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< 胎盤をクーパーで剥離しました | メイン | スーパーローテ、何のため? >
2008.01.07 18:22 |  診療  |  なな  | 推薦数 : 24

「お正月をやろうよ。」

不妊のために悩む女性は、大勢いらっしゃいます。

 

約半年前の記事では、様々な苦悩を何とか乗り越えて体外授精に到達したものの、

受精卵を子宮に戻す段階で、どうしても受け入れられず、

クリニックの最寄りの駅で過換気発作を起こしては苦しむ、B子さんのお話をしました。

 http://blog.m3.com/nana/20070719/1

 

B子さんのような女性は、実は稀ではありません。

しかし、ほとんど同じ境遇にありながら、

ご主人のひと言の違いによって、全く違う転帰をたどった方がいらっしゃいます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

洋子さん(仮名)は、遅い結婚をされた、いわゆるキャリア女性です。

仕事に対して明確な目標を持ち、「この仕事は、天職だと思っています」と目を輝かせていました。

ご本人は、赤ちゃんは自然に授かるならそれでいい、というお考えですが、

ご主人がとても子供好きな方で、赤ちゃんを熱望されていました。

それなら、愛するご主人のために子作りをしよう、と決心し、

数々の段階を踏んで、体外授精にたどり着きました。

 

しかし、B子さんと同じ苦悩に陥りました。

受精卵の凍結保存まで成功していながら、子宮に戻すステップを、

どうしても心と身体が受けつけられません。

 

洋子さんはそれまで、本当は自分の望むことではない不妊治療と体外授精に

様々な無理を圧して、頑張りました。

産婦人科の診察なんて、誰だって嫌なものです。

恥ずかしいし、痛いし、怖いし、気持ちわるいし。

その上、洋子さんが何よりも大切にしていた仕事を休まなくてはなりません。

当然心は沈む一方で、感情のコントロールが困難になり、日常生活にも支障が出始めてきました。

 

ご主人は、洋子さんをとても大切になさる、やさしい方です。

診察室に入ったり、椅子に座ったりする仕草ひとつひとつに、

洋子さんに対する深い愛情がにじみ出ています。

しかし、多くの男性がそうであるように、不妊治療に通う女性の苦しさまでには

なかなか思いが及びませんでした。

洋子さんが、検査のためにキリキリと痛むお腹を抱えて帰宅しても、

労いの言葉をかけてはくれなかったそうです。 

 

ご主人を愛するがために頑張った洋子さんですが、ある日とうとう音を上げます。

「もうだめ、ごめんね、私にはもう、無理」

しかし、ご主人の返事は

「僕は子供がほしいから」、だけ。

 

洋子さんは、辛く苦しい気持ちをわかってもらおうと、説明しました。

 

クリニックに向かう途中、車道にふらりと歩み出て、トラックにはねられちゃえばいいと思う。

もう、仕事も何もかも放り出して、実家に帰りたい。

子供がほしいのはわかるけれど、子供がいないのなら私は要らないというのなら、

離婚して下さい、一人で生きて行きます。

 

それでも、それでもご主人の返事は

「僕は、子供がほしい。子供と、洋子と、3人で生きて行きたい」。

 

妊娠・出産は、甚だしい男女不平等です。

少なくとも、身体的負担や生命と健康の危険は、女性と男性では10対0。

男性にとっては楽な反面、愛する妻のために何ひとつ代わってあげられない苦しみもあるでしょう。

 

しかしご本人は、「泣かない日は一日もありません」というところまで追い詰められています。

こんな時我々医療者に、一体どんなケアができるのだろう、と考えあぐねたまま、事態は停滞しました。

 

ある日、転機は訪れました。

 

お正月の早朝、洋子さんは不妊クリニックに向かおうとします。

街には、トラックどころか、車もほとんど通りません。

日本晴れの空の下、大通りで足がすくんで、呼吸が苦しくなってきた洋子さんは、

何とか必死で、ご主人にメールを打ちます。

 

「だめ、もう、行けない」

 

待つこと数分、返って来たメールは

 

「行かなくていいから、お正月をやろうよ。帰っておいで」。

 

短いメールなのに、終わりの方は、涙で読めなかったそうです。

 

洋子さんの言葉です。

「胚移植に行けない私を主人が受け止めてくれたことで、すっと肩の荷が降りました。

 ひと月くらい、2人だけの時間を楽しんだら、子宮に戻そうと思います。」

 晴れ晴れとした、笑顔でした。

 

