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10年前、中学校からの友達・奈美のお産に立ち会いました。
卒後ずっと交流があったわけではないのですが、
奈美の妊娠中、たまたま私が彼女の家の近くの病院に勤務していて、
偶然の再会を果たした縁でした。
陣痛の最中、夜通しご主人と2人で奈美を励まし続けました。
大丈夫だよ、と静かにささやく、いいご主人、
心配かけまいと、無理やり笑顔で応える奈美。
産婦人科部長室では、大丈夫ですから、と言っても
いやほら、ななのお友達のお産だし、僕も参加したいし、と
恩師井上先生が待機して下さっていました。
無事に産まれたのは、元気な女の子です。
お産の後は、後産が残らないことを確認するため、
上腕の中ほどまで子宮の中に手を入れます。
この時、お産で疲労した顔に、奈美が微笑を刻みながら言いました。
「これでもう、ななに恥ずかしいことなんて、何にもなくなっちゃったね」
そんな思い出深いお産でしたが、
この時産まれた女の子・真樹ちゃんは
独身で子供のいない私にとっては、大切な宝ものです。
もう、かわいくって仕方ありません(笑)。
毎年、真樹ちゃんのお誕生日に、プレゼントを贈っています。
花模様とかハート柄とか、ピンクとかキラキラしたものとか、
女の子らしい、夢のあるプレゼントを選ぶのに、こちらがうきうきしています。
去年は服を贈ったのですが、選ぶ時に店員さんに向かって
「私が取り上げた、友達の子のプレゼントなんですよ~」と言ったりして、
完全に親バカ丸出しです(笑)。
プレゼントを贈ると、お礼のメッセージを送ってくれます。
乳児の頃は、奈美が真樹ちゃんの写真を撮って、送ってくれました。
3歳くらいになると、真樹ちゃんがクレヨンでお手紙を書いてくれるようになります。
最近は、学校のことや習い事のことを書いたお手紙をくれるようになりました。
実は、新生児の頃からの写真と2人からのメッセージを、全て保存してあります。
ご両親の愛情をたっぷり注がれて育っている真樹ちゃんですが、
彼女が大人になったら、
真樹ちゃんは、こんなに愛されて育ったのよ、と
知らせてあげたいと思っています。
今年も、真樹ちゃんのお誕生日が近づいてきました。
まだひと月近くあるのに、もうそわそわし出している私。
こういうのを「何バカ」と言うのでしょうね(笑)。
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コメント
コメント一覧
外来で大きくなった子どもを見ると嬉しいものです。
しかし自分の子どもはまた格別ですよ。
なな先生も幸せな家庭を持てることを祈っています。
友人の家に遊びに行くと大喜びされました。皆、育児で疲れてましたので。w
その子達もそろそろ高校生。月日は、早いものです。
なな先生もいい家庭を持ってくださいね。
子供を持つと本当にかわいいと思いますが、それはまわりの人たちが「かわいいね」って言ってくれるからだと思います。誰しもがすぐに親に慣れる訳じゃない。でもこうして周りから応援してくれる人がいて、親はがんばれるんじゃないかと思っています。
プレゼント選び、あと一月、楽しんでくださいね。
10年前ですか~。私、ちょうど10年前にこの世界に入りました。もう10年経っちゃたんですね~。時間って早いです。
10年前の研修医のときにお産に立ち会った赤ちゃんたちはもう10歳になるんですね。関わったすべての赤ちゃんが幸せに育ってくれていることを願うばかりです。
