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< 基幹病院産婦人科における崩壊前症の一例 | メイン | 大学院について(1) >
2007.05.26 08:34 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  なな  | 推薦数 : 17

身近なところでも

医学生時代の話です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ほとんどの人が、一人暮らしでした。
当時はまだ女子学生が少なかったこともあり、結束が固く、みんな仲良しでした。
お互いのアパートに行き来するのも日常茶飯事で、
同学年の女子学生はほぼ全員、お互いのアパートを知っていたと思います。

ある日の夜。
そろそろ寝ようかという時間に、玄関のチャイムが鳴りました。
誰かが突然遊びにくることも珍しくありませんでしたが、
それにしてもちょっと遅い時間です。
ドアの覗き穴から訪問者を見るのですが、顔を伏せていてわかりません。
「だれ?」 と聞くと、しばらく間があって
「・・・ななちゃん、ごめん、こんな時間に」
同級生のみっちゃん(仮名)でした。
泣いている目の上は、紫色に腫れあがり、
抜けた髪の毛が何本か、服についています。
よく見ると、寒いのに素足で、
上掛けの裾から、パジャマのズボンがのぞいています。
「どうしたの・・・?」
聞くと同時に、はっとしました。
同級生の彼氏Aと一緒に住んでいるみっちゃんは、
普段からAの暴力に悩んでいました。
明るいみっちゃんは、笑いながら 
「昨日は壁に頭を打つけられちゃって〜 」 なんて言っていましたが、
かなりみんなで心配していました。
今日は相当派手にやられて、とうとう逃げてきたというわけです。

とにかく、みっちゃんをアパートに入れました。
お風呂を湧かして、
あったかいご飯を食べさせて、
2人で一緒に寝ました。

翌朝、みっちゃんをアパートまで送る時、
「みっちゃん、警察に行く?」
聞いてみましたが、
「ううん、いいの。」

暴力は、一度始まるとエスカレートします。
繰り返し暴力を振るわれていると、被害者の認知機能が歪んでしまい、
「自分は暴力を振るわれても仕方がない人間なのではないか」
という、間違った認識をするようになってしまいます。
加害者は、ひとしきり暴力を振るうと我に返り。
一転して平謝りします。
その後しばらく蜜月期が続き、
そのうちまた緊張が高まって、暴力を振るいます。
そして再び平謝りされると、
被害者は加害者を捨てることができないのです。
いわゆる「暴力のサイクル」というものですが、
今思うとみっちゃんの場合も、まさにこのようなDVの典型でした。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

あれから10余年。
先日、大学の同窓会名簿が送られて来ました。
みっちゃんの苗字が暴力男Aの苗字になっているのを見て、
名簿を床に落としそうになりました。

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家庭内暴力への対応は?
家庭内暴力:Domestic violence (DV)の患者を診る機会は専門外来のため少ないのですが、昨日は夫からの暴力で頭部外傷を受け、精査目的で撮ったCTで異常が疑われた白人女性が初診でした。 ... [続きを読む]
posted from マイアミの青い空 2007.05.26 16:24
ぶっとんだカップルについて、一言いわせてね。
 ほんとうは、なな先生のブログに、コメントとして書くべき内容です。 が、かなり、きついことをかきます。 でも、「ななのつぶやき」の品位は落としたくないので、ここに書きます。 まあ、若いときから、ろくに... [続きを読む]
posted from がんばれあかがま 2007.05.27 20:49

