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全ての研修医に、新臨床研修制度が義務付けられて、数年たちます。
この制度は、医師が幅広い診療能力を身につけることを目的として、スタートしました。
「スーパーローテーション」と呼ばれ、
将来何科の医師になろうと、各科を研修することになっています。
産婦人科には、卒後1年間の研修を終えた先生が回ってきます。
これまで来た研修医は全員が、既に何科に進むか決めていました。
つまり、耳鼻科に進もうが皮膚科に進もうが、
お産や不妊治療、婦人科手術などを研修しなくてはなりません。
それも、たった1ヶ月の間です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 佐藤先生(仮名)は、呼吸器内科に進むことが決まっている研修医です。
opeの時、簡単な操作くらいはやらせてあげようかと思って、
「ope、興味ある?」と聞いたら
「いえ」。
(・・・あ、そ)。
と、私に冷たくされてしまいました。
でも熱心なので、切迫早産で入院中の妊婦さんたちみんなの胸に、毎日聴診器を当てています。
しかし、お腹が張ること以外は元気な若い女性たちに、毎日胸を出させているわけですから、
当然の流れとして、妊婦さんたちに嫌われてしまいました(苦笑)。
そんな佐藤先生ですが、
横で見ていると、必ず患者さんの目を見て話しています。
きっといいお医者さんになってくれるでしょう。
2 伊藤先生(仮名)は、循環器内科に進むことが決まっている研修医です。
病棟で師長さんにオリエンテーションを受けた後、
「ところで、産婦人科部長に挨拶した?」と聞かれて、
返事は、
「どうして挨拶しないとならないんですか」。
引継ぎの言葉が飛び交っていたナースステーションが、シン・・・としました。
どこの病棟でもそうですが、病棟を仕切っているのは医者ではなく、師長さんです。
師長さんに嫌われたら、おしまいです。
産婦人科には興味がないとしても
この先、どうするのでしょうね・・・
3 斉藤先生(仮名)は、私が所属する産婦人科医局に入局することが決まっている研修医です。
実に、熱心です。
夜中だろうが休日だろうが、お産がありそうとなると、やって来ます。
毎日全ての患者さんのベッドサイドを回り、我々よりもよく患者さんの話を聞いています。
opeの時も「ちょっと、そんなに近寄ったら手術できないでしょ」と言われるくらい、
熱心に見入っています。
「身体壊すから、もう今日は帰ったら」と、こちらが言いたくなるくらい、病院に張り付いています。
「是非、自分の部下にほしい」と思うような、好人物です。
しかし、最近は分娩の研修ができる病院が減ってきて、
他の病院から産科の研修だけしに来ている人が増えており、
数人の研修医がいっぺんにかち合ってしまうことがあります。
産婦人科医局で自分の後輩になることが決まっている、超熱心な斉藤先生に、
本当だったら全ての手術に入ってもらいたいのですが、
他の研修医の手前、そうも行きません。
本人は「見るだけでも勉強になりますから」と謙虚なことを言っていますが、
他科に進むことが決まっている研修医の先生たちも、遠慮がちです。
私自身が、研修医時代に上の先生たちにかわいがってもらったように、斉藤先生にもしてあげたいのに、
そんな気持ちも、活かすことができません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産婦人科のことしかわかりませんが、
たった1ヶ月研修したところで、
「幅広い診療能力」の足しになるとは、到底思えません。
おそらく、正常分娩ひとつ取ることができないでしょう。
一体誰の、何のためになるのか。
スーパーローテーションは、当然現場から出た発想ではありません。
「現場のことは現場で決める」
「現場で起きた症例は、現場の人間が検討する」。
こんな当たり前のことがなされないから、医療が壊れてきたように思えてなりません。
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>「現場で起きた症例は、現場の人間が検討する」。
>こんな当たり前のことがなされないから、医療が壊れてきたように思えてなりません。
この国のシステムは、えらいお役人さんが、決めることになっています。
えらい人は、現場の経験なんてありません。
現場のことは知りません。
だから、現場を無視して、机上の空論だけで、システムを決めて、えらくない現場の人間に押し付けて、お前ら、これでぬかりなくやるんだよ、と無責任なことをします。
ひどい目にあうのは現場の者共です。
さらに、悪いことに、えらい人は、自分のミスをまず認めません。
過ちをみとめない人間は、また同じ過ちを繰り返します。
こうして、今、日本の医療は瀕死の状態です。
もう、現場に出ない、えらい人は、何もしないでいただきたいのです。
akgama先生の仰る通り、偉い人達が、現場の意見を聞こうともせず作って、あとは現場に丸投げ・・・・
上手くいくはずがありません。
スーパーローテは研修医本人にも、ましてや指導医のためでもありません。
えらーい人の体裁のため?
むしろ医療崩壊の為ですかね(^^;
もうこの先、尊敬される教授や指導者は現れないのではないか?と僕は本気で心配です。
また専門医志向の人間、たとえば脳外科志望なら脳外科、神経内科、麻酔科、形成外科と自由に選択できる余裕を与えるべきでした。
全ての医師を総合医に育てる教育には限界がありますし、ななさんがおっしゃうように矛盾が噴出しています。現場の意見を聞いていたのでは大きな改革が進まない焦りからでしょうか?一部の臨床医の意向でこの制度を発進してしまった点、今後の改善項目は多いようです。
日本は最初から専門医に診てもらえる素晴らしい国だったんですけど、、、、ただ専門バカになり過ぎて総合的に診る気持ちを忘れていたのか?と問われると我々に反省すべき点もあり、一概にお上のせいにも出来ないと愚考します。
この制度が始まってから、わたしの所属する大学病院の肝胆膵外科の志望者が急増しています。研修をするときに肝胆膵外科を志望している学生も多く、研修医もみんな明るく生き生きと研修しています。少なくとも、わたしの下で働いている研修医はみんな熱意と向学心を持って、明るく楽しくがんばっていると思います(わたしの耳に不満が入って来ないだけかもしれませんが・・・汗)。
内科に行っても、耳鼻科に行ってもわれわれの科のイベントに(納涼会や忘年会)は必ず参加してくれます。今までは、よその科の事情は何も分かりませんでしたが、こういう会合で情報交換をしていたりします。
回ってくる研修医も、自分が今まで回った科の知識を総動員して、われわれにとっては専門外の最新の知見を教えてくれたりします。
どんな制度であっても、がんばる子はがんばるし、駄目な子は駄目・・・
むしろ、医学部の学生のポリクリの方が問題ではないですか?やる気のない奴は結構露骨ですよ。
新臨床研修制度は、完全なスーパーローテというわけでもなく、少なくとも自分が研修したい科を選んでいる分、ポリクリよりましなのでは、という認識です。
関連病院でも同じだと聞いていますが、それはうちだけでしょうか?