小児科もまた、似たような特権に恵まれた科ですね。
産婦人科よりむしろ、子供たちの成長を見守れる頻度は
多いのでしょうね。
産婦人科は、胎児の頃から診れるのが、ひとつの醍醐味です。
恩師が一緒に待機してくれたことも、忘れがたい思い出です。
ほんと自分の子供だと、また全然ちがうのでしょうね。
動物や赤ちゃんに人気があるなんて、
Jさんはきっと、やさしい雰囲気をまとっているんでしょうね。
家庭を持つのも幸せなことと思うのですが、
穏やかで、何事にも心煩わされない一人暮らしもまた快適です。
なかなか手放せずに、今日まで来てしまいました(笑)。
かわいい、と周囲が言うからかわいくなっていくというのは、
本当にその通りと思います。
生まれた瞬間、特にパパで「かわいい」と言う人はどちらかというと少数派で、
「猿みたい・・・」とか
「人間?」なんていう感想が聞こえることも(笑)。
これから真樹ちゃんと、人として交流を持てるのが楽しみです。
係った子供たちが幸せになってほしい。
こんな風に思えるのも、産婦人科・小児科の特権ですね。
それから、自分の友達とこんな形で係れるのは
産婦人科医だけでしょう(笑)。
今から産婦人科に進んでくる若いドクターたちに
教えてあげたい楽しみです。
確かに、臨床の現場で友人と会えて、喜びを一番共有出来るのは産科の先生ですよね。羨ましいです。
そして、なな先生らしい、素敵な文章。
いつも読んでいて引き込まれてしまいます(^^)
馬鹿オジさんでした(^^;
でも、考えたことがあります。
私が産婦人科になったらかなりヤバイ。
取り上げたお子さん全部にちゅーをしちゃいそうで・・・。
いつも拝見しております。医療従事者の皆さんには本当に頭が下がります。
先生は大変な毎日の中に幸せな瞬間を見つけていらして、本当に素敵だと思います!
多分、私も先生と同年代かと思います。私も日々の生活の中で「素敵な瞬間」を見つけられるように頑張ります。
いつもご好意あふれるコメントを、ありがとうございます。
もらった写真とメッセージを全部とってあって、
大人になったらいつか真樹ちゃんに話そう、と思っていたのは以前からなのですが、
「こんなに愛されて育ったのよ」というメッセージを添えようと思ったのは、
先生からヒントを頂戴したのです(笑)。
先生が、姪御さんにそう伝えたい、とお書きになっていたのが
とても印象的でした。
先生の姪御さんを思うお気持ちは、真樹ちゃんと私まで幸せにして下さいました。
先生のういっと君に向けた親バカぶり(失礼)は、
多くの読者を幸せな気分にしていますね。
世の中のパパは、そうでなくっちゃ。
> 取り上げたお子さん全部にちゅーをしちゃいそうで・・・。
先生がおっしゃると、冗談に聞こえません(爆)
妊婦のみどりと申します。
なな先生のようなご友人を持つ奈美さんが羨ましいです。素敵なお話に、心が暖まりました・・・・が!
>お産の後は、後産が残らないことを確認するため、上腕の中ほどまで子宮の中に手を入れます。
この一文に思わずギョッとしました。この措置は、産婦さん全員が受けるものなのでしょうか? 「上腕の中ほどまで」ということは、肘の辺りまでお腹の中に入れられるということですよね。怖すぎます・・。
でも、こんなものを怖がっているようではお産にはとても耐えられないのでしょうか・・。
話が脱線してしまい、申し訳ありません。
いつもお読み下さっているとのこと、
そして我々医療従事者に温かいコメントを、ありがとうございます。
「素敵な瞬間」って、「もっともっと」と思っていると、
