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週1回、心と身体両方のケアに重点をおいた、”カウンセリング外来”を開いています。
女性特有の心身の悩み、
例えば月経関連障害、マタニティー・ブルース、更年期障害などの患者さんが主体で、
一人1時間くらいかけて、じっくりとお話をしています。
B子さんは、不妊治療からくる心の悩みを抱えて、カウンセリング外来にいらっしゃいました。
ご結婚されて約10年、これまでは仕事に夢中で、第一線でご活躍されていましたが、
ご主人の希望があり、妊娠を考えるようになったそうです。
段階を踏んで、不妊クリニックに通院するようになり、
体外授精を試みたのですが、
そこに至るまでに、筆舌に尽くしがたい心理的葛藤がありました。
何ごとにつけ、努力によって様々なものを手に入れて来たB子さんが、初めて直面した
「思うように妊娠しない」という事実。
「子供はまだ?」に代表される、周囲の無神経な言葉。
不妊治療中であることを、周囲に言えないつらさ。
治療の効果に高まる期待と、月経が来てしまった時の激しい落胆の繰り返し。
そして、B子さんの場合は、何よりも検査や治療によるストレスに苦しんでいました。
独特の雰囲気の待合室で長時間待つ間のいたたまれなさや、
診察に伴う痛みや羞恥心、
「でも、行かなくては」というご主人への思いからくる、葛藤。
しかし、そんな苦しい状態が長続きするはずがなく、
徐々にクリニックに行くこと自体が苦痛になってきました。
受診日が近づくと、イライラや不眠、怒りやすさが出現し、
クリニックの最寄の駅に来るだけで、過換気を起こすようになり、
日常生活にも、支障をきたすようになってしまいました。
そんな苦痛を圧して、やっとの思いで採卵をし、
グレードの高い受精卵(つまり妊娠しやすいもの)を得ることができたのですが、
いざ子宮に戻そうという日に、「どうしても無理!」と、行けなかったのだそうです。
受精卵は凍結保存してありますので、ひとまずの猶予はあります。
こんな時にはご主人のサポートが不可欠なのですが、
ご主人は、B子さんを責めてしまいました。
そして、あろうことか
子供をつくろうとしないのであれば、離婚する、と言い放ったのだそうです。
B子さんが、涙ながらに以上の経過をお話になって、ひとしきりしたところで
「子宮に戻すのを、よく思い留まりましたね」と言うと
B子さんは子供のように泣きじゃくっていました。
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不妊治療にまつわる心身の悩みを抱えて、カウンセリング外来にいらっしゃる方が、増えています。
患者さんによって、悩みの原因は様々ですが
ひとつの大きな原因は「他人からの言葉」のようです。
・ 子供はまだ?
・ ○○さんは○人目ですって
・ 孫の顔が見たい
・ ご主人はほしがらないの
・ 子供がいないと自由でいいわね
・ 仲が良すぎてもできないわよ
・ 大丈夫、すぐできるわよ
・ 治療しているの?
・ 子供はいいわよ
・ お参りに行ったら?、○○を食べたら?
