身軽になり、空港から連絡通路で繋がっている鉄道駅にいき、列車に乗る。 30分ほど揺られてフランクフルト中央駅に到着。天井が高く全ホームが見渡せる広い構内。 昨日のギリシャはTシャツでも汗をかくぐらい暑かったのだが、ここフランクフルトはまだまだ寒く、コートを着ていても身震いする。
次の街への移動手段は安価なバスにするつもりで国際バスEUROLINESの事務所へ。少し迷ったが中央駅向かって左側にあるのを見つけた。 今晩中にアムステルダムかパリへ向かいたかったが、週3便なので今日の便はなかった。 駅の構内に戻ってホームをウロウロしていると、アムステルダム行きの高速列車を発見、あと10分ほどで出発するらしい。 切符は中で買えることを確認して列車に飛び乗った。
空港駅から近郊列車でフランクフルト中央駅へ | フランクフルト中央駅正面 歴史を感じる重厚な外観 |
ICEを見つける 行き先はアムステルダム よし乗っちゃえ |
ドイツの国際列車ICEの車内を区切るドアは総ガラス張りで木目が多用されている。 間接照明で照らされていて落ち着いた雰囲気。早速席につきたいが、まだ切符を持っていないので通路で車掌を待つ。 同じように切符を持たずに乗って来たグループが2〜3組いて同じように待っている。
車掌に行き先を告げると、今切符が買えるのはドイツの国境までで、続きはオランダに入ってから買ってくれといわれる。 席はちょうど普通席の車両だったようでどこへ座ってもいいようだ。 1ヶ月ほど前インドで乗った列車を思うとまるで超未来にやってきたようだ。
流線型でシンプルなカラーリングのICE おお〜っカッコいいぜ |
2等車の車内 広くないが照明やガラスの自動ドアのおかげで 開放感がありくつろげる感じ |
煉瓦造りの古い工場の脇を行く 日本の新幹線と違い線路外を隔てる柵がない |
途中停車する駅もドームで覆われている駅が多い | こちらはカフェテリア コーヒーを飲んでくつろぐ 列車はもうオランダ領に入っている |
アムステルダムに近づきスピードダウン 運河が見えて来た |
時速300Kmの超高速列車は2時間半ほどでオランダの首都、アムステルダム中央駅に到着した。 アムステルダムの駅は工事中で少しゴチャゴチャしていたが、外から眺めてみると赤レンガ作りでなんとなく東京駅を思い出す。 屋根の形が違うし、こちらのほうが装飾が多いのでそっくりという感じではないけど。 駅前は近代的な形の路面電車が走っていて、水路があり橋が掛かっている。 町全体が昔ながらのヨーロッパ風建築で構成されていて、本末転倒ながら、「テーマパークみたい」と思ってしまう。
ガイドブックによると東京駅はこの駅をモデルにしたというが、実際には少し違うみたいだ。
『日本の心・世界の心 』 http://www.world-reader.ne.jp/heart-jp-wo/uenishi-031116.html
アムステルダム中央駅に到着 | アムステルダム中央駅正面 東京駅に似てるような、そうでもないような |
駅の正面から伸びるDamrak通り 土産物屋とレストランが並ぶ賑やかな通り |
駅の近くにあるThe Flying Pig Hostelにチェックイン。初め入るのに手間取った。 入るときは呼び鈴押して中から開けてもらわないと入れない。1階がバーになっていてカウンターは受け付け兼用 受付の女の子がかわいくて〇 1階のバーには靴を脱いで座る場所もある。そこに昼間からべた〜っとしている連中発見 マリファナでもやっている様子。 そう、有名な話だがオランダではマリファナは合法(正確には5g以下の所持に関して罰する法律がない) 決められた場所で吸う分には罰せられることはないのだ。不特定多数の人間が入り込むことによって 宿側が管理しきれない事態にならないようにカギをかけているようだ。
毎週火曜日は清掃の日ということで、自分のベッドに荷物が置けるのは17時を過ぎてから。 それまで少し街を散歩する。駅の正面から伸びているDamrak通りは人通りも多く賑やか レストランやみやげ物屋も多い。そのみやげ物屋で気付くのはマリファナ関連商品が多いこと。 カラフルな色使いの金属製パイプや巻紙、中東のものとは違うマリファナ用の水パイプ(ボングというらしい)もある。 マリファナ=犯罪という雰囲気はこの街にはあまりない。街は運河で結ばれている | 花屋に並ぶ鮮やかなチューリップ | 運河の先に見える尖塔 |
