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< 左手の力をゆるめて | メイン | 産婦人科に混入するまで >
2007.05.12 21:42 |  診療  |  なな  | 推薦数 : 12

この手を放さないで

 

週1回、1人の患者さんに1時間くらいかけてお話をする

「カウンセリング外来」を開いています。

心身相関、つまり心と身体の関係に重点を置いた治療をする外来です。

4時間で4人と、なんとも悠長な外来ですが、

元々自分のやりたかった医療を、この外来で実現しています。


 

その外来の10代の患者さん、千秋さん(仮名)は、

初診時は、お母様とお姉様に抱きかかえられるようにして、いらっしゃいました。

摂食障害のため、極度に痩せています。

普通に歩けるのですが、受診に抵抗があるようです。

まず、3人とも診察室にお通ししました。

お母様とお姉様が代わる代わるお話するのですが、

千秋さんご本人はうつむいたままで、何もしゃべってくれません。

お母様のお話では、それまでもいくつか病院に行ったのですが、

どこに行っても、全くしゃべらないし、治療も続かなかったのだそうです。

その日は、とうとう何もお話できませんでした。


 

どうしたら千秋さんに心を開いてもらえるだろう?

考えた末、

「コミュニケーションは、言葉だけではない」。

そこに考えが至りました。

小児科外来から箱庭を借りてきて、一緒に作りました。

摂食障害の患者さんは、

触れられることによってボディー・イメージのゆがみに気づくことがありますので、

機会を見て、診察を兼ねて身体に触れました。

また、「何か温かいイメージ」を視覚に訴えるために

病棟にある新生児室に、一緒に赤ちゃんを見に行きました。

その間、もちろん話しかけるのですが、新生児や動物に愛情を持って話しかけるのと同じように、

ただ語りかけるだけです。


 

次はどんな手を使おうか、と考えることと、

千秋さんと触れ合い、千秋さんの反応を見るのを、私自身が楽しみ始めた頃、

千秋さんは、口を開いてくれました。


 

それを機に、少しずつ食べられるようになってきましたが、

経過中、過食に転化し、どんどん体重が増えて来ました。

拒食と過食は、ほとんどの場合ワンセットですので、あり得る話なのですが、

本人にとっては、「太ること」はとてつもない恐怖です。


 

ある日、デスクワークのために遅くまで病院にいて、そろそろ日付けが変わろうかとしている時、

鳴らないはずの院内PHSが鳴りました。

救急外来に、千秋さんが来ているというのです。

怪我や病気ではなく、ただ「なな先生いませんか」と言っているとのこと。


 

救急部に飛んでいくと、千秋さんがポツンと一人で、うつむいて座っていました。

千秋さん、と声をかけると、目には申し訳なさそうな表情。

手首に、つけたばかりのリストカットの跡があります。

一瞬言葉を失いましたが、いつもの通りの言葉をかけました。

「よく、来てくれましたね」。


 

泣きじゃくる千秋さんが落ち着いてから、ご自宅に電話しました。

お母様のお話によると、千秋さんは、体重が増え始めてから

学校も行かずに、お部屋に引きこもっているのだそうです。

2週間に1度の私の外来以外には、外に出ることもなかったとのこと。


 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 

本来、私の手に負える症例ではありません。

しかし、専門医受診を勧めても、お母様も千秋さんも、承諾して下さいませんでした。


 

「私の手でいいから、どうか放さないで」。

そう祈ると同時に、

「では、私に何ができるのか」。

答えが見つかりません。


 


 


 


 

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コメント

コメント一覧

なな先生、今晩は。今日、Atu先生にも同じようなコメントを書きました。傍に、ただいてくれると思うだけで、人は心強くおもいます。

「私は、親切にしすぎて間違いを犯すことの方が、親切と無関係に奇跡を行うことより、好きです。」

尊敬するマザーテレサの言葉です。
written by J / 2007.05.12 22:31
はじめまして。
陰ながら、なな先生を応援している先生のファンの一人です。