>また専門医志向の人間、たとえば脳外科志望なら脳外科、神経内科、麻酔科、形成外科と自由に選択できる余裕を与えるべきでした。
すべてとはいきませんが、2年目はそれなりに選択できるようになっていませんか?もちろん、必修の科が多いという欠点はありますが・・・。
決めるのはえらい人、
動くのは、現場の人。
なんか、戦争のようです。
「開戦を決める人と、前線で戦う人が同じになれば、世の中の戦争はなくなる」という話を読んだことがありますが、
ある程度、当たっているのではないかと思いました。
今のように、国の上層部が思いつきのように制度を変えるのは、
やはり困りものだと思います。
同じドクターでも、科により立場により新臨床研修制度に対する考え方は違うと思いますが、
産婦人科の一町医者から見ると、どうも概ね失敗のような気がしてなりません。
少なくとも改善点は多々ありますので、変える時には現場の意見を聞いてほしいですね。
> 「昔の制度より今の制度の方が良き医者を作る」
そうなんですね。ちょっとびっくりでした。
当人たちに聞いてみます。
医師のレベル低下は、私も心配しています。
現行では、ひとつの分娩すら最初から最後まで見届けることすらできないのですから。
> 全員にスーパーローテを課したことは誤りだったと思います。
私もそう思います。
研修医たち、みんなそれぞれきちんと価値観なり目標なりを持っているのですから、
本人たちがもっと自由に選択できた方が良いと思うのです。
ただ、先生のおっしゃるように現場の意見を取りまとめるのは煩雑すぎるのかも知れませんね。
このブログ、一介の町医者のつぶやきですからこれで済みますが。
何時も先生の広い視野には、様々なことを教えて頂いております。
良い例のお話、とても参考になりました。
そして、明るい気持ちにもなれました。
ありがとうございます。
> わたしの所属する大学病院の肝胆膵外科の志望者が急増しています。
先生の医局には、研修医たちを惹きつける何かが、必ずあるのだと思います。
一体、何なのでしょうね。
思い当たることがあったら、こっそり教えて下さい(笑)。
私の方、新臨床研修制度が始まって、現在2つ目の病院にいますが、
いずれも同じような雰囲気でした。
また自分の医局関連病院からは、残念ながら明るい声が聞こえてきません。
産婦人科の特性なのか、しかしそうだとしたら、変えようがありませんが・・・。
産婦人科の神聖さと明るさを、少しでも若いお医者さんたちにわかってもらうことができたら、
ひとまず可と思っています。
問題なのは、それが最初の二年間だということだと思います。
ローテーターは何事からも守られていることが多く、また、責任もないのでヘマをしても黙って指導医が後処理をしたりすることが多いです。
そうやって、最初の大事な二年間を怖い目にあったり、怒られたりすることなく過ごすと、3年目になったときに、妊婦から腹痛患者、頭痛の患者、はては新生児や小児まで一通り初期診療程度のことならできると思いあがる人も出てくるでしょう。
もちろん、そうでない先生もいて、そういう人にとっては有用な研修システムなのかもしれません。ただ、大部分の「普通の研修医」の終了後は気の毒に思います
ところで今回の仮名研修医さんたちは、みんな〇藤さんなのですね(笑)
1.今までの外科に対する偏見は、医学部6年生の臨床実習で作られ、治療学である外科の仕事がどんなモノかを実際に体験できないで、医局を選ぶ風習によるものではなかったでしょうか?
やはり、新臨床研修制度以前は、学生実習のみで実際に仕事をしていませんし、内科しか勉強しませんから診断学に偏り、世界観が狭い状態であると思います。スーパーローテで世界観が広がっているように感じています。ちなみに、わたしの下にきた研修医で、つらいとか苦しいとかを感じている人を見たことがありません。手術で立ち続けられない学生は1人いましたが・・・。内科で夜中の1時まで拘束されて、入院要約を作るより、いろいろな手技を学べる外科という研修医は多い気がします。慢性期病棟から、外科に回ってきた彼らは、患者さんに起こる急性期の悪い出来事も、慢性期の経過も一番身近で濃密に体験することで、自分の進路をイメージしやすくなるのではないでしょうか。
2.また、現制度における研修医1年目は、自分が外科を3ヶ月回るなかで、患者さんの未来をわれわれスタッフと一緒に毎日議論します。そこで他科を回ってきた知識が生きたりすると、ちょっと自慢げになったりしているので(まだまだかわゆい)、軽く頭なでなでしてあげてます。
3.われわれも最初はいろいろなとまどいがありましたが、今は彼らを研修医ではなく、友人としてつきあっているような気がします。だからたとえ外科を志望しなかったとしても、あとで他科を回っているときに、「外科は一番楽しかった」と言ってくれたりすると、抱きしめてほおずりしたくなります(もちろん実際にはしません・・・念のため・・・)
うーん。結局月並みなコメントになってしまいました。
あまり答えになってない??
