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病院で検査や治療を受ける時に「同意書」あるいは「同意書・説明書」
という書類を見たことのある方は、大勢いらっしゃると思います。
検査や治療の内容、目的、起こり得る副作用などが説明してある文章で、
それらを理解した上で、「その医療行為を受けます」と同意してもらうことが目的です。
様々な医療行為に関して、同意書が存在します。
手術や輸血はもちろん、
造影剤を使用した画像診断(CT、MRIなど)、鎖骨下静脈穿刺、
産婦人科領域では陣痛促進剤使用、子宮卵管造影、人工授精などです。
ところがお産に関しては、同意書・説明書がないのが一般的です。
お産こそ、手術や輸血に匹敵するレベルのリスクを孕んでいるのに。
一方、多くの人は、お産のリスクをほとんど知らないまま、お産に臨みます。
「おめでた」という言葉に象徴される、お産の明るいイメージ。
学校教育でも、お産のことを学ぶ機会は皆無、という現状。
また、妊婦さん向けの雑誌を見ると、
妊婦健診でもらった赤ちゃんの超音波写真を投稿するコーナーや、
マタニティ・ドレスの写真が、ファッション雑誌のように並んでいます。
こんな風潮のもとでは、
「お産は、順調に行って当たり前」、
そんな認識を持ってしまっても、ある程度仕方のないことかも知れません。
しかし、この認識が、患者さんにも、医療者にも、不幸をもたらしています。
患者さんは、順調に経過すると信じて疑わなかったものが、
思わぬ結果になると、非常に混乱します。
そして医療者は、最善を尽くしても患者さんの期待に沿えなかった場合に厳しく糾弾され、
士気を失い、医療の現場から立ち去り、
そして、残った医療者たちの負担が、倍加します。
こんな悪循環を断ち切るためには、
お産をされる方たちに、お産のリスクを啓蒙する必要があります。
そのひとつの方法として、全ての妊婦さんに
「分娩同意書・説明書」をお渡しすることを検討しています。
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【分娩同意書・説明書】
医療技術の進歩により、妊娠・出産における安全性は、劇的に改善しました。
しかし、それでも妊娠・出産で生命を落としたり、後遺症を残したりすることはあり得ます。
<生命に関わること>
出産に関わる母子の安全の指標として、以下の2つものがあります。
1 周産期死亡率:妊娠22週〜生後1週間未満の胎児・新生児の死亡率
1985年には64人に1人が亡くなっていたものが、2005年には208人に1人と、
20年間で死亡数が1/3以下に減少しています。
2 妊産婦死亡率:妊娠中〜出産後42日未満の死亡率
1940年には430人に1人亡くなっていたものが、2005年には17000人に1人と大幅に改善し、
世界でもトップレベルの成績です。
しかし、このように現在でも、
妊娠・出産において生命を落としてしまうお母さん、赤ちゃんがいます。
<健康に関わること>
妊娠は病気ではありませんので、経過が順調であれば、普段と同じ生活が望まれます。
しかし、思わぬ合併症が起こり、入院を要することもあります。
以下、頻度の多いものを示します。
1 重症妊娠悪阻:重症化すると、脳に障害を起こすことがあります。
2 切迫流産・切迫早産:早産になった場合、赤ちゃんが長期入院を要したり、障害を残すことがありま
す。
3 妊娠中毒症(妊娠高血圧症候群と改名):未熟児になったり、母体に高血圧、脳障害などの後遺症を残
すことがあります。
4 前置胎盤、低位胎盤:大出血になったり、止血ができないケースでは子宮摘出を要することがあり
ます。
以上のように、妊娠・出産にはトラブルが潜んでおり、
ひと度発症すると、取り返しのつかない場合もあります。
母子共に、健康で出産を迎えるために、以下のことをご理解・遵守下さい。
① 妊娠中はしっかりと自己管理して下さい
お腹の中にいる赤ちゃんを守ってあげられるのは、お母さんしかいません。
体重管理には充分気を配って下さい。体重が増えすぎると、産道にも脂肪がついて、
赤ちゃんはより狭いところを通らなくてはなりませんので、苦しい思いをすることになります。
また、脂肪がつくと、お産の時に産道が裂けやすくなります。
味の濃いものは控えて下さい。血圧上昇につながることがあります。
喫煙は論外です。赤ちゃんの顔に煙を吹きかけるのと同じと考えて下さい。
② 分娩時の医療行為をご理解下さい