不妊に悩む女性たちを傷つける言葉の、一例です。
また、日本では「女性は産み、育てる性である」という古典的価値観があり、
デリケートな女性たちが、子供がいないことによって
自責の念に苛まされやすい精神的土壌があります。
そして、不妊治療そのものによる、身体的、精神的、経済的、社会的負担と、
先が見えない閉塞感。
諸外国では、1980年代から不妊カウンセリングが法制化されていますが、
日本ではかなり立ち遅れています。
近年、学会組織の先導の下で、不妊カウンセラーが誕生しつつありまずが、
ニーズに対して、全く不足しているのが現状です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
B子さんには今後、妊娠のことも含めて、丁寧なケアが必要です。
日本中のあちこにち、B子さんと同じような悩みを抱え、
他人に言えずに苦しんでいる女性が、いらっしゃるのではないでしょうか。
追記
本記事には多数のコメントと私信を頂戴しました。
本当にありがとうございます。
思うところあって、非公開ご希望の方もコメントできるように
コメントを一時預かり制に設定しました。
コメント
コメント一覧
記事に大変共感をし、コメントを残したいと思いました。
私は専門機関で不妊治療を受けており、過去4回人工授精を行っていますが妊娠に至っていません。今対外受精も考慮中です。
現在フルタイム(残業あり)で働いているため、病院に通うためには年休を取らねばなりません。年休を取ることを上司や同僚に言い出すこと、次の日「昨日はすいませんでした」と声を掛けるところから精神的に負担がかかります。
それからB子さんの気持ち(羞恥心や生理が来たときの落胆)もよく分かります。
さらに私も精神的な負担から夫につらさをこぼしたことがありますが、B子さんの旦那様と全く同じことを言われました。体温を測るのを1日でも怠ると、やる気あるのかと怒られたり。。。
ああ愚痴になってしまいました。
でも親にも友達にも同僚にも言えない悩みですからお許しください。
最後にななさんのブログを読むようになったきっかけですが、不妊治療に携わる医師に患者として接し、尊敬すると共に医師という職業を選らんだ方々に興味をもち、ブログを探して行き着いたという次第です。
でも,治療はしていません。
欝という病をもつ私には多分耐えられないだろうから。
一人いるだけでも十分と思わなければいけないのでしょう。
数々の突き刺さる言葉,私にも経験があります,というより,今,子どもが小学生のなので「2人めはまだ?」攻撃はいたるところにあります。
いつも笑って「まぁ~ねぁ~」という言葉の空々しさ。
私はこの言葉を善意の悪意と呼んでいますが,言った本人は悪気がないだけに厄介です。
この国の女性に対するステレオタイプな意見はどうにか打開できないのでしょうか。私は産む性を支援するものとして暗澹たる気持ちです。
しばらく経って子供が出来て喜びましたが、「こんな時期に妊娠するなんて」って言われることもありました。いわれている人もいて悲しくなりました。
妊娠って思うようには行かない。「その時期は赤ちゃんだけが決められるもの」と思うようになりました。
妊娠したいと思っている女性には
「赤ちゃんがいい時期を待っているんだよ」と思うようになりました。
そして妊娠した女性には「赤ちゃんが来たいって行ったんだね」って思うようになりました。
女性にだって社会的に大事に時期もある、仕事をバリバリやる時期もある。でも赤ちゃんが来たいと思ったその時期を、みんなが素直に受け止めてくれる世の中になったらいいなと思っています。
ちょっと不妊の話とずれちゃいましたね。すみません。
妊娠がこんなにも心臓に負担をかけるものだとは。30週ぐらいから体の調子が悪くなり入院生活、32週ぐらいからは産科の医師と私の担当の医師がいつ帝王切開するかで少々もめていました。結局34週と5日で出産。幸いにも2232gあったうえ、自発呼吸が出来ているとのことでそれほど子供は入院もせず、今元気に走りまわっています。
私も子供を持ちたいと考えて担当の医師とたくさん話し合いをしました。一人だけ協力しましょうと約束の上妊娠にこぎつけました。なので、二人目はあきらめました。
というより、これは授かり物ですから。
この国は『美しい国』だそうです。
いや、そうしたい、そうあるべき! だそうです。
でもね。
相手にこう言ったら、言われた相手がどう思うか、
社会生活における極めて基本的かつ日常的な感覚が