「カウンセリング外来」
そういうものがあるんですね。
あらためて、先生の取り組んでいるものに感動しました。
そして、そこで先生と出会った千秋さん。
私がもし千秋さんだったとしても、きっとなな先生に対して
「この手を離さないで・・・」と思います。
患者にとって信頼できるお医者さんとの出会いなんて、ほんとに難しいのです。

千秋さんの闇、なな先生の苦悩、胸が締め付けられるようです。
でも、信頼する先生がそばにいる。一緒に歩んでくれる。
それだけで乗り越える力が生まれるのではないでしょうか・・・
甘い考えかもしれませんが、私はそう思います。

そして、なな先生
いつも応援しています。




written by ジェイク / 2007.05.12 22:56
なな先生、
ほんとうに頑張っておられますね。

患者さんにとっては...
  やはり、あなたのかわりはいないのですね...

ですが、どうしても言っておきたいので(先生、よくわかってられるのに..)
 その患者さんは、精神科の先生にお願いすべき患者さんです。
  精神科にとっても非常に難しい症例です。
   時間もかかります。
 精神科以外の医者が診続けると、責任問題も出てきます。
  そのことだけは、どうか、しっかり胸に刻んでおいて下さい。

かく言う私も、10年ほど前、数人、100%精神科が対応すべき症例を、内科病棟で治療しました(当時の院長の策略?....)。
どうしても、この病院で診てほしい。先生でないと患者が納得しないんです..とか)

どの食事にも毒が入っている...そういって落ち着かない奥様は、3週間ほどセレネースで治療して、無事退院できました。
物陰で僕を狙っている、そう言っていつ逃走するかわからぬ中年男性は、24時間奥様がつきっきり、セレネースを夕に10mg、眠前に10mg注射しても目がらんらんとして、それでも2W治療して、そこそこ落ち着きました、精神科の院長がいたから主治医をやりました。でも,,,,とてもキケンでした。
written by Doctor Takechan / 2007.05.12 23:40
私のところにも過去に、「どうしても先生に診てほしい。」と外来に来続けた精神疾患の患者さんがいました。そう言われて見はなすこともできず、しばらくずるずると診ていましたが、やはり私の手には負えない患者でした。
「冷たく突き放すこと」は、なな先生にはできないと思います。しかし、私もTakechan先生と同じ意見です。このままだと、なな先生と患者さんが共倒れになってしまいそうで、とても心配です。
written by 春野ことり / 2007.05.13 03:36
なな先生、大丈夫ですか?Takechan先生が言ってることがわかっていても、できないのですよね〜    “この手を放さないで…”と言われたら、私も多分、突き放せないのではと思ってしまいました。    医師のなな先生ならもっとそう思う気持ちが強いのではと思いました。自分を必要としてくれている人のためなら…        なな先生が大変なのは、わかりますが、しばらくできる範囲で、そばにいてあげてほしいと思いました。すいません、大変なことはよくわかるとは言え…   してあげたくても、できないことかもしれないと、わかっていらっしゃると思います。なら、できる範囲では、考えられないでしょうか?手紙、メール、ネットなどコミュニケーションをとりながら、チャンスがきたら精神科に勧められないかとは思うのですが…  先生が、一緒にいると感じてもらうような方法をみつけてあげることは、できないかと思いました。   専門医の話をまず、ご家族の方が一度でも聞いていただけるまで、大変だとは思うのですが…すいません、一個人として、思ったことを書いてしまいました。
written by E / 2007.05.13 04:09
Jさん、こんにちは。

千秋さんは、お母様からもお姉様からもたっぷり愛されているのですが、
それでもまだ、足りていないのだと思うのです。

マザー・テレサの言葉、greatですね。
written by なな / 2007.05.13 05:40
ジェイクさん、こんにちは。

>患者にとって信頼できるお医者さんとの出会いなんて、ほんとに難しいのです。

・・・そうなんですね。
自分にはない視点でした。

千秋さんが、小さな胸をどれだけ痛めているかと思うと、
本当にやるせない気持ちです。
若く、あんなにかわいらしい女の子が、
外に出ることもできないなんて。


ジェイクさんのおっしゃるように、一緒に歩むことから
治療が始まるのだと思っています。

心温まるお言葉、ありがとうございました。

written by なな / 2007.05.13 05:50
Takechan先生、春野ことり先生、Eさん
千秋さんと私に心をくだいて下さって、ありがとうございます。

