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2 仕事に見合った報酬がない
時給に換算したら、コンビニのバイト並みでした。
この項、このひと言で充分な気がしますが、これだけだと寂しいので補足を。
うちの病院、時間外手当が出ないんです。
つまり緊急オペのために行っても、報酬はゼロ。
ちょっと例外的かも知れませんが。
例えば先日、午前0時過ぎに「緊急帝切なので、来て下さい」と病院から電話がありました。
20分後には病院に着いて、オペ室に直行しました。
当直の先生にお話を聞くと、常位胎盤早期剥離です。
手術台に横たわる妊婦さんの腰のあたりが、血液で真赤に染まっています。
開腹すると、子宮の中はあり得ないような量の血液で充満しており、
血性羊水というよりは、血液の中に赤ちゃんが浮いているような状態でした。
見た瞬間、気を失いそうになりましたが、
奇跡的に赤ちゃんは一命と取り留めました。
何故助かったのか、今でもわかりません。
全て終了したのは午前3時過ぎでしたので、
そのまま医局のソファで横になり、翌朝を迎えました。
これに対する報酬が、ゼロ円。
ほんと、「やってらんない」と言いたいところですが……
でも。
オペ室に飛び込んだ時、
それまでの急な事態に気持ちがついて行けず、
恐怖に顔をこわばらせていた妊婦さんが、
私の姿を見た途端、安堵して涙を流されるのです。
「辞めてはならない」と、何者かに言われている気がして……
(追伸)
前項へのコメント、ありがとうございます。
後ほどレスしますので、お待ち下さい。
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コメント
コメント一覧
明らかに不当な評価に悲しくなります。
一般の方は、医者=お金持ち、と思うのでしょうね。
確かにそういう方もいますが・・・。
いい仕事をしたらそれなりの評価をもらう、報酬をもらうのは
人間として当然の思いであるはずなのに、
世間の風潮は、医者に関してはその限りではないのですね。
本当にこんなに報われない職業が他にあるでしょうか。
言葉や気持ちだけの応援が無意味であることはわかっていますが
なな先生には産婦人科医でいてほしいです。
先生を慕っている、スタッフや患者さんのために・・・。
そして先生、睡眠不足にはぜひコラーゲンとアミノ酸を
摂ることをおススメします!!
医療従事者が言うのもなんですが、おまじない感覚で。
あるのとないのとでは明らかに違う気がするのは私だけでしょうか!?
この国の医療は何処に向かっているんでしょうね・・・
善意だけで続けていくのも限界がありますよね。
なな先生も無理なされぬよう・・
でも産婦人科医は続けて欲しいです。
僕のまだ見ぬ子供のためにも(^^)
(すみません、先生という言葉、やっぱり言われるとうれしかったです。なぜでしょうか)
昨日、訪問の仕事に行ったら、高齢者の方が
「病院の全部の外来に”医師不足のため、ごめいわくをおかけします。”って書いてあったよ。若いお医者さんは一生懸命だったけど・・・質問できんかった。」と。
時間外手当が当たらないなんて・・・
涙が出そうなお話です。
親戚の子が医者になる!と、言っても「やめとき」って、
言いたくなりますね。
>言葉や気持ちだけの応援が無意味であることはわかっていますが
なな先生には産婦人科医でいてほしいです。
先生を慕っている、スタッフや患者さんのために・・・。
ブログ始めてよかったと思います。
こんな風に言ってもらえて。
激務でも、給料安くても働く医者は、きっと私の他にもいます。
多分みんな、スタッフと患者さんに支えられているから
頑張れるのだと思います。
>僕のまだ見ぬ子供のためにも(^^)
だからこれ、殺し文句ですってば・・・(笑)
おっしゃる通り、医者になることそのものがお勧めでないのかも知れませんね。
しばらく、医者受難の時代が続くと思います。
10年前は後輩たちに「産婦人科、楽しいよ~」と言えたのですが・・・
しがない若輩者の産婦人科医です。
最近、確かに医学部の後輩たちを産婦人科に勧誘できなくなってきました。
産婦人科の魅力を口にしても、なんか白々しくて。
中堅どころの医者がこんな気分になっちゃうのって、
末期症状ですよね。
よっぽど魅力的な変化があれば別ですが、
並大抵の対策じゃ、産婦人科医の減少を止めることって、
もはやできないような気がします。
5年後10年後って、いったいどうなってるんでしょうね。
この夏、学生が何人か病院見学に来ました。
中には産婦人科志望と言って、来た人もいました。
数年前だったら、すごく張り切っていろいろ教えて、
opeの糸結びでもやってもらって、
その後飲みに連れて行ったりしたのですが・・・
今年は、できませんでした。
末期症状ですよね、やっぱり。
ところで、ブログ拝読しました。
面白いですね(笑)
anemie、お大事に。
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