理解出来ない、しようとも思わない方々が、
多くいらっしゃるみたいです。
この国は、他国からの(核)ミサイルではなく
自国民のモラルという地雷で自爆するみたいですね。
別に、妊娠・不妊云々の話だけの話ではありません。
今の世の中、“痛いニュース” が多過ぎますね。
特に無責任なマスゴミを中心にした ...。
母が闘病中に、弟の初孫がお見舞いに来るのをとても喜んでいたり、遊んでいる様子のビデオを何度も楽しそう見ているのを見ると、私の子供も見せてあげればよかったのかな?と思ったこともありました。
でも、私に子供がいなかったことで、夫をほったらかしにして、ずっと泊まり込みで看病を出来たことを、母は私に感謝してくれました。
そして、今は一人になってしまった父を引き取って、一緒に住むことが出来ています。
人それぞれの生き方があるのだからと、私はいつも思っています。
私も結婚したらすぐできるものと思いこんでいました。
3年かかりました。でも早いほうなんですよね。
冷え性で血のめぐりが悪く、筋腫もあるので出来にくかったのかもしれません。
2人目のときは排卵日検査薬を約1年使い続け(間に一度流産してますが)授かりました。
B子さんのような方がたくさんいる中、幸運だったと思います。
まだまだ封建的な考えをもった人たちがいるようで、お辛い思いをされてる方が大勢いらっしゃることでしょう。
ずいぶん前ですが、TVドラマで「長男の嫁」というのがあって、親戚一同が集まった席で子供ができない嫁役の浅野ゆう子さんが詰られる場面でお姑役の野際陽子さんが「女は子供を作る機械ではないの!」と言い放ったシーン、
なんだか言葉に表せないくらい感動して、浅野ゆう子さんと一緒に画面の前で号泣してしまったことがあります。
お恥ずかしいですが…
もっともっと相手の気持ち、考えることができたら、
今の自分より少しだけ優しい気持ちを持てたら、
幸せな人が増えていくのになぁ~
実は私の子供たちは体外受精児です。
私は毎回生理が来るたびに落胆していた一人です。
特に不妊の原因も見つからなかったのですが、早々に体外受精に思い切ったのがよかったのかも知れません。年齢が高くなると成功率が低くなるという知識があったこともよかったのだと思います。
私は体外受精したことをオープンにしているので、自分の周りにの不妊治療中の看護婦さんたちからよく相談を受けます。子供を待ち望むすべての女性に赤ちゃんができることを祈っていますが、出来ないときはさっさと見切りをつけて子供のいない人生を楽しむことも大切と考えています。
不妊女性の深刻な悩みに向き合っておられるなな先生にエールを送ります。
B子さんや上の方々のコメントにあるように、
多くの女性が、旦那、双方の両親や周囲の人々に
「子供が出来ないのはお前(妻)が悪い」という意味合いの心無い言葉を浴びていると思うと、いたたまれなくなります。
実際、私たちも結婚して4年間子供を作りませんでした。
その間に、妻は姑(私の母親)に、「sexの後はお尻を持ち上げておくのよ」といった子供の作り方を教えられたり、漢方薬を送りつけられたりしました。
「まだ、そのつもりはないから、できる訳がないんだよ」と話しているにもかかわらず、私のいない時や電話で言っていたようです。
未だに妻は、「あの恨みは忘れない」と言っています。
かく言う私も、一人目の妊娠中に、「つわりは病気じゃないのに、ご飯の準備も出来ないのか!」と言って怒りを買いました。
なので、「子供をつくろうとしないのであれば、離婚する、と言い放った」旦那と大して変わらなかったのですが、
徐々に女性の辛さを、少しずつ理解できるようになったつもりです。(恩着せがましいと、よく言われますが・・・)
本当に、夫、親世代を意識改革させる方法はないですかね。
それ以上に、産科医療の崩壊を止めないと、産む場所が無くなってしまうのですがね・・・
なな先生、お身体にはくれぐれも気をつけてくださいね。
このブログに、よく来て下さいました。
治療中なんですね。
a-fさんのように、友達にも、親姉妹にも言えないという声は、
このような外来をしていると、よく耳にします。
また、フルタイムで働きながら治療に通っていらっしゃる女性は、
女性が仕事を持つことが自然になって久しいこのご時勢で、増える一方です。
そんな中、「治療のための欠勤理由を言えない」という声も、当然聞こえて来ます。
少子化対策の一環として、何とかならないものか、などと思っています。
基礎体温のお話には、胸が痛みました。