千秋さんには、当院の精神科と、
摂食障害を専門にしているクリニックとに行って頂いたのですが、
帰って来てしまいました。
リストカットがあったので、いよいよ専門家に託さなければ、と思ったのですが、
千秋さんにもお母様にも、納得して頂けなかったのです。
現在、ベテランの先生からスーパーバイズを頂きながら、接しています。

肯定的な応援のお言葉を下さるだけではなく、
こうしてきちんと心配して下さったことは
本当にうれしく、心強く思います。
ありがとうございました。
written by なな / 2007.05.13 05:59
Takechan先生、こんにちは。

本当に難しい症例と思います。
「カウンセリング外来(仮称)」を開くにあたって、
自分なりにいくつか制限を考えました。
「自殺企図のある症例は、専門家に託す」ということも
その中のひとつです。
最初から精神科を受診するのはちょっと、という女性のための窓口であることも
この外来のひとつの役割と思っています。

>その患者さんは、精神科の先生にお願いすべき患者さんです。

先輩ドクターにきっぱりこう言って頂いて、どんなに嬉しく、心丈夫でしょう。
現実の私を知るスーパーバイザーの先生が、
師弟愛を持って、同じことを言って下さっています。
先生を慕う患者さんと、ブログのファンが多い理由が、よくわかります。

それにしても、先生の症例もすごいですね。
でも、その患者さんの希望もわかる気が・・・(笑)
written by なな / 2007.05.13 06:06
春野ことり先生、こんにちは。

実物の私は、人並みに薄情な医者です、大丈夫(笑)。
上コメントのような状況ですので、やるべきことはやってあると思います。
ありがとうございました(^^/
written by なな / 2007.05.13 06:15
Eさん、よく考えた上で下さったコメントであることがしっかりと伝わってきます。
本当に心温まります。

元々いくつかの専門家のところを経て当院に来た上、
私から2施設を紹介して、結局うまくいかなかった、という経緯があります。
次に専門家のところを紹介するのだとしたら、
非常に慎重であるべきと思っています。

>しばらくできる範囲で、そばにいてあげてほしいと思いました。

そうですね。
部屋にこもるという行為は、自分の心の中だけにこもることと同じです。
つまりあの外来が、唯一の他者との接点になっているのだとしたら・・・
「ひとまず、私の手でいいから、放さないで」なのです。

コメント、ありがとうございました。
written by なな / 2007.05.13 06:27
おはようございます。
昨夜、記事に目を通して、とても気になっていましたが、スーパーバイザーの先生のサポートを受けながら、ご治療されていると知り、ほっとしました。
なな先生も、大変ですが、ご自愛ください。
written by akagama / 2007.05.13 10:47
なな先生こんにちは。

総合診療科→精神科と研修する中で感じることは
昔に比べてだいぶ低くなったとはいえ
精神科の敷居はかなり高いということです。

先生の患者さんのように精神科受診後
やはり内科・総合診療科など元の診療科に
戻ってこられる患者さんは
多いようです。

(なな先生の外来からの紹介なので
余計に戻ってみえるのかも。
と私は思います。。)

私がお世話になった総合診療科には
長年精神科医として
診療されていた先生がいらっしゃったため
そういった患者さんの診療を
されていました。

本来同じ病とされていても
標榜している科が違うだけで
こんなにも違う病気にみえる。。

と日々お感じになるそうです。

専門の先生にスーパーバイズを
お願いしているとはいえ
張り詰めている緊張の糸。

気の抜けない状態であると
推察いたしますが
どうかその糸がきれることだけは
ありませんように。。

私のような若輩者が生意気なコメント
でしたら申し訳ありません。
お気づかれることありましたら
ご指摘いただけると幸いです。


written by miyabi / 2007.05.13 13:34
確かにMiyabi先生がおっしゃるように日本では精神科の敷居が高いですね。なな先生が摂食障害まで診察されているというのはお気の毒だと思いました。

