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手袋をしないで済むお産が好きです。
お産は、経過が順調であれば、産婦さんと助産師さんのもので、
医者の手は必要ありません。
会陰切開や急速遂娩を要する場合には、医者の介入が必要ですが、
特に経産婦さんの場合には、医者は「ただ立ち会うだけ」のお産が理想と思っています。
規則なので、お産の時は必ず分娩室に医者が呼ばれます。
でも、様子を見て「いける」と思うと、分娩そのものは助産師さんに任せて、
私は手袋をせずに産婦さんの頭の方に立って、赤ちゃんが出るまで産婦さんを励ます役に回ります。
助産師さんたちも心得ていて、私がこの体勢に入ると、
必死で会陰保護をして、産後に縫合がいらないよう、頑張ってくれます。
見事無傷で分娩が終わると、上手に力をぬきながらいきんでくれた産婦さんをねぎらい、
♪私の大好きな手袋をしないお産~~♪
などと言いながら、分娩室を出ます。
助産師さんとの信頼関係を実感する、うれしい瞬間です。
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看護師による内診の可否が、問題になっています。
様々な意見が出る中で、
「助産師は、自分たちのテリトリーを守りたくて、看護師の内診に反対しているのではないか」
という意見があるようですが、
私の目には、少なくとも現場の助産師さんたちは、そんな狭小なことは考えていないように見えるのです。
「内診は、医師・助産師にしかできない高度な技術」というのが
内診助産師限定主義の人たちの主張です。
しかし、優れた助産師さんとは、
「いかに内診しないで児娩出まで持っていくか」という技術に
長けた人たちです。
内診は、膣の中に他人に指が入る行為ですから、
痛みや不快感がつきものですので、
より快適なお産を目指すのであれば、内診の機会は
なるべく少ないに越したことはありません。
ですので、できる助産師さんは、内診によってではなく、
産婦さんの訴え、息遣い、表情、肛門圧迫感などから分娩の進み具合を見事に判断し、
そろそろかな、と思うと会陰の消毒(つまり赤ちゃんが出る準備)を始めるのです。
この技術は、産科医でも到底叶いません。
もちろん急変があって、内診が必要になることもありますが、
この場合は医者も呼ばれますので、
内診するのが助産師か看護師か、という議論は、
経過が順調であることが前提です。
「産婦さんのため」という焦点のぼけない議論がなされ、正しい結論が出ることと、
一日も早く、医療者がゆるぎない気持ちで診療にあたれることを、願うばかりです。
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コメント
コメント一覧
なな先生、こんにちは。コレにはビックリ(@@;)な
私です。
いつもなな先生の記事にはうんうん、と諸手を上げて
大賛成な私ですけれど。。。でも今日の記事、あくまで
「理想中の理想」のような気がします。ごめんなさい。
近年、晩婚化が進み、CSも20年前と比べて1.6倍にも
増えたと伺いました。医師の先生方のお手を拝借しなければ
安全に娩出出来ないお産がこの先どんどん増える気がします。
(かくいう私も将来結婚できたとしてそうなる可能性がなくもないし…^^;)
だから、「医師が手袋しない出産もアリ」の記事を見て
「なぁんだ、お産って安全じゃん?だったら帝王切開って
医療ミスが多いんだよね?」なんて安易に誤解して当事者と
なった人がbestを尽くして下さった先生をカンタンに
訴えてしまう事象も出てこないか。。。?と。
論点のズレたコメントですみません。たぶんなな先生は助産師や看護師さんたちの内診について重点をおいて記事をお書きになったと思うのですが、素人の目からちょっと気になり
ました。。。ほんとにごめんなさい。 m(_ _)m
言いにくかったでしょうに。
それでも、配慮ある表現であえて指摘してくれたことに、
ただ感謝するばかりです。
もう、こんな報われない産科なんか辞めちゃおうか、と思いつつ
デトックスしながら何とか留まっている私ですが
周産期医療、やっぱり壊れて欲しくないのです。
来夢さんの言葉を受けて、このコメント欄で言わせてもらいます。
医者が手袋しないで済むお産は、経産婦さんに限られているし、
頻度としては産婦さん20人に1人いるかどうか、でしょうか。
それでも助産師さんたちは、かように確固たるスペシャリティを持っていますので、
「内診は医師・助産師しかできない技術」などと声高に表明する必要はないでしょう。
ブログに込めた思いを誰かがわかってくれるって、嬉しいことですね。
以下は、他で表明したことのある内容ですが、今回はmizuhoさんに向けてこれを。
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よく、帝王切開の患者さんに言っている言葉があるので、ご紹介させて下さい。
「陣痛は自然なものですが、赤ちゃんにストレスをかけるものでもあります。
正常な陣痛であれば、もちろん赤ちゃんは耐えられますが、
陣痛が長引くと、後遺症が残ったり、生命を落とす赤ちゃんがいることから、
程度によっては赤ちゃんに悪い影響を及ぼすものであることが、おわかり頂けるかと思います。
帝王切開は、赤ちゃんにかかるストレスを、お母さんが一手に引き受ける分娩と言えます。
女性がお腹に創を作り、手術の恐怖や副作用、術後の痛みに耐えるわけですから、
非常に大変で、覚悟のいることです。
何ら引け目を感じることはありません。」
なな先生にお気を遣わせるようなことを書いて
しまい、申し訳ありませんでした。
本当は、素人としては「お産は覚悟して臨んで下さい」
って少々脅かされたほうか(^^;自己管理に徹する
ことが出来るような気がしたので。
自分でやれることは自分で。そして出来ないことは
医療のスペシャリストに信頼をもって委ねること。
遠まわしな言い方で、本当にすみませんでした。
なな先生、お会い出来ないネットの住人ですが、先生を
心から応援しています。
めったにないからこそ、医師が手袋をしない正常分娩は大好きなのかも(^^)
僕も全く畑違いですが、気持ちわかります。
僕の子供の出産はなな先生にお願いしたいな(^^)
まー相手探しが先ですが(^^;;
メタボ先生、これっ、殺し文句です(笑)
くにょっ……(←骨の抜ける音)
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