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< あのママと赤ちゃんを思うと | メイン | 産科勤務医が減る理由を掘り下げて(2) >

毒、吐きます。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
医療崩壊、医師不足と言われています。
もう少し端的に言うと、開業医の不足ではなく、勤務医の不足、
つまり、24時間体制のひとこまとなり得る医者の不足、ということです。
そして、特に産科・小児科でその傾向が著しく、
地域別に見ると、都心より地方でその傾向が顕著なのだそうです。

何故、そんな事態になったのか。
これまで言われている理由は、主にこんなところです。

1 過重勤務、拘束時間の長さ、プライベートタイムのなさ
2 見合わない報酬
3 訴訟のリスクの高さ。最近は民事のみならず、刑事・逮捕に及ぶ
4 将来性のなさ(これはオリジナルかも知れません)

理由は既に言い尽くされていると思いますが、
以下、現場からの、ひとつのつぶやきです。

1 過重勤務云々

あえてつけ足すとすれば、こんなことを。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先日、当直中にテレビをつけると、現代医療の問題点に関して議論する番組が写りました。
ほう、と思ってみていると、勤務医の過酷な現状として描かれているドキュメントが放映されていました。
十余年のキャリアの医師が、1泊2日の当直勤務をこなし、
オペ数件をはさみながら、深夜に仮眠する姿が描写されていました。
当直明けの21時に、ようやく勤務を終えて帰宅、という設定でした。
これが、激務として描写されていました。
この先生は、外科医です。
侵襲的な治療行為が多く、その分のリスクを背負う外科系のドクターは、
ここ数年で一気に大変になってきました。
それに、産婦人科とちがって、多種多様な病態の患者さんが来ますから、
その緊張の度合いは、計り知れません。

一方、外科当直よりは、病態にバラエティーが少ないという点では楽ですが、
産婦人科当直は、拘束時間は長くなります。
このドキュメントの外科の先生と同年代の産婦人科医である私は、
週に3、4泊当直しています。
もちろん決して私が特異な例ではなく、我々のような産婦人科医はごろごろいるし、
地方の一人医長の先生は、我々よりもっと大変なはずです。

一部の公立病院で、当直の翌日は必ず休暇を取るよう義務づけることになったのだそうです。
これで少しは身体が楽になる先生も、いらっしゃることでしょう。
でも、もしこれが産婦人科医にも適応されたら、
現行のままの当直回数をこなした場合、日常勤務をしなくていいことになってしまします。
それに、慢性疾患や悪性腫瘍の患者さんをいっぱい抱えた内科の先生たちだって、
当直明けだからといって、おいそれと休めるとは思えないのですが。

「当直翌日の休暇制度」。
一体誰が、活用できるのでしょう。

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コメント

コメント一覧

なな先生、お疲れ様です。
gyne医の過酷さを友人からよく聞かされました。
ご結婚されたばかりの先生のようでしたが、
「なんか、もう何日も家に帰ってないなー」
とよれよれの白衣で事務椅子にもたれて居眠り
されていたそうです。
その話を聞いたら、泣けてきました。
少なくとも、人生で一番自分が幸せな時間を妊婦や
胎児に捧げていらっしゃるんだな…と。だから
そういった見えない一生懸命な部分にスポットライトを
当てず、運悪く事故が起きた場合だけ鬼の首でもとった
ように取り上げるマスコミとかが許せません。

このまま、解かってもらえないのかなー。
written by 来夢 / 2006.10.17 22:58
 マスコミにて亡くなられたご主人が出ておられたようですが、やっぱり家族の気持ちも分かりたいけど、現場の状況を知っている側としては…このような惨状を放置している行政側を呪うばかりです。
 そしてマスコミが勝手に「マッチ&ポンプ」をやっている内はどうにも解決しなさそうです。あえていうなら放火犯のようなもんですね>マスコミ。
 どうやっても、現場の医師が夜中の出来事を昼間と同じように仕事するのを求めるなら、朝になったら帰宅できるようにして欲しいですね。
written by SkyTeam / 2006.10.18 00:49
なな先生の毒大好きです(^^)
当直翌日の休暇制度
きっと誰も利用できない、名だけのものでしょう。