ただでさえ人手が足りない産婦人科医が摂食障害の患者さんに時間を割かねばならない、日本の現状ってそうなんですね。アメリカみたいに患者さん、家族も割り切ってくれない。精神科の敷居が高くて脳外科外来に来られた方多かったですね。
ななさんが新たに時間を設けられた意味よく分かります。ただ、誰か他に代わってあげれないの?という思いが強くあります。
written by Tai-chan / 2007.05.13 18:05
なな先生
”聴く”・・・誠実に”聴く”ということはとても集中力の要することですよね。

4人で4時間か・・・。

千秋さん、愛されてるんですね。
ただ・・・愛も多すぎるとどうなのでしょうか。
こんなに何でも十分過ぎる世界で十分だと思っている”愛”が本人の欲しい”愛”とは違う・・・
こんな単純な問題ではないと思いますが・・・
written by ぴょん / 2007.05.13 23:06
なな先生、またまた今晩は〜ぴょん先生のお話を聞いているうちに、私は、この千秋さんの家庭的な環境に関わりがないかどうかと思うようになりました。他人(外から)から見るものと、中からとでは、家族でないかぎり見えない、わからない部分もあるような気がしました。       だから、ぴょん先生が仰った“愛”には、どれほど必要かは、本人がわらないこともあるのでは、と思いました。与える(与えられる)愛が、本人がほしい愛なのか、とても難しい感じがしました。       さまざまな要因が重なって摂食障害になったとしたら、ご家族の方が、理解してもらわないと前へ進むには時間がかかるかもしれませんね。ご家族の協力が何よりで、なな先生の体力、気力も相当必要なのではと思いました。  
なな先生だけ抱え込まずに、専門医やたくさんの方の協力が必要だと思いました。なな先生が立ち上げた外来なので、一生懸命なのはわかります。でも、くれぐれもご自分のお身体も大切にしてください。
written by E / 2007.05.14 00:01
akagama先生、いつもやさしいコメントをありがとうございます。

心から尊敬する、スーパーバイザーの先生なんです。
ある学会場で、勇気をふりしぼって
「どうしたら、先生のようになれますかっ」と
おしかけ弟子にして頂いて、4年になります(笑)。
written by なな / 2007.05.14 00:08
miyabi先生、丁寧なコメントをありがとうございます。

>本来同じ病とされていても
標榜している科が違うだけで
こんなにも違う病気にみえる。

ああ、そうなんだ、と、とても納得しています。
実は、女性のメンタル外来を担当するようになって、㊙年になります。
産婦人科の一部門であったこともあれば、
各科ドクターで形成する女性外来のひとつであったり、
精神科のサテライト的存在だったこともあります。
そんな流れの中で感じていたことを、
ずばり指摘して下さる言葉です。

「同じ病気でも、ちがう病気のように見える」。
もしかしたら、精神疾患だけではないかも知れませんね。
written by なな / 2007.05.14 00:17
あ、なな先生、ごめんなさい。千秋さんが言った  “この手を放さないで” って言った訳は、家族には言えなくても、なな先生なら聞いてもらえる安心感のようなものは、あると思ってます。その訳が、わかればいいのですが…    家族よりもなな先生に言えるのは?と、先生自身は、何かお気付きですか??
written by E / 2007.05.14 00:19
Tai-chan先生、いつもはっとするような視点からコメントを下さる先生の

>ななさんが新たに時間を設けられた意味よく分かります。ただ、誰か他に代わってあげれないの?という思いが強くあります。

この、からり晴れた空のようなやさしいお言葉が、心にしみます。

日本の産婦人科の町医者は、generalistであることが求められます。
周産期、不妊・内分泌、更年期、婦人科腫瘍
つまり、
周産期管理と分娩、月経不順・人工授精、laparoscopy、
更年期のメンタルとHRT、婦人科癌のopeとchemotherapyまで
同じ医者がやっているのが現状です
(こんな科、他にあるのでしょうか?)。
その一方で、それぞれ自分の専門分野を持っています。
私の場合、ブログでは表明していませんでしたが
女性心身医学を専門としています。
基礎心理学、コミュニケーションスキル、Women's healthをバックボーンに持つ、
婦人科領域としては、マイナーな分野ですが。

