諏訪広域消防諏訪消防署(伊藤功署長)は、9日の「救急の日」に合わせて、救急車の適正利用を呼び掛けるステッカーを同署が所有する3台に張り付けた。全国的に救急車をタクシー代わりに使う人が増えていることから、啓発用に導入した。諏訪市内でも8月末現在の今年の救急出動のうち、約14%が救急車の出動は不要と判断されている。
ステッカーは、黄色の文字で「救急車の適正利用にご協力をお願いします」と目立つように書き、後部窓に張った。消防庁の呼び掛けで、全国の消防署でこうした啓発に取り組んでいる。
同消防署によると、諏訪市内では今年1―8月に1268件の救急出動があった。このうち軽い病気の症状やけがが440件。医師や救急隊長が「明らかに救急車は必要ない」と判断したケースが約180件あった。昨年も8月末時点で必要なしが171件に上っている。
「呼吸困難」との要請で出動すると、当事者が身支度を整えて荷物を持っていたり、救急隊員に自宅の戸締まりを指示し、自ら救急車に乗り込んだ高齢者もいたという。
こうした救急要請が増えている要因について同消防署は「救急車で病院へ行けば、休日や深夜でもすぐに診察に応じてくれると考えている人が多いため」と分析している。伊藤署長は「本当に救急車を必要としている人が搬送できないことがあってはならない。軽いけがや病気のときは、極力自分たちで病院へ行ってほしい」と求めている。