日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | |
7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 |
14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 |
21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 |
28 | 29 | 30 |
産婦人科になって十余年、医療を取り巻く環境は、激変しました。
患者さん側には、医療に対する不満、不信感が広がりつつあります。
具合が悪くなった時、まずどこの病院に行ったらいいのか、わかりにくくなりました。
病院に行っても、長い時間待たされて、あっちの診療科、こっちの検査と
一日中歩き回らなくてはなりません。
検査や治療がどんどん発達する一方で、情報が氾濫し、
自分の受ける医療がどんなものなのか、理解しにくいような状況になってしまいました。
産婦人科の領域では、産婦人科医の減少に伴い、
遠距離通院、長時間待ちの傾向は増悪する一方で、
緊急時のママと赤ちゃんの安全さえ、確保されていないのが現状です。
医療者側も、じわりじわりと苦しくなっています。
限られた労働力を120%使って診療にあたっても、
手が回らないと「義務を忘れた医師たち」と書きたてられてしまいます。
患者さんの、医療に対する要求はエスカレートする一方で、
医者の労働環境は悪化する一方です。
義務は膨れ上がり、権利はないがしろにされています。
しかし、我々医師は、心身ともに良好な状態でないと、良い医療は提供できません。、
こんな状況は、患者さんにとっても医師にとってももう限界、
変えて行かないとなりません。
しかし、何も変えなければ、何も変わりません。
もうご存知の方もいらっしゃると思いますが、
「全国医師連盟」という組織が、産声を上げようとしています。
全国医師連盟設立準備委員会:http://www.doctor2007.com/index.html
診療環境改善の活動
医療問題の社会啓発
医事紛争解決と医師の自浄機能
この3つを、組織の目的として掲げています。
この組織に関わる、志と行動力、洞察力を持った先生方を、応援しています。
旧約聖書「伝道の書」、私の座右の銘です。
天が下のすべての事には季節があり すべてのわざには時がある
生まるるにときがあり 死ぬるには時があり
植えるには時があり 植えたものを抜くには時があり
殺すに時があり 癒すに時があり 壊すに時があり 建てるに時があり
泣くに時があり 笑うに時があり 悲しむに時があり 踊るに時があり
石を投げるに時があり 石を集めるに時があり
抱くに時があり 抱くことをやめるに時があり
探すに時があり 失うに時があり 保つに時があり 捨てるに時があり
裂くに時があり 縫うに時があり 黙るに時があり 語るに時があり
愛するに時があり 憎むに時があり 戦うに時があり 和らぐに時がある
今、戦う時です。
全国医師連盟の先生方、どうか、頑張って下さい。
固定リンク | コメント (22) | トラックバック (1)
コメント
コメント一覧
医療に限らず人を敬う心の廃れてしまった今は・・・なんて寂しい世の中でしょう。
人は一人では生きていけないというのに・・助け助けられて生きているということを忘れた生き物である人間にはいつか罰がくるような気がします
医療だけでなくすべてのことでもそうですよね
世の中に、なな先生たちみたいに優しい方が消えてしまわない世の中にいつかなるのでしょうか(今のままでは消えちゃいそうです)
皆さん頑張ってくださいとしか何の力も無い私にはいえませんが・・明日が少しでも明るい明日になりますように。。
頑張ってください!片隅で応援してます
日本医師会員でも参加は出来るそうですが、日本医師会にはない勤務医の為の医師会であってほしいと願っています。
日本の保険医制度は少し前まで開業医の為のものでした。ころころ変わる日本の保険制度、医師を目の敵にしたマスコミ報道を考えますと団結して行動あるのみです。もっと暇があれば東京へ行きたいのですが、、、
我々医療者に対する温かいお言葉を、ありがとうございます。
私たちは、一人一人の患者さんに育てて頂いた結果、今があります。
その恩義を、次の患者さんに返して行くことによって医療は発展していきます。
医療に限らず、他のことも同じかも知れません。
しかし、そんな敬意と人間愛のある医師・患者関係が、保てなくなってしまいました。
本当に、嘆かわしいことです。
新組織がどのような団体に発展していくのかはまだ未知数ですが、
「医療を社会に貢献できる形にしたい」という思いに共感し、
今回の応援記事を書くに至りました。
医師連盟の先生方も、このコメント欄をお読みになっています。
ゆいさんのような一般の方からの温かいお声は、きっと心に響いていると思います。
先生もご参加なさっているのですね。
医師連盟の趣旨に賛同しているものの、
一介の町医者である私に何ができるだろうと思い、
このような形で表明しました。
これからも見守って行きたいと思っています。
医療の現場では,様々な職場が立ち上がらなければならない状況ですよね。私たち助産師もがんばらなければいけません。
私,クリスチャンなんですけど,「伝道の書」見落としています。(ちゃんと,聖書を読んでいない,まったく敬虔でないクリスチャンです)読んでみますね。ちなみに,旧約聖書のかなり最初のほうに,助産師(文中では助産婦)が出てきます。そこにこっそり,誇りをもっています。
病院の投書箱に、「その主治医の先生は厳しい」とか、そういう避難の声ばかりが入っていると、ぼやいていました。