洋子さんがどうしても受け入れられなかったものは、

受精卵を子宮に戻すことでは、なかったのでしょう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  

仕事をしながら不妊治療に通う女性は、増える一方です。

しかし、「不妊治療のために仕事を休みます」とはなかなか言えないのが現状でしょう。

日本を上げて、少子化対策と言っていながら、何故なのでしょうね。

不妊治療は、愛し合う2人の子供を作ろうとする、尊い行為です。

赤ちゃんを望む女性たちが、堂々と「不妊治療に行きます」と言えるのが本来の姿だと、

私は思っています。

 

そして、赤ちゃんを望みながらも、

病院に行くことをためらい、誰も知らないところで心を痛めている女性も、

大勢いらっしゃいます。

プライバシー保護のために、事実を少し改変してあります。

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コメント

コメント一覧

以前、コメントにも書きましたが、私も不妊治療をしました。
おかげさまで、一番簡単な治療法で、しかも2年で授かることが出来ました。
でも副作用はありましたし、検査もしんどかったです。何より、両親(実親)のプレッシャーは凄かったです。
そんなしんどい過程を乗り越えられたのは、主人のおかげだと感じてます。

「子供は欲しいけど、無理すること無いよ」と、私の全てを受け入れ、そばにいてくれました。

価値観が違う夫婦だと、お互い、分かってます。でも、絶対経験できないであろう、生理痛のしんどさすら、主人は理解しようとしてくれます。そんな主人ですから、不妊治療も全て、理解しようとしてくれました。

こういったなな先生のブログを読むたびに、私はつくづく幸せ者だと実感します。
事実、治療も検査も一人では出来ませんし、精神的にも一人では決して乗り越えられなかっただろうと。

子供が出来ず悩んでいる周りの人のために「不妊治療して授かったの。」と言うように心がけてます。
「どうやって?」と聞けるようにと、軽い気持ちで産婦人科に行けますようにと、願いを込めて。
written by 蒼 / 2008.01.07 20:06
言い忘れましたが、おめでとうございます。
昨年は、なな先生のブログに出会えたたことを、幸せに感じました。
今年もまた、先生のブログを読んで、いろいろ感じたいです。
written by 蒼 / 2008.01.07 20:08
「不妊治療のために休む」これは、ものすごく大変なことです。
特に、年齢が高くなるほど、不妊治療が必要なことが多いし、
年齢が高いほど、仕事の責任も大きいし、休めません。
しかも生理休暇さえ、取りにくい。
(職種上、男性が圧倒的に多いし、生理休暇を申請しずらい)
一ヶ月に何度も休みを取れるほどのスケジュールはないし、
そんなことをしたら、自分の居場所がなくなりますしね。

だから、みんな30代にかかるころから、どんどん退職していきます。

私のような職業は、かなり残業時間が多いし、男性が多いので、10年くらいで、ほとんどの女性が退職してしまいます。

働く女性と不妊治療は、永遠のテーマなんでしょうか?
written by さまようSE / 2008.01.07 20:53
不妊治療に対する社会の認識や理解を広めることは重要だと思います。
でもその一方で、洋子さんのような女性を増やさないためにも、なぜ不妊になるのか、どうすれば不妊にならないのか、といった知識や教育を広めることも重要だと思います。もしこれを認識していて本当に赤ちゃんを望むならば、高齢出産をするリスクは冒さないと思うのですが。
written by suzu / 2008.01.07 23:19
蒼さん、こんにちは。
いつも丁寧で温かいコメントを、ありがとうございます。

不妊治療と、治療中の患者さんのメンタル・ケアをやっていると、
素晴しく奥様思いのご主人をお見かけすることがあります。

> 絶対経験できないであろう、生理痛のしんどさすら、主人は理解しようとしてくれます。

これは、すごいですね・・・
確かに、こういう感じのご主人はいらっしゃいますが、
まさに「生理痛のしんどさすら、理解しようとする」勢い、
こんな表現がぴったりです。

> 「どうやって?」と聞けるようにと、軽い気持ちで産婦人科に行けますようにと、願いを込めて。

蒼さんはご主人を「私にはもったいない人」とおっしゃるけれど
こんな言葉を言える、やさしい蒼さんです。
きっと、ご主人と同等の方なのではないでしょうか(笑)