外科ローテに回ってきた研修医は先生のように教育熱心な医師がいて幸せですね。
でも、そういうものだと思って「他科でも必要な産科または婦人科知識」をたたき込むようにしていると、やはりそれなりに身につくものがあると考えます。「これは産婦人科疾患の可能性はないだろうか」と疑う目です。たった一ヶ月ですが、それでもやった研修医はやらなかったものより産婦人科疾患に目配りが効くようになります。
自分がローテーション研修したとき、最初婦人科のない病院で研修していました。そのときは産婦人科疾患を疑うことさえできませんでしたから。
今夜も患者のつぶやき、というか独り言を聴いて下さいネ(笑)
私は、建築関係の仕事をしていますので、それに例えてみます。
大きな建物を設計する一級建築士も、その資格があれば、デザイン・構造・(電気や給排水といった)設備の全てが、一応はできる事になっています。(耐震偽装事件以前から、構造と設備は分けた方が良いという話は出ていますが)
実際に日本以外で、建築士(アーキテクト)と言うと全てできると思われ、尊敬の眼差しで見られます。
しかし実際には、デザイン系・構造系・設備系等、大学で所属していた研究室の事しかわからない、いわゆるエンジニアの方が多く、それぞれの得意分野を持ち寄って設計していくのです。特に大きい設計事務所ほどその傾向にあります。
Atsullow-s caffee先生が、
>回ってくる研修医も、自分が今まで回った科の知識を総動員して、
>われわれにとっては専門外の最新の知見を教えてくれたりします。
こうおっしゃるのを聴いていると、医療の現場でも建築の現場でも、似た様な事が起きているんだなと思います。
また、山口(産婦人科)先生が、
>「他科でも必要な産科または婦人科知識」をたたき込むようにしていると、
>やはりそれなりに身につくものがあると考えます。
>「これは産婦人科疾患の可能性はないだろうか」と疑う目です。
>たった一ヶ月ですが、それでもやった研修医はやらなかったものより
>産婦人科疾患に目配りが効くようになります。
とおっしゃるのを聴くと、「自分の守備範囲ではないけれども、あの先生に診てもらえば」と、比較的早い段階で、適切な診療科を紹介して頂ける様な気がします。
専門家の必要性と、総合的に見る目を持った者の必要性の両方を感じます。
以前先輩に言われた事で、とても印象に残っている一言があります。
それは、
「自分が全てを知らなくてもいい。誰が何に詳しいかを知っていればいい。」
新しい(専門的な)事柄が増えていく中、医療では「かかりつけ医」、設計では「プロジェクトを広く観られるマネージャー」が重要な役割を担う様です。
私は田舎の診療所に勤めていますが、やはり2年目の研修医が1ヶ月間「地域保健医療研修」と称してやってきます。すでに進むべき科が決まっている方がほとんどで、やはりやる気がなさそうな医者も時々いますね。私の診療所ではあらかじめ独自に研修目的を決めてやっています(指導医研修会で習った方法です)。どんな専門科に行こうと必要だろうと考えられる項目を選びました。その中で特に研修医に色々と聞いて研修内容を決めていきます。やはりどのような道に進もうともここだけは知ってもらいたいということって結構各科ともあるのではないかなあと思っています。
私は産婦人科をローテーションしたことがないので、よくわからず、妻の妊娠中も色々質問されましたが、ちゃんと答えられずちょっと情けなかったです(3人いますが、2人は切迫早産で入院、一人は中毒症が悪化して入院しています)。
また田舎ですので、産婦人科の先生はもちろんおらず、一番近い産婦人科まで70キロあります(救急車で飛ばして60分)。突然妊婦が出産してしまったら臍帯はどう処理するのか、胎盤はどうなのかなどちょっと自身がありません(お恥ずかしい限りです)。また内科や外科にいく先生でもFitz-Hugh-Curtis症候群などのように最初婦人科疾患とは思わないような病気は知っておくべきだし、もちろん下腹部痛などのときに産婦人科疾患をどのように除外するべきかなどの知識も絶対必要だと思います。また妊婦が風邪をひいて外来にきたらどう対処すべきとか、授乳中のお母さんに対する投薬とか一般外来でも迷ってしまう場面って結構あります。本を読めばわかるだろうと思われるかもしれませんが、基礎知識がないとなかなか難しいと思います。あと内科に行く先生は手術には全然興味がありませんし、むしろ嫌いだと思います。私も学生時代そうでした。縫う練習をさせてあげるくらいのスタンスのほうがいいかもしれませんね。そんなわけできっと佐藤先生のようにどこかに興味を持っている研修医はいるんではないかと思うわけです。先生のように試行錯誤しつつも、研修医のことを色々と考えてくださる指導医ならぜったい研修医にも先生のスピリットが伝わるのではないでしょうか。
まさに今の日本の象徴ですよね
もっと現場の声を聞いてもらえるといいですよね・・・
命を預かる人を育てるんだから、医療関係はとくにそうあってもらいたいと思います
私の大学の関連病院はずっと前からスーパーローテ研修でした。それが売りでもありました。私も研修医1年目のころは産婦人科志望でしたが(笑)、外科ではアッペンを切らせてもらい、内科ではカテやエコーを勉強して、眼科では機械(?)の使い方を覚える、など緊急では何でも診れるように目標を持っていたので、とても役に立ちました。忙しい救急外来は研修医がメインで診ていたので、救急外来で使える知識を身につけないと、と思っていたのも大きいのかもしれません。
なので、当初はスーパーローテが問題になっていて驚きました。受け入れ体制の整っていない状態での、スーパーローテの開始がいけなかったんでしょうね。
ほのぼのとした、お正月を過ごされましたか?
研修医のローテーション、以前テレビのドラマで観たままなんですね。きっと、皆さん医学生時代の頃から方向性は決めている方が多いのでしょうか。産婦人科に進む方は熱いハートの持ち主なんだろうなって、何となく思ったりしています。
患者の目を見て熱心に話を聞いてくださる方はきっといいお医者様になるであろうと、私も思います!
私事ですが、正常だった生理が不順になり、出血量も多く3週間も続いた時に受診したのですが、いつもの先生ではなく非常勤の先生だったんです。お忙しくていらいらしてるのか、患者である私の方を向かずデスクのカルテに書き込みながら「薬で様子を見て」と、一言だけ。受診に来るまでの気持ちを全く理解しようとしない態度に唖然としました。出血が10日を過ぎたあたりから不安になり、医学書やネットで検索したりして「何か悪い病気ではないか」と心配してたので、「あのー、何が原因なのでしょうか?」と恐る恐る尋ねると、やっとこっちを見たと思ったら「そんなこと基礎体温を毎日計ったものを持ってこなくちゃ解りませんよ」と吐き捨てるように言い放ったのです。もう、何も言えなくなりました。
婦人科って、お産でもなければ行くまでに結構勇気が要るんです。あの内診も何回受けても慣れないし。
どんなに忙しくても、不安を抱えて受診する患者の気持ちは汲み取ってほしいなって思います。
だいぶテーマから離れてしまいましたが…
熱心な研修医さんが、10年後も20年後も患者の目を見て話してくれるお医者様になっててくださるようにと願わずにはいられません。
そうですね、おっしゃるように最初の2年間というのが問題なのかも知れません。
また、守られすぎなのも問題のひとつというご意見にも同感です。
本当は、やる気のある研修医には当直を経験してもらいたいと常々思っていました。
もちろん院内に指導医が泊まりながらですが、自分一人で診断をつけて治療する過程を経験すると
経験や知識のありがたさを実感できるでしょうし、それらに貪欲になると思うのです。
> みんな〇藤さん
はい、名前だけ平等にしてみました(笑)
全科ローテートのご経験があり、かつ20年の臨床経験のある先生からの貴重なご意見、ありがとうございます。
> 早く終わらせて、責任を持った仕事がしたいと感じていたように思います。
我々だけでなく、研修医もそう思うのですね。
いっそポリクリと合併して、長い期間をかけて各科回るくらいの思い切った制度にした方がいいのかも知れません。
現場の全ての意見を取りまとめるのは無理としても、
先生のようなご経験のある方からの意見は、せめて取り入れて制度改善してほしいと感じます。
> 先生の産婦人科にかける思いをわかってくれる研修医は少ないながらも、いると思います。
ありがとうございます(笑)。
「先生て、仕事、楽しそうにやりますよね」
と言われることがあります。
そんな指導(?)の仕方もあるのかと思えるようになりました。
大変興味深く拝読しました。
プリントアウトして、机の引き出しにしまっておきたいくらいです(笑)。
1 先生のところのような、実践重視のやり方がいいのでしょうね。う~ん、でもうちの病院なんか、現場仕事ばっかりですね・・・。
手技の多さでは産婦人科も引けは取りませんが、1ヶ月では到底網羅できないし。
真似して取り入れたいのは山々ですが、作戦検討が要りそうです。
2 なるほど。患者さんの人生に深く関わる点で、一緒に議論する。これなら産科でも取り入れられそうです。
3 友人としてつきあう。これはうらやまし過ぎます!
