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様々な思いから、今でも記憶に残るお産があります。
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1 ロックンローラーの夫立ち会い分娩
スイカの模様みたいなヘアスタイルのご主人が、
分娩室にギターを持ち込んで、創作ロックソングを弾き語りして
産婦さんを励ますんです。
「おおおベイビー、出ておいで〜♪
少子化に立ち向かう男として〜、この世にぃいい〜」 って(笑)。
お産になった時、熱いキスを交わしていました。
・・・仲良きことは美しき哉。
2 最年少の産婦さん
救急隊から連絡があり、自宅分娩の産婦さんと赤ちゃんの搬送を受けました。
ほどなくしてストレッチャーで運ばれてきた産婦さんは、首まで毛布を被っていますが、
毛布からのぞく小さな顔は、若いというより、あどけないような幼い顔。
恐怖と緊張で、蒼白な顔にうっすら涙を浮かべています。
横にアルミホイルを被せた塊が乗っており、
なんだろうこれ、と思ってホイルをめくってみたら
「ほえぇ・・・」
・・・赤ちゃんです。
産婦さんは、13歳でした。
落ち着いてからお話をお聞きすると、
おうちでお腹が痛くなった、便が出ると思ってお手洗いに行った、
そうしたら出たのは便ではなく、赤ちゃんだった、ということです。
ご本人は、最近ちょっと太ったかな?としか思っておらず、
ご家族も、誰も妊娠に気づいていませんでした。
ちなみに相手は大学生。
ちゃんと病院に来たので、その勇気を褒めました。
3 吹雪の中のお産
雪の多い地方の中核病院に勤務していた時のことです。
例年に比べて雪が多い冬の、とりわけ大雪の日の夕方でした。
陣痛が始まった妊婦さんが、病院に向かっているはずですが、
吹雪のため道路で難渋しているのか、
とうに到着しているはずの時間になっても、来る気配がありません。
助産師たちと気をもんでいると、当該の妊婦さんのご主人から電話です。
「すみません、今、病院の駐車場に着いたんですけれど・・・」
「よかった! 心配してましたよ」
「それが、生まれちゃいまして・・・」
「・・・。 ええっ?!」
ペアンと臍帯尖刀と毛布を持って、助産師と2人で
吹きつける雪の中、駐車場に走りました。
分娩衣の上に白衣では、凍てつくような寒さのはずですが、感じませんでした。
行くと、車の後部座席に産婦さんが困り果てた顔で崩れており、
シートは羊水で水びたしでしたが、
臍帯がつながったままの赤ちゃんが、元気よく泣いていました。
羊水と血液にまみれてしまいましたが、かえって思い出深い車になってしまい、
大切に乗っているそうです。
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みんな今頃、どんな子供になっているのかな。
コメント
コメント一覧
2.中学生で気付かずに腹部単純撮ったら技師が大慌て!赤ちゃんが写ってる!
3.これは産科が減少している日本ではこういうケース増えてくるかもしれませんね。無事で良かったけど、ちょっと冷や汗です。
こんばんは、お疲れさまです。
前回は久々のコメントにも関わらずご挨拶なしで
すみませんでした。
やはりひとくくりで「お産」と言えど、
同じお産なんてひとつもないんですよね。
私も実際にお産を経験して、友人などのお産の話を聞くようになって、
産科にとても興味を持つようになりました。
今からではとても助産師の資格は取れないけれど、
看護師としてでも産婦人科で働けないかな・・・と思っています。
ロックンローラーのお父さんは、今頃どんな歌をうたっているのでしょうか??