今年も、益々いい一年でありますように。
written by なな / 2008.01.08 04:27
さまようSEさん、こんにちは。

おっしゃるような現象が、日本のあちこちで起こっていると思います。
でも、個人的な意見ですが
このような傾向は、年々改善していくのではないかと思っています。

古くは、女性が働くことさえ異端視されていました。
そして、高齢妊娠・高齢出産も悪戯に恐れられていました。
働く女性の不妊治療は、あればあるで問題点も出てきますが、
全体の流れとしては、女性の選択肢が広がってきたと言っても
いいのではないかと思います。

楽観的過ぎるかも知れませんね(笑)
written by なな / 2008.01.08 04:32
suzuさん、こんにちは。

確かに高齢化は不妊のリスクのひとつですね。
しかし、高齢妊娠という選択も含めての、それぞれの人生です。

> 不妊治療に対する社会の認識や理解を広めることは重要だと思います。

私もそのそのように思います。
不妊治療に関する偏見の除去も含めて、本当に正しい知識が広まり、
その上で各人が、人生の一部として納得のいく選択ができるのが
理想だと考えます。
written by なな / 2008.01.08 04:45
久しぶりに、「不妊治療のつらさ」を思い出しました。結婚が遅めだったこと、夫が一人っ子なこと、私自身も子どもがとても好き、などすぐに来ても良い条件はそろっているのに、こうのとりは我が家を訪れず、彷徨いました。
地元の総合病院の産婦人科、約50キロ離れた県庁所在地の大学病院、東京(片道4時間と1万円)の漢方専門医、県庁所在地の個人病院、東京の個人病院。治療すればするほど、生理不順がひどくなり、子宮筋腫で貧血が悪化、「できたら子どもが欲しいので」と筋腫の核出術。あぁ、あの追い詰められたような気持。本当に「夫次第」なこと、あります。
夫の知人の女性(80代)が、「あなたのご主人は、大事な人だから、遺伝子を残すべきだ。何よりそれを優先した方が良いと思う」と言われたのと、体外受精のための採卵ができなかったのが重なった時期には、「離婚」を真剣に考えるほど錯乱していました。今、思い返しても、失礼な発言。
夫とそのたびに話し合い、「それでも我が家に子どもが来ないのには、何か理由があるのだろう」と、治療をやめました。当時は良く聞く「(治療を)やめると妊娠する」にも、かけたい気持ちがありました。(世の中甘くない)
夫が、私の気持ちを受け止めてくれたことに、あらためて感謝しています。
 ところで質問があります。私は、1歳の時にリンパ腫で手術を受けました(45年くらい前)。そけいリンパ節で、試験切除なしで、2つの腫瘍を摘出し、悪性だったとは聞いていますが、当時の治療の詳細は不明です。がん治療を受けた人は、不妊の確率が高いと聞いたことがあります。私が妊娠しにくかったことと、この病気の治療に何かの因果関係があるでしょうか。もしそうなのなら「それは、早く知りたかった」ですねぇ。ドクターにそれをカミングアウトする方が、良かったのでしょうか。いつか(専門の)誰かに聞いてみたいと、思っていました。なな先生に少々甘えて。
written by michiko / 2008.01.08 13:18
なな先生 こんにちは。

私も体外受精(顕微授精)経験者です。

洋子さんのご主人のメール、素敵ですね!
その一言で救われた洋子さんの気持ちが分かるような気がします。


我家の場合は高度の男性不妊が原因でした。

主人も私も子供が大好きで、子供を持つことを切望していました。
だから少しでも可能性があるのならどんなに辛くても、お金と時間がかかっても、頑張ろう!と決めていました。

でもやっぱり治療は辛かったし恥かしかったです…。

けれどそれを言葉にすると主人を傷つけてしまいそうで、「楽しみだね!」「上手くいくといいね!」と常に明るく振舞っていました。

OHSSで入院した時も(主人に負い目を感じさせては…)と両親にも誰にも言えず、職場にもウソをついて休みました。
注射に来た看護師さんの「よく頑張ってるね!」という言葉に一気に涙が溢れて布団の中で声を殺して泣いたこともありました。


