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12時間の間に、お産が7件ありました。
産院ですので、院内に存在する医療者は、私と、看護師2名。
看護師は2人とも60代のベテランです(深夜勤、なさるんです(/_;))。
7件のうち2件は、15分違いで出生しています。
会陰の縫合も間に合いません。
7人とも、最初から入院していたわけではなく、 深夜になってから入院してきた人もいます。
その度に、電話に出たり、カルテや入院用具やベットの準備をしたり、
また入院時には、バイタルを測り、モニターをつけ、着替えてもらいます。
中には、入院後7分で分娩になっている人もいました。
進行中の産婦さんは、3時間おきに医者が内診して カルテに署名しないとなりません。
新生児室には、総勢19名の赤ちゃんが、 授乳時間を過ぎてしまい、
ほぎゃあほぎゃあの大合唱です。
明け方になって、妊娠35週0日の出血の急患が来ました。
診察すると、子宮口も開いて、お腹もはっており、 お産が始まっています。
この直後に、他の進行中の産婦さんが分娩、
新たな陣痛発来の妊婦さんが入院。
この陣発の妊婦さんを診察していると、
35週の早産の方が、あっという間にお産になりましたが、
血性羊水と共に、赤ちゃんも胎盤もいっぺんに出ました。
部分常位胎盤早期剥離です。
赤ちゃんは手足がだらんとしており、呼吸はなく、 心拍は100回/分を切っています。
第一啼泣があるまでは、生きた心地がしませんでしたが、
5分後には自発呼吸が出て、泣いてくれました。
しかし保育器に入れても、あまり具合は良くないので
新生児の搬送先を探しましたが、全くみつかりません。
どこも満床ですし、
「そのくらいの具合の子なら、そちらで診てもらえないでしょうか」とのこと。
今の医療事情では、当然の発想です。
人手は、増えません。
こんな状況ですので、新規採用の助産師・看護師は居着かないようです。
医局から派遣されている産婦人科の先生は、
他の病院で遭った医療事故を契機に、どんどん口数が減って、 メールをしても返事が来なくなり、
とうとう休職したと人づてに聞きました。
こんな現場で、
使える医療技能を使ってはいけない、
内診のできるベテランナースの技能を使っては、いけない、
というのが、この国の決まりです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
いなか小児科医先生に、賛同します。
以下、先生のブログより頂戴しました。
おそらくご存知と思いますが・・・
http://tsukinohikarini.blog41.fc2.com/
この文章ですが、告発文です。多くの人の眼に届くよう、特別のご配慮をお願いします。リアリティの無視、などというレベルではありません。
全文を読みたい方は、こちらです。
http://tsukinohikarini.blog41.fc2.com/blog-entry-290.html
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コメント
コメント一覧
同じ院内で多少は状況を知っているつもりでしたが、あらためて産科の現場を知るにつれ、動悸がして胸が苦しくなりました。
理屈と権利ばかり主張するのはやめてもらいたいですね。
先生がどんなに頑張っても限界に近い状況ばかりですね。悲しいの一言です。
先生、このM3には求人欄もありますが、何か活用法はないのでしょうか? フリーの方、育児休業で登録だけでけでもしていただける方、とにかく先生が、助けてもらえるような手段を少しでも多くもつことができたらと… そんなささやかな気持ちでしか、先生のお気持ちを理解することしかできませんが。
今よりも少しでも、先生の状況が良くなりますように。先生の心に少しでも明るさを…。
いつもいつも願っています。
私は16時間で6件のお産にあたったことがあります。すべて,自分の勤務帯に入院,分娩をしていかれました。
みるにみかねた院長が6件目で「もう,誰かと(看護師)と変わったら?」と言われました。
告発文を読みました。正直,助産師の私には非常に辛いものでもありました。ただ,なぜ,内診にこだわっているのかは私にも分かりません。私が問題とすべきは,看護師が分娩介助をしていることだと思っていたのですが。