コメント

コメント一覧

暴力はふるうことはありませんが、ふるわれることは良くあります。
夜中に、うちのうぃっと君のミルクタイムの時です。
少しでも起きるのが遅れると、おくさんの蹴りがでます。
どんなに長い手術の後でも容赦がありません。
家庭内格差と家庭内暴力への対応が
現在の悩みです。
ちょっと、本題からずれました・・・・。すんません。
written by Atsullow-s caffee / 2007.05.26 13:20
DV・本人同士が良いのだから仕方ないですよね、家内の友人も子供に危害が及ぶようになって初めて役所に助けを求めに行きました、(役所では住む所と勤める所を秘密裏に斡旋して呉れていました)警察が行っても最後に被害届けを出さないから仕方ないみたい、冷たいかも知れないけどどうしようも無いのでは、精神科にDV科を。(暴力を振るう方を治療する)
written by たぬくまぞうさん / 2007.05.26 13:24
 TVドラマでは、よく取り上げられる話題ですが、現代では多いものでしょうか。
 あかがまには、ちょっと想像もつきませんが。
written by akagama / 2007.05.26 13:41
私も高校時代の友人たちから、彼氏(医学部学生)から暴力を受け病院を受診した話や、夫(これも医者)に暴力を振るわれているという話を聞いたことがあります。日本でも珍しいことではないようですね。
「暴力のサイクル」その通りですね。蜜月期があるから別れられなくなってしまうのです。
みっちゃん、今ごろどうしているでしょう。暴力癖はなかなかなおるものではないと思うので、今もDVの被害を受け続けている可能性が高いでしょう。心配です。
最近は女性から男性への暴力もあるみたいですね。(あつかふぇ先生のおうちのように)行き過ぎると殺人にまで発展するので、非常にこわいです。(Atsu先生もお気をつけて。あ、失礼)
written by 春野ことり / 2007.05.26 14:34
なな先生、DVのお友達の話、日本の1典型例だと思います。日本人は辛抱強いのか、優しいのか耐える女性多いですね。

Akagama先生のように内科系は外傷を見る機会が少ないからピンとこない方が多いです。脳外科、整形外科、小児科医、救急医なら経験があるはずです。ただ日本は患者も報告したがらないですし、医師側にも消極的な方を時に見ました。

日本には潜在的DVが多いのではないでしょうか?TBさせて頂きます。
written by Tai-chan / 2007.05.26 16:23
母がDV被害にあっている方を世話した (といっても、役所のそういう窓口につなぐとか、逃げている間の話し相手やあちこち出向きにくい場合の代理とか、その程度ですが) 話を何度か聞いたことはありますが、その限りでは、日本は被害者を支援する体制はかなり整っていると感じています。(離婚調停まで行くと、委員の中に、状況を読まずに「もっとよく話し合って」とか「多少のことは我慢しないと」などと言い出される方がいらっしゃるようですが)。
問題は、どの機関も基本的には「被害者の意志をうけて」動いているので、被害者が上記のように優柔不断な態度をとる (あるいはできないことを求める) ために動けなくなることが多いようです。
日本では、被害者の意志を無視してまで強制的に介入するのは行き過ぎだという意見が強いようなので、現状の社会的コンセンサスは「虐待から抜けられずに不幸な結果に至る人が多少いてもしょうがない」「家族の絆の方が大事」ということなのかなと思っています。
written by hiroo / 2007.05.26 18:07
DVの家庭に育つとDVになるというのをきいたことがあります。もし、彼女が家庭を持ったのなら、そのストレスを子供に向かわないことを祈ってます。
でも、医師が暴力を振るうのは何だか怖い気もいたします。
ストレスが多い職場だと思いますので、暴力が続いていないことを祈ります。
written by J / 2007.05.26 19:10
度々すみません。日本でDVの患者さんを警察に通報して保護してもらった経験からhirooさんの言われる通り、日本はDVを受けた後の体制はいいのですが、、、

>日本では、被害者の意志を無視してまで強制的に介入するのは行き過ぎだという意見が強い<

ここがアメリカと決定的に違うところです。
被害者に理解してもらうように、すぐにコンサルトできるケースワーカーの存在が不可欠です。医師にはそこまで介入する時間、ゆとりが無いのが実情ではないでしょうか?
written by Tai-chan / 2007.05.27 01:02
私の父も私たちが小さい頃は、お酒を飲んで喧嘩になると暴力をふるうことがありました。そんな父も年を取るにつれて、丸くなって、そういうことはなくなりました。
弟は、そんな父を見て、お酒は付き合いの時しか飲まず、今は、育児に協力する良き父をやっています。

そして、母がガンで闘病していた時は、父母共に、お互いをいたわりあっていて、やはり夫婦なんだなと思って涙が出そうになったことが多々ありました。
written by バリ島 / 2007.05.27 01:52
Atsullow先生、こんにちは。