今は双子の娘達に恵まれとても幸せですが、当時誰にも言えなかった胸の内をなな先生に聞いて欲しくて、勝手ながらここに書かせて頂きます。


なな先生、もしも私と同じような境遇の患者さんがいたら、どうか力になってあげてくださいね。。



written by さくらんぼ / 2008.01.08 13:50
わたしも仕事に一生懸命で気づくとかなり遅めの結婚でした。
仕事がら(内科の医師です)、治療との両立は難しく、常勤で働くことをあきらめてパートで働きながら不妊治療(とはいっても排卵誘発とタイミング)に通いました。
昨年、待望の妊娠をしましたが早産となり初めての子供を失いました。
やっと、次の妊娠を考えられる時期となりましたが、年齢のこともありとても不安です。またあの通院の日々が始まるのかと思うと憂鬱になります。
でも、どうしても我が子を抱きたい。
支えてくれるやさしい夫にも我が子を抱かせてあげたい。
年齢的に焦る気持ちが大きいので、もっと早くに結婚して妊娠を考えていたら・・・と思うこともあります。
でも、ここまで一生懸命働いてきたからこそ未練なく非常勤として働くことを選択できたし、それまでの経験があるからこそ非常勤でもそれなりの役割を果たすことができる。
そして何よりも、今まで独身でいたからこそ夫と結婚できたのです。
昨年はほんとに悲しい思いもしたけれど、家族のきずなはより強く結ばれました。夫が支えてくれたからこそ治療も続けられたし、悲しみを受け入れられました。
いつも私の気持ちを大切にしてくれる夫と、お空から見守ってくれている小さな娘と、3人でまた頑張ります。
どうしても娘をお姉ちゃんにしてあげたい。

それにしても、少子化が進んでいるとは思えないほど赤ちゃんを強く望んで治療を頑張っている女性がたくさんいます。
それぞれにいろんな事情を抱え、つらい思いもたくさんされているんでしょうね。
そういう頑張っている女性たちのもとにこそコウノトリが訪れますように。

written by ママになりたい / 2008.01.08 14:24
なな先生こんにちは。

文中の女性に感情移入をして読んでいたら,ご主人さんのメールのところで,涙を流してしまいました。私は二人目不妊状態ですが,不妊治療は受けておりません。受けずに出来なかったときはそれもまた,運命と思っていますが・・・この女性の気持ちは痛いほどわかります。相手を愛すれば愛すほど,時に人は痛いことを言って気がつかなかったりします。男の人が,というわけではなく,男女ともに。それが人と人との付き合いなのでしょうが。でも,ある日突然,何かが違う,そして,ふっと分かり合えるそんな日も来たりするのですよね。長い言葉はいらず,天使が舞い降りて,手助けしてくれる瞬間があるのでしょう。

そう思うと,夫婦関係のみならず,人間関係全般において,あきらめるということはできないなぁと感じています。うちにも今年,天使が赤ちゃんを連れてきてくださいますように・・・
written by 助産師のなな / 2008.01.08 18:53
なな先生はじめまして、いつも拝見させて頂いています。
おそまきながらご結婚おめでとうございます。

不妊治療、私もしていました。原因は男性不妊でしたが、初めて行った人工授精で子宮内外同時妊娠・・・子宮内のは早々に流産し、子宮外はなんと左卵巣に着床しており、お腹のなかで出血し続けていたため、4時間強のオペでお腹を洗浄し左卵巣を摘出してしまいました。
(このパターンは非常に珍しいと聞きましたが本当でしょうか?)

その後転院し治療を進めていき、段階を進めて顕微受精2度目で双子を授かりましたが、8週でバニシングツイン・・・なんとか長男を授かりました。
またあの治療をと思うと気がひるみましたが、なんとか奮い立たせ、途中で発覚した橋本病の治療を行いながら再度4回の顕微受精で次男を授かりました。

これまでなんとかやってこれたのも、気晴らししてくれたり愚痴をだまってきいてくれたり、高度医療のことを一生懸命勉強し、私の検査などの苦痛を理解してくれようとした主人がいてくれたからこそです。

病気で、しかも卵巣が1つしかなくても2人の子供に恵まれました。今も頑張っている方々に一日でも早く天使が来ることを願ってやみません。

最後になりましたが、毎日寒いですから、なな先生お身体ご自愛くださいね。
written by のぞみ / 2008.01.08 21:25
こんばんは。
洋子さん、ご主人が受け止めてくださってよかったですね。

以前職場で不妊治療を勧められてはじめた同僚がふと聞いてきました。
「病院に行くと、うまくいかなかったら次の段階へって言われるんだけど、いつまで続くものなの?」

言葉を飲み込んでしまいました。
先の見えない不安って負担は大きいですもんね。

この記事を読まれた男性が、こういう問題に理解してくださることを願っています。
written by ひいよん / 2008.01.09 02:18
michikoさん、こんにちは。