たとえば,6件も分娩があると,進行中の方は私は内診ができません。そのとき,看護師が子宮口の開大だけでもみてくれたら次の段取りができるのです。
ただ,分娩介助だけは別だと思っています。分娩の介助(赤ちゃんを取り上げる行為)はやはり,助産師だと思うのです。そのために1年学習に費やしてきたのですから。たった1年。されど1年。そこからは修行です。それをみようみまねで介助するのは非常に危険な行為であると思います。いくら技術があっても。
内診問題で,この問題が隠れてしまっているように私は感じます。まぁ,田舎のペーペーの経験の浅い助産師の言うことなので誰もあまり,重きは置かないと思いますが・・・
助産師ってなんなんでしょうね・・・
事態を打開するためには何を最優先にすべきだとお考えでしょうか。
お疲れ様です。
開業助産師さんの広告には必ず産院への批判がのっているように、助産師の中には、助産師のする自然なお産が一番いいのだといってはばからない人、医師のなす医療行為に対して批判的な人はいると思います。
分娩の安全性をいうのなら、異常分娩かどうかは終わるまで判断できず、1分が予後につながる産科救急の問題を考えれば、内診問題より、助産師の開業権をなくして必ず医師と組んで仕事をさせるべきではないでしょうか。
真に産婦さんのことを考えず利権ばかり追求する団体は批判されるべきだと思います。
この文章にも出てくるような、会陰保護に時間をかけて児が脳性まひになるような、本末転倒な主張が多いように感じるのは気のせいでしょうか。
最善を尽くしても得られないこともありますが、冷静に考えれば、母子の安全こそが、本当のニーズなのではないのでしょうか。
なな先生応援しています。どうか世論が変わりますように。
ただ,教員時代にそのような風景を何箇所かみまして,この構図は一体なんだろうと思ったのと同時に,私はここでは働けないと痛切に思ったことを思い出します。
でも,私のような立場の人間って,助産師の中でもおそらく,本当に軽くあしらわれるのですよね。(経験済み)開業医のもとで働いているというと,自分達の方が経験は上のような言い方をされたこともあります。開業医でお産がたくさんあるから現場での綿密な判断を求められると思っていたのですが。看護師さんだって,開業医のほうが多分,お産のことをよく知っています。
ただの愚痴になってしまいました。失礼しました。
先生も「ノー・フォルト」をお読みになったのですね。
私も手元にあり、少し読んだのですが、
同じように苦しくなってしまって、なかなか読み進みません。
小松先生の「医療の限界」を先に読もうかな、と思っているところです。
いつも温かいコメントをありがとうございます。
Eさんのおっしゃるように、とにかく人手がほしいというのが第一の希望です。
例えば、本文中にあるような、19人の赤ちゃんにミルクを飲ませるには
何らかの資格は必要ありません。
むしろ子育ての終わった女性なんて、最適なのですけれど(笑)
やれるところまでやる、無理ならやめる、と思っています。
当分持ちそうです(笑)
コメントありがとうございました。
「分娩介助は助産師がやる」というお考えに賛成です。
やはり、そこで線を引くべきだと思います。
あの告発文にあるように、利権追求が唯一の目的としても、
何故、内診ばかりに拘るのかわからないというのも同感です。
もしかしたら、ある団体と力を併せるには、必要なkey wordなのかも知れません。
それから、これもあの文章にもありましたが、医療の安全のために必要なのは、
助産師のななさんのような、現場で培った臨床力、
現場でいかにとっさの判断ができ、迅速な処置を正確にできるか、という力ではないでしょうか。
これのできる、開業医で働く助産師さんを、
少なくとも医師たちは軽く見たりはしていないと思います。
大丈夫、誇りを持って下さい。
何を最優先すべきか。
大変難しく、即答はできませんが……
考えたことは2つあります。
1 過渡期の代替措置という名目で、当面の看護師による内診は許容する
問題点満載の内診問題ですが、最も糾弾すべきは
何の代替措置もなく、それまでやられていた医療行為つまり
看護師による内診を、突然、禁止したことだと思います。
先々のことはさておき、この告発文にもあるように、
内診禁止の撤回が、最も即効性があります。
しかし現状では、撤回される気配はありませんので、