女性健康学者の、裏座談会で出る言葉です。
「男は女に暴力を振るっちゃいけないけれど、女は男に暴力を振るってもいいのです」
私が言ったんじゃありませんよ(笑)
written by なな / 2007.05.27 05:10
たぬくまぞうさん、こんにちは。

>本人同士が良いのだから仕方ないですよね

共依存ですね。
そうなると、なかなかぬけられません。
しかし暴力は、100%やる方が悪いのです。
治すべきは暴力を振るう人、という意見に同感です。
written by なな / 2007.05.27 05:14
akagama先生、こんにちは。

先生の率直なご意見が、標準的な認識と思います。
だから「身近なところにも、実はあるんですよ」と言いたくて、書きました。
この点を読んで下さって、嬉しいです。
written by なな / 2007.05.27 05:17
春野ことり先生、こんにちは。

先生の身近にもあるのですか。
世の中の大人が、暴力という暴力を一切振わなくなったら、
革命的に世界の雰囲気が変わりそうですね。

みっちゃん、今、どうしているかな……
written by なな / 2007.05.27 05:26
Tai-chan先生、コメントとTB、ありがとうございます。
たくさんもらうと嬉しいです(笑)←単純過ぎますか

おっしゃる通り、ケースワーカーが必要と思います。
医師に余裕がないこともありますが、日本ではケースワーカーが著しく不足しています。
暴力を容認する文化背景のある日本では、潜在的DVは多数あると思います。

しかし、脳外科医である先生がDVの患者さんを診察されていると聞いて、
ちょっと恐ろしい気持ちです。
そんな大けがをする人がいるということですね……
written by なな / 2007.05.27 05:32
hirooさん、こんにちは。

おっしゃるところが、まさにDV被害者支援の壁だと思います。
そして、そこにたどり着くまでが大変だし、
支援施設そのものも少なすぎます。
トータルでは、DV対策は諸外国より立ち遅れているという印象です。
お母様のような活動をなさる方は、とても貴重です。
written by なな / 2007.05.27 05:38
Jさん、こんにちは。

>DVの家庭に育つとDVになる

そうなんですそうなんです。
みっちゃんがお子さんを……考えたくないですが、
父親であるAは、やる可能性大です。

>医師が暴力を振るう

そう、これもここで言いたかったエッセンスなんです。
Aは現在、普通に医者になっています。
DVは、どんな職業の人にも、同じようにふりかかってくる、心の闇のようなものです。
written by なな / 2007.05.27 05:42
バリ島さん、こんにちは。

前半を読んでどきっとしましたが、
素敵なご夫婦になられたのですね。
同じ暴力といっても、何だか昔の方が手加減を知っていたように思うのです。
私のカウンセリング外来にも、DV被害者が来ることがありますが、
年々怪我の程度がひどくなっている気がします。
キレる人が多くなってきたのでしょうか。
そんな人たちも、バリ島さんのご両親のようになってくれるといいのですが。
written by なな / 2007.05.27 05:47
なな先生、この記事へのコメントはこれで終わりにしますが、コメント、TBってブロガーにとっては嬉しいですね。アクセス数よりもコメントの方が気になります。
先生のブログは一般の方も結構コメントされていますし、多いですね、いつも。
コメントが多いブログって魅力があるってことなんだと思います。
written by Tai-chan / 2007.05.27 11:11
なな先生、こんにちは〜 さっきは、a先生のところに来てましたね!(笑)ちゃんとチェックしてますよ〜
 先生、このみっちゃん自身に聞いてみたくなったことは…          “本当に幸せですか?” “これからも幸せでしょうか?”         本人しかわからないことかもしれませんが、暴力ほど罪なものはないと思います。暴力からは傷つくことがあるだけで、何も得られるものはないと思います。
 彼女が(本当の幸せに)気付いたとき、それが本当の苦しみ悲しみなんでしょうね。彼女が今、幸せなら仕方がないのでしょうが…
でも、今、もしかしたら、気付いてはいても相手を突き放すことができないというやさしさではなく、彼女の弱さを感じています。
弱さとやさしさが、彼女にとって、これから幸せになるものならいいのですが…、少し彼女が悲しい女性だなって思いました。   
written by E / 2007.05.27 12:47
この記事に対しての私見を載せました。
過激なことを書いたのでTBで勘弁してくださいね。
written by akagama / 2007.05.27 20:50
こんばんは。ほんとはいつもコメントいっぱいしたいのですが、考えさせられることが多く、すぐに文章にできずに流れてしまうことがあります。すみません。
ほんとは先生のブログ読ませていただいて、先生が悲しい記事のときは悲しく、嬉しい記事のときは嬉しく思っています。