残念ながら当院は、研修が終わるとほとんど全員が他院に行ってしまうのです。
それでも、今でも携帯メールでやりとりしている元研修医もいますが(・・・と、ちょっと自慢♪)。
Taichan同様、最後の方は笑いながら読ませて頂きました(笑)。
>抱きしめてほおずり
Ats先生ですから、本当にやったのでは?と、途中まで思ってしまいました。
また、ちがう角度からのご意見をありがとうございます。
>そういうものだと思って「他科でも必要な産科または婦人科知識」をたたき込むようにしていると
なるほど~。
先生のように目的を絞ると、もっと有意義な研修にできそうです。
個人的には、日々、どちらかというと婦人科的疾患からかけ離れた病態のコンサルトを受けることが多いように思っていました。
そういった無駄も、省けるようになるかも知れませんね。
おっしゃるように、どの分野も似通った部分があると思います。
> 専門家の必要性と、総合的に見る目を持った者の必要性の両方を感じます。
やはり誰もが感じることなのでしょうね。
この発想から、新臨床研修制度が発足したとも言えます。
> 「自分が全てを知らなくてもいい。誰が何に詳しいかを知っていればいい。」
産婦人科の中に関して、当てはまることです。
産婦人科は非常に範囲が広く、妊娠・出産の他、月経不順やホルモン異常、不妊症、子宮筋腫や卵巣のう腫、更年期障害、性行為感染症、性器の異常や性染色体異常、子宮や卵巣の癌にまで及びます。
産婦人科医同士で、誰が何に詳しいかを知っていることは、重要なことです。
他科のこととなると、まずは該当科の先生に相談して、あとはその先生のお任せする、というのが現状です。
豊富なご経験を織り交ぜてのコメント、楽しく拝読しました。
普通に町医者をしていたら、お聞きすることのできなかったお話です。
ありがとうございます。
どの科に行くドクターにも、最低限知っていてほしい知識は、確かにあります。
先生のお話の中にもあるように、やはり妊娠・出産に関わる部分や腹痛がそれにあたると思います。
その上で、佐藤先生のように「これに興味がある」というものを、それぞれ持っているようです。
例えば、小児科に進む先生は新生児と分娩、
放射線科に進む先生は、術前診断と術中所見、
変り種では、医学関係のベンチャー企業志望という研修医もいましたが、
その先生は、Women's healthの話を熱心に聞いて行きました。
・・・と思えば、興味のない産婦人科を回っているところで夏休みを取る先生もいました。
本当に、様々です。
何かを決める時もそうですが、
医療に関して言えば、現場の声がきちんと一般の人に届いていれば
医療を守るにはどうしたらいいか、一緒に考えて行けるかも知れないと思うのです。
また、斬新なご意見をありがとうございます。
う~ん、ブログやっててよかった(笑)。
Yumiさんのように、「救急の初期対応ができるようになること」など、明確な目標を持っている人には
ためになる研修制度ですね。
おっしゃるように、受け入れ態勢が未整備という点も、非常にあると思います。
記事に書いたように、他院から産科の研修だけしに来る先生もいますが
1ヶ月では、病院のシステムに慣れるのがやっとです。
しかも、タイミングによっては一人の指導医に複数の研修医になっています。
これでは研修医の先生もお気の毒です。
患者さんの視点からのコメントを、ありがとうございます。
3週間も出血が続いたら、不安になって当然です。
私自身でも、心配になると思います。
もうすっかりいいのでしょうか。
> 産婦人科に進む方は熱いハートの持ち主なんだろうなって、何となく思ったりしています。
うふふ、そうでしょうそうでしょう?
実は、医者になってから毎日、「産婦人科医日記」をつけていました。
その日のお産は何件あって、どんなお産だったか、
手術は何の病気でどんな手術で、どんな状態だったか、時間は、出血量は、
外来やカンファレンスで得た新しい知識は、珍しい症例は、
なんてことを毎日つけていました。
病院に泊まった日は「泊」って書いてあります(笑)。
その10年分くらいのノートの一部を見せたら、感動していました。
mizuhoさんもおっしゃるように、カルテばかり見て患者さんの顔を見ないドクターを、たまに見かけます。
とても気になっていました。
なので、佐藤先生が自然とやっていた「患者さんの目を見て話す」という姿勢は、
本人を褒めました。
mizuhoさんのように「10年後20年後も・・・」って言ってあげればよかった・・・(笑)
現状は、学生実習の延長のようなものということは、私も感じていました。
> スーパーローテをした後で再研修ができるようなシステムがあってもよいと思います。
これも、あったら面白いですね。
私も行きたいくらいです(笑)
専門医になった後で、心臓外科の人工心肺を使ったopeに入る機会があって、
非常に面白かったのを今でも覚えています。
行きたいのは小児科と、精神科と、麻酔科と・・・結構あります。
昨日、本日と連日当直の合間に「かーちゃんは病院で見ろ!」と子供から言われて出勤、仮面ライダー電王(子供が大ファン)を見て号泣している私です(笑)。
さて、私が産婦人科に入局した頃は、まさに産婦人科医局員に「釣られ」た頃です。
学生の頃に胎児解剖をしていたというと、「そりゃ、胎児が発育していく様を実際に見ることができるから、いいよ~~!来てみんかね」
お産の講義のときには、学生の机に半分腰掛けながら、当時の教授の名前を付けた「○○○ちゃん人形」を持ってきた助教授(准教授)が実際に自分のお腹から分娩するように説明していて「おもしろい先生だな~楽しそうだのぉ」
実際にポリクリで回ってみると、運よく(?)その週には緊急オペ続きでダイナミックなカイザーを目の当たりにしたり、骨盤位の分娩を夜通し見ていたり
その時に関わってくださった先輩先生から「産婦人科の醍醐味ってのはね~こーーーーーんなちっちゃいゴマツブみたいな頃から胎児の成長をお母さんと一緒に楽しみに見ていって、赤ちゃん誕生という完結と出発を一緒に経験できるってことなのよ。いろいろあるけどね、楽しい頃ばかりじゃないけどね、産まれる科は産婦人科だけよ。」
誘ってくださった関わりを割りとよく覚えています
スーパーローテになってからは私は民間に出てしまったので学生さんたちと関わることは無かったのですが、その科の魅力を伝えることが出来る時間ってのが大切だと思っています。
ただ・・・・・・
その科で働いている人間が、その科に魅力を持ち続けて生き生きと働いていることが、これまた大切なんですが・・・・・
今となっては、「釣られて」入局したころが大変懐かしく思います。
