広島県高次脳機能センター(東広島市、20床)で、2007年度に入院治療を希望した116人のうち3割強が、病床不足から入院を断念したり、長期間の待機を余儀なくさせられていたことが9日、分かった。センターは県内唯一の高次脳機能障害専門の医療機関で、患者の集中で対応しきれなかった。
広島市中区であった県高次脳機能障害連絡協議会で丸石正治センター長が報告した。それによると、センターが07年度に電話や面会で相談に応じたのは372人。このうち116人が入院治療を希望したが、実際に入院できたのは76人にとどまった。
丸石センター長は「常に10人の患者が待機し、入院までに2カ月近くかかるのが実態。断念して県外の別の病院を探す患者も多い」と訴えた。
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