治療をあきらめるまでには、きっと大変な葛藤があったのではないでしょうか。
「止めると決めるのにも、すごく勇気が要る」と、何人もの者さんから聞いたことがあります。
また、不妊治療をしていると、第三者から実にいろいろなことを言われるようですね。
不妊治療の権威の先生が「本当に自分のことを心配してくれる人の言うことだけ、耳を傾けていればいいのですよ」
とおっしゃっていました。

それから、ご質問のお答えです。
がん治療によって妊娠しにくくなるとしたら、
化学治療や放射線治療による卵巣機能の低下か、
骨盤内のopeで癒着を起こして、卵管通貨性が障害された場合だと思います。
そけい部のopeだけだったとしたら、妊娠しにくくなるとは
考えにくいと思います。
ご参考まで。
written by なな / 2008.01.09 08:19
さくらんぼさん、こんにちは。

双子のお嬢ちゃんから名づけた「さくらんぼ」さんでしたね(笑)。

ご主人を思い遣って明るく振舞っていたこと、
看護師の労いの言葉に涙されたこと、
そして洋子さんのご主人のメールに、共感して下さったこと。
辛い思いをされた方にしかない、やさしさを感じます。

> もしも私と同じような境遇の患者さんがいたら、どうか力になってあげてくださいね。。

ありがとうございます。
洋子さんも、同じことをおっしゃっていました。
「赤ちゃんの願う愛妻家の男性たちに、なんらかの励ましになるのなら、
主人の話をしてあげて下さい」、と。
ひいては、不妊に苦しむ女性たちの、少しでも救いになれたら、
という思いから、今回の記事を書きました。
written by なな / 2008.01.09 08:28
ママになりたいさん、こんにちは。
前回下さったコメントが、とても心に残っています。

悲しみが癒えることはないのかも知れませんが、
悲しみを抱えたまま、前に向かおうと思えるようになったのですね。
ご主人とお嬢ちゃんを思う、愛情あふれる言葉の数々に、
やさしいく純粋なママになりたいさんの許に、コウノトリが訪れることを
祈らずにはいられません。
written by なな / 2008.01.09 08:33
>michikoさん
なな先生も書き込みをされた後の横レスになってしまいますが、申し訳ありません。
「ドクターにそれをカミングアウトする方が、良かったのでしょうか。」という部分が気になったのです。

医者に「これが原因か?」と聞くのが憚られてしまい聞けずじまいだったのでしょうか?
それとも、不妊治療での通院中に医者にその(1歳のときの手術の)ことを話さなかった、ということでしょうか?
前者であれば今更仕方ないので、聞けるときに聞く、でよいと思いますが、後者は医者が困ると思いました。

病院にかかる際は「今の状態に関係があると思っていても、関係がないと思っていても」今までの主な病気などは全て話すべきです。
医者も人間ですから、以前に病気があったかどうかは患者が話してくれなければ分かりませんから。
それが関係あるかないかを考えるのは、その次の話になります。まずは、自分自身について医者に情報提供をしましょう。
そして、分からないことは質問しましょう。(質問しないと、医者には「分かったんだろうな」と思われるかもしれません)
他の閲覧者の皆様にも、将来病院に行く際には憶えておいて頂きたいことです。
written by 桜井純一郎(産婦人科医) / 2008.01.09 18:00
りん。見た?ななちゃんのエントリー。
悲しいね。涙が出たわ。男は限りなくやさしく、そして無関心なのかもしれないね。

無関心は愛の反対。。。ってよくいうみたいだけど、無関心になりきれずに、やさしくもなれるみたいね。。。

ほんとうの愛って、ほんとうに不思議ね。

この前のアイスクリーム。。。ばれちゃった?うふふ。

written by 夢見る掃除人 / 2008.01.10 01:13
助産師のななさん、こんにちは。

私も、外来で洋子さんのお話を聞きながら、
ななさんと同じ部分が心琴に強く触れました。
そして、同じ悩みを持つカップルの少しでも救いになるのなら、
という、洋子さんのお気持ちも。

赤ちゃんをお考えなのですね。
ななさんが様々なことがあったお話は、心に留めてあります。
その上で、次の子を、という境地に達したななさんです。
きっと、きっと赤ちゃんがやってきますように。
written by なな / 2008.01.10 08:20
のぞみさん、こんにちは。