これまた、なんだかわけ分からずの投稿で、申し訳ありません(^^;)年末以来、大忙しの職場です。先日は飛び込み出産でオオワラワです
4人の産婦人科医で年間700の手術と600の分娩をやっています。
うちの研修医は2ヶ月ごとのローテートです。研修医は働き手としてなくてはならない存在なってます。働き手として頼るのもどうかもしれませんが、他をまわって来てるので婦人科の術後管理とか、がん患者のケアは結構なれていて、たまに私たちがみているより、ずっといいかなって思うようなこともあります。他の科の先生方にも気軽にコンサルトして、集学的なケアができたりします。
産科の方は患者さんからクレームついたりするので、研修医の意欲にまかせて分娩の見学と帝王切開の助手といったことしかさせられないんですけど。もうすこし産科に目を向けてほしいのですけど、なかなか産科の研修は難しいですよね。
2年前にきた研修医は、研修初日のラパロのカメラ持ちとカイザーの鈎ひきをしただけで、「もうできません」ということで2ヶ月間指示だししかしなかったのもいましたけど、、、、
わんこさんwroteの
> 「自分が全てを知らなくてもいい。誰が何に詳しいかを知っていればいい。」
私は漫画家ですが、漫画界も最近は‘モンスターリーダー’が増殖(^^;)。彼らによる訴訟対策は、この「餅は餅屋に必ず聞いておけ」です。
研修医のスーパーローテは施行後、色々と問題が出てきたようですね。高校を卒業して就職、労働で自分に足りない何かがわかり、大学を受験する人も多いです。若い研修医も成長速度に差はあるでしょう。医学部に入学した時点でその人の道はある程度決まってしまうのですから、せめてスーパーローテの選択の幅は広げてあげたらと素人ながらに思います。
この研修制度が、始まるまで、私の母校も現勤務先も、内科以外は、ストレート研修でした。とりあえず、自分ところの科の人手だけを作っていたのです。なので、補液の指示一本だせなかった、精神科の先生や、蘇生ができなかった、心電図も読めない、マイナー外科の先生なんかが現実にいたのです。
この制度が始まり、こういう事は、少なくとも若手ではみなくなりました。医者の能力としての底上げができているんではないでしょうか。
この研修の意図するところはよかったと思います。でも、指導者も十分いないまま、見切り発車してしまって、現場を混乱させました。でも、目先のことしか考えていなかったストレート研修より、長い目では、好い研修ではと思うのです。
振り返れば医者として一番成長したのは最初の一日だったと思うし、多分今は役に立たないように見える経験も医師の教養として役に立つんだと思いますよ。
そういえば、うちの外科の教授は「虫垂炎の手術くらいは医師の教養のうちだ」といって内科医をひっぱって行って、オペレーターさせたというつわものでした。
学ぶ分野も、内容も、レベルも、興味のある事柄も、すべて人それぞれなのでしょう。ですから教育には最終的な解答などないと思います。
医学とそれを実践する医療を学んでいる研修医でも、目標が違えば使う手段も違うし、所属する組織も違うし、勉強の方法も違うでしょう。
人生のちょっぴり先輩からすると、遠回りや無関心に見えることも多々あるでしょう。でも教育には王道はないと思います。エジソンの伝記ではありませんが、教育カリキュラムからはみ出した才能もたまには現れます。
患者の心をくみ取れそうもないような奴は、ビシビシ叱ってください。見込みのあるやつは、本当は何が一番やりたいのかを押さえたうえで、才能を伸ばしてやってください。
いろんな問題がありますが、物事を解決する大元は、人的・物質的資源をケチらずに投じることでしょう。お上がその気になることを待ちたいです。
Going My Way ができず、強引な研修の道。知識偏重、実地軽視が、大学にみちています。学生のポリクリを担当制にするとか、国家試験の点数に入れるとかして、実地をもっと早くから経験するのがいいかしら。
卒後に、何でもかんでも回っても、短い期間じゃ、夜店の見物ね。なんでも、せいぜい、3個までです。3個でも多いかも。2つくらいの科を1年でローテートがいいかも。たくさんお皿が並んでいても食べきれないものね。りん。。。あら、ななちゃんはどーしたの。きょうはいないのかしら。忙しそーね。
厚労省に日本の医療の舵取りを任せてはいけない。
昨日の全国医師連盟設立準備委員会キックオフミーティングで出席者に発信されたメッセージ(の一部)です。
ローテートにはAtsu先生のおっしゃるようないい面も少なくありませんが、産婦人科の場合は「他科でも必要な産科または婦人科知識をたたき込む」という研修を受ける側のメリットのほうが大きい現状が悲しいです。
僕は昔の医局が好きなんですが、医局での15~20年間の生活を「総合して」考えますと、大学あり・市中総合病院あり・救急病院あり・老人病院あり・僻地診療所風あり・基礎研究あり・臨床研究あり・疫学研究アリ・海外留学あり・他科との交流あり・・・で、内科医としては「スーパーローテート研修」以上の「ウルトラスーパー内科生活」だった気がします。
僕の出た大学の場合、今のポリクリとローテートの中間位のカリキュラムでしたから感じることかもしれませんが・・
あははっ、私も「釣られて」産婦人科になった口です。
研修医くらいから数年の間は、徹夜の骨盤位分娩もたまにありました。
でも、残念ながらここ数年見ていませんね。
先生のおっしゃるように、「産婦人科の醍醐味」と若い先生たちに感じ取ってもらうのも
スーパーローテの役割りのひとつと思うのですが、
「産婦さんと一緒に、徹夜で頑張ってお産する」というあの醍醐味は、
残念ながら、もう伝えていくことはできないのかも知れない、と思うこともあります。
そうすると、更なる醍醐味は
> こーーーーーんなちっちゃいゴマツブみたいな頃から胎児の成長をお母さんと一緒に楽しみに見ていって、赤ちゃん誕生という完結と出発を一緒に経験できるってこと
これでしょうか(笑)。
産婦人科って、緩急ありますよね。
お疲れさまです。
研修医を働き手として頼る、というのも、
本人たちにとってはいいかも知れませんね。
医師免許を持って、本当はもう少し責任のあるようなこともやりたいでしょうから、
先生方のように、研修医の力を尊重する姿勢も、教育のひとつと思います。
それから、当該科に向かないのであれば、早期のうちのそのことを自覚させるのも
必要なことではないでしょうか。
やっぱり先生のところのように、せめて2ヶ月単位だといいのですが。
漫画家さんなんですね(笑)。
このブログ、コメンターの方々のバックグラウンドの豊富さが自慢なのですが、
漫画家の先生は、christmasさんが初めてと思います。
> 漫画界も最近は‘モンスターリーダー’が増殖(^^;)
え〜〜〜〜っっ?!