今のようにひと月10回前後の当直ができるのは、あと数年と思いますので、
その後は、じっくり患者さんと向きあえる、この分野の医療を
生涯の業にしようかな、などと思っています。
written by なな / 2007.05.14 00:35
ぴょん先生〜〜〜

これまで何度も、先生にはハートを鷲摑みにされていますが(笑)、
今回はもう、KO!です。

>”聴く”・・・誠実に”聴く”ということはとても集中力の要することですよね。

そうなんですそうなんです。
カウンセラーは10人いると、10通りのカウンセリングがありますが(私はカウンセラーではありませんが)、
私の外来は「聴く」ことが主体です。
人の話を1時間聴くというのは、大変な集中力を要するもので、
4人で4時間は、実は再診枠で、
初診日は、2人で2時間です。
それでも終わるとぐったりで、診察ベットに横になったりしています(笑)。

>千秋さん、愛されてるんですね。
ただ・・・愛も多すぎるとどうなのでしょうか。
こんなに何でも十分過ぎる世界で十分だと思っている”愛”が本人の欲しい”愛”とは違う・・・

これも私が強く感じていることです。
幸いにしてご家族は、ここに出てこないお父様も含めて、
サポートする意欲は充分あります。
ですので、治療者である私が、千秋さんの心の声をしっかりと聴き、
愛情あふれるご家族にそれを伝えることが、治療のkey pointと思っています。
written by なな / 2007.05.14 00:50
Eさん、重ねての深遠なコメントを、ありがとうございます。

摂食障害は、最近は「本人の問題」とする傾向もありますが、
やはり以前から言われているように、家族にポイントがあるケースもあります。
これは、家族に原因があるという意味よりも、
治療の鍵を握るのが家族である、という意味です。
千秋さんの場合も、2回に1回はお母様だけ来て頂いています。

>千秋さんが言った  “この手を放さないで” って言った訳は、家族には言えなくても、なな先生なら聞いてもらえる安心感のようなものは、あると思ってます。
 
ええと、「この手を放さないで」というのは、千秋さんの言葉ではなく、
私がそう祈っているのです。
また、お母様とお姉様とは、コミュニケーションは取れているようです。

>先生自身は、何かお気付きですか??

これを検証するのは、とても大切なことですね。
Eさんにこう言って頂かなかったら、スルーしていました。
それでは成長できません。
ありがとうございます!
そんなわけで、ご家族とはコミュニケーションが取れているようですが、
他の医療機関ではなく、何故か私を慕ってくれた理由は
千秋さんと同じ調子でしゃべっていることではないか、と。
千秋さん、低い小さな声で、ゆっくりと、とぎれとぎれにしゃべるのですよ。

いや、千秋さんに聞かないと、正解はわかりませんね。
written by なな / 2007.05.14 01:11
なな先生、おはようございます。         先生の祈りは、千秋さんの祈りであると私は信じています。なな先生が患者の目線で考えているからこそ、千秋さんにあわせられる話し方ができると思っています。先生は、常に前向きなお考えをもっていることが、いつもわかります!  先生それにTakechan先生も前向きに生きていくことが、何よりも大切なことを教えてくれたことに感謝します!私も、色々な事情を抱えています。そのきもちを理解してくれている先生にも感謝してます。その感謝を忘れないように、私自身も前向きに頑張っていきます。先生が、私のようなものにいつも先生のお考え、きもちをきちんと言っていただけることが、今、とてもうれしく思っています。これからもよろしくお願いします。
written by E / 2007.05.14 08:20
なな先生、お疲れ様です。

見上げて縋ってくる手が意味しているものは、何なんでしょうね…。

家族は優しいけれど「私の心までは入り込めない扉がある」でも、その開かずの扉の鍵は「なな先生になら渡したいの」

千秋さんがふと、そんなふうに言っている気がしました。



抽象的なコメントですみません…。
written by 来夢 / 2007.05.14 13:51
すみません、TBうち間違えました。削除いただけましたら幸いです。
written by akagama / 2007.05.14 15:49
なな先生

