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【社会】

名古屋・千種の厚生年金会館取り壊し マンション建設へ

2008年9月9日 07時39分

売却先が判明、取り壊される方針と分かった愛知厚生年金会館=5月、名古屋市千種区で、本社ヘリ「わかづる」から

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 ホールの存廃に揺れる愛知厚生年金会館(名古屋市千種区)をめぐり、売却先に決まった共同企業体(JV)が、国から取得後に同会館を取り壊して高層分譲マンションを建設する意向であることが分かった。

 関係者によると、一般競争入札で落札したのは、積水ハウスが別の建設会社とつくるJV。10階以上のマンションを複数棟建てる計画で、12月の所有権移転後、2、3年内に完成させるとしている。国が示した全国的な年金福祉施設の処分方針を受け、同会館の売却を担当している年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)はこれまで、落札先やホール存廃について明らかにしていなかった。

 ホールや結婚式場、宿泊施設からなる同会館は、地下鉄池下駅前にあり、住宅開発を手掛ける積水ハウスなどが、好立地を生かした再開発を目指して入札。最低売却価格の倍に当たる65億円で落札し、今月5日に売買契約を交わした。

 会館のホール事業が10月末に営業停止することが決まっているほか、建築から28年が経過し、耐震性への不安からも、ホール継続は困難と結論づけたとみられる。

 座席数1666を持つ同会館ホールは、コンサートや演劇のほか、学校の発表会などに使われ、利用率は8割以上。税制上の優遇もあって収支は黒字だった。売却の方針を受け、地元住民や、音楽事業者らを中心に存続運動が起き、市も落札企業がホールを維持すれば税制上の支援策を提示していた。

 存続運動を続けてきた民謡家元の内藤千賀弘さん(61)=同市千種区=は「池下のイメージが一変してしまうとともに、文化の灯が消えることにつながり、非常に残念」と話す。

(中日新聞)

 

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