びっくりました。
漫画の世界ですら、そんなことに・・・
私が世事を知らないだけなのでしょうか。
う〜ん、こんな事実を知ることができただけでも、
この記事を書いてよかったと思います。
ありがとうございました。
記事を書いた当初に想像したよりも、この制度に関して肯定的な意見を多数お聞きできて、
認識が新たになり、視野も広がりました。
先生のコメントにある、以前からあったスーパーローテ方式病院のお話もお聞きできて、
とても納得しています。
記事では、当院で続いた象徴的な例を挙げたに過ぎませんが、
制度そのものに関しては、先生のように「長い目では、良い研修」と言えるのかどうか、実は未だにわからずにいます。
産婦人科医としての人生を考えるとします。
産婦人科は上述のように、非常に範囲が広い分野です。
周産期領域では、大抵の合併症妊娠の管理ができること、
不妊・内分泌領域では、体外授精までできること、
婦人科腫瘍では、広汎子宮全摘術ができること、
これらを網羅して、ようやく一人前と言われていました。
今でも既に、ここまで到達することも困難で、
体外授精の経験のない産婦人科医、広汎子宮全摘術のできない産婦人科医は
結構な割合で存在します。
逆に言うと、できなくても臨床をするのにさほど不自由はなく、
該当症例が来たら専門医のところに送ればいいのですが。
しかし、産婦人科医が心電図を読めたり、厳密な輸液管理ができたりするようになるよりは
体外授精や広汎子宮全摘術ができることを優先すべきではないか、と思うのです。
やはり、科によって事情はちがうのでしょうね。
ローテーターを見て、実は私もうらやましくなることがあります(笑)
今からいろんな科を回ったら、きっと面白いと思うので。
それにしても、素敵な外科教授ですね。
同じ理屈で、「分娩は医師の教養のうちだ」と、
研修医を分娩に立ち会わせたいところです。
いえ、研修医と言わず各科の先生方、産婦人科医が絶滅しないうちに、ひとつ如何でしょうか(笑)。
ブログの方、書き込みはしませんでしたが拝読しました。
相変わらず、ご活躍のようですね。
今回の記事では、何だか次々新しい、広い視点からのご意見を頂戴して、
一気に利口になった気がします(笑)。
hirataさんのおっしゃる
> 教育には王道はない
これも、本当にその通りですね。
常に念頭に置いておきたいひと言です。
そして、具体的なアドバイスも、ありがとうございます。
> 患者の心をくみ取れそうもないような奴は、ビシビシ叱ってください。
ええ、そうします(笑)。
特に産婦人科は、きめ細かな配慮が必要な科です。
> 見込みのあるやつは、本当は何が一番やりたいのかを押さえたうえで、才能を伸ばしてやってください。
記事中第一例、佐藤くんなどは、やり方次第でのびる医者だと思います。
本当は第三例のような研修医をがっちり指導したいのですが、
マンパワーの都合でなかなかそうもできず、歯がゆい思いをしています。
まあ、斉藤先生のような研修医は、どこにいってもめいっぱい吸収してくれるのだとは思いますが。
医療ニュース、毎日毎日ありますよね。
ご存知かも知れませんが、僻地の産科医先生の「産科医療のこれから」というブログです。
http://obgy.typepad.jp/blog/
私はほぼ毎日ここに寄って、情報を仕入れています。
> 2つくらいの科を1年でローテートがいいかも。
おぉ、このくらい思い切った方式も、いいように思います。
先生、厚生省のえらい人になるご予定はありませんか?
斬新な改革が期待できそうです。
あ、そうなってもりんの相手、してやって下さいね(笑)
キックオフミーティングのメッセージ、ありがとうございます。
常々、現場軽視の傾向に強い疑問を感じていました。
研修システムもそうですが、かかりつけ医制度やら診療報酬やら、
全て役人が机の上で転がして決めてしまい、現場の混乱を招いています。
医療行政だけではなく、医事紛争もしかりです。
現場の判断を軽んじ、後から批判しようとする姿勢が、乱訴の一因となっているように思います。
産婦人科研修において、研修側のメリットが大きいことは仕方ないと思うのですが、
それにしても産科の研修ができないからと、他院から1ヶ月だけ研修に行かされるのでは
研修医の方もやりにくいだろうと思うのです。
それほど、産婦人科の研修指導体制は手薄だということなのですが・・・
> 「ウルトラスーパー内科生活」
これは、内科の先生にとっては素晴しい研修制度なのではないでしょうか。
産婦人科に当てはめて考えると、そのように思います。
実は私、今も医局人事にどっぷり浸かっている身分です。
多少の注文はありますが、概ね幸せに産婦人科医をしており、満足です。
私の所属する大学も、先生のところと似たような感じで、
救急病院、がんセンター、周産期センター、体外授精施設、
老人センター、県立病院規模の病院、それに大学院や留学もありです。
「ウルトラスーパー産婦人科研修」を経験できました。
十余年目を迎える今、それでも尚、修行途上にいると思っています。
昨年より今年の方が、産婦人科医としての臨床力が確実に上がっています。
今、卒後の研修先を探している最中です。
産婦人科医になると決めていても、内科・外科の充実した病院で初期研修をするべきか、
3年目以降に働きたい産婦人科のある病院(内科・外科は微妙なところ)にいくべきか
迷っていました。
産婦人科医が心電図を読めたり、厳密な輸液管理ができたりするようになるよりは
体外授精や広汎子宮全摘術ができることを優先すべきではないか、と思うのです。
という先生のお言葉はうれしかったです。内科の各科を3週間ほどでローテートしていく
「内科の強い」病院に気持ちが傾いていたのですがやめようと思います。
もし、産婦人科医として働く上で重点的に回っておいたほうがよいとなな先生が思われる
診療科があったら教えてください。
学生の立場からみると、小児科(NICU)、麻酔科、内分泌・代謝、循環器、泌尿器かなと思っているのですが・・・。
これからもブログ楽しみにしています。
スーパーローテートは私が学生の時に知り合った医学生から,絶対反対だ!!!と熱く語られたことを思い出します。彼らの熱さの割りにうすぼんやりの私はお酒を飲みながら「そうなんですか?」と聞いていたのは悪かったなと思いますが。きっと彼らも今は指導医あたりでしょう。
私の勤めているところは個人病院ですが,この間,研修医が来ていました。いろいろと忙しく,勉強も大変だと思いますが,妊婦さんの目の前で大あくびをしているのを見たときは後ろからとび蹴りをくらわしてやろうかと思いました。もっと真剣にならなくてはいけません。生理現象は隠せないのでせめて,隠すとか,そんな配慮もできへんのか!!と思いつつ。