本当は先生には直接、感謝の気持ちを切々と綴った「クリスマスカード」を渡してきたのですが、病院の投書箱にも主治医の先生への感謝の言葉をたくさん書いて、投函してきました。
患者さんの苦情が、勤務医の先生のやりがいを失くされている一因にもなってしまうんでしょうね。私の投書を読んで、少しでも先生が元気を出して下さると嬉しいんですが。
だって、私はいろいろな病院を回って、やっと巡り合えた主治医の先生にどれだけ助けられたかわからないので、今、辞められてしまったら、私は路頭に迷ってしまいます。
福祉国家の集合体であるヨーロッパ連合(EU)には、統一された勤務医の団体があります。
各国の勤務医が団結して、ヨーロッパ市民に適切な医療を提供するためには、どんなシステムが実行可能なのか提言しています。
欧州の場合、EU委員会の取り決めで加盟各国間の医師免許と専門医資格が相互承認されているため、医師の移動の自由があることが、統一された勤務医団体を作れる土台なのかもしれません。
もちろん、福祉国家が基礎にあるので、国のヘルスケア政策も、それに則っています。
今度できる医師連盟も欧州の勤務医団体と共同戦線をはったらどうでしょうか。
#European Association of Senior Hospital Physicians (AEMH)
http://www.aemh.org/pages/home.html
#The European Federation of Salaried Doctors (FEMS)
http://www.fems.net/
自分と自分の家族を守るために
なな先生やakagamaせんせいやあつかふぇせんせいや...とにかくたくさんの第一線で働く素晴らしい医師たちをまもるために、
そして、当然、少しでも良い医療を提供できる環境を守り、ひとりでも多くの国民が良質の医療を受けられるように、
今や、医療者として(自分のブログで何度も書いていますが)、自分の経験を生かして、少しでも若い先生たちが医療者としてどんどん安心して仕事ができる環境を取り戻すことが、自分達の世代の医者の使命だとも考えています。
だからこそ、新医師連盟を成功させなければならない、と思っています。
微力ながら、支援活動をできる範囲でやっていく覚悟です。
勤務医中心になるでしょうが、良質の医療を求めるのは、勤務医も開業医も国民もパラメディカルもみんな同じです。いずれ大きなうねりとなることでしょう。
「伝道の書」、神聖な気持ちになるでしょう?
心を落ち着かせたい時にも、使えますよ。
> 旧約聖書のかなり最初のほうに,助産師(文中では助産婦)が出てきます。
いいなあ・・・
産婦人科医は出てきませんか?(笑)
医者の立場、時には厳しいことも言わないとなりません。
バリ島さんには、主治医の先生のそんな気持ちが通じているのですね。
クリスマスカードも感謝の言葉も、とってもいいと思います。
前々記事で、同じ産婦人科女医のうりちゃん先生がコメントに下さっているように、
ほんのひと言で、元気が出て来るのですよ。
バリ島さんの、素敵な主治医の先生も、
きっと喜んでいらっしゃると思います。
欧州の勤務医団体のお話、大変興味深く読ませて頂きました。
医療を取り巻く環境は、国ごとに様々ですが、
共鳴できる部分が、きっとあると思います。
このコメント欄は、全国医師連盟の先生もお読みになっています。
私の友人たちも、何人か加盟しています。
コメントありがとうございました。
> 医療者としてどんどん安心して仕事ができる環境を取り戻すこと
私が医者になった10余年前は、今よりはるかに安心して、医者としての誇りを持って
仕事ができていたと思います。
失ってみて初めてその良さがわかるようになるのは、
平和と同じでしょうか。
医者がこんな調子では、患者さんにいい医療が提供できませんよね。
先生も加盟なさったのですね。
論客でもなく、積極性にも欠ける一介の町医者である自分にできることは、
まず、わがブログに書くことでした。
次に何ができるのか、考えて行きたいと思っています。
私が初産のときに担当してくださった(しかもたくさんの検診の中で数回だけの)当時研修医だった女医先生。。
お産の一ヶ月前にやっと入籍できたとき(反対がすごかったので何度くじけそうになったか)本当に喜んでくださり、真夜中のお産には飲みで一緒に飲んでいた他の先生のポケベルだったにもかかわらず飛んできて「ゆいさんのお産には絶対来たかったの」って言いながら一泊二日で分娩室にいた私の上にまたがって(スカートで)よいしょってお腹を押してくださったのは本当に忘れられません。(来年その子がお産をします。)
その先生も今は先生の故郷で総合病院の部長先生をしていらっしゃって。。年月を感じながら、素晴らしい先生に巡り合えたんだなと・・・命のつながりに感謝しながら今でも思い出したら涙が出ます。
産科に限らず、すべてのドクターに・・ドクターが安心して頑張る元気のでる世の中になって欲しいと心から思います。
なな先生、私はいつも先生のブログを読みながら、本当に感動してます。なんて真っ直ぐな綺麗な心の方なんだろうって。
本当に本当に応援しています。頑張ってくださいね
医療崩壊がさらに進めば、病気になっても簡単に病院にかかれなくなり、日本という国が本当に荒廃します。私にも家族が居ますので、日本や家族のためを思うと、不幸な未来になることを黙って見過ごせませんでした。
医療の現場を知る専門家として、声を上げていこうと思います。
本当にここ10年の間にいろんな環境が激変して
いますよね。
ついていくのに必死です。
病院も警察も学校も・・・日本全体が・・・。
今日の支援契約でいつも通りに高齢者の方に質問しました。
”主治医の先生とはいろいろご相談しやすいですか?”