20年ほどまえ、親戚のおばちゃんがDVにあっていました。なんとか逃げて姉である母のもとへ助けを求めにきました。ですが、子供が相手の所にいる。なかなか救いだせない。人質のようなものでした。ようやく連絡がつき、脱出の計画です。荷物をまとめればすぐにばれます。当時小学生5年生だったいとこはまだ幼い妹の荷物をゴミ袋にいれ、ごみを出す要領で少しずつ外へだしました。そして、おばと両親が隙をみていとこたちを保護しました。それからは大人の話で、まだ幼かった私は詳しく知りません。

今そのいとこたちは大人になりステキなレディになっています。いとこは去年結婚し、ステキな結婚式をあげました。小さな頃の苦労を思うと新生のテーブルは涙が止まりませんでした。

written by ひいよん / 2007.05.27 21:23
Tai-chan先生、やさしいコメントをありがとうございます。
前項「当直明けの朝」では、ほんのひと言のメッセージでも
充分嬉しいものなんだ、ということに気づかせて下さいました。
先生のように、他の先生方のブログでも、
何かひと言コメントできる柔軟な思考と社交性があると、
先生のような豊かな視点が持てるようになるのでしょうか。
いつも憧れの気持ちで見ています。

written by なな / 2007.05.27 23:56
Eさん、こんにちは。

>暴力ほど罪なものはないと思います。

本当にその通りですね。
暴力は、犯罪にも戦争にもつながります。

Eさんのコメントにあるような内容が、まさに暴力の暗さの本質だと思うのです。
こと女性に対する暴力は、女性の治療者が取り扱わないとならない、というのが
女性健康学の巨匠の意見です(80才になろうとする大御所です)。
女性であるEさんが、この本質をあっさりと見抜いていらっしゃるのを見て、
大御所先生のおっしゃる意味を改めて感じています。

私もあかがまノベルのファンなので~(笑)
written by なな / 2007.05.28 00:07
akagama先生、TBありがとうございます。
おかげさまで、ここで言いそびれたことを言わせて頂きました。
written by なな / 2007.05.28 00:08
ひいよん先生、素敵な共感の言葉を、ありがとうございます。

DVは、本当に身近にあるのですね。
壮絶で具体的な話に、身が震える思いです。
でも、素敵な結婚式のお話に、ほっとします。

最近、いろんな方が来て下さるので、
やる気が出てきたのか(笑)、こまめに更新するようになりました。
先生のペースで適当に参加して下さい(笑)
コメントはいつでもお待ちしています。


written by なな / 2007.05.28 00:15
なかなか、大変ですね、思わず、コメントをかいてしまいました。
DV被害者を支援している人たちとも勉強会をしていますが、年を追うごとに難しくなってきている気がします。
周囲の人は、簡単に「離婚したら」とか、婦人相談所やシェルターに保護でもと言われますが、なかなかそこまで行くには大変な作業があるようです。子どものことや、特に自分自身の仕事などと天秤にかけるとなると、すぐに決断は難しいし、一方で、加害者側も、怖い方々はもちろん、時には「人権派・・」「良心的・・」とか言われているような人もいたりします(徹底的に、捜して来ます)。
精神科をしていると、被害者支援だけではなく、加害者の方も支援が必要なんて言われたりしますが(要は、カウンセリングで更生させろなんて、テレビドラマと現実の区別が付かない人たちが言っています)、その前に、加害者の法的責任をもっと厳しくすることが最優先だと思っています。
written by papamama / 2007.05.28 01:25
なな先生、お疲れ様です。