外来では
「毎日絶対に計ろうをすると、挫折してしまいます。
それよりは、”なるべく毎日計ろう”くらいの気持ちで続けて下さい」とお話ししています。
実際、それで充分役に立ちますから。
どうかa-fさんにとって、最良の結果になりますよう。
「子供はまだ?」と言われ続けた女性が、念願叶って無事お産され、ほっとしていると
今度は「2人目はまだ?」攻撃を受けてがっくり、なんていうことが
今でも起きているんですよね……
この言葉、とうに禁句として世間一般に知れ渡っているものと思っていましたが。
善意の悪意、わかる気がします。
悪意はないのだから、言えばわかるという場合があるとしても
「善意」の相手に、上手に伝えることは困難でしょう。
女性に対するステレオタイプな意見も含めて、
単一の価値観にとらわれることなく、
みんながそれぞれの考えを、自信を持って選択できるような
成熟した社会になってほしいと思っています。
ななさん、くれぐれもご自愛下さい。
そうですね。
子供って、みんなすぐにできるわけじゃないですよね。
何しろ、何の不妊因子もないカップルが、一回の機会で妊娠する確率は、30%しかないのですから。
元々、生も死も、思うように行かないものだということを、
つい忘れそうになることが、誰しもあるのかも知れません。
子供を産むか産まないか、決定権はその女性にあります。
先生のおっしゃるように、当事者の女性の選択を
みんなが最大限に尊重し、素直に受け止めてあげられるといいですね。
心疾患を抱えての妊娠・出産は、
身体的にも精神的にも、きっと大変だったのではないでしょうか。
でも、ママも赤ちゃんも元気にお過ごしのご様子、心からほっとします。
授かり物、本当にそうですね。
しかし、そう言えるまでには、様々な思いを克服されたのではないでしょうか。
コメントありがとうございました。
どうぞまた、来て下さい。
結婚前に英国で働いていたことがあるのですが、女性の同僚は「昨日妊娠検査薬で陽性だったの!」とか、「私の通っている不妊外来はね・・」とか、「赤ちゃん、生まれる前に神様に召されちゃったの」等々、とにかく屈託がなかったです。彼女達の大らかさの根底には、「妊娠出産は神様の領域の話であり、なるようにしかならないもの」という共通概念があったように思います。
一方、日本で働いてみると、安定期に入るまで妊娠の事実を隠し、悪阻に絶えながら働く風潮があったり、不妊であること大っぴらに話せない空気をひしひしと感じます。型通りな幸せから逸脱することに対し、この国の人達は何と神経質なのでしょうか。
私自身、現在高齢で第1子を妊娠中ですが、「子供はまだ?」は耳が腐るほど聞かされました。
こういうステレオタイプな考え方の背景には、人間の生死すら人間の思い通りになるのだという、とてつもない傲慢さが潜んでいるように思えてなりません。
またちがう角度からのコメント、嬉しく興味深く拝読しました。
>相手にこういったら、言われた相手がどう思うか
以下、おっしゃる通りです。
例えば妊娠に関して言えば、本来非常にプライベートな部分であるのに、
「跡取り」という大義名分の下、舅姑や、ケースによっては実父母が口出ししたりと、
通常の感覚てはあり得ないはずのプライバシー侵害が、平気でなされています。
周囲からの「子供はまだ?」発言も、本来は甚だしいプライバシー侵害のはずです。
マスコミ・・・の部分も、実は同感です(笑)
報道は、営利目的の「会社」たる各メディアが製作した「商品」ですから、
売れることが最優先されているのは、仕方ないとしましょう。
ですが、製造元責任がある以上、無責任報道は、いけませんね。
ご夫婦で選んだ人生を、しっかりと生きていらっしゃるのですね。
価値観の合うパートナーに出会ったバリ島さんが、何だかうらやましい(笑)。
本当に、人それぞれの生き方があるのだと思います。
バリ島さんにはバリ島さんの、私には私の生き方があるように。
どんな生き方であれ、自分で納得していることが大切と思います。
そうだったんですね……
お産の時に大変な思いをされただけではなく、
そこに至までにも、いろいろあったのですね。
私の中では「やさしいママ」のイメージそのままのmizuhoさんですが(~ ~;)
どこか一本芯が通った感じがするのは、
乗り越えて来たものがにじみ出ているからなのでしょうか。
> もっともっと相手の気持ち、考えることができたら、
今の自分より少しだけ優しい気持ちを持てたら、
案外難しいことかも知れませんが、