そういえば、以前勤めていた病院でも有給休暇なるものがありましたが、どうなったんだろう???
休んだ記憶はないなー・・・
written by メタボ / 2006.10.18 15:50
医療事故の一例として、
またも悲しい出来事が起きてしまいましたね・・・
今朝は各局ともトップニュースでとりあげてたようです。
内科の女医さんがコメンテーターで出演した番組を見ましたが、
50代半ばの産婦人科医だそうですね。
ベテランの域に達してる先生だからでしょうか、今まで臨床医として積み上げた経験から判断なさったのでしょう。多分、、、
そして院内の上下関係における面子にこだわったのか当直内科医のCT検査助言に対して一向に自分の意志を曲げなかったことに憤りを感じます。
その産科医にとっては沢山のなかの一例にしか過ぎなかったのかもしれない
でも患者や家族にとってはかけがえのないたった一つの命
その命に最善が尽くされなかったのが残念でなりません。
18箇所の病院をたらい回しにされている間のご家族の気持ちを考えると想像を絶します。
ある新聞記者が言ってました。
自分の妻、自分の家族だったらどうするのか
それでも同じ対応するのかと。

以上、患者側としての想いを書き込んでしまいました。
なな先生、ごめんなさい。
毎日同じように激務をこなしている先生としては思うところありますよね。
その判断ミスをしたという産科医も年齢的に日々の激務で体力も限界にきてたことでしょう。

勤務医の過酷な日常は背中合わせの医療事故がいつ起きてもおかしくない現状なんですよね、きっと。

そうだとしてもお母さんに抱っこされることのなかった赤ちゃんのことを思うと助けてほしかった。たとえ、後遺症が残ったとしても

ど素人の勝手なコメント、お許しください。
written by mizuho / 2006.10.18 17:17
なな先生、はじめまして。
以前から先生のブログを拝見しておりましたが、コメントをするのは
初めてです。

私は以前看護師をしておりました。
出産のために臨床を離れ、もう1年ちょっとが経ちます。

昨今の医療に対するマスコミの報道、裁判の方向性には
本当に心が痛くなります。
現場で懸命に働いている医師たちを無視するかのような
仕打ちだな・・・と感じます。
後からならば、好きなことはいくらでも言えます。
医療を知らなければ、正論っぽい適当なことが言えます。
こんな風潮は見ていてもううんざりしてしまいます。

当直明けの休暇制度、制度自体は推奨すべきものだけれど、
きっと中身のない、上辺だけの制度になるのでしょう。
こういった状況は、いつになったら理解してもらえるのでしょうか・・・。

written by piro / 2006.10.19 10:37
mizuhoさんこれを見てください 

近畿の学会筋の情報ですがこんなものがあります

患者さんは予定日超過で入院し、入院当日からPGE2の内服で分娩誘発されていて、当日の午後に服薬を終了、自然に経過観察していたところ、準夜帯から自然陣発したとのこ とです。ところが、午前0時頃に突然意識消失のような症状が出現したため、産科当直医が院内の内科当直医に診察を依頼し、内科医の診察を受けました。
内科医が対光反射や一部の神経学的所見を診たところ、意識レベルが低い(痛み刺激には反応あり)ものの他の異常所見が無く、また陣痛発作時には産婦が声を上げて痛がるなど したため、産科医と内科医で「陣痛発作に伴う失神だろう」と判断したとのことです。この際に「内科医がCT検査を行うことを主張したが産科医が拒んだ」などと報道されてい ますが、両者の間でそんな押し問答のようなやりとりはなかったようです。その時点では血圧は正常で、子宮口も4cm程度開大していたため分娩経過を診ることになり、産科医 は当直室に戻ったとのことです。