医療従事者の教育はどこをとっても問題がありますね。私は以前,看護学校の教員でしたが,看護師をみても,助産師をみても,医師をみてもはぁ・・・と将来どうなっていくんだろうと思っていました。教員はある意味,外から医療を見る人間になるので。
でも,
> 「自分が全てを知らなくてもいい。誰が何に詳しいかを知っていればいい。」
これは目からうろこでした。すべてにエキスパートになろうとしていた私がいました。それではつぶれます。そして,つぶれかけでした・・・
産婦人科医を目指しているのですか。
中々、厳しい医療事情になっていますが、
やる気と愛着があれば、必ず報われると思います。
分娩に関わる神聖さと明るさは、産婦人科に独特のものでしょう。
重点的に回っておいた方が良い科は、自信を持って答えられませんが、
私が今から回るとしたら、モモさんと同じで
小児科NICU、麻酔科は外せないと思います。それから、精神科です。
内科の中では内分泌と循環器という点も賛成です。
ただ泌尿器科は、確かにお世話になることは多いのですが、
患者さんは男性が多いようですので、研修するとなったらまた違うかも知れませんね。
それから研修からは話が外れますが、身体を鍛えておくことをお勧めします(笑)。
他の科でも言えることですが、基礎的な体力は時に気力の不足を補ってくれることがあります。
共に、頑張りましょう。
何事にもエキスパートになろうとしたら、疲れてしまいますね。
産婦人科医学の世界では、疲れるどころか不可能と言えると思います。
助産学でもやはり大変なのだと知って、少し驚くと同時に
納得しています。
私もせいぜい「あれもこれも知りたい」という方ですが(笑)、お互いつぶれない程度に、やって行きましょうね。
> 妊婦さんの目の前で大あくびをしているのを見たときは
これは、とび蹴りの刑に匹敵します!
あるいは本人、気づいてないだけかも知れません。
ローテートの内容・期間を見直したりと、もう少し選択する幅が増えるといいんでしょうね。
僕も麻酔科と産科はローテートしてみたいです(^^)
私も同じことを思いました。
この記事を書く前は、新研修制度にはもっと否定的な考えを持っていましたが、変わりました。
また、現行の制度のままではなく、改善は必要ということは
ほぼ共通認識らしいということも、今回初めて知りました。
まだまだ知らないこと、違った視点がいっぱいです。
さー、お修行しなくっちゃ(^^)!
> しかし、産婦人科医が心電図を読めたり、厳密な輸液管理ができたりするようになるよりは
> 体外授精や広汎子宮全摘術ができることを優先すべきではないか、と思うのです。
私は外科医ですが,先生のこのご意見は絶対に違うと思います.もちろん,心電図を循環器内科医程度に読める必要はありませんが,ある程度読めないとダメです.産婦人科は全身管理を必要とする診療科であり,輸液管理も厳密なものが要求される場面は少なくないのではありませんか.
これらのことは体外受精や広汎子宮全摘ができることよりessentialな部分だと思います.
外科では,右開胸食道亜全摘,肝切除,PDなど,難しい手術に挑むにはこれらのessentialなことがマスターできていることは最低条件とされています.
専門分化指向の中で,これらessentialな部分が蔑ろにされてきているために,スーパーローテート制度が導入されてきているのだと思っています.
なな先生も,ある程度できることは当たり前と無意識に思っている上での発言とは思います.ですが,スーパーローテートに消極的な文脈の中で上のようなことを書いていらっしゃったので,黙っておれませんでした.
どうか,気を悪くなさいませんよう.
Level3です.
なな先生,確かに「体外受精」も「公汎子宮全摘術」も産婦人科にとって重要なのは当然です.ただ,今の日本のシステムだと外科医(産婦人科医)が周術期管理もしなければならないのですから厳密とは言わないにしてもある程度適切な「輸液管理」ができなくてはせっかく手術がうまく施行できても「治療」という結果がついて来ないでしょう.心不全,腎不全や呼吸不全になってしまったのでは手術がだいなしです.
基本的なところは身につけておくことが大切かと思います.欧米のようにきっちり役割分担できているところでは,先生が書かれていますように術後管理はそちらの専門医に任せればよいのですが.
私は麻酔科医で,全身すべてをみることが基本になっていますので,外科系各科の先生方とはスタンスが違うのは承知しております.ただ,心電図や胸部レントゲンは(一般的な医療レベルで)読める(正常ではない所見がそのように思える)ことは医師免許の最低条件かなと思っています.難しいところは専門医に相談すればよいのですが,最初のとっかかりを見付けるのは担当医の先生の役割ではないでしょうか?
少し言葉が足りなかったのかも知れません。
次のコメントで、Level3先生からも同様のご指摘を頂戴しています。
申し訳ありませんでした。
心電図に関しても、周術期の輸液に関しても、
考えるところは先生と同じです。
> なな先生も,ある程度できることは当たり前と無意識に思っている上での発言とは思います
ご理解下さっているようで、安心しました。
今後ともよろしくお願い致します。
麻酔科医の立場からのご指摘、ありがとうございます。
2つ上のコメントで、田舎の一般外科医先生からもご指摘頂きました。
説明不足をお許し下さい。
医師免許の最低限レベルとしての胸写と心電図に関しては、そのように思います。
循環器内科や呼吸器内科で研修しないと身につけられないようなレベルと、
体外授精他を比較したものが、私の頭の中にあったため、あのような記載になってしまいました。
このひと言が、足りませんでしたね。
また、術後の全身管理に関しては、従来の研修体制はもとより、一般的産婦人科臨床をしていれば、
自然と身に付くものではないかと思います。
産婦人科領域では、婦人科癌の術後管理や、早剥DICの管理といったところでしょうか。
研修医時代にシビアな症例にあたり、ICUに張り付いたのも、いい思い出です。
我が身を顧みて、精進しないとなりませんね(笑)。
それにしても、幸せボケしてませんね〜...さすが!
(これじゃ、ダンナもボケてられんな...しんどいな...)
あ、それで、スーパーローテートの話ですが...
やっぱ、医師不足が大きく影を落としてますね。
指導する側は大変ですよ。特に産婦人科とか..(病院にもよるし..)