とても気になります~。
そして2つ目のお話は、日本であったことなんですよね。
本人や家族の、あまりの無知、というか無関心さに悲しみとともに
腹立たしさを覚えますが、幸せに過ごされていることを祈ります。
3のご夫婦は、母子共に無事でなによりです。
でも思い出深い車に乗り続けているなんて、微笑ましいですね。
きっと素敵な、仲睦まじいご家族になっているんだろうな・・・。
18歳で3回目のお産とか(ちなみに初産年齢は14歳)夜間入院の連絡があって待っていたら,「病院についたらお通じにいきたくなってトイレにいったら生まれてしまいました」など。
恐ろしいことにこの体験は新人のまだ,夜勤2,3回目という経験の浅さの時に起こっていることです。
以後,私と夜勤を組むのは嫌だとみんなに言われました。
もうひとつの経験は前置胎盤の方が出血し始めて母体搬送の手続きをとっていた時,私一人が分娩室に取り残された瞬間ショック症状を起こして,送っている時間はないから分娩室(手術室ではないことに注意。手術室も目と鼻の先だけど,それすら間に合わないため))で緊急帝王切開を行ったことです。麻酔も満足にかからないまま,母体と胎児の命を守るためといえども,すごい現場でした。26週くらいの方でしたが,母子ともに助かりました。
やっぱり,お産は様々です。
私ではそこまで気が回りません。
はじめまして。大学病院に勤務する内科医です。
1歳10ヶ月の娘がいて、今妊娠7ヶ月です。
妊婦としてインターネットを検索していたらなな先生のブログにたどりつき、妊婦としても医者としても興味深く読ませていただきました。とてもやわらかく、ユーモアを交えて書かれていますが、医者不足の現代をとても切実に感じます。
本当に産婦人科の先生には頭が下がります。
1人目は近くの個人医院で出産しましたが、台風のその日は私で4人目の出産でした。私の勤務する大学病院からのバイトの先生が当直に来ていましたが、前の方の出産がまだ終わっていなかったようです。病院について、すぐに分娩室に入りましたが先生が来られず、立ち会わないと言っていた主人(耳鼻科医)が助産師さんの指示で点滴をとったりしていました。赤ちゃんの頭が挟まっている感じがしたときに産科の先生がやって来て切開を加えた瞬間に娘が生まれまた。立ち会う予定がなかったのに、出産のほとんどに立ち会うことになってしまった夫は感動して涙がでたと言っていました。(そんなキャラじゃないのに・・・。)
出産がたて続き、みんな順調な経過だったから良いけれども、途中に重症な妊婦さんが含まれていたら産科医1人で対応するのはとても大変なことと自身の体験で思いました。
はじめてなのに自分のことばかり書いてしまいました。
なな先生も自分の体のことも大切にしてくださいね。
それでは。
1 あの赤ちゃんも今頃スイカ頭でしょうか(笑)
2 すごいです。
3 そう思ったので、ここで書いてみました。病院まで片道2時間地帯は既に出現しています。
いえいえ、ブログを始めた当初からコメントを頂戴していますので、
いつでも突然来て下さい(笑)
> 同じお産なんてひとつもないんですよね。
本当にその通りですね。
ひとつひとつが、大切なお産です。
こんな心ある、共感できるコメントを、
ブログを始めてから、一体いくつ頂戴したでしょう。
ブログをやっていてよかったと、最近よく思います。
是非産科病棟で働いて下さい!
また、いろんなお産のお話をありがとうございます。
最近、平成生まれの産婦さんがちらほらお産されるようになりましたね。
「局麻でC/S」、武勇伝としては聞いたことがありますが、
幸いにして、あたったことはありません。
26週のprevia出血、考えただけでも目が覚めそうです。
> 以後,私と夜勤を組むのは嫌だとみんなに言われました。
あははっ、いるんですよね、こういう「嵐を呼ぶ助産師」さんや、ドクターって。
「お払いに行けば?」と言われませんか?(笑)
大学生、明らかに怯えていましたから~
この仕事をしていると、この大学生のように逃げない男性は
若いのにえらいな、と感じます。
女医さんで、妊婦さんなんですね。
7ヶ月、わくわくと不安とが混ざっている頃でしょうか。
ご主人は、思いがけず素敵なご経験をされましたね。
他科のドクターがお産に立ち会うことがありますが、
ベテランの先生方が、お産を見て感動される姿に、
我々が感動しています(笑)。
ここは、いろんな方がそれぞれの思いを綴って下さることで
にぎわっているブログです。
また遊びに来て下さいね。
普通、妊婦さんって、とてもお腹が大きくなるのに、そういう女子高生は周りの人が気がつかないまま、産んでしまうのが不思議でたまりませんでした。
どうして、お腹が小さいまま臨月を迎えられるんでしょうね。それとも、生まれてくる子供が小さすぎてお腹が大きくならないんでしょうか?