現場の混乱を抑える一時的な措置として、認めさせる、という方法です。
2 産科医療に係る者一人一人が、自分の役割を考え実行する
抽象的になりますが、ここまで混沌としている今、
各自が目の前にある自らの役割を粛々とこなすことが、
最善の策ではないかとも思うのです。
例えば、体力的に恵まれた者は、その能力を発揮して現場を守る、
知力・政治力に恵まれた者は、その能力を発揮して国や世論に向けて発信する。
こんなことしか、思いつきませんでしたが。
エブリデーちゃんですから(笑)
調子、如何ですか。
おっしゃる通りで、新しいパワーが導入できず、
従来のパワーは減弱しているのですから、
使えるものを使うべきでしょう。
しかし、この告発文を読むと、
どうやら、産科医療崩壊など為政者たちの価値観の順位表の中にもないようですね。
> 母子の安全こそが、本当のニーズなのではないのでしょうか。
本来、これにつきるはずなのですが……
あの文章、確か一部の助産師さんにとっては、辛い内容かも知れません
(先生、やさしい方ですね)。
しかしどうやら、現場の助産師たちは、上層部と自分たちの乖離に気づいているようです。
看護協会と強固に癒着した看護職議員たちを指して
「助産師の恥!」と言い放ち、自分たちとは別人種として
自らの仕事には正当な誇りを持っているように思います。
この、上層部と現場との食い違いは、
産婦人科医会と現場産科医たちの間も、似たようなものかも知れません。
豊富な現場経験のある先生が医会、いえ、
医会に限らずあらゆる集団のトップに立ってくれないかな、と、いつも思います。
応援、嬉しく、心強いです。
そのひと言で、頑張れます。
ありがとうございます。
しかし現状では、撤回される気配はありません」
禁止した側の方でどなたか↑をお読みでしたらコメントを聞きたいのすが、おられませんか。
ちなみに、自分自身の経験を振り返っての実感ですが、どの分野においても日本の官僚は現場・現実から程遠いところにあって、不要な混乱、悲劇を生み出しています。シンガポールの官僚にくらべると無能といっても良いくらい。コメントする能力はないだろうと思いつつ、さりとて一縷の望みをいだきつつ・・・
12時間で7件の分娩があって、19人の新生児を管理している程度の産院であればおそらく20床未満の産科単科クリニックでしょうか。最大19人の産婦(褥婦を含む)とそれと同数の新生児を管理する施設の夜勤帯で看護職が2名は少なくありませんか?
看護師の内診を認めるかどうか以前の問題として施設管理者はそういった状況で患者様が満足のいくケアを受けられるのかといった点をどうお考えなのでしょうか?
分娩が立て込めば陣痛中にそんなに進行中の方のもとを頻回に訪室できないでしょうし、新生児の授乳だって哺乳瓶を加えさせて放置とかやりかねません。
やはりこれからは「それぐらいたくさんの分娩を扱うのなら看護職を充分配置して医師自らが分娩管理を行うか、あるいは助産師を雇って医師法のもとで医師の分娩管理を代行させる」しかないと思います。
一言付け加えておきますと、看護師の内診が問題となったのはすべて医療事故がらみの事例です。先の3月30日の医政局長通知で決着が図られた灰色決着が意味するところは、「グレーというのはひとたび事故が起こればクロ」という意味ですよ。
ひとたび医療事故が起こると、「無資格者に内診を含む助産行為をさせていた」だけで事を荒立てられるわけです。
医会会長の会員宛の文書の意味は、「無資格者に内診等をさせる場合は、事故等がないように充分注意してやってください。医会は決して内診してもいいとは言っていませんよ」ですからね。
現場を粛々と守ることしかできない無能な医師にとって、
一歩離れた視点からのコメントは、大変貴重で、嬉しいものです。
まず、前半から。
KEIさんのおっしゃる通り、あの患者数にあのスタッフ数では、
明らかに不足していると、私も思います。
医局から行っているだけの私でさえ、危機感を感じているのですから、
管理者たる院長先生の危機感は、如何ばかりかと思います。
残念ながら、充分なケアができているとは言えないでしょう。
このような修羅場は、最近始まった現象だという気がします。
半年前にはあんなこと、なかったのではないかと。
ご存知のように、分娩取り扱いを中止する施設が相次ぎ、
残存している分娩施設の仕事量は、結構な速度で増加しています。