宿に戻って荷物をベッドへ。2段ベッド2つの4人部屋、白人の男性と女性が一人ずつ、 そして日本人の男の人がやってきた。彼Y井くんは28歳(最初学生かと思った) 実家の家業を継ぐために仕事を辞め、猶予期間にヨーロッパを巡ってきたらしい。 少し話してうちとけ、夜の観光は彼と行くことにした。
アムステルダムといえば飾り窓。 ピンクのネオンに照らされた大きなガラス窓の部屋、その中から薄着の女性が通りに向かってオイデオイデをしてる場所? 飾り窓についてはそれくらいの認識しかなかった。 Y井くんはすでに軽く見てきたらしく、場所の良く分からないオレには渡りに船。 宿から中華街を通り、15分ほどで到着してしまった。 飾り窓のある地区は中央に運河が流れ、その両脇に道が通っている。その道に沿った建物に 先ほどの描写のようなネオンに照らされた部屋が並んでいる。 思ったよりも怪しい感じがしないのは、時間が早いためと、ただの見物人が多いせいだろう。
白人、黒人、南米系、東南アジア系、中国系と女の子は色々な場所からやってきているようだ。 かなりきわどい格好をしているので少々どぎまぎしてしまう。 凄く綺麗な人もいれば、こっちが心配してしまうような人もいる。 日本の、たとえば歌舞伎町のように看板や料金表はないのでドアを開けて本人と直接交渉するらしい。 面白い、というか少し悲しいのは白人の女性はおれ達東洋人が目をやっても、 ぷいっとそっぽを向いてしまうこと。 他の女の子達は結構アピールしてくれるんだけど、まあ白人の国だからしょうがないな。 あたりを2周ほどしたところで解散。白人のじじばば様たちがツアーで見物に来てたのが印象的だった。
飾り窓だけじゃなく、あたりにはポルノショップもたくさんあるのだが、 ほとんどの店に日本語表記があるのがなさけない。 韓国語も中国語もなくて、日本語だけ。 無修正DVDあります とか 〇本×ユーロ とか客引きの文句が並ぶ。 そんなに日本人が大量にやってきて買い物してるんだろうか。 Y井くんとも話したが、今時はネットでいくらでも見られるし、 俺らの世代は白人よりも日本人物のほうが良いというやつが多い。 想像するに、まだ日本で性表現がかなり抑えられていた時代に、 北欧ヌードとか言って向こうのエロ本を見て育った世代のおじさんたちが 買っていくのだろう。
飾り窓地帯 薄着の女性がガラス越しに見えてしまう点はスゴイが 妖しさは歌舞伎町の方が上かも |
||
Damrak通りに戻ってきたらSEXミュージアムという建物が目に付いた。 駅前100mくらいの範囲にこんなものがあっていいのだろうか。 意外と足を止めて入っていく人が多く、なんだか面白そうである。 Y井くんを誘って入ってしまった。
日本であるところの秘宝館のようなものだろうと思っていたのだが、 入ってみて驚いた。古代からの性をモチーフにした美術品が多く展示されていて、 芸術的価値の高そうなものばかりが展示されているのだ。 SEXミュージアムなので、アノ部分はバッチリ作りこまれたものばかりだ。 近代ヨーロッパの物が多く、妙にリアルな作りに目を見張ってしまう。 日本の江戸時代の浮世絵(春画)なども多く展示されている。
他には20〜30年前の写真で「セルフポートレート」と紹介された写真や 1920〜30年頃のブルーフィルム?の展示があって、 この写真に写っている女の人たちももうしわくちゃのばーさんなんだろうな〜 などとどうでもいいことを想像してしまう。
さっき言った秘宝館的な展示もあって、ボタンを押すと風が吹いてスカートがぴゅーみたいな くだらない展示もあったが、こちらは一回見たらもういいよ という感じであほらしかった。
展示されている彫刻や陶器などの美術品は今までに色々な博物館で見てきたようなものなのだが、 大事な部分が丸見え!というギャップが非常に面白く、 現代のエロ本もビックリのその描写を見ていると人間って言うのは100年や200年では 本質は変わらないのだな〜と思ってしまう。 媒体や素材が変わるだけで求めるものは変化しないってことかもしれない。SEXミュージアム入口 駅前百数十メートルの大通りに堂々と存在 |
これは秘宝館ノリ リアルすぎるのでモザイクで隠してみました |
日本の古い美術品も ただしこのミュージアムのコンセプトどおり 局部バッチリのものばかり |
日本国内でも問題になっている事柄なのでここの部分の日記は削除しました。
オランダでも起訴されないってだけで、厳密には違法なので興味のある方は本当に気をつけて!
コーヒーショップ ですが、メインの品物はコーヒーじゃありません。 |
||