頻度の多いものとして、会陰切開、陣痛促進剤、吸引分娩あるいは鉗子分娩、帝王切開があります。
いずれも母子の安全を守るために行うもので、不必要に施行することはありません。
③ 妊娠・出産は本来命がけの行為です
何人ものお母さんと赤ちゃんが、お産で生命を落として来た教訓を経て、
現在があることを忘れないで下さい。
上記事項をご承諾頂いた上で、当院でのお産をご希望される場合は、以下にご署名下さい。
---------------------------------------------------------------------------
○○病院長殿
私は上記事項に承諾の上、○○病院での出産を希望します。
平成_年_月_日
ご署名___________
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コメント
コメント一覧
同意書はあって然るべきかと思います。
以前から思っているのですが、同意書の類い、病院によってまちまちの書式を使うより、全国共通のものがあってもよいのではないかと。
あと、インフォームド・コンセントというものは、情報を受けるという『権利』を行使し自己決定するという『権利』を行使しているのであるから、与えられた情報に言及されている(思わぬ)結果にについては、決定した本人の責任範囲内のことであるという認識を広めるべきなんでしょう。
これが分娩予約をかねていまして、これがなければ「申し込み」ができないという形です。また申し込みをしていても他院へ搬送しやすいという点からあえて、「同意書」ではなく「申込書」です。最後のところが「上記について納得された上で、○○病院での分娩予約を申し込みいたします」という形になっています。
申込書には
母体搬送の可能性、新生児搬送の可能性、抗生剤使用の可能性(抗生剤アレルギーの有り無し)、輸血の可能性(輸血歴有り無し)、緊急帝王切開など緊急で手当てを要する場合に、家族に連絡を取れない場合は事後説明になる可能性、子宮摘出の可能性、分娩前払い金について、など事細かな記載がされており、個々の事例において最善の努力はするし、状況に応じて妊娠初期にお渡しし、家族で検討してきていただき、申し込んでいただく形です。
「上記事項をご承諾頂いた上で、当院でのお産をご希望される場合は、以下にご署名下さい。」
より
「上記事項をご承知のうえ、○○病院においての分娩を希望いたします。署名」
の方がパターナリズムじゃない感じがするという
それだけなんですけれど(^^)。
上記、僻地の産科医先生の病院のように、意識の高いところもありますが、
opeや輸血の同意書に比べたら、はるかに浸透していないという印象です。
お産に関しては、従来の同意書と一線を画したもの、
つまり、リスクの説明と同意というよりは、
本来命がけであるお産に対する覚悟を決め、
自己管理を徹底してもらえるような、意識向上の促進に重点を置いたものを、考えています。
全国共通のもの、その通りですね。
例えば学会主導で各種同意書のひな形を作成しても、いいのかも知れません。
コメントありがとうございました。
コメント頂戴するの、久しぶりですね。
先生のところは「申込書」ですか。なるほど。
それも煩雑さがなく、いい方法ですね。
これから作成するとしたら、従来の同意書としての役割に加え、
妊婦さんとご家族を啓蒙できるようなもの、
そして、お産を扱う我々からの愛情が伝わるようなものを、と思っています
(甘いかも知れませんが)。
搬送の可能性の説明は必須ですね。ありがとうございます!
分娩同意書・説明書の作成を考えてはいたものの、
実際文章にしたのは、今日が初めてです。
推敲の余地が多々あると思います。
今後ともよろしくお願い致します。
普通の仕事上でも同意書や依頼書、指示書、確認書など、ものすごいです。本業より書類が多い。
まして、命に関わる医療の現場で、分娩に関してなかったなんて、盲点ですね。
お産の知識とか、生理の知識とかは、病気でなく女性なら知っておく知識なんだから、もっと学ぶ機会があればいいなと思います。学校でも、もっと教えたらいいのに。変に遠慮して、当たり障りのないことしか教えないから、間違った知識になってしまうし。
以前、診察室で、産婦人科医がいろいろ説明を終えた後、「予定日すぎたら、大変なことになりますから!」って、ものすごい気迫で言われていたのを思い出すと、その時の医師の気持ちが、なな先生の同意書の内容と同じだったのかも。
医師も患者も元気に退院したいですもんね!