そんな中で、「瞬間最大修羅場」として起きた現象が、昨日の当直だと思います。
管理者の先生は既に対策に追われているのですが、
記事本文にも書いた通り、人員確保が難航しています。
また、告発文にあるように、開業医は、決してコストを節約しようとして
人員確保を怠っているわけではないというが現状です。
今は過渡期ですが、これを過ぎても有効な対策が立てられずじまいであれば、
分娩取り扱いを止めるしかないとお考えのようです。
後半について。
> 医会は決して内診してもいいとは言っていませんよ
個人的には、このひと言を除くことができなかった医会に、頼りなさを感じています。
堀病院事件でもわかるように、看護師による内診と母体死亡は
まったく無関係であるのに
必ずセットで出していることに、非常に恣意的なものを感じます。
> それぐらいたくさんの分娩を扱うのなら看護職を充分配置して医師自らが分娩管理を行うか、あるいは助産師を雇って医師法のもとで医師の分娩管理を代行させる
本当に、その通りですね。
助産師さんの立場からの、丁寧なコメント、
ありがとうございました。
今後ともよろしくお願い致します。
『12時間の間に、お産が7件、産院ですので、院内に存在する医療者は、私と60代のベテラン看護師2名。』
看護師と書いてあるので、助産師ではないのですよね・・・
先生の苦労が偲ばれます・・・
私も、オークの先生の告発文を取り上げています。(最初に目にしたのは天漢日乗さんのブログでした)
KEIさんの言うように、看護師内診OKと通達が出ない限りは、いつ告発されてもおかしくないですよね。
ここまで産科医療が危機に陥っているのに、看護協会や助産師会と厚生労働省看護課は、自分たちの身勝手な理想と地位向上のために、妊娠中の母と子を危険にさらし続けるのでしょうか。
また日経メディカルによると、「陣痛促進剤の被害を考える会」は積極的に摘発をおこなっており、産科医療立入検査マニュアルも自分たちで作っているそうです・・・
私はこいつらを絶対に許せません。
理想的な数のスタッフを集められない状況で、どうすればよいのかというところが問題でしょう。それならば廃業するべきなのか?周囲がばたばたと廃業する中で困った地域の産婦さんを自分達がなんとかしなければというお気持ちなのだと思います
でもその産院自体のことを考えれば昨今のハイリスクの状況を考えれば廃院してしまったほうが楽なのかもしれませんが。
助産師や看護団体も看護師内診廃止を叫ぶなら、移行期間をもうけて産科看護師を全員助産師にするなど代替案を提案しないのでしょうか。
お産難民がでても関係ない、現実的でない理想論しかいえない利権団体なら、まったく社会の役に立っていないと感じます。会陰切開などにも象徴されているように感じますが、不必要な医療介入はなるべくしないのは当然としても、母子の安全のために結果的に不必要だとしても医療介入しなければならないときもあるということを理解できず、独自のイデオロギーを持ち助産を行うものは害悪だと思います。どうして他職種と協調して母子の安全性を第一に考えるのではなく、「安心」や「助産師の自立」とかに重点を置くのでしょうか。
私は他科の医師ですが、母として今の社会の風潮は間違っている、子供達の世代にどうなってしまうのか不安を感じています。
12時間でお産が7件。しかも決して理解が出来ないお役人達の勝手な通達で有能なスタッフが使えない・・・・
僕が同じ状況ならパニックになってしまいそうです。
いやーしかし色んな修羅場を乗り越えていますね。尊敬します(^^)
その場で唯一の産科医が冷静でいなきゃいけないって事で冷静に対処してても、何かあったら真剣さが足りなかったみたいな事を言われるんですかね。
なな先生、お体に気をつけてくださいね。
応援しています。
告発文も拝読させていただきました。
本当に厳しい現実があって、医療職の皆様が本当に大変な思いをされていることわかりました。
大事なことは母子の安全。その通りです。
助産院で分娩を選んだものとして、この告発文を読むと心苦しい気持ちになりました。
助産師さんの行動は非科学的なのかもしれません。ですが、乳房マッサージをしてもらい、話を聞いてもらうと、不思議と出がわるかったおっぱいも出てきたりするんですよね。
先生が以前おっしゃってた、理想的なお産。分娩の横で先生方がお茶を飲んでいるって。そんなお産が増えたら、皆さん仲良くなれるのかな?