本当に、そうですね。
先生、大変な思いを……
不妊治療は先が見えないこともあり、深刻な不安を抱えがちです。
体外授精を含めた、step upを決断すること、
そして、挙児が困難な場合、先生がおっしゃるように
子供のいない人生を楽しむと決意することも、
非常に重要なポイントになります。
でも、どちらもとても勇気がいるんですよね……
体外授精をご経験され、今、2人のお子さんのお母様になられている先生は、
きっと同じ悩みを抱える看護師さんたにちの、強い心の支えになっているのではないでしょうか。
また、悩む女性たちをケアする側にある私の心の支えにも、なって下さいました。
コメントありがとうございました。
コメントを読んで、何だか先生の意外な一面をお聞きしたような気持ちです(笑)。
先生に、そんな頃があったなんて。
でも、今こうして、奥様のことを思い遣っている点は、さすが先生です。
親世代の意識改革より、まずは夫の方が近道かも知れません。
何ごとにも言えることですが、ゆっくり、地道に進めて行くしかないのかな、と思っています。
> 産む場所がなくなってしまう
そうなんですよね……
昨日の先生のブログ、拝読しました。
分娩取り扱い施設は減る一方、
残った産婦人科医たちは、仕事が増える一方です。
これから、どうなって行くのでしょうね。
それプラスお金で何でもそろってしまう時代の真っ最中。
なぜ?私が出来ないの?って考えてしまいますよね。
私は人と人との出会いも”縁”だと思ってるし
子供が自分のもとに来てくれるのも”縁”だと思ってます。
来てくれなかったらその選択もあるのかもって思っていました。
私は3人できました。
が、これは3人生まれてくる縁・・・必要性があったからだと感じています。
私はとても弱い人間です。
私を強くしてくれようと3人が来てくれました。
なので今、かなり修行中だと感じる子育てをしています・・・
産んでからも自分の価値観がしっかりしていないと
被害者は子供になってしまいます。
作る前に自分の価値観、パートナーの価値観を見極めることも必要です。
B子さんはそのきっかけでだんな様の本心に触れた・・・もしかして良いきっかけだったのでは。
自分の辛い時に更に追い討ちをかけるようなパートナーなら見極めも必要。お子さんも生まれてくるのが辛いと思います。
英国のお話、興味深く拝読しました。
> 共通概念
何だか、とても納得しました。
宗教観の違いもあるのでしょうか。
また、日本では欧米とちがって「子供は社会の財産」という考え方が希薄であることも
膠着の一因になっているのかも知れません。
> 型通りの幸せ
自分の価値観を信じられない、日本人の悲しさでしょうか。
「型」やブランドに、つい頼ってしまう。
しかし「型」が、女性の心を脅かすのであれば、本末顛倒です。
ご妊娠中なんですね。
お身体を、大切になさって下さい。
そして、また遊びに来て下さい。
それから2年後、ようやく授かった娘は父親似です。今度帰国してその姪っ子と対面するのが楽しみです。
日本は子供が産めない女性に何と冷たい国か!そしてその女性のご主人も実は産めない原因は男性だと疑いの目で見られる。この点だけはアメリカ社会が成熟しています。
出会いも含め「縁」というお考えに同感です。
科学の仕事をしていながら、人智を超えた何かを感じることがあります。
そんな時に「これも縁」、
思い通りに行かなくても「適切な時期じゃなかったんだ」、
そう思うと、納得できたりします。
ぴょん先生の3人のお子さんも、縁なのですね(笑)
お子さんたちを、大切になさっている姿勢が伝わってくるお話です。
> B子さんはそのきっかけでだんな様の本心に触れた・・・もしかして良いきっかけだったのでは。
自分の辛い時に更に追い討ちをかけるようなパートナーなら見極めも必要。
わ~、これ、言いたくても言えずにいた言葉です(笑)。
治療者の立場ですので、示唆的なことは一切言いませんが、
仕事中、「ソンナオトコワカレチャエ」
と、心の中でつぶやくことはしょっちゅうあります。
義弟さんのお話、胸に迫ります。
平素、女性のケアしか頭にない私ですが、
不妊の男性因子が疑われた場合の欠損感のようなものも、
大変深刻なのではないでしょうか。
不妊は、どちらに原因があっても、夫婦関係に影を落とします。
それでも、2人で取り組む問題、という姿勢も、
日本ではまだまだ浸透していないという印象です。
姪御さん、よかったですね(笑)
Tai-chanのこと、覚えているかな?