KOだなんて・・・わたしなんて先生の誠実なメッセージの数々にいっつもKOです。

あせらないで下さいね、先生。

その人に起こっているレッスンはがんばれば必ず乗り越えられるレッスンが用意されていると聞いた事があります。

そして、彼女自身のレッスンです。

”そのままのあなたでいい。太っても痩せてもそのままのあなたで・・・”

こちらは田植えシーズンです。
山の緑って生きるエネルギーを与えてくれます。

今度、一緒に何かの種を植えたらどうですか?
(なんでもさせてごめんなさい)
守られる立場から何かを守る立場に・・・・少しずつ
少しずつ意識が動いてくれる事がいいのかなって感じました。
written by ぴょん / 2007.05.14 19:38
Eさんの、目の前の先生に対する「感謝の気持ち」は、
きっとその先生にも伝わっていると思います。
たいていの医者は、それだけで満たされるようにできていますよ(笑)。

\(^^///
written by なな / 2007.05.14 20:39
来夢さん、
あまり言語のやりとりはない千秋さんと私を
察して下さったようですね。
う~ん、さすが(笑)。

「ほら、私の手をつかんで」。
心の中で、いつもそう語りかけています。
written by なな / 2007.05.14 20:45
akagama先生、

え~、どうしようかな。
とってもいい記事なので、削除したくないのですが~(笑)
written by なな / 2007.05.14 20:46
ぴょん先生!

>今度、一緒に何かの種を植えたらどうですか?

これだっ!
トマトかパセリかハーブで、やります。
一緒に食せるものがいいと思います。

ぴょん先生。
鳥肌が立つような、感激を覚えています。
千秋さんと私に、道標を下さって
本当にありがとうございます。
written by なな / 2007.05.14 20:54
なな先生はいろいろな方を診察されるのですね。(驚)
でもやはり、患者さんを第一に考えてらっしゃいますね。(^^)
私も実は、不眠症にて心療内科(精神科かも)にかかっております。
千秋さんほど症状は酷くないのですが、この不眠の原因は、最終的には自分で乗り越えなくてはいけないと感じております。

でも私には、主人、子供を始め、親友、主治医と差し伸べてくれる手があります。
こうして差し伸べてくれる手がある限り、状況は変らないかもしれませんが、精神的には安定します。

なな先生。
先生の差し伸べる手は、きっと千秋さんに届いています。
先生ご自身の答えは出ないかもしれませんが、「側にいてくれる」存在だけでも嬉しいと思います。

もし身近になな先生がみえたなら、私の主治医だったなら、離したくない手です。
written by 蒼 / 2007.05.14 23:16

ご無沙汰してます、Lilyです。

ぴょん先生の提案となな先生のリアクションに、
元フローリストの血が騒ぎました。

「種から蒔く植物」…今の時期ホントにいいタイミングです。
そして、もしハーブなら「ルッコラ」(ロケットとも呼ばれる)がいいと思います。

理由は
①すぐ食べられる
(双葉を間引いたものから、成長して咲いた花まで
堅くないところを随時食せます。)
②簡単(プランターでも十分育つ)
③安価(種子一袋100円~150円くらい。
去年は100円SHOPで2袋100円だったことも)

他にはバジルや二十日大根もオススメ。
ただ、3種違うものなので、食べ方はそれぞれあります。
もし必要でしたら、育て方&食べ方もお知らせしますよ☆

ななセンセイはお花大好きということなので、
もしかしてハーブにも造詣が深いかもしれませんね。
“ななセンセイ応援団”の一人として、
言わずにはいられなかったことを、お許しください。

お役に立てば幸いです。
written by Lily / 2007.05.14 23:25
すみません。ではお言葉に甘えさせていただきます。
written by akagama / 2007.05.15 00:24
蒼さん、こんにちは。

不眠を抱えていらっしゃるのですか。
きっとご本人にしかわからない、つらさがあると思います。
そんな中で、ご主人、お子さん、お友達……と、
「温かい心」がそばあるとお聞きして、少しほっとしました。

いつも温かいエールを下さって、ありがとうございます。
人生の中で病を得た患者さんの、まずはそばにいることは、
治療者の基本と思っています。
written by なな / 2007.05.15 22:07
Lilyさん、貴重で素敵なヒントを本当にありがとうございます。