せめて一人の人の分娩が終わったら、お茶をゆっくり飲む時間くらいあってもいいのにと願っています。
おつかれさまです。
私は思うのですが、
24時間365日助産師をKeepできない病院・医院はお産を辞めるか、
分娩数をかなり制限してしまえばいいと思うのです。
他にお産をする場所がないと非難されようと、
国の方針として医師・助産師以外の内診は禁止なのですから。
しかし、そうはいっても、
産科医たちは、難民化してしまう妊婦さんの苦しみを見てみぬ振りはできないので、
自分たちがどんなにつらかろうと、苦しもうと、医療を提供し続けてしまう。
その結果、医療事故が起これば、
そうした努力は一滴も汲み取られず、ただ責められるのみ。
今の産科医療は、妊婦さんも苦しければ、産科医たちも苦しい。
それを高みの見物で喜んでいる人たちがいるのだから、
本当にイヤになっちゃいますね。
> KEIさんの言うように、看護師内診OKと通達が出ない限りは、いつ告発されてもおかしくないですよね。
この点に尽きます。
これがために、必要以上にカルテをきちんと記載してなくてはならず、
本来だったら不要な内診も「念のため」やっておこう、という発想につながっています。
魔女狩りのように査察がやってきた場合にの対策です。
「魔女狩りよけ」とでも言うべきでしょうか(苦笑)
内診は、患者さんに不快感を与えることも多々ありますから、
実に嘆かわしいことです。
この団体、立ち入り検査マニュアルを作成していることを
某シンポジウムで、自慢気にプレゼンテーションしていました。
素晴らしいご意見です。
当該団体の人たちに、聞いてもらいたい。
先生のおっしゃる通りで、周産期医療において、母児の安全に勝る価値は存在しません。
看護師、助産師といった医療職者が、患者さんのことを第一に考えられなくなったら、おしまいです。
今後ともよろしくお願いします。
はい、くぐった修羅場数は、まずまずの成績と思います(笑)。
でも、こんなだから、若いドクターが離れてしまうのでしょうね・・・
ブログを始めて、1年くらいになりますが、
メタボ先生のコメントに、こうして何回、
ほっとし、励まして頂いたことでしょう。
思い出すとまた、心温まります。
> 一人の人の分娩が終わったら、お茶をゆっくり飲む時間くらいあってもいいのにと
これ、いいなあ・・・
「理想の分娩」、覚えていて下さったんですね。感激。
いわゆる標準的産科医療に対しても、色々な意見があるように、
助産所に対しても、いろいろな意見があります。
私も、今までは実はこの告発文にあるような目で、助産所を見ていました。
その考えがかなり変わったのは、
約2年前から現在の病院に赴任し、フリースタイルを含む助産師主導の分娩を経験したことと、
もうひとつ、親友とも呼べるくらいの仲の、助産師をしている友達が、この春、助産所でお産をしたこと、
この2つが契機になりました。
フリースタイルでお産すると、赤ちゃんの色がいいというのも、
産婦さんが楽というのも、何件も見ました。
また、友人がお産した助産所は、かなりきちんとしたところで、
ちょっとでも体重増加がペースオーバーになると、
「自己管理ができない人は、うちでは産めません」と、
厳しく指導されていました。
一方で、許容しがたい助産所があるのも事実ですが。
医者も病院もいろいろですから、
助産師・助産所も、やはりいろいろということなのでしょうね。
臨床医として、大切にしている言葉です。
「知識なき経験は、経験なき知識に優る」
先生のコメントに、今の周産期医療の現場のジレンマが
上手にまとまっています。
この産院も、分娩取り扱いを止めてしまえば、
年間800件の分娩が宙に浮きますから・・・
それでも、現在取り扱い中止を検討しています。
同じような施設が、日本中に潜んでいるのではないかと思うと・・・
空恐ろしい気がします。
潜在助産師のちいまめといいます。
ご紹介の告発文,助産師としてはつらかったです。
いつも目の前の方にとって,その状況の中でのベストを考えて一生懸命やってきたつもりです。
助産師は女性に必要なときにすぐにサポートできるように注意深く見守りながら寄り添い,その方をエンパワーメントできるようにと。