妊娠っておめでたいことですが、
視点を変えれば、
健常な方々が自己責任で妊娠というハイリスクな選択をするわけですから。
助産所での分娩や自宅分娩を選択するのも同様。
いずれにせよ、
ハイリスクな選択をした場合は、
ちゃんとその自覚を持っていただきたい。
そうすれば、産科医の苦労も減るのでしょうけど・・・。
私は現在妊娠5ヶ月目で、妊娠出産関連の書籍や雑誌をよく読むのですが、順調な経過を辿った妊婦さんの紹介記事は沢山あっても、トラブルに見舞われた方に関する記事は全くと言って良いほど無いですね(そういう方は取材に応じないのかも知れませんが)。
地方自治体の主催する母親学級でも、地元で妊婦友達を作ることに主眼が置かれており、ティータイムばかりで講義時間は少なく、リスクについての話はおろか、妊娠出産に関する専門的な講義も殆どなくて、なんだかなぁと思いました。
自分や赤ちゃんにどのようなトラブルのリスクがあるのか、万が一何か起こった場合にどのように対処すべきか、国からどのような助成を受けられるのか、自助団体は存在するのか・・・そのような情報が絶対的に不足していると感じます。
お産にリスクが伴うことは、助産院では最初にぴしゃりと言われました。
自己管理のことも「守らない人はしらんよ~」といわんばかりです。妊婦さんたちは先生に見捨てられないように、一生懸命勉強して、自己管理頑張ってました(笑)
「何かあったら危険だから」と病院へ行っている友達の方がなぜか知らないことが多い傾向がありました。(これはあくまで私の主観です)
私自身は友人や親戚で30週を超えてからの死産があったりというのを聞いていたので、娘が無事に生まれてくることはないだろうというくらいの気持ちで、一生懸命自己管理しました。
最後に緊急帝王切開になりましたが、だからこそ、最良の手段だったと納得することができたと思っています。
地域の妊婦教室でもお友達つくりが先行して、勉強になることは少なく、なんだかなぁと思いました。でも助産師さんが「不安なら勉強しましょう。無知は一番不安をあおります。」といわれたのは、そうだそうだと思い、そこからいっぱい勉強しました。
そういう勉強の機会が増えるといいですよね。
これだけ問題になっているのに、それもどうかと思うんですけどねー、正直。
やはり、妊婦に出産の危険性を知らせる、って事と同時に、自分の身を守るって意味でも、絶対に必要だと思いますよ。
今の時代。
バースプランを書くことにより,ある程度,勉強をして下さるのですが,私の過去に行った研究結果では「無事に生まれたらいいです」ということに最後はなってしまうのですよね。
そういう他力本願をねらっているわけではないのです。自分のお産を自分で産むという考えを持ってほしい。でも,助産師外来をしていても,なかなか難しいことです。
どうしたらいいのでしょうか。やはり,中,高生から,出産準備から「産むのは自分である。よって自己管理も自分の責任においてしなければいけない。でも,生理的なものなので,危険をはらむこともある」ということも言っていかなければならないのでしょうね。
私は最初はできなくても,途中で自分が産むんだという意識がでてくるようなかかわりがしていきたいです。
いわゆる医療行為(分娩同意書を含む)の同意書に関して、どうも方向性が違うと思うのは私だけでしょうか?
そもそも同意書はひとたび医療事故が起こると、医療者側に何ら法的免責を与えるものではありません。
合併症や危険性について言った言わないといわれないために、わかりにくい専門用語で書き連ね、「同意がなければ分娩をお受けしない」という状況で同意を迫る状況は、医療事故の場合にもめる原因になりかねません。
例として、緊急帝王切開の場合などに「今手術をしなければ赤ちゃんが死にます(現実的にそういった同意を取る医者がいます)」といった状況で同意を取り手術をして、何か医療事故があれば、医療手技上のよしあしや合併症の発生に関係なく、そもそも同意のない(脅迫された状況での同意は無効)とか言われ訴訟では負けます。
なな先生がお考えの「分娩同意書・説明書」が、
「お産をされる方たちに、お産のリスクを啓蒙する必要があります。」という趣旨であれば、「分娩説明書」であれば事足りるでしょうから、何に「同意」するのかを考える必要があります。ただし、妊婦さんの理解度はさまざまですから、どこまで理解できるのか考慮する必要があるでしょう。
それにしてもやりにくい世の中になりましたね。
同意書、すごい量ですよね。
医者になりたての頃は、なかなかなじめず、
「患者さん、却って不安にならないのかな?」と心配になったことがあります。
おっしゃるように、適切な学校教育も必要と思います。
ここでは、まずは差し迫った必要のある人を対象に考えましたが
先々のことを考えたら、お産の教育に一番適しているのは、学校ではないでしょうか。
> 医師も患者も元気に退院したいですもんね!