しかし、その約1時間半後に痙攣発作が生じ、この時点では血圧が180前後まで上昇していたため、産科医が子癇発作と判断し、マグネゾールを静注して奈良医大病院に搬送を 依頼ました。ところが、奈良医大の産科病棟が陣痛待機室のベッドまで入院患者が溢れるほど満床であったため受け入れることができず、また、容易に搬送先が見つかりませんで した。大淀病院の産科医の先生はいつでも搬送できるよう、今か今かと「受け入れ先が見つかった」との連絡を待ちわびていたらしく、CT検査ももちろん考えたようですが、( 今、患者を動かして再発作を起こしたら母児ともに危険かもしれない)(CT検査に行っている間に搬送先が見つかったと連絡が来るかもしれない)など考えて躊躇されたようで す。苛立つ家族に囲まれ、産科医自身も大阪の高次医療機関に数件電話するなどしたようですが、全て断られたとの事でした。最終的に搬送先が見つかったのは、搬送を申し入れ てから二時間余り過ぎた後でした。

この事件はとてもかなしいことです。しかし、もし、この話が事実であれば、マスコミ・警察の動きは魔女狩りとも言えると思いますがいかが?
written by mao / 2006.10.19 10:42
>mizuhoさん

横レス失礼します。
大淀病院の件については、下記のブログあたりを一度ご覧になられてはいかがでしょうか。

http://www.yabelab.net/blog/2006/10/17-124111.php
「18病院が受け入れ拒否(大淀病院妊婦死亡事案)
」(ブログ:元検弁護士のつぶやき)


たくさんの方がコメントを寄せてこの問題について話し合っておられます。(たまに専門用語がとびかってついていけなくなる時がありますが…)
せっかくこのなな先生のブログで産婦人科の医師の方々が直面している現実に触れられたのですから、患者側の立場から、ぜひもう一歩踏み込んで考えてくださったらと思います。

この事件はとてもかなしいことですし、亡くなった患者さんや残されたご家族は本当にお気の毒だと思います。
でも、テレビのニュースはすっごく正しいことを伝えているように見えるし、聞こえますが、うのみにするのは危険なのかもしれないなあ、と思っています。
written by 通りすがり / 2006.10.19 21:01
来夢さん、我々の置かれた状況をご理解下さって、ありがとうございます。

以前、私の外来に某新聞社が取材に来たことがあります。
診療風景を撮影する予定なのは聞いていましたが、
当日になったら、
いかにも患者さんのイメージの、
患者さん役の女性が用意されていて、
とっても驚きました。
新聞に掲載されたのは、当然実物の診療風景ではなく、
その女性と私が診察室で談笑しているシーンです。

マスコミなんて、そんなものでしょう。
written by なな / 2006.10.20 22:09
Sky Team先生、コメントありがとうございます。

同感です。
マスコミは、何を思って昨今の医療関連の報道をしているのでしょうね。
産婦人科医が足りない、と騒いだかと思うと、
産科医療事故のニュースと恣意的に編集して電波に垂れ流す。
一体医療を崩壊させたいのか、守りたいのか、どっち?!と聞きたくなります。
written by なな / 2006.10.20 22:13
メタボ先生、温かいお言葉をありがとうございます。

そうそ、ちょっと自嘲しながら毒吐いてますので(笑)
written by なな / 2006.10.20 22:15
mizuhoさん、こんばんは。

そうですね、もし報道されている内容が真実なのだとしたら、
人としてmizuhoさんのように思うのは、当然と思います。
患者さん側の人にしかわからない気持ちというものもあります。
ですので、mizuhoさんのようなご意見もまた貴重なものだと思います。
これからもどうぞ忌憚ないご意見を綴って下さい。
written by なな / 2006.10.20 22:18
piroさん、こんにちは。

看護職の方が、我々医者のおかれた立場に理解を示してくれることは、
またちがった嬉しさ、心強さがあります。
どこの病院のナースも、2,3人の深夜勤務者では考えられないような人数を看ていますよね。
確かに産科医療の崩壊は、急速に進んでいますが、
ナースのこのような労働状況が十年一日変わっていないのも、またひとつの事実です。
written by なな / 2006.10.20 22:25
mao先生、コメントありがとうございます。

私もこの記事、m3で見ました。
その後続報がないようですが、真実はどうなのでしょう・・・
written by なな / 2006.10.20 22:27
通りすがり先生、コメントありがとうございます。

元検弁護士先生のブログ、とても内容が充実していますよね。
私もたまにのぞきに行っています。
written by なな / 2006.10.20 22:29

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