とても大変な思いをなさいましたね。
子宮外妊娠ひとつとっても、大変なことなのに。
お話の通り、子宮内外同時妊娠は1/30000、
排卵誘発剤を使っていると1/1000くらいの確率だそうです。
お子さんは2人でも、何人分かの兄弟を代表して
今、のぞみさんと一緒にいるのでしょうね。

やさしいメッセージをありがとうございました。
written by なな / 2008.01.10 08:24
ひいよんさん、こんにちは。

おっしゃる通り、先が見えない不安は
不妊治療において、非常に重大なものです。
「不妊治療をしていて、何が一番辛いですか」とお聞きすると、
真っ先に返ってくるのが、異口同音にこの答えのような気がします。
赤ちゃんが思うようにできないこと自体よりも、多いのではないでしょうか。
他には「周囲からのプレッシャー」で、身体的負担という答えは、案外少ないという印象です。
written by なな / 2008.01.10 08:30
桜井純一郎さん、こんにちは。
思い遣りのある、そして有用なコメントをありがとうございます。

> そして、分からないことは質問しましょう。(質問しないと、医者には「分かったんだろうな」と思われるかもしれません)

臨床をしていると、全く同じことを感じます。
written by なな / 2008.01.10 08:31
夢見る掃除人さん、こんにちは。

ご主人あるいはパートナーの方が、お相手の女性のことを真剣に考えているのに、
愛情が伝達不全を起こしている症例を、たまに見かけます。

>男は限りなくやさしく

こう思うと、女性患者さんとパートナーの方の波長が合ってくるのを、
少しゆったりと待ってあげられるかも知れません。

りん、私があげてもアイス食べないのに・・・(苦笑)
written by なな / 2008.01.10 08:41
なな先生が思うほど、私、良くありませんから(キッパリ)。
確かに、主人は出来すぎた人ですけど(^^ゞ。
独り言ですが、ほんと、何で私なんかと結婚して、今も一緒にいるか、分かりません(汗)。

私の経験談を聞いて、「病院へ行ったよ」とか「治療を受けて、子供を授かったよ」と聞くと、単純に嬉しいです。
反面、やはりご主人の協力が得られず、今も悶々としている友人もいます。

ご夫婦の問題なので、これ以上は何も言えず、話を聞いて見守っているだけです。
少なくとも彼女は子供が欲しいのに、悲しいですね。

こういったブログを読んで、女性側の気持ちが分かると良いのに・・・。

ちなみに「不妊治療して授かったの」と言うと、大抵の人は、「聞いてまずかった?」とバツが悪そうな顔をします。
やはりまだまだ、結婚したら子供が出来るのが当たり前なのですね。
written by 蒼 / 2008.01.10 14:39
2度目ですみません。
不妊治療をしている夫婦の、
男性側の気持ちってどんな風なんでしょうね。
written by さまようSE / 2008.01.10 22:53
以前から拝見していますが
初めてコメントさせていただきます

内容と離れてるかもしれないですが・・・
私は子供を欲しいと思えなくて結婚して9年、フルタイムで介護福祉士として働いています
主人も基本的に子供が好きではなく絶対欲しいというわけでは無いので今までそういう話にもなりませんでした
しかし義妹夫婦に子供が生まれてから「血が繋がってるかと思うと可愛いモンやな」と言うようになりました
しかし私が絶対に嫌だと言うので遠慮もしていたみたいです
そして去年の夏に車を買い換えるときに
「子供作らないんやろ?子供に掛かるはずのお金がかからないんだからコレくらい(スポーツカーです)いいんとちがうか?」と言われ何も言えませんでした
そして最近、この先お互い不規則勤務で子供もいないし何の楽しみを持って生きていくんだろうと漠然と考える、と話されました

モチロン主人の両親、私の祖母、職場のおばあちゃん達と子供がいないことはいろいろ言われますが旦那も私も特に欲しくないという理由でサラッと流していましたが旦那の発言で実は私はとんでもないことをしているのではないかと不安で仕方が無いのです
旦那のことはいろいろありますが大切なので離婚なんてしたくないです
でも子供がやっぱりほしいといわれたらどうしようもありません
年齢も今年で31になります
子供という言葉にかなり敏感になってきておりその度に胃が痛みます