子供を産んだことがない私ですが、いつも、ニュースを聞くたびに、不思議でならないです。
決してあの赤ちゃんは小さかったわけではないのです。
お腹が大きくなっても、お腹の中で赤ちゃんが動き回っても
「妊娠」という発想が欠落していると、思い浮かびもしない、ということだと思います。
40歳超えた女性、お腹が出てきた、月経がない、
卵巣癌ではないか、と言って受診された方が、
妊娠後期だった、ということもありました(笑)
妊娠の診断に、全く頭がついて行かないのか
「えっ?! だって、私、一人産んでるのに・・・」。
モウチョウじゃないんだから、一回産んでも二回目もあるのですよ~
「そういえば最近生理がないで、明日産婦人科行ってくるわ」、といったその夜に陣痛。緊急受診してみたらどうやら臨月。だけど最終月経も不明なので転送したという患者は、確かお産は5人目か6人目か・・・かえってあまりに多産だと、その辺感覚がいい加減ということもあるようです。
やっぱりいらっしゃるんですね~(笑)老若問わず、妊娠に気づかない方。
「4回経産以上はハイリスクと考えよ」と教わりました。
あまりお会いすることはありませんが、本当にそうかも知れませんね。
私の病院の妊婦さん用の問診票、妊娠分娩回数と、分娩場所を記載する欄があるのですが、
80歳の婦人科患者さんにその問診表が渡ってしまって、分娩場所に
1 自宅
2 自宅
3 庭
とあって、助産師たちときゃあきゃあ言ったことがあります(笑)
内科の先生から急遽呼び出された夕刻。
中学2年生の女の子。
エコープローベ当ててびびり!!
なんと!動いている!
どっくんどっくんどっくん。
シンゾー!!
産婦人科の先生呼びました。
いつか拙ブログエントリーで書こうと思ってた内容です。
どこにでもあるんですね~、こういうこと。
「女を見たら妊娠と思え」というあの言葉は、
今でも真なのかも知れません。
先生のエントリー、楽しみにしています。
父は母からほとんど放置されて
40歳くらいの男性との間に子供ができました。
初診は卵巣腫瘍の茎捻転、妊娠15週・・・・しかも夜中。
緊急手術してその後はわたし、妊婦検診しました。
ほとんど知識は小学生並みの、攻撃的な女の子が、
だんだんいろんなことを考えてくれるようになり、
やわらかいお母さんの顔になっていき、
旦那さんに対しても、
「自分を守ってくれる人」
「まあ、あたしみたいな若い女しかgetできない男だけどねー」
なんて言っていましたが、ちょっとずつ大人になっていってくれました。
アンバランスな彼女でしたが、いいお母さんになってくれました。旦那さんにも、義理のお父さんお母さんにも愛されて、どんどんすてきな女の子になってくれました。
彼女とであったことで、
一番つらかった産婦人科医としての壁を、
私も乗り越えることができました。
ふたりで1ヶ月検診で泣いたことは忘れないですね。
>「まあ、あたしみたいな若い女しかgetできない男だけどねー」
これ、すごいですね。
日本の若い女の子の言葉とは思えない(笑)
better haifという言葉がありますが、
お話を聞いて、こんなご夫婦のことかな?と思いました。
今頃、きっと幸せにしていらっしゃると思えてなりません。
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