[東京 9日 ロイター] 投信情報サービス会社リッパーによると、国内で販売されている中国株ファンド(国内籍)の8月末時点の純資産残高は、前月比9.1%減の7531億8700万円となった。株価急落で資産価値が目減りしたほか、資金フローも「軟調な株式相場を嫌気して解約が続いた」(外資系運用会社)という。
外国籍の中国株ファンドの残高は7月末現在で602億6900万円だった。
8月の中国株式市場はハンセン中国企業株(H株)指数が前月比約6.7%、香港ハンセン指数が6.5%それぞれ下落したほか、外貨建てB株と人民元建てA株の両方をカバーする上海総合株価指数が13.6%の大幅安を記録した。リッパーが推計した資金流入状況によれば、8月は中国株ファンド(国内籍追加型)から220億円が純流出し、資金動向も残高減少の一因となった。リッパーによると、中国株ファンドからの資金が流出超になったのは8カ月連続。
「中国経済の高成長期待は変わっておらず、中国株ファンドを保有し続ける長期投資家もいるが、短期間で高いリターンを狙っていた投資家は株価の調整を受けて売りに動いている」(HSBC投信)との指摘もあった。
9月3日付のリッパー・データ・リポートによると、8月末時点の中国株ファンドは国内籍が前月比1本増の71本で、外国籍(7月末時点)は前月比変わらずの24本。リッパー分類別の月間平均騰落率をみると「株式型中国株」はマイナス8.4%と不振だった。
中国株ファンド(国内籍)の中で8月の純流出額が最大だったのは三井住友アセットマネジメントの「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」<62003515JP>の28億円。逆に純流入額が最大だったのは野村アセットマネジメントの「上海株式指数・上証50連動型上場投資信託」62006290JP>の33億円だった。
8月末時点で純資産がトップの中国株ファンドは「三井住友・ニュー・チャイナ・ファンド」で残高は722億円、2位はUBSグローバル・アセット・マネジメントの「UBS中国株式ファンド」<62006062JP>で644億円、3位はHSBC投信の「HSBC中国株式ファンド(3カ月決算型)」<62005584JP>で533億円だった。
(ロイター日本語ニュース 大林優香記者;編集 石田仁志)