現場にいるものは,立場によってアプローチは違えども,一生懸命やっているのに,なぜ組織となると組織を守り,相手を非難することが目的のようになってしまったりして肝心のお産の場を守ることが置いてきぼりになってしまうのか。
多くの妊婦さんが安全に安心してお産に挑め,お産で大事にされ,それが子育てのエネルギーになりということを考えれば自ずと答えは出ようもの。
自分のエゴを押し通している場合ではないのに。
私自身は,二人の子を自宅出産しました。
できうる限りの自己管理をし,家の近くの総合病院の産科医のサポートを受け,信頼できる助産院にお願いし,そして遺書も準備して。
リスクを知りながら暖かくサポートして下さったドクターには今も感謝の気持ちでいっぱいです。
でも,人に勧めることはしません。
お産や医療はそれぞれの死生観のからむもの,メリットデメリットを知って自分で選択するものだと思うので。
助産師も助産院もほんとにいろいろです。
ただ,マイナーであっても選択肢の一つとして存在意義はあると思うのです。
非科学的かもしれない,でも確実に人を心地よくできるケアの技もあるのです。
もちろん開業医はメジャーな選択肢としてなくなってはいけません。
今回の記事で先生がフリースタイルのお産や助産院の存在を受け止めて下さっていることを知り,ますますいつの日にか先生と一緒にお産の場にいられたらと思うようになりました。
7人の赤ちゃんがやってきた晩は,その場にいて産婦さんの腰をさすったり,おなかを空かせた赤ちゃんにミルクをやったりしたかったです。今なら母乳もあげられるのに…。
なな先生のような方がお産の場にいらして下さること,同じ女性としてとても嬉しいです。
どうぞいつまでもご活躍できるようくれぐれもご自愛下さいませ。
なな先生
コメント及びトラックバックありがとうございました。また、レスポンスが遅れまして申し訳ありません。また、記事中での御紹介ありがとうございます。
大変でしたね...。
>赤ちゃんは手足がだらんとしており、呼吸はなく、 心拍は100回/分を切っています。 第一啼泣があるまでは、生きた心地がしませんでしたが、 5分後には自発呼吸が出て、泣いてくれました。
1分Apgarは1から2点でしょうか?重症仮死です。10年ほど前なら、ドクターカーが迎えにきてくれたでしょうね...。現在の周産期医療の問題を思い知らされます。先生もどうか、お体を御自愛ください。
こちらからもトラックバックさせていただきました。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
この方もなな先生と同じように産婦人科医の厳しさとやりがいを実感し、あえて出身地でもない石垣島に赴任されることにされたそうです。年間600件の出産を常勤4人、非常勤1人で「最後の砦を支えていく覚悟」で勤務されていくそうです。
大学院時代のアルバイトでの当直でもいろいろと修羅場があったそうですが、こういう記事を読んで、少しでも続くお医者さんが増えていってほしいと思いました。
大変深遠なコメントに、感動しています。
また、こんな助産師さんもいるんだ、と、胸が熱くなる思いです。
前半の文章から、ちいまめさんがいかに真摯に現場に当たっているかがよく伝わってきます。
政治に携わる助産師たちは、知っているのでしょうか。
現場では、このようにまっすぐな心と豊かな知性を持った助産師さんが働いていることを。
同じ志を持った産科医たちと、お互いをパートナーとして尊重し合いながら
産婦さんの笑顔を見ては、喜び合っていることを。
大切なお産の場を、何者にも壊されたくありません。
後半、遺書の話に驚きました。すごいですね。
大変な覚悟をなさったのですね。
でも、もし私がちいまめさんのように自宅分娩を選択したら、
同じことをするかも知れません。
私ごとになってしまいますが、うちの病院のスタッフ、優秀で、本当に純粋な心を持っているのですよ。
助産師主導の分娩を見もせずに、否定的に考えていたことを
今は恥じています。
政治に係る看護職の人たちは、助産師・看護師の地位向上のやり方を間違っていると思います。