「・・・それが、昔の先生はちゃんと腹やら脈やら触ってくれたけど、今の先生はパコパコとなんやら押しながら話すから・・・眼も見ないね。」
と。
パソコンにきっちり記録を残そうと必死なのですよね。
”伝道の書”にもありますが昔は人は感覚で”その時”をわかっていたのでしょうね。
人がもともと持っていた感覚は現在は麻痺しかけています。
なので人と人とが心を通じ合わせるよう努力が必要ですよね。
パソコンから少し視線をはずして、眼を合わせ、脈をとり
表情をすこ~し和らげる・・・そして会話をする。
その少しの瞬間で乗り越えられるものもあるのかな・・・と感じています。
なな先生はやっておられる。
そんな人たちが少しずつ増えていくと良いですね。
話題からそれてしまいましたが・・・。
> 真夜中のお産には飲みで一緒に飲んでいた他の先生のポケベルだったにもかかわらず飛んできて
途中まで読んで、もしかして自分のことかと思ったら、
現在は部長先生なのですね、ちがいました(笑)。
お産は、ゆいさんのお話にもあるように、
ご本人にとっては一生の記念になるものです。
1人1人大切にしなくては、と初心に返るコメントを頂戴し、
ありがとうござました。
わざわざお越し下さいまして、ありがとうございます。
きっと、非常にお忙しいことと存知ます。
お身体を大切に、是非頑張って下さい。
先生方のご活躍に、注目しています。
ぴょん先生が下さったコメントを読んで
「手当て」って、手を当てることなんだよ、
と教えてくれた恩師の言葉を思い出しました。
手で触れると痛みが和らぐのは、誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
現場では、電子カルテ記載もそうですが、
「退院入力ができないから、退院できません」
なんて妙なことが起きかけています。
より良い医療のための電子化なのに、本末転倒ですよね。
・・・などということを、最近は病院に向かって言えるようになりました。
私自身が年をとったせいなのか、
もの言いたくなるほど状況が悪化したからなのか、
産婦人科医が足りないおかげで発言権が強くなったせいなのか
わかりませんが(笑)。
確かに以前に比べたら、大事に扱われているのか物が言えるような気もします。
同じく年齢のせいのような気もしますがw
(ずーずーしくなっただけかも)
医師連盟に参加しました。
でも実際に何が出来るのかよく分からずじまいです。
それを知るためにも先ず参加した、というかんじです。
ところで、なな先生がどなたのことなのか分かりませんでした。
りんちゃんでなくてりきちゃんという犬の写真はみかけたんですが?
まあ、私もHNが違うんですけれどもねー。
(んー、動機がミーハーかもw)
重点活動項目に「医療界の自浄」とありましたが、ふと考えてしまいました。
患者の側の自浄は?
原因を探っていくと教育やら何やらとこちらの方が病根が深そうで、この自浄に何世代かかるのだろうとか考えると・・・う~ん、暗くなる。。。
しかし、どげんとせんといかん・・・。
全国医師連盟の今後の発展に注目しています。
私自身は一支援者で、SNSには見当たらないかと(笑)
> 患者の側の自浄
これは、今までにはなかった発想ではないでしょうか。
素晴らしいです。
知り合いの先輩医師で、患者さんと交流を持てる市民レベルの勉強会に参加なさっている方がいます。
その先生は医療サイドとして「診療時に患者さんに望むことは何か」という意見をまとめていらっしゃいました。
例えば、妊婦健診には悪阻の方もいらっしゃるので、香水は控えてほしい、とか
病状や今後の治療方針の説明の時には、聞きたい人はまとめて来てほしい、などです。
患者さん側からどんな意見が出るか、お話を楽しみにしているところです。
コメントを書く