以前19年間勤務していた病院は、大学から研修医が3ヶ月交代できてたんですよ。二つの内科医局から4名が派遣され、うち1名が私のところ(神経内科)。で、当時、神経内科に興味のあるやつはそれほどいなかった..。
正直、非常に熱心な研修医でせっかく3ヶ月で脳血管撮影までやらせたりして、使える!、と思ったとたん大学へ帰られると...その後、点滴もろくにできないのが回ってきたりして...、とにかくよほどこっちに余裕がないと、指導は難しかったですね。自分の入院患者15名ほどで手一杯。(時には30人ほど担当した時期もありましたっけ)。当時、入院期間が長く、寝たきりもいて、今ほど忙しくなかったけどそれでも重症は必ずいて、指導どころじゃないこともよくありました。
医師を増やして体制を整えて初めて今の制度が機能するのかな、という気がします。(お体大切に!)
いつもながら、ほのぼのと心温まるコメントをありがとうございます(笑)。
19年前とのことですが、先生のお話をお聞きして
指導体制はその頃からあまり変わっていないのか、と思いました。
現在、医局関連病院では方々で同じようなことが起きているようです。
「(研修医は)ちょっとできるようになると、すぐ次の病院に異動してしまう。賽の河原だ」
と嘆く、産婦人科部長の声が聞こえてきます。
> 医師を増やして体制を整えて初めて今の制度が機能するのかな、という気がします。
改善すべき点は多々あるようですが、これはとても大切なことだと思います。
何事も不具合が起きる際は、最も脆弱な部分から始まります。
医療で言えば、産婦人科や小児科がそれに当りますので、
人手のないこれらの科は、指導機能不全を起こすべくして起こしているのかも知れません。
先生も、お身体をお大切になさって下さいね。
他者のあり方を見て「すばらしいなー」と思えること、
自分でこれだと思う道に進めること、どちらも素敵なことですね。
尊敬する産婦人科先輩医師で、体外授精や広汎子宮全摘はもちろん、
心電図、全身管理、血液内科や放射線治療の知識まで、素晴らしくお持ちの先生がいらっしゃいます。
要は「知識を身につけよう」という態度が大切なのでしょうね。
あの域まで達するのは無理かも知れませんが、目指して頑張ることならできそうです。
一地方で救急に携わっています。当地では大学病院が救急診療を実質的に行っていませんので、協力病院として前期研修で1ヶ月救急に来ます。
あらためて多様な方が来ます。
暖簾に腕押し状態の方も興味津々の方も。
1ヶ月なので深入りしないままに戻っていかれる様子を見ていて、患者さんとの関わりもにたようなものかと思います。
はじめてお会いしてまったくかみ合わないなあと思うこともあれば、後々お付き合いするようになることも。
そういう意味ではこちらの勉強になっているとも言えますか。
人見知りする自分がもし今の研修制度であれば、暖簾に腕押しタイプかも・・・
> あらためて多様な方が来ます。
暖簾に腕押し状態の方も興味津々の方も。
私も、同じような気持ちで見ています。
将来何科に進むかはさておき、一生懸命だと
こちらもあれもこれも教えたい、と思うし、
産婦人科に回ってきたところで夏休みを取る、なんていうケースもあります。
opeを教える際には、今まで私を教育して下さった先生方が
如何に忍耐強かったのか、思い知ることも(苦笑)。
先生のおっしゃる通り、こちらの勉強になることもありますね。
確かに大学などを中心とした研修医のスーパーローテーションには疑問を感じます。正直、モチベーションにムラがある新米医師が多いとつくづく感じます。救急の手技の一つ“やってみたい”の声が出ない、“やる?”て聞いても“強制ですか?”だって・・・こっちのモチベーションが下がります・・・
結論としてやる気のある研修医にとってスーパーローテーションは非常に有意義ですがムラのあるものにとっては時間の無駄ですね。
> モチベーションにムラがある新米医師が多い
これは、とても感じます。
結論にも深く同意で、ここでいろんな方から頂戴したコメントを読んで、
最終的には本人のやる気如何にかかっているのかな、というところで
自分の中にすとんと落ちました。
指導医のモチベーションももちろん、大切です(笑)。
でも、さすがに医学に興味のない新米医師はいないでしょうから、
もっと本人のモチベーションや興味に従って、研修方法を多様に選択できた方がいいのでしょうね。
ぼくは将来地域で働くか、産科医を志望しています。
必要とされるところで働きたい、というのが理由です。
(今の日本に医師が必要とされないところなどなさそうですが。)
今のところ前者が9割、後者が1割といった感じです。
でも、本当の希望は「お産も取れる総合医」です。
実習先の地域の病院に、実際にそういう医師がいたことがきっかけで考えるようになりました。
(その先生はこの臨床研修制度の下でそのようにトレーニングを積まれた方です。)
昨今の厳しい情勢で、片手間とも思えるようなやり方は無謀のようにも思いますが、
優秀な助産師さんと協力ができれば、産婦人科の専門医の方々の負担も減らすことができると思っています。
以前の研修システムであったら、よっぽどフリーランスでやっていく勇気のある人でなければ、3番目の選択はできなかったと思います。
そういった意味では、今の研修制度でよかったと思っています。
お産も取れる総合医は、日本ではまだまだ少数ですが、
これからは必要とされていくのではないかと、個人的には思っています。
産婦人科の領域は広すぎますが、妊娠・分娩だけに的をしぼれば実現可能と思います。
現在の研修制度では、産婦人科のローテートは1ヶ月間と短期間ですが、
研修期間よりも、現場で仕事をし始めてからが修業本番です。
是非頑張って下さい。
nazさんのように、学生時代からしっかりとビジョンを持った方がいらっしゃることを
大変嬉しく、心強く思います。
お返事有難うございます。
貴重なお時間を割いてのレスに、大変恐縮いたしております。
先生の言葉にとても励まされました。
総合医をめざすときにどうしても壁になるのが、
専門領域でのトレーニングが受けづらかったりすることです。
先生のお言葉で産婦人科医の中に総合医の価値を認めてくださる方がいることがわかり、大変心強く思いました。
将来自分がどうなっているかは定かではありませんが、
目標に向けて少しずつがんばりたいと思います。
激務の毎日をお過ごしのことと存じます。
お体を大切になさってください。
折り目正しく、将来に夢を馳せる学生さんが思い浮かぶ、心温まるコメントです。
合併症妊娠の管理は、むしろ総合的な臨床力のある医師の方が向いています。
医学の進歩によって、以前は妊娠できなかったような方でも
合併症をコントロールしつつ、妊娠・出産が可能になってきました。
確実にneedsはありますし、私のような考え方の産婦人科医は
少なくないと思います。
より良い医療のために、共に頑張りましょう。
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