なな先生が同窓会の名簿をご覧になってみっちゃんが
暴力当事者のAさんの苗字になっていて複雑なお気持ちだというのが伝わってきます。

私もかつて拙ブログに記事として書いたことがありますが、
友人が外国人の男性と付き合っていて、やはりDVの被害者
であったため、知り合いの議員を通じて何度か相談に乗って
もらったり、管轄の警察に直接訴えかけたことを思い出しました。

こういう場合、本当に第三者が被害者を「救済」しない限り、被害者自身が「麻痺」していくという様を傍で見ていて
本当に実感しました。
なな先生もこういう女性に対してのカウンセリングなどお勉強されてらっしゃるんでしょうか…本当にいろんな角度で女性に対して心を砕かれているなな先生を尊敬しています。
written by 来夢 / 2007.05.28 15:49
> 被害者に理解してもらうように、すぐにコンサルトできるケースワーカーの存在が不可欠です。

現状だと、はっきりと「この状況から抜け出したい」という意志を固めるという相当に大きなハードルを越えた人しか助けられないので、Tai-chanさんのおっしゃる通り、ケースワーカーがいた方がDV被害は減る (し、医師が抱え込むことでもない) と思います。
しかし、上に述べたように、今の日本ではDV被害を防ぐことよりも「家族のつながりを大切にする」方が優先するという意見の方が支配的なようなので、そのケースワーカーの職につく方は、普段は「ひとの家のことに土足で踏み込みやがって」とか「『家族の絆』を壊しやがって」というような罵声を(虐待している人以外からも)受けることが多いのに、ひとたび大怪我したり亡くなったDV被害者が出たことが報道されると、「虐待があるのを把握していたのに放置していた。怠慢だ」と批難されてしまうようなことにならないかと心配です。
金銭的な見返りが多い職になるとは思えませんし、その上に周囲から名誉の報酬もないというのはつらいでしょう。そう考えて、ケースワーカーをおくべきと主張するのを躊躇ってしまいます。とはいえ、こうして躊躇うのも上述の社会の「空気」を助長してしまいますし、鶏か卵かなので思い切って踏み込んで行くべきなのかもしれませんが。

児童虐待に関しては、児童相談所がおかれてもう少し積極的な対応がされていると思うのですが、そちらの事情はどうなんでしょうね。
written by hiroo / 2007.05.28 18:26
イギリスにいた頃の親友が、英国人と結婚しましたが、DVがひどかったようです。
お腹に子供がいるのに、お腹を蹴られたり。結局、彼女は彼女のお父さんの具合が悪くなったので、それを契機に帰国しましたが、その後帰りませんでした。
ところが、英国人の御主人から何回もTELや手紙で早く帰るように言われましたが、産み月も近くそのままにしたところ、御主人は自殺してしまいました。
そのことが彼女をとことん苦しめましたが、時が癒してくれたようです。息子さんは今年から中学生ですが、父親は病死ということにしているようです。
毎年、夏休みはイギリスへお墓参りを兼ね、帰っています。向こうのご両親も彼女を労わってくれ、孫をかわいがってくれているようなので安心してます。(死後、籍を抜かずにいるようです)
written by J / 2007.05.28 20:45
papamama先生、こんにちは。

>なかなかそこまで行くには大変な作業があるようです。

同じことを感じています。
私が担当しているのは、婦人科のゆったり外来ですが、
何度か診察を重ねて初めて「実は夫から暴力が」と言えるケースの方が多く、
最初から暴力のことを告白できる患者さんの方が、むしろ少ない気がします。

>その前に、加害者の法的責任をもっと厳しくすることが最優先だと思っています。

そうなんですね。
加害者に病的なものを感じることもありますが、
対策にまで携わることは、ありませんでした。
率直なご意見、勉強になりました。
ありがとうございました。


written by なな / 2007.05.29 03:02
来夢さん、こんにちは。

DV、本当にあちこちで見られるのですね・・・
やられた直後に本人が警察に駆け込んで、
警察が暴力夫をこんこんとお説教して、おさまってくれたこともありました
(時間を経たらどうなるかわかりませんが)。
まずは警察、というのもひとつの打開策だと思います。