どんどん見つかってくるものと思っています。
エレベーターがすぐに来てくれてラッキー、
かわいい犬とすれ違って、ちょっと幸せ、
遅いお昼に、好きなメニューが残っていて、幸せ。
あ、庶民的すぎますか(笑)
びっくりさせちゃって、ごめんなさい。
これだけ聞くと、確かにこわいですよね。
ええと、病院によると思うのです。
個人的な印象ですが、理由がなければやらない病院がほとんどと思います。
この操作が必要になる理由としては、
例えば、胎盤や付属物の一部が残った感じがあるとか、
お産の後の出血がなかなか止まらず、原因がわからないことなどです。
でも、仮にこれを受けることになったとしても、
何しろ3kg近い赤ちゃんが通った直後ですから
大人の腕くらい通っても、大丈夫なのですよ。
確かに、直径10センチの赤ちゃんの頭が通った直後なのですから、大人の腕ぐらい大したことがないということですね。納得いたしました。
それにしても、出産を経験すれば、ちょっとやそっとのことではビクともしないぐらい、痛みや様々な困難に対して強くなれそうですね。
なな先生とご友人の奈美さんも、奈美さんのご出産と言う大変な出来事を通じて、深い友情で結ばれておられるのだろうなと思いました。
仕事や家事に追われ、日々、すごい勢いで過ぎ去っている中、このブログに立ち寄るとホッとします(^^ゞ。
大変な勤務なのに、こんなに素敵な事を見つかられてるお姿、見習わなくては。(^^ゞ
でも、ご両親や肉親以外の方にこんなにも思われてる、真樹ちゃんは幸せですね(^^)。
私たち夫婦には子供がいませんが、弟の子供(特に上の子供)を母は生前とても、生まれるのを楽しみにしていました。
そして、お見舞いに来た時の為に、末期ガンの辛い体なのに、車椅子で私と一緒に売店にお菓子を買いに行ったり、病室で無邪気に遊ぶ姿を、とても嬉しそうに見ていました。病室もその子の写真が壁にたくさん貼って、母を励ましてくれていました。
今は、その母の気持ちを私が受け継いでいます。
今年もお正月に、弟の子供達に会うのを楽しみにしています。そして、母が生きていたらやってあげていただろうと思うことをしてあげたいと思っています。
もちろん、プレゼントも買って帰りますよ!
初めてのお産はわからないことだらけで、不安もいっぱいですね。
健康にお気をつけて、いいお産をして、
またお話しに来て下さいね。
いつも温かいコメントを、ありがとうございます。
医療崩壊と言われて久しくなり、こと産科医療に関しては、
衰退の一途をたどっています。
それでも、産科医をやり続けたく何かがあります。
そんな気持ちを少しずつ、伝えて行きたいと思っています。
今までもバリ島さんのお母様のお話を何度かお聞きしていますが、
本当に素敵なやさしいお母様ですね。
亡くなっても尚、こうしてバリ島さんと弟さんと、弟さんのお子さんたちを結んでいらっしゃるのですから。
親にとって、自分の子供たちが兄弟仲良くやっていることは
この上なく嬉しいことではないでしょうか。
いいお話をありがとうございました。
赤ちゃんの写真が何百枚、いいですね~
日本でもそういうクリニックを見かけますが、
院長先生もやはり、写真を見て嬉しそうです。
産院・産科病棟は笑顔の似合う場所です。
。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
こういう「お馬鹿さん」は大歓迎されます。
仕事に真摯に向き合っていないと「こういうお馬鹿さん」になれないでしょう ??