内容とかけ離れてしまいすいませんでした
written by ねこひめ。 / 2008.01.11 08:02
蒼さん、こんにちは。

本当に様々なご夫婦がいらっしゃいますね。
私の知人で、NICUの勤務経験もある、本当に赤ちゃんが大好き(そうに見える)男性産婦人科医がいます。
ベビー室で、赤ちゃんたちを食べちゃいそうな勢いでかわいがっているような先生です。
もう大学生になるお子さんがいっしゃいますが、
最近になって奥様から「実は結婚した当初は、子供は絶対に作りたくないと言っていた」
とお聞きして、びっくりしました。
ご夫婦の気持ちが近寄ってくるにも、時間が要るのでしょうね。

独り言、よく聞こえました。
実は私も同じことを思っています(笑)
written by なな / 2008.01.11 08:20
さまようSEさん、こんにちは。

それは非常に個人差があって、難しいと思います。
文献上では、男性の方がストレスが少ないこと、
男女どちら側に不妊の原因があってもその傾向は同じであることが
書かれています。

個人的な印象では、男性側は赤ちゃんができないこと自体を悩むよりは、
奥様に子供を抱かせてあげられないことで悩むことが多いように思います。

でも、前記事のB子さんや本記事の洋子さんのように
女性は赤ちゃんをそれほど望んでいないのに、男性が熱望しているケースがあったり。

本当に様々です。
written by なな / 2008.01.11 08:25
ねこひめ。さん、こんにちは。

産婦人科医をしているといろんな価値観の方に出会います。

しかし、「女性は子供をほしがるもの」「結婚したら子供を持つもの」
という一般的概念が強すぎて、
それ以外の考え方の人がなかなか表に出てこない、という一面もあります。
子供どころか、結婚しても性生活を持たないご夫婦だっていらっしゃる程です。

子供を持っても持たなくても、その結果を引き受けるのは
祖父母でもましてや第三者でもなく、ご夫婦のお2人です。
お2人の気持ちが寄り添えるといいですね。
written by なな / 2008.01.11 08:30
はじめまして。
なな先生のブログ、拝見させていただいていましたが、書き込みは初めてです。
不妊治療をしたことない私ですが自分の妊娠した時を思い出しました。
妊娠には、それを理解して支えてくれる人が重要ですよね。
私は心臓に持病があり、ハイリスクとなるのは100も承知で自分が切望して妊娠しました。
主人はとても子ども好きです。でも、私と結婚する時点で、自分の子供は諦めてくれていました。
「妊娠したよ」と私が言ったとき、とても嬉しそうな顔をしたあと、「本当に大丈夫?僕は君が大事だし、命が危ないなら子どもは諦めようよ」といってくれました。
この言葉が出産までの大きな支えでした。もちろん、その後も多大な協力をしてくれています。
何の苦もなく妊娠出産する女性はいません。でも、苦の程度は人それぞれ。程度に合わせた周りのフォローが何よりも大切だと思います。
それを最後にはわかってくれた洋子さんのご主人、素敵です。

なんだかごちゃごちゃな文章になってしまいました。すみません。
written by あっきぃ / 2008.01.14 13:40
またまた再度お邪魔してすいませんです。

>ご夫婦の気持ちが近寄ってくるにも、時間が要るのでしょうね。

そうですね。
私たちの場合は、私が決断するのに(主人はもともと欲しがっていたので)8年、かかったわけです。(2年治療して10年目で授かったので。)
正直、離婚寸前までいきましたし、会社も辞めました(自営に入りました)。
でもいろいろ話し合った末の決断なので(跡取り問題があったので、周りには絶対子供を作れと言われてました。)、治療もすんなり入れましたし、乗り越えられたと思います。

私側に原因があって良かったと思いました。これだけ待たしたんですもの。自分に非があって当然だなと。

ただ、2人目はもういらないと思ってます。持病で服用中ですし、年齢も年齢だし、また不妊治療をしないと無理だと思います。何より一人目でこんなに精神的に不安定になるときがあるので、耐えられないかもと。
でも主人は欲しいとは思ってるようです。ただ、私の気持ちや事情は全て理解しているので、「もういいよ」とは言ってくれますが、子供の話が出るたびに、私が気にしてしまって。
振り返ると責めてる自分がいます。主人は私と結婚したばかりに、いろいろ背負わされているなと。
written by 蒼 / 2008.01.15 06:10
追加ですが、独り言、聞こえたようで(笑)。
同じようなこと、思われてるとは、意外です。
だってなな先生、素敵な方なんですもの(^^)。
written by 蒼 / 2008.01.15 06:13
あっきぃさん、こんにちは。