主人に支えられて、不妊治療を乗り越えた(ノロケ)話になりますが、よかったら聞いてください。
私達夫婦の場合、重度の乏精子症による男性不妊でした。
一度は無精子症と言われ、失意の日々を過ごした事もあります。
幸い顕微授精に挑戦できる事となり、治療をスタートさせました。
もしかしたら子供が授からないかもしれない… そう思うと、とても辛くて… でも私が泣くと主人を責めている様で、泣けませんでした。(それでもあふれる涙は止められませんでしたが… 修行が足りませんね)
治療薬の副作用で私が体調を崩すと、主人が「ごめんね。君はどこも悪くないのに、治療は全て君がするんだね」と謝っていました。それこそ、主人が何か悪い事をした訳ではないのに…
お互い苦しみ、悩み、そして労わり合った日々でした。
不妊理由を明らかにしたくなかったので(男性不妊に対しても、大変冷たい目で見られてる気がします)、主人の実家以外には単なる体調不良で押し通しましたが、それでも周りの方の心無い言葉が容赦なく飛んできました。
また、主人の母は出来ていない孫よりも息子の方が大事だったようで、不妊治療にいい顔をしませんでした。息子が苦しむと思ったのでしょう。
不妊に関する言葉は、本当に人を傷つけます。
私もそれまでは不用意な言葉で、他人を傷つけてきたのかもしれません。
これから言葉を選ぶ事が出来るようになっただけ、良い経験をしたと思えます。
そして今は…
生後1ヶ月半のかわいい女の子を腕に抱いております。
どんなに泣かれて睡眠不足になっても(笑)、あの日々を思うと「いいのよ。ずっと抱っこしてあげるから~」なんて言ってしまいます。
結婚して10年目にて息子を授かりました。
でも、不妊治療自体は2年です。(治療前は、子供を作る気はなかったのと、病院へ行くのが怖かったのです。)
有り難いことに、一番最初の治療方法である、タイミング法と排卵誘発剤で授かりました。
結婚当時は仕事をしてたのですが、実親は「作る気あるの?」「一度検査に行ったら?」「出来ないなら出来ないとはっきり分かればいいのに。そしたら諦めもつくのに」と、容赦ない言葉を浴びせました。
別の理由で仕事を辞めたのですが、辞めた途端「子作り開始だね」とも。
逆に、義理親からは何も言われませんでした。
でも治療の結果、出来たことを伝えると、義母は泣いて喜びました。
主人はムコ殿なのですが、もしかすると息子(主人)に原因があると考えられ、心を痛められていたのかもしれません。
(原因は私側で、無排卵だったのですが。)
この義母の姿は、今でも忘れられません。授かって良かったと、心底、思いました。
主人は大変協力的でした。みなさまに比べたら、一番軽い治療で済んだのですが、それでも正直しんどかったです。でも、そのしんどさを分かってくれ、労ってくれました。一緒に治療の道を歩いてくれました。
不妊治療の結果、身近である親の本音を分かった気がしました。
そして、主人の支えがなければ、多分、治療は出来なかったことも。
また治療を受け、命の神秘さを改めて感じました。
息子を授かったこと、そして出産まで漕ぎ着けたこと、奇跡だと思いました。
実親でさえ、うるさく言うくらいですから、ご近所の方々も、いろいろ言います。
でも私は、はっきり伝えます。
「不妊治療の末、授かったんです」と。
大抵の人は、それで何も言わなくなるし、まだ授かってない方や知りたい方は、いろいろ聞いてきます。
私の経験談が、病院へ行くきっかけになればと思い、伝えてます。
そして、挨拶代わりのように「お子さんはまだ?」と聞くのは止めてます。
言わないだけで、各々の事情があるのですから。自分が辛い思いをしましたし。
2人目攻撃も浴びてます。(^^;(ホント、懲りない、うちの親。)
でも、2人目も不妊です。多分、無排卵でしょう。でも、高血圧及び、不眠にて薬を服用中のため、1人目のように薬による治療は出来ません。
結果、諦めました。
そして、今回は親にはっきり伝えました。
その分、息子にいっぱいの愛情を注ぎます。(^^ゞ
心温まる、とてもいいお話ですね。
ご主人の前ですら泣けないつらさ、というものもあるのですね・・・
お互いを思いやっているお2人だからこそ、尚さらそうなってしまう。
自ら体験してみないと、理解しえない苦悩かも知れません。
また、治療薬の副作用も、大変重篤になってしまうこともあります。
お腹が張って、歩くことすらままならず、