とにかく患者さんのために、元気で退院してほしいですね。
おっしゃるように、
お産の前に、妊娠に関しても覚悟が必要ですね。
妊娠初期にはスクリーニングがありますが、
本当は妊娠前にやるべきなのかも知れません。
我々の課題は山積みですね。
当事者である妊婦さんからの、貴重なコメントをありがとうございます。
これだけ情報が氾濫している現在において、
必要な情報は何故か入ってこない。
そんなことが、ごく身近な「妊娠・出産」に関しても起きている、ということを再確認しました。
母親学級は、おっしゃるように、満足いくものではないですね。
いい面も多くありますが、
危機管理意識の向上という点では、ほとんどできていないのが現状ではないでしょうか。
どこから改革するか。
これも課題になりました。
どうか、元気な赤ちゃんをお産なさって下さいね。
ネーミングが印象的ですが、由来はなんでしょう(笑)。
おっしゃるように、妊婦さんの要求は年々高まるばかりと思います。
マタニティ雑誌は、確かに読んでいて面白いものですが、
本当は、きちんと功罪も考えるべきなのでしょう。
母児共にお産を迎えることの尊さを、啓蒙し続けるのも我々の役割と思っています。
今後ともよろしくお願い致します。
ドクターでいらっしゃる先生の謙虚な姿勢をお聞きして、
思わず微笑んでいます(笑)。
助産所は、自己管理が優れていると私も思います。
私の友人(助産師)が助産院でお産したお話はどこかに書きましたが、
彼女も「自己管理できない人は、うちでは産めません」とぴしゃりと言われて、
せっせと励んでいました。
自分できちんと管理するという努力をしておくと、
思わぬ結果になっても、ある程度は納得のいくものなのかも知れませんね。
先生が帝王切開を受け入れていらっしゃるお気持ちをお聞きして、そう思いました。
>「不安なら勉強しましょう。無知は一番不安をあおります。」
ひいよん先生には、今までもたくさん素敵な言葉をもらってきました。
今回のこれもまた、素敵ですね。
使わせて頂きます!(笑)
ないんですよ、同意書。
他の関連病院も、どうやらないようです。
侵襲のない臍帯血採取でさえ同意書があるのに。
時代に乗り遅れていました。
助産師さんの視点から見た、また新しいご意見を興味深く読ませて頂きました。
バースプランは、我々産婦人科医が関わることはありませんが、面白いご研究をなさっていたのですね。
>「無事に生まれたらいいです」ということに最後はなってしまうのですよね。
妊婦健診をしていても、こういう妊婦さんが多いという印象です。
でも、ななさんのおっしゃるように、
途中からでも、自分が産むんだ、という意識を持ってもらえるようなサポートが、実はぴったりなのかも知れませんね。
パパたちを見ていると、
赤ちゃんが生まれて、実際会う前から父親としての実感がある人は、かなり稀です。
女性だって、途中からで充分なのかも知れません。
そもそも同意書は、撤回可能なものでもあり、法的拘束力はありません。
おっしゃるように、難しい専門用語を並べ立てて、それを持って「説明しました」としているようでは、
ますます医療不信をあおってしまうだけでしょう。
ここで書いた分娩同意書は、上方のコメントにも書いた通り、
従来の同意書とは意味合いの違うものを考えています。
あえて「説明書」でなく「同意書」にする理由は、
①~③に書いたようなことに同意して頂く意味もありますが、
署名捺印することによって、意識喚起をすることが狙いです。
確かに人によって理解度は違いますが、
署名するとなると、ただ説明書としてお渡しするよりは、真剣に読んでくれるという印象です。
> 辛口コメントのKEIでございます。
まあ、そうおっしゃらずに(笑)。
訴訟社会なのに意外と同意書は単純なのがアメリカの特徴かもしれません。日本の同意書はくどい位、何ページにも及ぶ同意書はいかがなものか?と思います。
質問があれば前置胎盤について空いたスペースに絵を描くという位が現実的でしょうか?
無事に帰ってきました(^^;
リスクの高い分娩で同意書がないこと初めて知りました。勉強になります!!!