つい来夢さんには身の上話をしてしまいますが(笑)、
上コメントに書いたように、この道の師匠がいるのです。
(何人恩師がいるの?と思われそうですね(笑))
その先生はWomen's healthの指導者であり、産婦人科医でもあります。
暴力被害者に関しては、以前はしかるべきところに紹介するように言われていましたが、
ある程度勉強した現在、積極的に関わるようにと
勤務病院の産婦人科部長とは別系統の指令が出ています(笑)

今は、町の何でも屋産婦人科医ですが、女性ゆったり外来歴も10年超になってきたので、
今後どうしようかと思案中です。
written by なな / 2007.05.29 03:24
hirooさん、重ねての貴重なコメントをありがとうございます。

ケースワーカーを置くべきとお考えであることと、
それを主張するのをためらう理由が、よく理解できました。
詳しくはありませんが、児童相談所の相談員も、似たようなジレンマを抱えていると思います。
DVよりは、児童虐待の方がまだ法整備が進んでいるので、
多少はましかという印象ですが、実際はどうなんでしょうね。

ケースワーカーの必要性は感じますので、
資格も含めた、ケースワーカーの法的・経済的・社会的保障があれば
変わってくるかも知れません。
「卵と鶏」、現状のよくわかる面白い例えですね(笑)
written by なな / 2007.05.29 03:36
Jさん、こんにちは。

こうなると、誰のそばにもDVがある、という感じですね。
短い文章にわかりやすくまとめて下さってはいますが、
Jさんのお友達の苦悩は幾許かと思います。
加害者の死によってDVが終了し、
その後十数年に渡って、被害者を苦しめているのですね。
暴力の業の深さを感じます。

一方で、死後も籍をぬかずに、あちらのご両親が孫をかわいがる。
人の心は深遠ですね。
written by なな / 2007.05.29 03:44
強いものと弱いものの縮図・・・・の様な気がします。
DV・・・増えているのですよね。

夫婦・親子・友達・・・・
まだ人間は”ひと”になりきれていないのでしょうか。
動物所以の上下関係を持っていたい。
そこから逃げる事ができたら・・・・

高齢者の虐待も増えているといわれています。
子供に対しても・・・
社会全体のお話です。
なな先生・・・私たちはどこに向っているのでしょうか。
何を実現しようとしているのでしょうか。
written by ぴょん / 2007.05.30 07:30
ぴょん先生、こんにちは。

高齢者への虐待。
普段、視野に入ることはありませんでしたが、
ぴょん先生は、接する機会がおありなのでしょうね・・・
パートナーへの暴力に関しては、加害者の特徴がいくらか研究されています。
自己否定的である、衝動をコントロールする力が弱い、何でも他人のせいにしがち、などですが、
高齢者への暴力もまた、同じかも知れません。
本当に社会全体のお話ですね。
私の師匠は「DVはいずれ犯罪として扱われるようになるだろう」と言っています。

>私たちはどこに向っているのでしょうか。
 何を実現しようとしているのでしょうか。

どこに向かっているのでしょうね・・・
ただ、実現しようとしているもの。
これは、ぴょん先生も重なる部分があると思いますが、
きっと、人の健康であると思っています。

ところで、ぴょん先生に中間報告があります。
前項「この手を放さないで」の摂食障害の患者さん・千秋さんですが、
その節は本当にありがとうございました。
本人が、ミニトマトの苗と、ラディッシュの種を持って来ました。
現在、片隅にプランターを置いて、栽培中です。
うっふっふ。
(Lilyさん、見てる~?)
written by なな / 2007.05.30 18:06
Lilyですっ!見てますよ~!!

植物たちが、お二人の気持ちにちゃんと応えてくれるよう、
日本の端から応援してます。

ミニトマト&ラディッシュたち、がんばって☆

そして千秋さんとななセンセイを始め、
ここを訪れるみなさんに、たくさんのHAPPYが
ありますように!