せっかく授かった赤ちゃんをあきらめざるを得なくなってしまうこともあるくらいです。
そして、周囲からの容赦ない言葉も、聞こえてしまったのですか。
実際に経験された方の言葉は、非常に重く、
また、今後も不妊治療に悩む女性たちをケアし続けようとしている私にとっては、
大変貴重なものです。
ひっぴさんと、ご主人と、お互いが深く労わり合って生まれてきた、
大切なお嬢ちゃんです。
やさしく、健康に、幸せに、と、祈ってやみません。
コメント、ありがとうございました。
貴重な体験談を、本当にありがとうございます。
お話の中で、蒼さんご自身の生の声がお聞きできたこともさることながら、
これはすごい、と思ったのは、
義理のお母様のことです。
素敵なお母様ですね。
それから、ご主人も。
しかし、排卵障害を抱えて治療の当事者となった蒼さんご自身が、
お母様とご主人に、深い感謝の気持ちをお感じになっている姿に、
何よりも感動しました。
相手を思いやる気持ち、感謝の気持ちというのは、
こうして連鎖して行くものなのでしょうか。
> 挨拶代わりのように「お子さんはまだ?」と聞くのは止めてます。
これ、ちょっと考えればわかるものですが、
とってもおかしな「挨拶」ですよね。
子供がいるかいないかなんて、聞くまでもなくわかることで、
かつ、性的なことに抵触しかねない、非常にプライベートな質問なのに。
今回、このお話を記事にしたのは、
蒼さんと同じ気持ちで、
「似た悩みを抱えた女性に、少しでも心温まるメッセージを伝えることができたら」
という思いがあったからでした。
蒼さんのメッセージは、不妊治療にまつわる悩みを抱えて外来にいらっしゃる、
目の前の患者さんたちにも、還元します。
貴重なお話を、ありがとうございました。
だから、不妊治療が大変なことでも、できるだけでもまだいいのではと思っている自分が、なんだかうしろめたく感じます。
結婚・出産の相談をしたときに「子供は一人だけ協力しましょう、ただこの病院で産んでくださいね。たくさんのスタッフが必要ですからと」握手とともに。
医師との信頼関係は本当に重要です。私の場合、担当医が思っていた以上に心臓の具合が悪くなってしまい、そのために早産の時期に帝王切開をしなくてはならなかったので。不妊の悩みのきっと信頼のできる医師に出会えれば結果が思うようにでなくてももっと心が軽くなるような気がするのですが。
私だけかしら。
Jさんの気持ち、自然なものだと思います。
不妊治療は、確かに自己決定権による選択ではありますが、
その治療を選択しなければならない状況にある方の苦しい気持ちは
当事者にならないと、理解できないのではないでしょうか。
一方個人的な意見ですが、うつ病は最も苦しい病気の中のひとつと思います。
さらに、同じうつ病と言っても、人により背景は様々です。
言うまでもないことですが、もとい苦しみは比べることができません。
また、心の中で思っているだけなのと、口に出すことは、
全く別個の事象です。
心の中にしまっている、そんな気持ちが湧いてきたことくらい、
もちろん許してあげてもいいと思うのです。
みゅうさんの主治医の先生、素敵な先生ですね。
> 「子供は一人だけ協力しましょう、ただこの病院で産んでくださいね。たくさんのスタッフが必要ですから」
素晴らしいと思います。
いい先生にめぐり合いましたね。
不妊治療は、妊娠・出産にこぎつけることが重要なのは言うまでもありませんが、
「結果」はそれだけではないと思います。
治療をお受けになったご夫婦が、心身ともに健康で、
愛情を持って子育てできることが、最終的なゴールです。
みゅうさんのように、心疾患を抱えてのご妊娠の場合は、
そのゴールに向かうためにも、医療者との信頼関係は大切だったと思います。
みゅうさんのお気持ちは、きっとその先生にも伝わっていますよ。
おっしゃるように、不妊治療に至れない方もいらっしゃいます。
そして妊娠により、原疾患が悪化してしまうことも。
また、身体的な理由だけでなく、心理的・経済的・社会的理由による方もいらっしゃるようです。
我々治療者の目に見えないところでお悩みの方も、
大勢いらっしゃるのではないでしょうか。
> 彼女に一番大切なのは、御主人の愛情だと思うのですが
本当に、その通りですね。
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