放射線治療も同意書難しいんですよね。
一応雛形はあるのですが、相手によってかえないと。
告知していない場合は、本人用と家族用とか・・・
二次発癌にしても、一般的には・・・とかしか説明できないしなー・・・
細かい副作用についても一応全て書いて、その場で説明して、自宅で家族と一緒に読み直してもらい、不明な点については、診察の時に聞いて頂くっていうスタンスでしてたのですが・・・どうなんでしょうね(^^;
依頼内容は1時間で!分娩と母乳育児について話して下さい、でした。
最初に参加者にお産のイメージは?と一回り尋ねてから始めるのですが、いつも漠然と「こわい」「痛い」「大変」これが99%でした。
なので、少しでもお産をポジティブに迎えられるように、『これであなたも毎月生まれ変わることができる』というカナダディアン・インディアンの初潮を迎えた女性のためのお祝いの話から始まり、お産の楽しさ、ダイナミックな喜びについて話して盛り上げて…
それから分娩経過、その時々の自分とパートナーにできることを話し、異常についても駆け抜けるように話し…。
本当はもっともっと話したいこともあるし、話さなくはならないこともあるけれど、最終的な感想として「お産がこわい」が残らず、お産を楽しみに待てるように、とやっていました。
自然分娩、経膣分娩であればいいのではなく、母子ともに安全であること、そして経膣分娩であれ帝王切開であれ「自分にとって納得のいくお産」になるよう、分からないこと不安なことを産院でもここでもいいから医療者に話していって欲しいと。できるならば産院のスタッフとお産までにたくさんコミュニケーションをとってほしいと。
なな先生の同意書、また母親学級をすることがあれば、参考にさせて頂きたいです。
同意書は、法的問題以前に、インフォームド・コンセントを目的としていますので、
お産に関してこれがない現状は、変えていかなければならないと思います。
わかりやすいもの、ですね。
参考になりました。
> ななさんが書かれた同意書で十分ではないかと思います。
先生にこう言って頂けると、なんだか嬉しいです。
放射線治療も含め、がん治療のムンテラは、難しいと思います。
以前勤務していた、がん病棟併設病院でも、先生のところのように同意書の雛形があり、頻用していましたが、
放射線治療に関しては、
「で、治るんですか」
「痛いんですか」
という質問がよく出ていました。
分娩同意書・説明書を作成しても、
やはり妊婦さんによって変えていかないとならないでしょうね。
こうして、新しい視点からのコメントを頂戴すると
ブログをやっていてよかった、と思います。
お産のイメージを聞くと、「痛い」「こわい」というお話には、ちょっと驚きました。
以前のマザー・クラスの記事に書きましたが、妊娠のイメージを絵に描いてもらうと、
夢いっぱいの絵を描く妊婦さんが、ほとんどでしたので。
分娩方式に係わらず、母子共に安全であること、
自分にとって納得のいくお産、
たくさんのコミュニケーション。
本当に、その通りですね。
そして、お産を徒に怖がるのではなく、
本来のように楽しく心待ちにしてもらいたい、ということにも
強く同感します。
あああ、課題がいっぱい・・・(笑)
分娩に到るまでの妊娠期間においてもいろいろなことが起き、また妊娠中の生活・食事などが出産時にリスクファクターにもなりうることを考えれば、分娩同意書というよりも、妊娠判明時に妊娠継続同意書(分娩同意書も含む)が必要になるのでは。
記事内にも書きましたが、妊娠中のトラブルに関しても、説明は必要と思います。
そうすると、「妊娠・分娩に関する同意書・説明書」ということになりましょうか。
内容の推敲はもちろんのこと、何かいいネーミングを考えないとなりませんね。
コメントありがとうございました。
同意書、説明書があっても、渡して終わりという医者を知っております。
リスクだけ話して、患者にも家族にも希望の光を与えない医者も知っております。
真心込めて説明する、同意を求める姿勢が大切ですよね。
特に産科は、妊婦さんと一緒に共同作業というか、医者も説明しながら妊婦さんと同調していく姿勢が必要なのではと感じました。
是非是非、完成させてください。
ところで、脳内単字症候群にかかっておりましたので、御報告申し上げます。
ブログで症例報告しております。
ごめんなさい!