お金の繋がりでなく 命での繋がり ハートの繋がり
最高です。
バカと言う言葉では表現し切れない。
泣いているなあと姿を満足に見る間もなく、小児科の先生に連れて行かれた赤ちゃんが、無事に大きくなっていて、本当に、感動しました。
そういう「お裾分け」を頂くので、帝王切開の麻酔は、なくなるとちょっと寂しいです。
研修医の先生に届いて欲しいこの思い。私も今の時代、医学生だったら産婦人科医を志したろうか?産科医としての魅力を語る医師が周囲にいれば違ったかもしれません。
いつも心にしみるコメントをありがとうございます。
こうして育むハートの繋がりは、何ものにも換えがたい大切なものです。
医療の崩壊を肌で感じる毎日ですが、
真面目に医者をやっていると、まだまだ良いことがあると思っています。
またちがう視点からのコメントを、ありがとうございます。
ope室で生まれた赤ちゃんを、麻酔科の先生が抱っこする光景を
何度か見たことがあります。
世にも微笑ましい光景です(笑)。
自分では気づいていませんでしたが、
おっしゃる通り、これは私の原点とも言えるイベントかも知れません。
下っ端産婦人科医だった私が、自分の友達を受け持つという生意気な行為を
温かく見守り、支えてくれた恩師井上先生のお力が
この体験を可能にして下さいました。
井上先生のような大先輩がいたからこそ、今の自分があると思っています。
余談ですが、何度かこのブログに登場している井上先生ですが、
ご本人は、私がブログを書いていることすらご存知ないのです(笑)
私も産婦人科を目指し最初三年間の研修医の時に、自然分娩1000人以上、帝王切開300人以上を執刀しましたが、産科の経験は、忘れません。特に始めてのお子さんを取り上げた時は、お母さん、お父さんともに、感無量という感じで、おめでとうございますと言った時の、ご両親の笑顔は、本当に、産婦人科医の特権だと思います。ロスに20年前に、家庭医として開業した時も、産科の許可が病院からおりたので、是非続けたかったのですが、医師の医療訴訟保険料が、一人でも取り上げると十倍になるので、あきらめなければなりませんでした。年間保険料が1,800万円になるからです。
日本でも弁護士の増加とそれに伴う医療訴訟の増加と、産婦人科医の減少に伴う労働条件の悪化を考えると、ますます産婦人科医の存続が危ぶまれます。舛添厚労大臣の医療改革を期待します。
もちろん井上先生には内緒です。
何しろ重症の照れ屋さんですので、このブログを読んだらたいへん(笑)
三年間でその数をご経験なさったのは、素晴しいですね。
今の若い世代には、日本では5年はかけないと経験できない数ではないかと思います。
産婦人科の存続は、おっしゃる通り厳しい状態になっています。
既にお読みになったかも知れませんが、Atsullous-caffe先生のブログの記事です。
http://blog.m3.com/Fight/20071012/2007__1
分娩手当の支給が検討されていると聞きました。
人により考え方は様々と思いますが、
金銭で産婦人科医を分娩の場に引き止めよう、という発想自体、
どうも理解できません。
初めてのお産の時の、ご両親の感動される姿も素晴しいのですが、
2人目3人目のお産の時の、まだ幼いお兄ちゃん・お姉ちゃんの複雑な表情も
何とも言えず、かわいらしいですね(笑)
私の出産後ほどなく妊娠した彼女の第一子を今度は私が取り上げさせてもらいました。
ぎりぎり同じ学年の彼ら、1年に1回短時間会えるかどうかだったのに何だか従兄弟のような関係です。
そして私と友人も友達以上姉妹未満みたいな関係です。
自分の取り上げさせてもらったお子さんや、おっぱいのマッサージなどで長く関わったお子さんって何だか孫みたいに可愛いです。
ほんとに特権ですね。
前エントリーのコメントがらみですが、私は20代前半で私生活で親友の自死、病死、大好きな父親の病死を立て続けに経験し、仕事でもそれこそ何の罪もない赤ちゃんの死を経験し、なぜこんなことが、といつまでも涙にくれる経験ほどいろいろ教えられ考えさせられるものはないということを実感しました。
そんなことから、ただ他者の為に生きるという気高い命の存り方というものもあるのでは、と思うに至りました。
それでも、そんな気高い生き方を選ばず生きていて欲しかったですが。
これはすごいお話です(笑)。
この仕事をしていても、なかなかできる体験ではないですね。
素敵です。
亡くなった生命にどのような意味を感じるかは、
残ったものの心が決めるのでしょう。
「気高い在り方」というのも、言い得て素晴らしい、
ひとつの考え方と思います。
病気が、時として患者自身を救うことがある、ということは
ようやく少し理解できるようになりました。
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