助産所および助産師主導の分娩の医学的・社会的信頼の向上こそ、
真の意味で助産師の地位向上につながるのではないでしょうか。
最後に、温かい励ましの言葉をありがとうございます。
これからも遊びに来て下さい。
わざわざお越し頂き、ありがとうございます。
おっしゃる通り、重症新生児仮死でした。
しかし、5分後のApsが良かったので、あの児は大丈夫と思います。
私がブログをやっていることは、周囲のドクターには話していないのですが、
「仇なす者の名前」を、知らせてくれた人がいました(笑)
ネット上で急速に知れ渡っているのだそうですね。
こちらこそ、今後ともよろしくお願い致します。
いつも思うのですが、バリ島さんは医療関係のニュースを
本当によくご存知ですね。
教えて頂くこと、しばしばです。
お話の先生のところくらいの人数がいれば、しばらく頑張れるのではないでしょうか。
燃え尽きない程度に、臨床にあたれるといいですね。
大学院を出ながら研究を一切やらない医者は、たまに存在するようです。
私は現在第1子を妊娠中で、産科医療関連のHPを辿っていて先生のブログにたどり着きました。以来、興味深く拝読しています。
私は妊娠して初めて、産科医療を取り巻く環境の厳しさに気づかされ愕然としました。
妊娠検査キットで陽性反応が出たので、近隣に1件しかない産婦人科を訪れたところ、3時間以上待たされた挙句に「本院で産むなら今日申し込んで下さい。手付金3万円が必要です」と。
手持ちの現金がなかったので、その日は帰宅したのですが、2週間後の再診の際には、「分娩予約はもう満杯です。他をあたって下さい」と言われました。
やむなく里帰り出産を決意したのは良いものの、実家周辺の産院は殆ど分娩を扱わなくなっており、残るは実家から車で1時間以上かかる総合病院のみ。幸い分娩制限はないものの、日本海側の豪雪地帯に位置しているため、真冬に予定日を迎える私としては不安一杯です。
恐らく、予定日間近に病院近くのウィークリーマンションを借り、お産に向けて待機することになるでしょう。
お産のこと、産科医療のことを勉強するうちに、自分が紛れもなく「出産難民」であることに気づき悲しくなりました。
妊婦として望むのは、昨今の超人気産院が提供するようなエステでもアロマテラピーでも豪華なアミューズメントでもなく、適切な医療のもとで、出来るだけ安全にお産をさせていただくこと、ただそれだけなのですが・・・・。
厳しい状況の中、粉骨砕身して働いておられる先生方や医療関係者には頭が下がる思いです。
なな先生、どうかどうか、健康にお気をつけて、これからも妊婦のために頑張って下さい。
心からお祈りします。
私も産婦さん本人が助産院のリスクを熟知してそれでもなお選ばれるのならそれはご本人の選択でよいのだろうと思います。
しかし産科が足りないなら、助産院でという助産師協会のマスコミを巻き込んだ主張は安全性の面からおかしいのではないかと思っています。
助産院のメリットとしてあげられる、助産師の丁寧なケア、カンガルーケア、フリースタイル分娩、おっぱいケアなどは産科でもとりいれられることだと思います。(ただ人件費の点で分娩料の値上げは避けられないと思いますが。)。正常分娩での助産師主導の主導の件でも、産科が管理しつつそういう形態をとっている産科は(特に総合病院では)多いと思います。
そういうことと、会陰切開、帝王切開、投薬、これらの医療処置を選択することの重みは全然違うのだと思いますが、現在の風潮では同列に扱われているように感じます。
助産院などで行われている助産師の業を、医師と同じ場所で(産科)で安全性を確保しながら発揮することはできないのでしょうか。助産院は1割が搬送になるうえに、正常分娩かどうかは終わるまでわからないので、(いくら妊娠中に厳重に管理しても)構造的に「安全」はありえないように感じます。実際助産院分娩が分娩の3割を占めるオランダの周産期死亡率は悪いというデーターもみました。