私も頑張ります。


written by Lily / 2007.05.31 01:22
>摂食障害の患者さん・千秋さんですが、
本人が、ミニトマトの苗と、ラディッシュの種を持って来ました。

さすがですね! 素晴らしい!
なな先生のご尽力の賜物でしょうね。

実は...先日、過食症の若い女性がウチにやってきたんですが...
(夜中に冷蔵庫をあさって、目一杯食べて、吐いたり...)
   どうやら、かなりテゴワい、と感じ...
本人といろいろ話してみると,,,ご家族がほとんどご存じない
  (母親は、多少は知ってるかも..という話..)
で、本人に、母親と相談してもいい、という了解を取り付け、
   お母さんと話しました。

お母さんは、勘付いていたけれど、言っていいものか、悩んでた。
お父さんと兄弟は知らないらしい...

「本人は、悩んでいます。ご家族みんなで病気を知って
 本人を支えてあげましょう。
 叱るんじゃなく、分かってあげて、聞いてあげましょう。
 私は初期の処方は出してみるけど、効果がなかったら、
  やっぱり、過食症をよく知る精神科医に見てもらいましょう」

それから、2週間ほど経過し、お母さんがやってきました。
ご本人も納得して精神科で治療を受けたいと言ってくれた、と。

 早速、紹介状を書きました。

多分、内科のプライマリ・ケアとしては、この程度かな、と思いました。

なな先生の情熱には恐れ入ります。でも、私も、いろんな患者さんに
自分のできる範囲で、支援を惜しまないつもりです。
written by Doctor Takechan / 2007.05.31 01:33
 千秋さん、楽しい事が少しずつ若葉と共に芽を出してくれると良いですね。
私もわくわくな気持ちになれます。
なな先生のわくわくした笑顔を感じます。

DV加害者の特徴・・・ぞっとします。
息子の性格がそれなのです・・・。
厳しく育てたせいか・・・と、自分では思っております。

千秋さんの件もそうですが、子供が伸び伸びと生活できる日本になって欲しいです。

written by ぴょん / 2007.05.31 07:54
Lilyさん、よかった見ててくれて。
その節は、本当にありがとうございました。
おかげ様で、まずは素敵な経過をたどっています。

何も知らない千秋さんと私は、ラディッシュの種をたっぷり播いてしまいました。
ものすごい数の芽が生えちゃいましたので、選定したのですが、
千秋さんがちぎった芽を捨てたくないというので、
一緒に窓からパラパラとまきました(笑)。

Lilyさんにも、たくさんのHAPPYを。
written by なな / 2007.05.31 18:45
Takechan先生、いつもながらやさしいお言葉をありがとうございます。

摂食障害の患者さんは、とても難しいですね。
本人は悩んでいる、全くその通りと思います。
治療を拒否してしまう患者さんも多いのですので、
まずは先生の許に行くまでに、大変なエネルギーが要ったのではないでしょうか。
きっと先生が、ご本人とご家族の治療意欲を上手に引き出したのですね。
助けを求めてきた患者さんの手を放さなかったTakechan先生の診療は、
プライマリケアの理想と思います。

> なな先生の情熱には恐れ入ります

先生にそう言って頂けると、嬉しいです(笑)。
でも、私にできるのはこんなことくらい。
先生がお書きになった「法学者よ、集結せよ!」のような記事を書く力も広い視野も、
私にはありません。
先生のような方々が、無力な医者たちを救ってくれるのでは、と思っています。
どうか、
「もし私が医療上のことで逮捕されたら、あのミニトマトとラディッシュはどうなっちゃうんだろう」
なんていう心配をしないでもいい世の中にして下さい。
written by なな / 2007.05.31 18:59
ぴょん先生、こんにちは。

息子さんのこと、ご心配ですね・・・
でも、危機感を持つのが第一歩ではないでしょうか。
ぴょん先生の愛情が、しっかりと息子さんに届きますよう。

千秋さんのことは、まず自分で苗と種を買いに外に出かけてくれたことが、嬉しかったのです。
これからもいい報告ができるといいな。
written by なな / 2007.05.31 19:02

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