> 「本当に大丈夫?僕は君が大事だし、命が危ないなら子どもは諦めようよ」

連休明けの朝から、感動しました。
素晴らしいご主人ですね。
直ちにこれを言える男性が、どれだけいるでしょう。

> 何の苦もなく妊娠出産する女性はいません。でも、苦の程度は人それぞれ。程度に合わせた周りのフォローが何よりも大切だと思います。

本当に、そうですね。
私の外来には、不妊治療のみならず妊娠中に調子を崩してしまった方がたまにいらっしゃいます。
その女性たちとご家族に、伝えたい言葉です。
そして私自身も、妊婦健診をする際に常に頭に置いておきたい言葉です。

コメントありがとうございました。
written by なな / 2008.01.15 08:34
蒼さん、重ねてのコメントをありがとうございます。

8年、ですか・・・
私のところには、数ヶ月で既に大変苦しんでいらっしゃる方も稀ではありません。
8年間、どんな思いでいらっしゃったでしょう。

> 私側に原因があって良かったと思いました。

蒼さん、本当にご主人のことを愛していらっしゃるのですね。
結婚相談所の所長が書いたという、男女交際に関する話を読んだことがあります。
交際がうまくいくコツは、女性の方は「とにかく自分が楽しむこと」なのだそうです。
男性にとっては、女性があれこれと自分に気を遣ってくれることよりは、
自分と一緒にいる時に女性がうんと楽しそうにしていることが、何よりなのだそうです。
様々な考え方はあると思いますが、私はなんだかとっても納得しました。
きっとご夫婦でも同じですね。
奥様が幸せそうにしていたら、それが一番なのかも知れませんよ(・・・と自分にも言い聞かせながら(笑))。


written by なな / 2008.01.15 08:40
なな先生、アンド 桜井純一郎先生

コメント(と横レス)をありがとうございました。
そけい部の腫瘍に関して、産婦人科のお医者様には、話したことと話さずじまいだったことと、両方でした。

他にも、原因になりそうなことが多く、話しても問題にされないことが続いたため、ある時期から話さなくなりました。男性不妊。私自身の子宮筋腫は、結婚前からで、「外側だから、妊娠には差し支えない」と人間ドックでは言われていましたが、それが不妊の原因と考えた先生もいらっしゃいました。治療をすればするほど、生理不順や不正出血がひどくなりました。
注射による排卵誘発をした時に、過剰に反応して人工授精ができなかったことがあり、別の病院での注射による排卵誘発の際「過去に、こういうことがありました」と話しました。そして、注意深く、排卵誘発をしたのですが、その時には、卵巣が反応せず、治療につながりませんでした。
卵巣が反応しなかったことについて、その時の先生が、ボールペンをポンと放りながら言った「嘘だったね」の一言は、今でも忘れられません。『嘘』じゃないってば。「今回は、反応しなかった」私の体が悪いのか??この個人病院へは、その後、行けなくなってしまいました。質問すると、怒るし。

そけいリンパの手術をしたのは、左なのですが、ある時期から意識したところ「今回は、右側ですね」と言われることばかりで、左の卵巣から排卵しそうだと言われたことが、記憶にないんです。

夫の母は、結核の療養生活が長く、肋骨を5本取っていますし、腹腔内にも癒着があって子宮後屈だったので、手術をして夫を妊娠し、帝王切開で出産したという「命がけで、産んだ」人です。その義母にだけは、申し訳ない気持ちが今でもあります。「だからあなたも頑張れ」などとは言わない、優しい人だけに。

最近、夫に対して、腹が立つことがいろいろあったのですが、あの時期にそばにいて、一緒に考えたり、私の決断を支持してくれたことを思えば、少し優しくならなくちゃいけないかもしれないですねぇ(反省しきっていないかも)。夫婦二人という家族を、大事にしていきたいと思います。あ、義母も(義父は、他界)。

みんなが幸せな一年になりますように。
written by michiko / 2008.01.17 14:44
michikoさん、重ねてのコメントをありがとうございます。

michikoさんだけではなく、お母様もご主人も、
様々な思いをなさったのではないでしょうか。
当事者にしか、わかり得ない気持ちではないかと思います。
そんなご経験を経て、「優しくならなくちゃ」とおっしゃっているmichikoさんの言葉に、
既に充分な優しさを感じました。

ところで卵巣ですが、仮に片方しか排卵していなかったとしても、
ほとんど妊娠しやすさには影響しないのです。
その点は、自信持っていいと思います。
written by なな / 2008.01.18 08:23

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