私は一般的な産科のケアを受けましたが十分満足し、感謝しています。そして元気に生まれてきてくれた子どもの存在が、生きていく原動力になっています。私は総合病院で産みましたが、それでも万一の覚悟はしていました。でも医療を受けられないところで産んで子どもに障害が残ったり、死亡したりしたら自分のことを許せなかったと思います。雨が降ったら傘をさすように私は医療を受けました。
遺書を書いてまで、自然にこだわらなければならない理由、その深い心理について知りたい気もします。
きっと遺書を書いてまで、というのは私のことかなあとまた出てきてしまいました。
なな先生、ごめんなさい。
書き方が悪かったですが、遺書は自宅出産だから書いたのではありません。
出産をするからなのです。
たとえ、最先端の医療を受けられる病院で出産する予定であっても書いたでしょう。
出産は命がけだからです。
遺書というより、生まれくる子どもをどんな気持ちで迎えようとしているのか、自分の気持ちを整理する、そしてどんなに待ち望まれた子だったかを将来自分の子どもに伝えたい、そんな意味合いが強いかもしれません。
私自身はNICUをもつ総合病院で勤務した後、助産院でも勤務しているときに妊娠しました。
自然にこだわったというよりも、その時の私にとって自宅で私のことをよく知ってくれている友人達に手伝ってもらって出産することが当たり前だった、という感じです。
そして二人目の時は、家族の生活の中で迎えることが当たり前だったのです。
もし骨盤位だったり中毒症にでもなっていたりすれば、もちろん病院で出産したでしょう。
当然、助産院のようなケアは病院でもできるしやっているところもあるので、私も通える範囲でそんな病院があれば十分それも選択肢に入ったでしょうが、悲しいかななかったのです。
助産院と病院との違い、この場で説明するのは難しいです。
これは実際に目の前にご覧になって頂くか、体験して頂かないと、私がいくら言葉を尽くしたところで納得して頂けるお答えはできないと思います。
ただ言えるのは助産院で働くようになって、一人の産婦さんのお産の始まりから終わりまで、その人のことだけに集中してその人の為だけにケアできることが、何とお互いにとって満足のいくものかと大きな驚きと幸せを感じたということでしょうか。
これを病院でやろうとするとまずコストが難しすぎますね。
産科が足りないから助産院で、というのは私も違うと思います。
お住まいの地域の産科医療の現状、胸がつぶれる思いで読みました。
妊婦さんと赤ちゃんは、本来国をあげて祝福され、大切に守られるべき存在なのに・・・
真冬にお産を予定されている妊婦さんが、マンションを借りて、待機しないとならないなんて。
産婦人科医の視点から見ても、悲しくてなりません。
ご不安でいらっしゃるでしょうに、そんな中で厳しい現状をひとまず受け止め、
赤ちゃんを守るために冷静にお考えになっているみどりさんは、
大変立派です。
どうか春になる頃には、みどりさんが元気な赤ちゃんを抱いて、微笑んでいらっしゃいますように。
書き方が・・? いえ、全然気になりませんでしたが(笑)
> 助産院などで行われている助産師の業を、医師と同じ場所で(産科)で安全性を確保しながら発揮することはできないのでしょうか。
これこそ、理想です。
他科の先生でありながら、この点をご指摘なさる先生は
素晴らしいと思います。
現場の医療者たちは、おそらくこのことに気づいています。
当然、政治家たちやマスコミは全くわかっていないようですが。
ただし、マンパワーの点で、到底実現できていないというのが現状です。
「院内助産院」と掲げているところは、この理想を実践しているところもあるようです。
そうですか、お産のための、遺書だったのですね。
初めて聞くエピソードに、感動しています。
また、そのくらいの覚悟のあるちいまめさんが、
あえて自宅出産をご選択されたことも。
上のコメントで院内助産院のことを書きましたが、
本来の助産院の良さを充分発揮するには、
院内助産院では足りないかも知れませんね。
私の知っている限りのお話ですが、
院内助産院は、勤務形態がやはり病院ですので、
分娩進行中でも助産師が交代せざるを得ないようですから。
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