>元フローリストの血が騒ぎました。

Lilyさん、なんとなくお花の香りがすると思っていたのですよ(笑)。

ルッコラ、バジル、二十日大根ですか。
うまく育ったら、外来で一緒に口にする気なんですが、
そうすると何がいいでしょうか。
千秋さん、野菜は好きみたいだから何でもいいのですが、
食べた時に「おいしい」と感じられるものがいいかと。

すみません、コメントを下さった方にづロガーが智恵をアドバイスを乞うなんて(笑)。
お気がむいたら、書き込んで下さると幸いです。
written by なな / 2007.05.15 22:13
こんばんは。Lilyです。
(私、香り豊かな百合が好きで、そこから名付けたのはホントです。)

そうですね…外来で召し上がるというのは
どういうシチュエーションなのでしょうか?
一緒にお料理、とはいかないですよね。
苗を植えるなら“ミニトマト”もオススメなのですが。
先のオススメ3つは、どれも葉を食すものです

加熱の必要が無い「サラダ」は作れますか?
それなら“ルッコラ”がイチオシです。

種の蒔き方は袋に書いてある通りで大丈夫。
(小学生でも出来ますよ)
で、芽が出たら、混み合ったところから間引くんです。
指でつまんで引き抜くだけ。
根っこは切り落としてください。
それからは、1ヶ月くらいで結構成長します。
程よい間隔になってきたら、間引くのをやめて
葉を下から一枚ずつちぎって収穫していけばいいです。

収穫後、水洗いしたら、お好みのサラダに仕上げてください。
ご存知と思いますが、ルッコラ自体がふわっとゴマの風味
(香り)がしますので、和風ごまドレも合いますし、
元々ヨーロッパ系の食べ物らしいので、洋風も当然いけます。
サラダだけでも、いろいろバリエーションできますし、
あと、パスタやピザの具材にも出来ます。
(若芽のうちは、お味噌汁に放り込むのもいいです)

(続く)
written by Lily / 2007.05.16 00:44
(長くなって、すみません)

バジルは生食にはあまり向きません。
でも、苗を1本買って植えれば9月一杯随時楽しめます。
種を蒔くより成長が早いので、成功の実感が得やすく、
水やりが楽です。
バジルはピザの王道「マルガリータ」の名脇役!
事情が許せば、摘みたてバジルで手作りしたジェノバペーストを
絶品パスタにして召し上がって頂きたいな☆
千秋さんがその気になれば、バジルは挿し木も出来ます。
増やさないまでも、小枝で持って帰るくらいに
収穫できると思います。
観賞用として、香りの効用も含めた実用的なハーブです。

そうそう、トマトとバジルは一緒に植えると良いらしいです。
「コンパニオンプランツ」とか言う、お互いに利益になる相性だとか。

あ、なんか当初の目的とずれてきた気が…(笑)

ともかく、イギリスでは「園芸療法」というのがあるそうです。
(聞いたときは、千秋さんとはちょっと違う人たちが対象でしたけど)

お役に立てれば幸いです。
私でよければ、いつでも遠慮なくおっしゃってくださいね。
written by Lily / 2007.05.16 00:45
Lilyさん……
こんなに丁寧に教えて下さって……
感激です。
ほんとうに、ありがとうございます。

外来で、シンプルに、ちょこっとだけ食べられれば、と思っています。
ですので、野菜の味そのものを「美味しい」と感じられるようなものがいいと思うので、
トマトでもいいし、ルッコラの葉でもいいかな、と。
きちんと味わって、心から美味しいと思うことが治療につながります。
ものを味わうという感覚を、千秋さんに思い出してもらいたいのです。
挿し木をして、分けて持って帰ってもらうのも妙案ですね。
「何かを育てる」という高位が、千秋さんを成長させてくれると思います。

それにしても、植物のことを語るLilyさんは、とても楽しそうですね。
私が専門分野のことを話す時と、おんなじ(笑)

千秋さんと私に手を差し伸べて下さって、本当にありがとうございました。
written by なな / 2007.05.17 20:23

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