特集
カビ毒(アフラトキシン)






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カビ毒(アフラトキシン)

アフラトキシンの規制値

アフラトキシンは、毒性が非常に強いので、日本を含め、世界の多くの国で食品や飼料に規制値(これ以上含んでいてはいけない濃度)が設定されています。国によって設定の方法が異なり、アフラトキシンB1のみに対して設定している国と、アフラトキシンB1、 B2、G1、G2の総量に対して設定している国があります。規制値のレベルも1〜50?g/kgの範囲で、国により大きく違います。

日本の規制値は、アフラトキシンの中で毒性、検出率ともに最高であるアフラトキシンB1に対して設定されており、全食品を対象として10?g/kgとなっています。規制値を上回るアフラトキシンが検出された食品は食品衛生法違反となり、行政処分等によって排除されます。


アフラトキシンの食品汚染実態
当センターでは昭和40年代後半から継続して各種食品中のアフラトキシンの汚染調査を行ってきました。昭和57〜平成8年の間に東京都内で収集した市販食品及び食品原料合計7,500試料についてアフラトキシン汚染調査を行った結果、いくつかの種類の食品から規制値を上回るものが検出されました。ナツメグでは、検査した試料の6.6%が規制値を上回っていました(表2)。

規制値を上回るアフラトキシンB1が検出された食品のうち、はと麦はタイから、ピスタチオナッツはイランから、製餡あん原料用雑豆はミャンマーから、ナツメグはインドネシアから輸入されたものでした。ピスタチオナッツの中には規制値の100倍以上のアフラトキシンB1が検出されたものもありました。

規制値を上回るアフラトキシンB1を検出した食品については、行政処分を行うとともに厚生省(当時)に報告しました。

日本ではアフラトキシンM1には規制値は設定されていませんが、ナチュラルチーズから検出されたことがあります。これは、チーズを製造するときに付けるカビによって作られたものではありません。アフラトキシンB1を含んだ飼料を乳牛が食べると、乳牛の体内でアフラトキシンB1が代謝されてアフラトキシンM1となり、牛乳の中に出てきます。原料の牛乳にアフラトキシンM1が含まれていたため、作られたチーズからアフラトキシンM1が検出されたのです。

カシューナッツ、アーモンド、小麦、黒コショウ、大豆等からはアフラトキシンは検出されませんでした(表3)。

表2 アフラトキシンが検出された食品     
昭和57〜平成8年、当センター調査
食   品 試料
数違
反数
*1
違反


検出

*2
アフラトキシン検出量(μg/kg)
B1
B2
G1
G2
M1
ピーナッツ
459
3
0.7
35
0.4-21.7
0.1-5.3
0.3-22.1
0.1-6.8
-
*3
ピスタチオナッツ
481
7
1.5
9
0.8-1382
0.1-260
306
48.3
-
ブラジルナッツ
8
1
12.5
1
10.2
0.8
3.2
0.3

胡麻
47
0
5

0.6-2.4
0.2-0.5
-
-
-
はと麦
212
1
0.5
48
0.1-14.9
0.1-1.8
0.3-0.7
-
-
とうもろこし
474
0
4

0.1-0.4
-
-
-
-
そば
252
0
23

0.1-8.8
0.1-0.9
0.2-0.8
0.1
-
砂糖
31
0
12

1.0-1.5
0.1-0.2
-
-
-
製餡原料用雑豆
916
4
0.4
14
0.1-254
0.4-8.5
-
-
-
白コショウ
220
0
21

0.1-2.3
0.1-0.3
-
-
-
唐辛子
81
3
3.7
31
0.2-27.7
0.1-1.2
0.1-2.1
0.1-0.2
-
パプリカ
44
0
 26

0.2-6.5
0.1-0.3
-
-
-
ナツメグ
257
17
6.6
155
0.2-60.3
0.1-6.5
0.1-15.8
0.1-0.4
-
ミックス香辛料
161
0
28

0.2-1.9
-
-
-
-
ナチュラルチーズ
354
0
44
-
-
-
-
0.1-1.2

*1:規制値(10μg/kg)を上回るアフラトキシンB1検出試料数,
*2:0.1μg/kg以上アフラトキシンB1検出試料数,*3:不検出



表3 アフラトキシンが検出されなかった食品  
昭和57〜平成8年、当センター調査
食   品 試料
ピーナッツ
米(170)、小麦(352)、大麦(276)、エン麦(39)、
ライ麦(21)、その他(165)
ピスタチオナッツ
カシュ−ナッツ(212)、アーモンド(151)、クルミ(71)、
マカダミアナッツ(20)、松の実(17)、カボチャの種(23)、
その他(118)
ブラジルナッツ
大豆(113)、コーヒー豆(77)、その他(100)
香辛料 黒コショウ(120)、メース(56)、キャラウェイ(21)、タイム(25)、
シナモン(18)、コリアンダー(13)、ローレル(23)、クローブ(18)、
ポップ(52)、ショウガ(22)、セージ(27)、その他(146)
乳類 プロセスチーズ(23)、その他(8)
その他
乾燥果実(33)、茶(28)、その他(946)
( ):検査試料数


アフラトキシンの毒性
アフラトキシンの規制値
アフラトキシンの食品汚染実態
加工形態とアフラトキシン汚染
アフラトキシン汚染の推移
調理後のアフラトキシン残存率
アフラトキシン摂取のリスクを軽減させるために

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