分娩に関する同意書、ないんですか…。知らなかったです。
母親学級みたいなものは事前に行われていても、分娩のムンテラってあった方がいいような気がします。
でも遷延分娩になった場合、カイザーのムンテラとかで同意書はとれますよねぇ…。
ここまで世間での温度差が激しくなってしまってきている以上、同意書は必要ですよね。
> 妊婦さんと同調していく姿勢
その通りですね。
他の疾患にも言えることですが、
妊婦さんによって、妊娠・出産に関する理解度は、かなり異なります。
一方、お産は今や結婚式をしのぐ、女性の人生の記念になる、一大イベントです。
だからこそ、大切にしたいのです。
また、妊婦さんとの共同作業ですから、
同じ歩調で歩くことが理想なのだと思います。
ところで先生、ご高診ありがとうございました(笑)
先生のブログ、ブックマーク登録させて頂きました。
分娩に同意書がないのは、盲点と思います。
遷延分娩をはじめ、緊急C/Sの時は同意書を取るわけですが、
産婦さんは陣痛に苦しんでいる場合が多く、
ああいう時に無理やり同意書を取ることに、非常に疑問を感じていました。
その対策も含めて、健診の時に緊急C/Sになった場合も含めて説明をしておいた方が
妊婦さんにとってもいいと思います。
出産した後に、医師が家族に「母子ともに健康です」と言うのは何故でしょう?(本当にいうのか知りませんが)
ドラマや映画でもそういうシーンがあるのは知っているでしょう?
出産に危険がなければ、安全に出産するのが常であれば、そんな台詞が生まれるわけありませんし、広がるわけありませんね。
そう、命がけの行為で母子のどちらかに何かが起こるのが常だから、こういう台詞が生まれ、広まったのです。
と言って、本題に入る。
ようこそおいで下さいました(笑)。
この台詞、マザー・クラスで使わせて頂いてもよろしいでしょうか?
おっしゃる通り、この言葉から始めると、
ぐっとママたちを惹きつけると思います。
貴重なアドバイス、ありがとうございます。
調子に乗ると(笑)・・・お守り・安産祈願バージョンも。
(前段省略可)
人は死が近いと宗教に頼ります。
近世以前は、飢饉や戦乱で死は日常であり、今と比較にならないほど神仏に頼った。
一神教発祥の地も過酷な自然の中近東ですし、仏教もインドの階級社会と過酷な生活環境の中で生まれた。
現代日本でも歳を取ると信心深くなります。
人の力ではどうしようもないと頼りたくなるのです。
なぜ安産のお守りがあるのでしょうか・・・
お産は昔から命がけのもので、母子のいずれかが死んだり、障害が残ったりしました。
人智ではどうしようもないから、神頼みになり、庶民の望みに応えるものとして広まったと思います。
なお、医師は神ではなく、皆さんと同じ人間ですから、お手伝いできるだけです。
(創作です。真偽はこの際関係なく、無事の出産はいわば幸運・奇跡なのだと思わせる・・・汗)
ちょっと回りくどいので、余りお勧めしませんが(笑)
今度のは、妊婦さん向けのエッセイに使えそうですね。
本題の分娩同意書が広く浸透していないことも盲点ですが、
「母子ともに健康」や安産のお守りのように、
身の回りにあふれていることの意味があまり認識されていないことも
ひとつの盲点と思います。
そう考えると、案外盲点だらけかも知れませんね。
発想が広がります。
ありがとうございました。
私も妊娠=陣痛が来たら普通に赤ちゃんが出てくると思っていた1人です。
なので帝王切開での出産になった時、
自分が今まで読んでいた妊婦雑誌や、
母親学級であまり帝王切開について話しが出なかったので、
自分には関係ないと思っていただけに、
ものすごくショックだったのを覚えています。
想像していたのと違った結果だったので、
何年か前まで下から生めなかった事でグルグルしていましたが、
先生の帝王切開での記事で書かれていた内容を読んで、
すごく心がスッキリとしました。
今までの記事を読ませて頂き、
無事に赤ちゃんが生まれてくる事って、
奇跡なんだなと強く感じました。
私には子供が3人いますが、
全員帝王切開で生まれました。
帝王切開と言うのがこの世に無かったら、
この子達には会えなかったでしょうね。
又こちらに伺いますね^^
3回、帝王切開をお受けになったのですか。
> 帝王切開と言うのがこの世に無かったら、
> この子達には会えなかったでしょうね。
こう言えるようになるまでには、
ご本人にしかわからない葛藤があったことと思います。
私自身、産婦人科医になってしばらくは、
帝王切開でお産された女性の気持ちに思いをめぐらすことができなかった
恥ずべき期間があります。
いつだったか、帝王切開でお産されたママたちの気持ちを綴った小冊子を読んで、
頭をガツンとやられたような衝撃を受けました。
ほとんど毎週のように帝王切開をしておきながら、
なんと迂闊だったことかと、ようやく反省するに至りました。
赤ちゃんが無事に生まれ、お母さんも元気であること。
日々の健康を当たり前と思っているのと同じように、
当たり前のような気がしてしまいますが、
決してそうではないことを、忘れたくないですね。
是非また遊びに来て下さい(^^/
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